最近ではキャンピングカーをビジネスで利用する人もいると言います。時間を選ばない、場所を気にしない。常に話し合える、制作できる。交通手段の混雑状況を気にしなくてよい。宿不足を気にしなくてよい。確かにそんな効果が期待できるキャンピングカー、最高のビジネスツールといえるかもしれませんね。
そこまでとはいかなくても、先日私が九州までドライブをして、その道中で感じた、書斎としての価値。移動オフィスというよりはもう少しパーソナルな価値についてまとめてみようと思います。
どこまで走るかという自由
当たり前のことですが、キャンピングカーはクルマでもあるのです。A地点からB地点までの旅程、フィックスして出発しなければならないと思っていませんか?そんなこと必要ないのです、キャンピングカーなら。月がきれいだから今日はここで夜を明かそうか。とか。カモメがのんびり飛んでいるから画でも書こうか、とか。近くに友達がいるから、目論見よりも逆に少し足を延ばして。そんなことも可能なのです。でも、それができるのも、キャンピングカーだから、なのです。寝ることができて、クルマを道端に停め、ゆっくりととどまるひと時を持てること。意のままに動ける、そんなアクティブな自分の居場=書斎でありつつ、それはとりもなおさず、極めて静的なクルマということもできるかもしれません。今までにないクルマの愉しみがここにあるのです。
好きな借景を求めて移動する
ふと目を移すと風光明媚、もし、自分の書斎がそんな場所に合ったら、ちょっとアガリますよね、気持ち的に。しかし、そうそういいロケーションに書斎だけ、とはいかないでしょう。けれどもキャンピングカーはそんなことも可能なのです。なぜなら不動産ではなく、自ら動く車、すなわち自動車だからです。嫌ならよそに移動すればよいし、行ってみたいところ、好きなところに行くことができるのですから。好きな本を持っていきますか。最近見つけたお店でとっておきのコーヒー豆を見つけたので、そんなのとミルやら、一式道具を積んで、「一杯のコーヒーを飲みに出かける」そんなのも一興ではないでしょうか。
明日は満月、マイグラスを冷やしながら
家だとマイグラスを冷蔵庫で冷やすというのも、なかなか家族の手前難しいということもあるでしょう。キャンピングカー書斎なら、グラスなんかいくつも入れておいて、その時の気分で、なんてことだって可能なのです。そして夜な夜な暗い森の中の道を進む。その先に月が見えて、そんなので按配をみながら、明日は満月か。あの岬まで行ってみるか。などということも可能です。ゆっくりと椅子に腰を下ろしながら、一人で晩酌。そんなのもいいのではないでしょうか。気の利いた一句でも浮かんだら是非そんなのもしたためておく。そのあとはそのまま夢の中に。キャンピングカーはあなたを詩人にでもするかもしれませんね。
もちろんどこででも本を読む、ものを書く。この時代ですから仕事だってこなせるでしょう。しかし、そんな立ち止まることのできない多忙なスケジュールをサポートするという意味ではなく、一人の人間として、スゥっと深呼吸して、新たなスタートを切ることができる余裕。キャンピングカーがもたらしてくれるのはそんなことなのかもしれません。多忙と隣り合わせの至福のひと時、かけがえのない休息。キャンピングカーがあれば、忙殺さえも打ちのめすことができるのかもしれませんよね。次の時代も、否、いつの時代でも、自分を保てる場所。そんなスペースを持つクルマ、キャンピングカーはますます注目され、様々な使われ方をするのかもしれませんね。