リチウムイオンバッテリー搭載キャブコン レム レポーズ

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リチウムイオンバッテリーのパイオニアキャンパー鹿児島がついにキャブコン版をリリース

キャンピングカー用バッテリーとして、「リチウムイオン電池」にいち早く着目し、その実用化に踏み切ったという意味で、九州・鹿児島のキャンピングカービルダー「キャンパー鹿児島」の功績は大きい。

同社が、バッテリー開発のプロである株式会社ベネテックスとともに開発したリチウムイオンバッテリー「KULOS(クロス)」は、発電容量がケタはずれに大きく、従来の鉛バッテリーの7倍~10倍の寿命を保ち、しかも重量が軽い。
このバッテリーで車内のエアコンを駆動させたとき、8時間から13時間程度の連続運転できるようになっている。

ついに実現! アイドリング充電が可能なリチウム電池

rem REPOSE(レム レポーズ)の内装
rem REPOSE(レム レポーズ)の内装

さらに、特筆できるのは、走行充電はもとより、アイドリング充電もできるようになっていることだ。
キャンピングカーにリチウムイオンバッテリーを搭載した場合、走行充電を可能にするには、システム上のさまざまな課題があり、その克服は並大抵の努力ではかなわないものとされた。
「クロス」も、初期モデルのバンコンでは走行充電を実現していない。
しかし、その次からは走行充電が可能となり、さらに、現行モデルの「クロス」ではそれが一層進化して、ついにアイドリング充電もできるようになった。

リチウムイオンバッテリーに関しては、一部の声として「発火・炎上」の可能性を訴えるものもある。
キャンパー鹿児島も、当然そういうリスクを意識している。
「しかし、弊社のバッテリーは、きわめて安全性が高いものです」と同社の川崎代表は胸を張る。

キャンパー鹿児島 川崎康一郎代表
キャンパー鹿児島 川崎康一郎代表

キャンパー鹿児島 川崎氏の説明によると、
「リチウム電池といっても、大きく分けるとコバルト酸リチウムと、リン酸鉄リチウムの二つがあります。
その一つのコバルト酸リチウムは金属と非金属の結合なので、高温時に酸素が離脱してしまう恐れがあるんです。そちらの方は、確かに離脱した酸素が発火・炎上を誘発しやすいというリスクも抱えています。
それに対し、リン酸鉄リチウム電池は、非金属と非金属の共有結合なので、酸素原子が離脱しにくいんです。そのため発火の可能性がほとんどない。
私たちのリチウム電池はリン酸鉄なので、安全性がきわめて高いといえます」

キャンパー鹿児島では、市販前から「クロス」を搭載したキャンピングカーの綿密なテストを繰り返してきた。
「その結果、きわめて安全性が高いことを立証するデータをそろえることができました。これなら安心してお客様にお薦めできます」と川崎氏は断言する。

クロス」が開発されたのは、4年半ぐらい前。キャンパー鹿児島のメイン商品がバンコンであったため、「クロス」も最初はバンコンに搭載された。
しかし、「クロス」の評判を聞きつけた全国のキャブコンユーザーから、「自分のキャブコンにクロスを載せたい」という要望が年を追うごとに増えていったという。
ただ、既存の他社メーカーのキャブコンにクロスを搭載するとなると、内装家具を含め、電装系をすべてリフォームしなければならなくなる。ユーザーにとってみれば、それだけでもかなりの出費となる。

「…であるならば、いっそのこと、わわわれが外装メーカーと協力して、最初からクロスを積み込んだキャブコンをつくり上げた方がお客様に負担をかけなくてすむのではないか …」
それが「レム レポーズ」を開発するきっかけとなったという。

ノーマルボディを超えるボディ補強

広いスライドドアを備えたrem REPOSE(レム レポーズ)
広いスライドドアを備えたrem REPOSE(レム レポーズ)

ベース車は200系ハイエース。
それをボディカットして、走行安定性をしっかり確保するというのがこの車の狙いの一つだった。
そこでキャンパー鹿児島が協力をお願いしたのが、キャブコン製作を得意とする同じ九州のビルダー「RVトラスト」であった。

モノコックボディを切断したボディカットキャンピングカーの場合、剛性不足を懸念する声も一部にはある。
「しかし、そこはまったく心配ありません」と、川崎代表は断言する。
「この車はRVトラストさんが得意とする『鋼製スペースフレーム』という鋼材でボディ補強しています。そのため、モノコック以上の剛性が確保され、走行安定性も極めて高いものとなっています」

鋼製スペースフレームの一例
鋼製スペースフレームの一例

同車の構造的な特徴は、エントランスドア。それがスライドドアになっているのだ。
ハイエースをベースにしたボディカットキャブコンとしては、他にファンルーチェの「セレンゲティ」、「パタゴニア」、「ウラル」、アネックスの「リバティNS」、セキソーボディの「トムバロン」、「トム200」などが有名だが、いずれもエントランスドアは、シェルの側面に人ひとりが通れる程度のドアが設けられているだけ。
しかし、「レム レポーズ」の場合は、エントランスドアがワンボックスカーと同じ開口部の広いスライドドアになっている。

「家のドアもそうなのですが、やはり間口の狭いエントランスよりも広いエントランスの方が確実に役に立ちます」と、川崎代表は説明する。
開口部を広く取れば、大きな荷物の出し入れや、大型犬の出入りも楽。狭い駐車スペースに止めたときも車外に簡単に出られるなど、数々のメリットが生まれる。

外形的な特徴で、もうひとつ付け加えるならば、サイドパネルにエクステンションBOXが設けられたこと。室内容積が上がったし、見た目の美しさも際立つようになった。

エクステンションBOX
エクステンションBOX

今の時代の流れを読み、合理的に設計された室内

横座りのゆったりしたソファー
横座りのゆったりしたソファー

室内レイアウトも、ユニーク。
横座りのゆったりしたソファーが広い開口部のエントランスに向き合うように設定され、天気の良い日に海などに向けてドアを開け放てば、ソファーに座ったまま、さんさんと降り注ぐ陽光と、海面のきらめきを堪能できるようになっている。
ソファーの斜め横はキッチン。
そして、その後方にはアッパーベッドが設定され、その下は大型収納。
就寝定員は、バンクベッドと合わせて4人。「就寝スペース」としてはカウントされていないロングソファーも、疲れたときにちょっと横になれる程度の仮眠スペースとして機能するだろう。

リチウムイオンバッテリー搭載で車内の空調は快適
リチウムイオンバッテリー搭載で車内の空調は快適

逆に、トイレなどは省略されている。
トイレは、道の駅や高速のSA・PA、さらにコンビニなどにも整備されているので、普通にキャンピングカーを使う人にとっては、使用頻度はそれほど多くない。その分、逆に就寝スペースと収納スペースは広く取られた。
このように見てくると、この「レム レポーズ」のレイアウトは、実に合理的に考え抜かれた設計になっていることが分かる。

「なにせ、クロスと車載用エアコンのセットだけで200万円かかりますので(笑)」と川崎代表は、この車の室内コンセプトを説明する。
その談話から、「あまり使わない装備を削ることによって、少しでも購入金額を抑えたい」というユーザー目線の配慮が伝わってくる。

キャンパー鹿児島の川崎代表によると、「クロス」をキャンピングカーに搭載する意味として、旅行を快適にするという目的以外に、防災向け車両としての役割があるという。
東日本大震災や熊本の大地震などに見舞われたとき、電気の供給が安定しているキャンピングカーが緊急時の避難場所としてしっかり機能することが実証されている。
「防災カー」としてのクロス搭載車を、今後はもっと広報していきたいと川崎代表は結んだ。

rem REPOSE(レム レポーズ)諸元

ベース車両
ハイエース ワゴンGL (ガソリン)/スーパーGL(ディーゼル)
定員
乗車定員:5名 / 就寝人数:4名
車両寸法
全長:5,475mm × 全幅:2,150mm × 全高:2,850mm
価格
12,744,000円(税込)~
WRITER PROFILE
町田厚成
町田厚成 (まちだ・あつなり)

1950年東京生まれ。 1976年よりトヨタ自動車広報誌『モーターエイジ』の編集者として活躍。自動車評論家の徳大寺有恒著 『ダンディートーク (Ⅰ・Ⅱ)』ほか各界著名人の著作の編集に携わる。 1993年『全国キャンプ場ガイド』の編集長に就任。1994年より『RV&キャンピングカーガイド(後のキャンピングカースーパーガイド)』の編集長を兼任。著書に『キャンピングカーをつくる30人の男たち』。現キャンピングカーライター。

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