ロビンソン771はレンタルキャンピングカーの会社ジャパンキャンピングカーレンタルセンター(キャンピングカー株式会社)がレンタル用に開発したクルマです。
早々2泊3日で試乗してみました。そこから見えたのはレンタルだけでなく、キャンピングカーのシェア利用という新しい使い方を予感させるものでした。
共同使用を目的に設計されたロビンソン771
レンタル会社の運用ノウハウから生まれたのがこのキャンピンカーです。
そのコンセプトは
- 装備がわかりやすく、使いやすい
- 内装の耐久性の強化
- 乗る人全員の快適性
そしてメンテナンス性が良く、掃除がしやすいこと。
車内に入ると広さを感じます。
ダイネットの上にあるBOXタイプの収納と後方のマルチルーム、これらがありません。そのため室内空間が広くなっています。
レンタルでハイエンドクラスに設定されるロビンソン771。同クラスではファンルーチェのセレンゲティやバンテックのコルドバンクスと同等の位置づけです。デザインセンスも良く、上級クラスに見合った作り込みがされています。
試乗と使い勝手は
ベース車両はハイエースロングワゴンを使っているので、運転席のインテリアやシートの座り心地はミニバンに匹敵します。
箱根の山道を走りましたが、2.7Lのガソリンエンジンとシーケンシャル6速ATの組み合わせはキャブコンをストレスなく走らせます。
車内で快適に過ごすことを求めた設計は、ダイネットのシートにも現れています。背面のクッションを厚くしたランバーサポートシートは、車酔いしにくいつくりで、移動中の疲労を軽減します。
割り切った設計がもたらす恩恵は後方の二段ベッドにも現れています。マルチルームを無くしたことで、後方ベッドの幅が広がり大人が寝返りを打って眠れる広さを確保しています。
今回このスペースで試眠(?)してみましたが、閉塞感もなく快適に眠れました。
771は7人乗車の7人就寝を表しています。どの場所で寝ても快適な睡眠がとれるようにしているのは、多くのお客さんが使うレンタル会社ならではの配慮です。
犠牲(?)にされたもの
車内で過ごす快適性を求めた結果、犠牲になったのはプライベート感です。
頭上の収納BOXは旅先で良く使う道具を入れておくのに便利です。マルチルームはトイレに使ったり、着替えを入れておいたり、多目的に使えます。これらが無いことで、個人でキャンピングカーを所有するプライベート感が薄くなっていると感じます。
しかし、共同で使うキャンピングカーと考えるなら、それは・・・
キャンピングカーのシェア利用とは
最近、一般乗用車が所有からシェアの時代に向かうと言われていますが、キャンピングカーはどのような方向に行くのでしょう。
ヨットやクルーザーのように仲間同士で持つ共同所有や、会社の福利厚生にキャンピングカーを購入するという需要が増えていきそうです。100V電源やテーブルを備えたキャンピングカーは純粋に仕事での利用にも威力を発揮し、これも共同利用になります。そのようなキャンピングカーのシェア利用は新しい需要を生みそうです。
レンタルを目的に作られたロビンソン771は共同使用のためのキャンピングカーとして、オーナーの使い勝手や所有する満足感から一歩距離を置いたクルマです。
キャンピングカーをシェアして使う需要が増えたとき、ロビンソン771のようなクルマは、実に使い勝手の良いキャンピングカーになりそうです。
ロビンソン771の試乗記はレンタルキャンピングカーネットを参考にして下さい。
ロビンソン771諸元
- ベース車両
- トヨタハイエース ロングワゴン
- エンジン
- 2.7Lガソリン
- 駆動方式
- 4WD(フルタイム)
- 車体寸法
- 全長4,990mm/全幅2,100mm/全高2,840mm
- 定員
- 乗車定員7名/就寝定員7名
- 運営
- キャンピングカー(株)/(株)ファインシード