埼玉県に本社を構えるバンテックは、上質を極めたジャパニーズモーターホームジルシリーズ、アクティブ派に最適なコルドシリーズ、日産キャラバンのボディカットキャブコンアストラーレCC1など、さまざまなオリジナルモデルを製造・販売するキャンピングカーメーカーだ。
同社のキャブコンは、ユーザーの声をフィードバックしたマイナーチェンジで、時と共に熟成を重ねてきた。なかでもジルシリーズは、 “キャブコンの完成形”を追求し続ける旗艦モデル。今回は、最新のジル520を例にして、ユーザー目線の変更点を詳細に解説する。
目次
フラッグシップキャブコン・ジル520の概要
まずは、バンテックのジル520についておさらいしておこう。ジルシリーズは、リアエントランスで開放的なリビングを実現した「ジル」、優雅な旅を演出するリアダブルベッド仕様の「ジルノーブル」、ファミリーユースを意識した「ジル520」の3モデルで構成されている。ジル520のリアエンドには常設2段ベッドが装備されており、ダイネットを展開しなくても大人5名分の就寝スペースを確保可能。夫婦旅からファミリーユースまで、さまざまなライフスタイルに対応する汎用性の高さが魅力だ。
室内は、センターに対面ダイネット、その後方にキッチンとマルチルーム、最後部に常設2段ベッドを配したレイアウト。シートと家具の落ち着きあるカラーリングと、柔らかな間接照明を駆使した光と影のチューニングで、ワンランク上の上質な空間を作り出している。
キッチンカウンターには、分割ガラスカバー付きの2口コンロ&シンクをビルトイン。キッチン下には、大容量の85ℓ冷蔵庫も完備する。
バンクベッドは、容易に展開できるスライド式。ボードを手前に引き出してマットを載せれば、大人3名が就寝可能なビッグサイズのベッドになる。就寝前の時間も快適に過ごせるように、AC100VコンセントやLEDスポットライトも装備済みだ。
最大の特徴は、リアエンドにジルシリーズ唯一となる常設2段ベッドを完備していることだ。ベッド床には、跳ね上げ式を採用。上段を跳ね上げれば下段ベッドの就寝空間を拡張でき、下段を跳ね上げればベッド下の大型収納庫に室内からアクセスできる。
家庭用エアコンやFFヒーターが標準装備されているので、暑い夏から寒い冬まで1年を通して快適な旅を楽しめる。大容量リチウムイオンバッテリーシステム「イリス」も選択可能だ。
ジル520【2024モデル】の変更点
1.エントランスドアの変更
2024モデルでは、室内へのアプローチの要となるエントランスドアが変更されている。洗練された欧州モーターホーム風のデザインで、ノブの質感や開閉時のフィーリングも向上。ドア上部の縦型窓には遮光シェードがセットされ、下部にはゴミ箱や小物入れとして使える収納ボックスも完備。スライド式の網戸は、室内側に装着されている。
2.アクリル2重窓の変更
パッと見ではわかりにくいが、アクリル2重窓もニュータイプに変更されている。シャープなデザインとブラックアウトされたフレームで、スタイリッシュなイメージを強調。以前の窓よりスモークを濃くすることで、室内のプライベート感も向上している。
3.バゲッジドアロックの変更
バゲッジドアのロック機構も刷新され、使い勝手が大きく向上した。鍵を開けるとノブが飛び出す仕組みとなっており、ノブを回すことで簡単にドアロックを解除できる。以前の仕様ではドアを開閉するたびに鍵が必要だったが、新採用のロック機構は鍵を使わずにドアの開閉ができるので、キャンプ場などで頻繁にドアを開け閉めする際に便利。完全にロックしたいときは、ノブを押し込むだけでOKだ。
4.ストライプカラーの変更
ボディサイドを彩るストライプは、ブラックと新色のダークグリーンに刷新。エレガントな雰囲気とキャブコンならではの存在感を、さりげなく両立している。
5.リアカメラの追加
以前から後方確認用のワイドビューカメラは装備されていたが、2024モデルではバンパーの中央にリアカメラが追加された。カメラの映像は、バックギアに連動して純正デジタルインナーミラーに映し出す仕組み。バックする際にバンパー後方の位置関係が把握しやすくなり、既存のワイドビューリアカメラとの組み合わせで安心感がさらに向上する。
6.ラップルの標準化
インテリアの大きな変更点は、ジルシリーズ全モデルにラップ式トイレ(ラップル)が標準化されたこと! 先代モデルまで採用されていたカセットトイレは、水がないと使用できず後処理の手間もあったが、新採用のラップ式トイレは水を使わずに排泄物をラップ(個包装)して、可燃ごみとして処理することができる。臭いの心配や処理の手間がないため、防災アイテムとしても有用性が高い。
バンテック神奈川店が1周年記念キャンペーンを実施
今回のジル520の取材は、バンテック神奈川にご協力いただいた。神奈川県相模原市にあるバンテック神奈川は、直営店のなかで最大の敷地面積を誇り、ジルシリーズやコルドシリーズなどのバンテック製キャンピングカーがほぼフルラインナップで展示されている。国道16号線沿いなのでアクセスしやすく、広い駐車場が完備されているので大型キャンピングカーでの訪問も安心だ。
広大な展示場内にあるショールームは、明るく開放的な雰囲気。大きな窓で展示車両を眺めながら、落ち着いて話ができる環境だ。スタッフの皆さんも笑顔で対応してくれるので、キャンピングカー専門店だからと構えることなく気軽に立ち寄れる。
「16号線沿いの大型展示場ということもあり、初めて訪れた人に『キャンピングカーに興味を持ってもらえる』『キャンピングカーを好きになってもらえる』ような場所でありたいと思っています。キャンピングカー専門店というと敷居が高いイメージがありますが、初めての人でも気軽に入れて、ゆっくりとクルマを見てもらえるような雰囲気づくりを心がけています。キャンピングカーに興味を持ったら、コーヒーを飲みに来るような感覚で気軽に遊びに来ていただきたいです」(バンテック神奈川 古澤店長)
バンテック神奈川は、今年の7月でオープン1周年を迎える。まだ内容は決まっていないが、1周年を記念してキャンペーンを行う予定とのこと。キャンペーンの詳細は、決まり次第バンテックの公式ホームページにて告知される。キャンピングカーに興味がある人は、これをきっかけにお店に足を運んでみてはいかがだろうか?
取材協力 VANTECH