
キャンピングトレーラーはエンジンなどが載っていないので、室内のレイアウトを自由に設計できたり、ドライブトレインの故障に悩まされることもありません。
また、キャビンと駆動系となるクルマが分離しているので、自分の好きなクルマに乗れることも、クルマ好きに人にとっては好条件といえるでしょう。
お気に入りのSUVに乗りたいし、キャンピングカーのライフスタイルを手に入れたいと思った時、その2つをキャンピングトレーラーが解決してくれるのです。
そんなキャンピングトレーラーは、海外では人気の高い車種。キャンプ場にはたくさんのキャンピングトレーラーが並んでいます。長期滞在のオーナーも多く、ちょっとした別荘のような使い方も目立ちます。

そして、長期滞在の肝となるのが、ライフラインの確保。海外のキャンプ場では電気・水道・下水の環境が整っている場所が多く、特に電気を接続できるのは常識ともなっています。
ということは、キャンピングトレーラーの設備も、この恵まれた環境に合わせた作りが多くなってきます。でも、国内には電気すら取れない場所も多く、使い方が制限されることも。
そこで、キャンピングトレーラーの電気について、新しい提案をしてくれたのが、インディアナ・RVです。長年、キャンピングトレーラーを扱ってきた先駆者でもある同社が、快適な電気環境について、新しい取り組みを始めました。
目次
キャンピングトレーラーにバッテリーを搭載すると

キャンピングトレーラーを接続する時、ヘッド車と呼ばれるけん引車両と電気系統のケーブルを接続します。おもにブレーキランプなどを光らせたりする信号や電気を送っています。
そのケーブルの中にキャンピングトレーラー側に搭載されたバッテリーシステムへの供給が行われている線があります。
ヨーロッパなどでの利用方法からも分かるように、搭載されているバッテリーシステムは、目的地に到着するまでの簡易的な電源となるのです。
キャンプ場などについたら、外部電源を接続するから、わざわざキャンピングトレーラーに大きなバッテリーを搭載する必要もない、ということです。
でも、国内ではどこでも電源供給ができるとは限らないので、ある程度のサイズのバッテリーをキャンピングトレーラー側に搭載するのがセオリーでもありました。
しかし、ここで問題が
- 電気対策するためにバッテリーを大きくすると総重量が重くなる
- もともと簡易的な電気システムを想定しているので、パワフルな走行充電を設置するのは難しい
これまで、インディアナ・RVでは、このような問題をソーラーパネルの搭載、室内灯LED化などの省電力化でカバーしてきました。
近年のトレンドとしては、エアコンを取り付ける人も出てきたことから、バッテリーの電気容量を増やす傾向にありましたが、重量がネックでもありました。
キャンピングトレーラーは総重量750kg未満であれば、けん引免許が不要ということもあり、車両重量のアップは大きな問題でした。
そこで生まれたのが、停泊時であってもクルマ側から電気を取る方法です。
キャンピングトレーラーの救世主となったプラグインハイブリッド

プラグインハイブリッドの車両をキャンピングトレーラーのけん引車両として使えば、電気を心配することもありません。
小電力系統は走行充電でカバーできるバッテリーで、大きな出力が必要な電気はクルマに搭載されたAC100V出力の電源でカバーするのです。
これまでに三菱アウトランダーPHEVが、そのような使い方のメイン車両として認知されていましたが、ひとまわりコンパクトなエクリプスクロスPHEVが誕生したことで、運転のしやすさが向上。
多くの人にとって、プラグインハイブリッドをキャンピングトレーラーに使うという方法が、さらに身近になったといえるでしょう。

キャンピングトレーラーからケーブルを取り出し、プラグインハイブリッドのコンセントに接続すれば、家庭用エアコンも稼働できるのです。
しかも、難しい電気システムを組むことなく、キャンピングトレーラー側の重量を増やすこともありません。そんな使い方をジャパンキャンピングカーショーで紹介していたのがインディアナ・RVだったのです(トップ画像)。
ポータブル電源がキャンピングトレーラーのシステム全体をカバー

プラフインハイブリッドは魅力的ですが、けん引車両側をパワーアップするのではなく、キャンピングトレーラー側で解決できる方法も考えられないだろうか?
その答えが、ポータブル電源を利用することでした。ポータブル電源は災害対策にも利用できることから、利用者も増えてきています。キャンピングカーに乗らなくても、自宅で利用している人も多いはず。
各社からたくさんのモデルが出てきて、その技術革新のスピードは早く、高性能モデルもたくさん販売されています。
そのポータブル電源を搭載したモデルをインディアナ・RVではVIP(Vエディション インディペンデント パワー)モデルとして、ラインアップに追加したのです。
Vエディションは国内利用に適した装備を取り入れたオリジナルコンプリートモデルで、その充実した装備にポータブル電源を追加したモデルとなります。
VIPがキャンピングトレーラーの新しい使い方を提案

新しくVIPモデルが設定されたのは、エメロード406・エメロード376・アルバ350。そして今回の取材車両はエメロード376。扱いやすいボディサイズでありながら、2段ベッドや2つのリビングスペースを確保しているなど、充実したレイアウトになっています。 。

これまでも人気だったモデルで、けん引免許が必要ない車両重量750kgという点もポイントです。
VIPでは、その人気モデルの基本設備以外に標準装備として
- カセットガス供給器セット
- 灯油式FFファンヒーター
- 一酸化炭素警報器
- フロアカーペット
- 調光式LED間接照明
- エアゾール式 消火具
- シューズホルダー
- セキュリティハンドル
- 収納式出入口ステップ
- WiFi無線式バックカメラ
- スペアタイヤカバー
- 1260Whポータブル電源
- 専用220Wソーラーパネル
がセットされました。

そして、室内の主な電気はポータブルバッテリーでカバーしています。搭載されたバッテリーはEFDELTAのハイスペックモデル。

エメロード376は設備が充実しているので、照明もたくさん装備されていますが、EFDELTAからの電気供給で十分に対応できます。

冷蔵庫は3WAYタイプが標準搭載されますが、走行時は走行充電システムから電源供給を受けて、停車時にはポータブル電源に切り替えることも可能です。

ポータブル電源はシステムとして組み込まれているので、室内のコンセントアウトレットにも接続されています。室内のいろいろな場所に配置されたコンセントからAC100Vを取り出せるのです。

ポータブル電源はリチウムイオンを採用したコンパクトなボディなので、シート下に収納することができました。このサイズで出力1600Wということなので、改めて電源システムを組む必要もありません。

ポータブル電源は簡単に取り外すことができ、持ち運びも簡単です。自宅に戻ってきたら、キャンピングトレーラーからおろして、自宅で充電することもできます。
また、キャンピングトレーラーはコンパクトなモデルでも、全長が乗用車より長くなるタイプが多いので、自宅以外に駐車場を借りている人も多く、サブバッテリーのメンテナンスに頭を悩ましていました。そんな、ユーザーもポータブル電源のおかげで、機動力が大幅にアップするのです。
走行充電をしっかり行いたいのであれば、けん引車両に持ち込んで、目的地までの行程で専用ケーブルを使って充電するというのもいいでしょう。

専用のソーラーパネルが2枚付いているので、連泊時にも電気残量を気にすることもありません。

ソーラーパネルはバッテリー電源に直接接続して、2枚同時に利用することもできます。高効率のパネルを採用しているので、ポータブル電源の充電スピードも十分。
1日外に出しておけば、電気は満タンになるので、夜間の電気も安心して供給されることになります。
キャンピングトレーラーの電源が防災対策にも効果を発揮

ポータブル電源を利用することで、電源システムをコンパクトにまとめることができました。重いバッテリーを搭載して、大きなインバーター、充電器などを組み込む必要がありません。
重量の増加も最小限に抑えられることから、けん引免許が必要ない750kg未満の車両重量を維持できるようにもなるのです。
また、ポータブル電源は持ち運びも可能です。災害時に緊急の電源と利用するのもいいでしょう。
持ち運び式ソーラーパネルも付いているので、災害で車両が動かせない状態であっても、効果的に電気を確保できるのは安心材料にもなります。
コンパクトにまとまり、独立した系統を維持できるポータブル電源はキャンピングトレーラーと相性がいいといえるのではないでしょうか。
エメロード376VIP(Vエディションインディペンデントパワー)諸元
- 税込価格
- 3,443,000円
- けん引免許
- 不要
- 就寝定員
- 4〜5名
- 車両重量
- 750kg
- サイズ
- 5,400×2,100×2,580mm
- 室内サイズ
- 3,700×1,950×1,950mm
フロントベッド寸法(リビング部分)1,900×1,400/1,350mm
リヤベッド寸法(2段ベッド)1,920×650・1,920×750mm