キャンピングカーは快適性を追求して、さまざまな設備が装備されるようになりました。キャブコンであれば、エアコン、電子レンジなどを標準装備するモデルも多く、その消費電力に対応するためのバッテリーシステムも強化されているのがトレンドになっています。
いろいろな設備が標準装備されていることで、ユーザーは装備を選ぶ必要もありません。パッケージ化されたキャンピングカーを購入すれば、すぐに快適な環境を手に入れられるのです。
でも、なかには自分で装備をセレクトしたい人もいるはず。そんなユーザーの声に応えるように、VANTECHから新しいシリーズが誕生しました。
それが、コルドリーブスSとコルドバンクスSの2台です。この2つのSシリーズ。どのようなキャンピングカーなのか、詳しく見ていきましょう。
キャンピングカー装備をカスタマイズすることで価格をセーブ
Sシリーズはこれまで標準装備されていたキャンピングカー装備の一部がオプション扱いになっていました。装備を少なくすることで、コルドリーブスSの価格帯が780万円〜に。
これまでの装備が充実したモデルと比べると、約150万円安くなっているのが分かります。価格が抑えられたことで、憧れのモデルであっても、少し手が出しやすくなったかもしれません。
標準装備を減らしただけでなく、窓のパーツなど、一部仕様も変更されています。こちらのバンク用ウインドーもSシリーズに準備されたもの。ボディシェルやレイアウトは既存モデルと変わりません。
新型カムロードベースでありながら700万円台のキャブコンに
今回のSシリーズはコルドリーブスとコルドバンクスの2モデルに設定されました。価格は780万円から。バッテリーの12Vを100Vに変換してくれるインバーターなどもオプション設定になっています。自分で装備を選びたい人などにはピッタリです。
冷蔵庫は要らないけど、電子レンジは欲しいなど、自分が必要とする理想の装備を取り付けられるのが魅力です。
コルドリーブスはリアエントランス。リビングスペースには対面で座れるダイネットに、大きなベンチシートが設置されています。リアエントランスのおかげで、リビングスペースは広めです。
また、センターのドアがないので、両側に大きな窓を取り付けることができて、たくさんの光が差し込み、明るい室内になっています。
展示車両には家庭用エアコンが装備されていましたが、こちらもオプション設定。とはいえ、オプションとしてエアコンが取り付けられるだけの拡張性も秘めているのです。
キッチンやマルチルームはリア側にまとめられています。リビングエリアとキッチンが分離しているので、リビングエリアでくつろいでいる時でも、生活感が出てしまうシンクが視線に入ってくることもありません。
コルドリーブスの魅力の1つといえるのが、このリアエントランス部分のフロアです。防水タイプのパネルが広がっているので、濡れたままでも、マルチルームまでアプローチできるのが便利です。
このエリアで靴を脱いだり、お散歩帰りのワンちゃんの足を拭いてあげる場所としても利用できます。キッチンで床に水をこぼしても気になりません。
エントランスからリビングを抜けると、前方に大きなバンクスペースが広がっています。その下の右側にコーナーテーブルを設置。
バンクベッドのフロア部分は跳ね上げ式になっていて、左右に収納された状態。可動部分が小さいことで、操作しやすくなっています。シングルベッドとしても利用できるので、さっと仮眠を取るのにも便利に使えそうです。
左右のマットを下ろせば、ツインベッドとして、その間のフロアをリア側に引き出すことで、ダブルベッドとしても利用できます。
高品質なインテリアのキャンピングカー、コルドバンクスにも価格を抑えたモデルが登場
人気のコルドバンクスにもSタイプが設定されていました。こちらも、控え目の装備と窓などの一部仕様変更により車両価格が抑えられています。価格はコルドリーブスSと同じ780万円~。
展示されていたクルマはライトブラウンという仕様で、インテリアがブラン系で統一されていました。テーブルトップなどに採用されたストライプ柄がインテリアのアクセントになっています。
インテリア全体は落ち着いた雰囲気で、展示されていたコルドリーブスSとは少し違った印象を受けます。
リビングエリアには大きなテーブルが設置されていて、窓も左右に大きいタイプが採用されています。広く開放的なリビングスペースです。
レイアウトとしておもしろいのが、ドライバーズシート後ろに設置されたセカンドシート。よく見るとコの字になっていて、エントランス側にもパッセンジャーが座れるようになっています。また、ちょっとした仮眠にも利用できそうです。
コルドバンクスSの展示車両にもオプションの家庭用エアコンが設置されています。キャブコンに家庭用エアコンを希望するオーナーは多く、設置を想定したスペースが確保されているようです。
コルドバンクスSはリアが2段ベッド。スペースも広めに確保されていて、圧迫感も少なめです。ベッドマットを取り外すと、大きなラゲッジスペースとしても利用可能。壁には日本家屋の長押(なげし)が取り付けられていて、ハンガーなどがかけられるようになっています。
リア2段ベッドの下段は、後方にも窓がついていて開放的。上段のベッドマットを取り外して、開放感のあるシングルベッドとして利用するのもいいかもしれません。
手前には外からアクセスできる扉が取り付けられているので、長尺物をしまうのにも便利です。
リア2段ベッドのエリアはマットを外したり、外から荷物を詰め込んだり、とユーザーの使い方にあわせた、いろいろなアレンジができるのです。
バンクベッドはフロアを後方に引き出して、マットをセットするタイプ。ベッドエリアも広く、前方まで天井高がしっかりと確保されています。左右には小窓が取り付けられていて、採光も十分。快適に過ごせることでしょう。
今回、VANTECHが新しくラインアップに追加したのが、このコルドリーブスSとコルドバンクスSでした。
スペック表に書かれていた主な標準装備は
- 常設ベッド
- 清水タンク
- ルーフベンチレーター
- 排水タンク
- マルチルーム内ソケット
- 調理器具
のみでした。
今のトレンドからすると、少し寂しいような気もしますが、価格が抑えられたことが最大のメリットかもしれません。しかも、これまで通り、VANTECHのクオリティーをキープしながら、高品質なインテリア環境を提供しているのも驚きです。
約150万円の車両価格をセーブするためには、これまで、別セグメントのキャンピングカーを選ぶしか、選択肢がありませんでした。でも、このSシリーズが登場したことで、同じ品質のモデルを、価格を抑えながら選ぶことができるようになったことは大きな変化といえます。
バンコンなどでは装備を最小限に抑えたキャンパー仕様のキャンピングカーも注目されています。特にキャンピングカーのエントリーモデルとしても人気です。
キャブコンにも装備を抑えながら高品質を維持した、カジュアルなモデルがあってもよかったのかもしれません。それを実現してくれたのが、今回のSシリーズかもしれません。