GWも終わり、次に気になるのは夏休みのプランですね。夏と言えば、北の大地、北海道を目指す方も多いのではないでしょうか?毎年、必ず行くという方や、念願叶って今年初めて行くという方もいるでしょう。そこで、ベテランの方なら納得、初めての方は知っておきたい事8つをご紹介したいと思います。
あくまでも私個人の経験からなので、これもあるよとか、それは違うよというご意見もあるかと思いますが、その時の環境や状況によって変わってくることもあるので、これを機会に色々な意見が出る事にも期待しています。
北海道の異次元的距離感に注意!
北海道は、普通の県なら15県位は入ってしまう大きさです。同じ道内だからと安易に考えると痛い目にあいます。例えば、函館に上陸して、札幌には簡単に行けそうですが、その実は、トンでもなく遠く、思いの外、時間がかかってしまいます。
また、札幌から最北端を目指そう!と意気揚々、出発したものの、行けども、行けども、着かない!これでもかっ!と走ってもまだ、こんな位置かよ!なんてことも。この内地では考えられない異次元的な距離感を間違えると、疲労と焦りを生み、安全なくるま旅が出来なくなる可能性があります。
予定時刻に着かずに辺りは真っ暗な中、初めてで不慣れな道を彷徨う・・なんて事は避けたいですね。今では、ナビで、出発地と目的地を入力すると、その距離と時間が一発で出るので、必ず事前にナビで確認して無理のないくるま旅をして頂きたいものです。
北海道の天気対応力!
昔は「北海道には梅雨がない」と言われていて、事実、気象庁が毎年発表している梅雨入り・梅雨明けも、北海道は対象外になっていますが、今や温暖化の影響か?北海道の天候も以前とは変わってきて、雨が多くなって「蝦夷梅雨」なんて言葉もあります。
北海道は広く、そのエリアによって、お天気もまちまちなので、常に天気の良い所を求めて「お天気ジプシー」を目指す事もできます。今は、インターネットで各地の天気予報も簡単に入手できるので、お日様と青空を求めて、一筆書きの様に北の大地を巡りましょう!
ここが、予約すると雨でも行かなければいけない宿泊とは違う、くるま旅ならではの特権とも言えます。
北海道給油のあるある
北海道で気をつけないといけないのが給油です。エリアによっては、ガススタンドを探すのが大変な事があります。標準的なキャブコンの燃費が約8km/ℓとすると、燃料タンクが80ℓ位なら約640キロ走れる事になります。
が、これが北海道では、走る距離が長いので、みるみるうちに減ってきます。内地ですと、警告サインが点滅してからでも、直ぐに近くのガススタンドで給油できますが、燃料の残量が心もとなくなっている時に限ってガススタンドがない!という事があります。あったとしても、休業中(土日でもお休みのところも!)なんてことも。
そこで「燃料計が半分になったら給油せよ!」という鬼の掟が必要になります!クマちゃん部落があるような山奥、それも、スマホ圏外でガス欠にでもなったりしたら、それは恐怖以外のなにものでもありません。給油したら、その先に、安いガススタンドがあった!なんてこともありますが、ガス欠よりはマシです。思い立ったが給油です。
北海道の動植物との付き合い方
大自然の王国、北の大地ですから、内地では考えられないような動植物と出逢いがあります。最近、被害報告のあるクマちゃんは勿論、可愛い幼獣もすぐ近くに親がいる事もあり危険です。またキタキツネには、エキノコックスという寄生虫による病気の恐れがあります。
過去には、突然、現れたキタキツネを撮影する為に、ちょっとのつもりで車を停めた事による事故なども発生しています。触ったり、安易にエサなどは与えないようにして下さい。この他にもスズメバチにマムシ、ダニなどにも気をつける必要があります。
さらには、昨今のアウトドアブームや自然食嗜好で、山菜取りを楽しむ事もありますが、北の大地では、エゾヨモギとトリカブト、ギョウジャニンニクとイヌサフランなど、パッと見そっくりでも、食べると天国と地獄の差ほどある植物があります。実際に亡くなった方もいるので、要注意です。
北海道で特に気をつけたいマナー
大自然の中だと気持ちも、でっかいど~と大きくなり、ちょっと写真を撮るだけだからと本来ならば立ち入ってはいけないところに入り込んだり、車を駐車させたりと傍若無人な振る舞いになりがちです。
美瑛町の人気観光スポット「哲学の木」が、地主さんに伐採されたのも、「観光客が勝手に農地に入り込んで写真を撮っていくから」というのが理由でした。入り込んだ人の靴についた雑菌が農地にばらまかれて、農作物に甚大な被害をもたらす事もあります。
「旅の恥はかきすて」気分で、身元が知られないからと好き勝手するのはもっての外です。気分がのびのびとする大自然、目を見張るほどの景観に、「つい・・」とやってしまいそうですが、そこはマナーを守って楽しみましょう。
それから、北海道の道の駅やSA/PAにはゴミ箱がありません。これは野生動物対策とも言われていますが、だからといって、ゴミのポイ捨てはご法度です。社会実験として試行されていた「エコ捨て運動」は現在、終了して各施設による個別の取組に移行していますので、事前に問い合わせるか、RVパークを利用した際に引き取って貰うようにしましょう。
北海道ならではのグルメ
北海道は食の宝庫です!どこに行っても新鮮な食材に恵まれていますが、事前情報無しでは思わず見逃すという事が多々あります。通り過ぎてから、または帰ってきてから、知人から「実はあそこには○○××があったのに残念ね」とか知らされた時の悔しさといったら、後悔してもしきれません。
そうならない為にも、事前に調べてクチコミなども吟味して、「グルメマップ」を作成する位の準備が必要です。その一方で、まさか!?の望外グルメに出逢った時は、年末ジャンボに当たった位の喜びとなりますし、友人知人に自慢できるネタにもなります。理想的には、用意周到に準備して、それでも予想外のグルメに出逢うハイブリット型が最高ですね。
北海道の交通事情
北海道は広大な大地に、定規で引いたような道があります。ナビでも、ずっと真っすぐな道が表示されるので一瞬、壊れたか?と思ってしまうほど。たまに「カーブ注意!」の標識があっても、「えっ、どこが急カーブなの?」と思ってしまう道もあります。
そして、信号も少ないので、思わずアクセルを踏む力も入って気が付くと、スピードメーターがとんでもない速度を示している事もあります。地元の方は、馴れたもので、びゅ~んと飛ばしていて、メタボなキャンピングカーなんぞ、一瞬で追い越されます。
それにつられてスピードアップすると、たまにスピード違反の取り締まりをやっている事もあるので注意です。スピードが出ていると、急な野生動物の飛び出しにも対応できません。
破格サイズの北の大地ですが、スピード無制限ではないので、ご注意を!また、良くも悪くも大自然の宝庫なので未舗装のところも多く、降雨後のスタックや、枝が生い茂る道などでは、高さ方向への注意も必要です。
北海道だからの車中泊
素晴らしいロケーションで、丁度、キャンピングカーが停められる場所があるからと、そこで車中泊してしまう気持ちは分かりますが、その土地には必ず持ち主か管理者がいます。勝手に車中泊は避けるべきで、ましてや、そこを汚したり、焚き火でボヤ寸前なんて行為はもっての外です。
たまに見かける目に余るバッドマナーは、道の駅やSA/PAでのキャンプ行為です。疲労による事故防止で「仮眠・休息」の為の車中泊は仕方がないとして、明らかにキャンプ、それも火を使った行為は消防法にも抵触します。
とある道の駅では、約一ヶ月の滞在!しかも多目的トイレのオストメイトで樺太マスをさばく!?などの信じられないような悪行もありました。また、食べ物の片付けを怠って、自らクマちゃんをご招待してしまうなんて話も。
今は、北海道にも、RVパークがどんどん増え、今では30箇所弱、開設されています。その理由としては、道の駅のバッドマナーが原因で車中泊が禁止になったり、今まで無料だったキャンプ場も、バッドマナー対策などで有料化になるところが増えたりとか諸説ありますが、やはり堂々と、安全・安心・快適な車中泊するところを選ぶのが賢明の様です。
ナビをフル活用して、その距離感を掴み、目的となる観光地やグルメも鑑みて、車中泊場所、それも出来れば温泉のあるところを探して、可能ならば、RVパークなどの、誰にも後ろ指さされない場所での車中泊をおススメします。
北海道くるま旅で知っておきたいこと8つは如何だったでしょうか?あまり注意事項にがんじがらめに縛られるのも、キャンピングカーならではの「自由気ままなくるま旅」に反しますが、知っていると、更に安全・安心・快適にくるま旅が楽しめると考えて、北の大地を走破して頂きたいと思います。事故や危険な思いをしなければ、一生の思い出になる宝物体験ができると思います。