古河電池の高性能鉛バッテリーの寿命がリチウムイオンバッテリーに迫る

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古河電池の高性能鉛バッテリーの寿命がリチウムイオンバッテリーに迫る

キャンピングカーでは大量の電気を使うようになりました。最近ではエアコンを装備したり、消費電力は増える一方です。

消費電力が増えたことで、電源となるサブバッテリー強化も注目されています。複数のバッテリーを搭載したり、バッテリー自体の性能向上も求められています。

バッテリーの性能を高める、といえばリチウムイオンバッテリーを思い浮かべる人も多いことでしょう。

でも、待ってくださいね。従来から使われていた鉛バッテリーの性能を高めるという方法もあるのです。

キャンピングカー用サブバッテリーとして、RVランドが扱っている、古河電池のFCR50-12はまさにその鉛バッテリーの進化系といえるバッテリーです。

鉛バッテリーの性能を引き上げる!?

古河電池の鉛バッテリーFCR-50-12

長年、いろいろな場所で利用されてきた鉛バッテリー。その内容物に鉛が使われていることから、そう呼ばれてきました。

鉛バッテリーの長所といえば信頼性です。過酷な状況下であっても、電気を送り出す安定した性能は、その長い歴史に証明されています。

さらに、注目されているリチウムイオンバッテリーと比べると、

  • 充電しやすい
  • 衝撃に強い
  • 安価である
  • リサイクル体制が構築されている

といったポイントもあげられます。

逆にウィークポイントは

  • 体積に対して重量がある
  • 充電サイクルが少ない

といったところです。

重量に関しては、鉛をつかっているので、鉛の量で重さが決まってしまいます。高い性能を発揮させるため、効率よく鉛成分を蜜にしていくと、どうしても重さが増えてしまいます。

充電サイクルの少なさも問題でした。ゆえにバッテリー交換の頻度も増え、安価といえども、トータルの長期ランニングコストは上昇する、ということも。

そこで、古河電池では、鉛バッテリーの長所を継承しながら、ウィークポイントを解消する、新しい鉛バッテリーFCR50-12を開発したのです。

リチウムイオンバッテリーの充電サイクルにせまる鉛バッテリーFCR50-12

古河電池が開発したFCR50-12は、従来の鉛バッテリーの5倍、約4000サイクルを実現しました。

従来のバッテリーを5回交換する費用を考えると、コスト的には圧倒的にFCR50-12の優位性を感じます。

交換頻度が少ないことからリチウムイオンバッテリーを選んでいた人にとっては、気になる存在といえるでしょう。

さらに、電気を取り出す効率の高さも注目です。それを証明するのが、RVランドで行ったFCR50-12と他社バッテリーの20A放電テストでした。

商品名 タイプ 容量表記 20A放電時間 理論上の数値
FCR50-12 50Ah 約2時間 2時間30分
A社 100Ah 約1時間50分 5時間
B社 95Ah 約3時間 4時間45分
C社 100Ah 約2時間30分 5時間
D社 105Ah 約2時間40分 5時間15分
E社 リチウムイオン 100Ah 約4時間30分 5時間
※理論上の数値:容量Ahを放電量20Ahで割った数値

テストの結果では上記の表の通り、FCR50-12は理論上の数値に近い放電量が確認できましたが、その他ではE社のリチウムイオンバッテリーを除いて、ほとんどが表記された容量通りのスペックを満たしていなかったようです。

古河電池だからできた高性能鉛バッテリー

古河電池のホームページ

上のテスト結果はちょっと驚きの数値でした。古河電池では出荷時に、すべてのバッテリーを一つ一つチェックする体制が整っていて、製造工程でも工場内の温度管理を徹底しているため、品質のばらつきが少ないといいます。

その結果が、上記のテスト結果につながっているのではないでしょうか。容量50Ahと控えめな表記ではありますが、しっかりと電気を取り出せるので、他社よりも信頼性が高いともいえます。複数台のバッテリーを組み込むときなど、高効率で機能してくれるのです。

そもそも古河電池は、長年、電池を専門に研究開発してきた企業で、その歴史は70年以上を誇ります。

主に産業用の電池を生産し続け、プロフェッショナルの要求に応えれられる性能が求められてきたことから、その製品に対する品質管理もしっかりとしているのです。

また、産業用の電池は、電池の用途ごとに分類されていて、各用途での性能を高める研究が続けられてきました。これが、古河電池の強みともいえます。

電池の用途とは、充放電を繰り返すサイクルユース、非常時のために電気を蓄えておくスタンバイユース、そして、この2つの用途の間を埋めるデュアルユースといったもの。

産業用電池では用途に合わせて、電池を使い分けてきましたが、このFCR50-12はサイクルユース、スタンバイユース、デュアルユースの3つの用途をカバーしたマルチなバッテリーとして誕生しました。

このトリプルユースに対応することで、さまざまな使い方をするキャンピングカーのサブバッテリーにもちょうどよく対応することができたということです

キャンピングカーのサブバッテリーシステム構造に適した鉛バッテリー

キャンピングカー用に使うFCR50-12

なぜ、トリプルユースのバッテリーがキャンピングカーに適しているのでしょうか? それは、人それぞれ、キャンピングカーの使い方が違う事に答えがあります。

キャンピングカーの利用頻度はさまざまなシチュエーションが考えられます。例えば、普段遣いしながら、週末にキャンピングカーとして利用する人がいたり、災害用の避難場所として利用するなど、前出の産業用電池の用途でいうところの、サイクルユースとスタンバイユースが混在している状態です。

このようなさまざまな利用方法があるので、トリプルユースのFCR50-12が適しているともいえるのです。

また、熱や衝撃に対しても、鉛バッテリーとして、これまでの実績があるので、既存のサブバッテリーシステムに組み込みやすいという特性もあります。

車内温度が上昇することを考えると、耐熱性の高い鉛バッテリーが有利といえます。夏場の停車時などにバッテリーシステム内の温度上昇を抑える装置が装備されていればいいのですが、なかなか自動的に温度を下げる機能が組み込まれているシステムも少ないのではないでしょうか。であれば、熱に強い鉛バッテリーを選ぶのが無難ともいえます。

キャンピングカーの直流エアコン

FCR50-12はスリムな筐体ですので、既存のバッテリーとの交換もしやすそうです。細身で収納しやすいので、トリプルバッテリーというシステムも組みやすくなります。

最近、よく見かけるDC12Vで稼働するクーラーなどであれば、容量50Ahのスペック通りの電気が取り出せるFCR50-12を使ったシステムであれば、十分な稼働時間を得られることでしょう。

サブバッテリーはリチウムイオンバッテリーに変わっていくと思っていた人は、もう一度、足を緩めて、鉛バッテリーの強みを確認してみてはどうでしょうか。

自分の使い方にあった、バッテリーを見極めることができるかもしれません。

古河電池FCR50-12 諸元

商品名
古河電池 制御弁式据置鉛蓄電池 FCR50-12
公称電圧
12V
定格容量
50Ah/10HR
外形寸法
幅128mm/長さ363mm/高さ220mm
質量
約22.5kg
販売価格
オープン価格
製造
古河電池株式会社
販売・お問合せ先
RVランド
住所
茨城県常総市大塚戸町1600-1
TEL
0297-27-6767
FCR50-12のホームページはこちら(RVランド)
WRITER PROFILE
渡辺圭史
渡辺圭史(わたなべ・けいし)

1971年東京生まれ。アウトドア好きな編集者、そして、算数が好きだったライター。アウトドア用品メーカー、出版社を経て、キャンピングカー専門誌編集長に。現在はフリーとして、いろいろなメディアにて執筆中。アウトドアをキーワードに、より楽しいライフスタイルを求めてゆるりと奮闘中。最近気になっているワードは、旅、ミニマリスト、車中泊。趣味はコンパクトな旅とモノづくり。

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