キャンピングカーライターが本音で語る「キャンピングカーの魅力」とは!?

キャンピングカー活用法
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「キャンピングカーの魅力」「クルマ選びのポイント」「家族の旅を長く続けるには」など、キャンピングカー初心者が知りたいことはたくさんある。それを知るには、実際に使っている人の声を聞くのが一番。そこで今回、「キャンピングカースタイル」で原稿を執筆中のキャンピングカーライター町田厚成氏と岩田一成氏に対談形式で話を伺うことにした。

町田氏と岩田氏は、キャンピングカーライターであると同時に、自らが長年キャンピングカーを活用してきたヘビーユーザー。日々の取材で蓄積したキャンピングカーの知識に加え、実際の体験でしか得られないノウハウも豊富に持っている。

キャンピングカーの素晴らしさやその魅力とは、一体何なのか。
キャンピングカー専門家として多方面で活躍する2人が、自身のキャンピングカーライフを本音で語る。

ズバリ! キャンピングカーの魅力とは?

対談はハイマー「ML-T570」車内で
対談はハイマー「ML-T570」車内で

――お二人は普段キャンピングカーをどのように活用していますか?

【町田】「旅に行きたい」と思ったとき、普通だったら電車やクルマで移動してホテルに泊まるわけですけど、我々は「旅に行く」イコール「キャンピングカー」。キャンピングカーで移動も宿泊もできるので、「今回は東北の温泉かな」とか行き先をぼんやりと決めて、とりあえず家を出てしまえば何とかなる。
「こんな感じにすればどういう旅になる」といった経験の蓄積がありますから、まず失敗することはないですね。ここ2~3年は頻度的には少なくなりましたが、夫婦でキャンプもするし、RVパークなどを利用してクルマ旅も楽しんでいます。

【岩田】僕はすべてのベースにキャンピングカーがある感じですね。家族でキャンプや旅をするのがメインですが、キャンピングカーを仕事にも使うし、登山やクライミング、カヤックなどアウトドアのベース基地としても使います。
普段の足でもあり、遊びの基地でもあり、移動別荘でもあり、時にはオフィスやビジネスホテルの代わりでもある。キャンピングカーで寝泊まりした回数は、すでに800泊を超えていますから、ここまでくるとキャンピングカー好きというレベルではなく、もはや「生活の一部」ですね。

キャンピングカライター 町田厚成氏
キャンピングカライター 町田厚成氏

――キャンピングカーの最大の魅力はどんなところですか?

【町田】ベッドに横たわって窓から雲を見たりしながら、何もしないでボーッとキャンピングカーの車内で過ごす。それって、「キャンピングカーの中にしか流れてない時間」だと思うんです。
例えば、夫婦で目的地を決めて出発する。訪れた先で立ち寄り温泉に浸かって、駐車場に止めたキャンピングカーの車内で窓の外の雲を眺めながら、うとうとしたり、ぼんやりしたり、ただそれだけ。その時に流れている何とも言えない豊かな時間、それをうまく捕まえた時に「キャンピングカーっていいな」と心から思いますね。

【岩田】それは経験した人じゃないとわからない感覚ですね。たぶん経験してない人にとっては、「ただクルマの中で寝るだけじゃん」で終わっちゃう。何とも言えない空気感というか、独特な時間の流れ方というか、それがキャンピングカーにはあるんですよね。

【町田】それって、どんなに言葉をうまく使う文学者でも表現できない時間の流れ方ですよね。言葉では説明のしようがないけど、あれこそが最高の贅沢だと思います。

【岩田】僕は子供たちとキャンピングカーをフル活用している「子育て現役」なので、やっぱり「家族と一緒に過ごす時間を充実させられる」ことが、キャンピングカーの一番の魅力ですね。自営業なので休みも不規則だし、思い立ったら出かけられるキャンピングカーのメリットは大きいです。
ライフワークにしている長期の北海道キャンプ旅も昨年で12年を迎え、家族と北海道を旅した累積は200泊を超えました。自分の理想通りのライフスタイルを実現できているのは、キャンピングカーがあるからこそ。常に「家族と過ごすかけがえのない時間」を与えてくれるキャンピングカーは、我が家にとって欠かせないツールですね。

キャンピングカーライター 岩田一成氏
キャンピングカーライター 岩田一成氏

キャンピングカーライターのクルマ遍歴に迫る

――キャンピングカーを購入したキッカケについて教えてください。

【町田】1台目のキャンピングカーを買ったのは、24年くらい前にキャンピングカーの取材を始めてからですね。「この仕事でやっていくには、自分が持っていないとどうしようもない」と思ったのが購入のキッカケです。キャンピングカーを買うにしても、例えばどうやってローンを組むのかとか、そういう部分も大事ですよね。キャンピングカーの良さを伝えるには、知識だけではなく自分で買って経験することが必要だと思いました。

【岩田】ボクはもともとキャンピングカーとは真逆の世界で生きてきたんですよ。乗っていたのは、排気量7.2リッターのV8エンジンを搭載したアメ車の1970年型ダッジ・チャレンジャー。それを20代前半から12年乗り続けてきたので、クルマが名刺代わりというか、相棒というか。もはや自分の生きざまそのものと言ってもいい存在でした。
それが大きく変化したのは、やっぱり長女が生まれてからですね。長女が3歳の時にテントキャンプや登山を始めて、ミニバンにテントを積んで2週間くらい北海道のキャンプ場を巡りながら旅をして……。アウトドアや旅が中心のライフスタイルに変化する中で、「子供と一緒に過ごす時間を大切にしたい」という思いがどんどん強くなり、12年連れ添った大切なアメ車を売却してキャンピングカーを購入したんです。

岩田氏の愛車1970年型ダッジ・チャレンジャー
岩田氏の愛車1970年型ダッジ・チャレンジャー

――今までに乗り継いだキャンピングカーのお話を聞かせてください。

【町田】1994年にピックアップトラックのハイラックス4WDをベースしたグローバル社のギャラクシーというキャブコンを購入しました。選んだ理由は、ボンネット型のスタイルが好きだったから。家族を連れてプライベートでキャンプに行ったり、当時キャンプ場ガイドの取材をやっていたので仕事で全国のキャンプ場を回ったり。仕事でキャンプできるなんて、今思うと恵まれた環境でしたね。おかげで充実したキャンプライフを堪能しました。
2台目のキャンピングカーは、ヒュンダイシャーシを架装したバンテック社が製作したコマンダー。リアエントランスで、中央にダイネットとサイドソファ、リアにギャレーというレイアウトですが、サイドにエントランスがない分ソファが長い。そこに荷物を置いたり、寝っ転がったり、お客さんが座る場所にしたり。使い勝手が良くて、とても気に入っています。

町田氏 最初のキャンピングカー ギャラクシー
町田氏 最初のキャンピングカー ギャラクシー

【岩田】ボクが初めてのキャンピングカーを買ったのは、今から10年前。30代半ばの時でした。購入したのは、ハイエースのワイドロングにポップアップルーフ架装を施した、アムクラフト社のコンパス。東京でファーストカーとして使えるように、全高制限のある自走式立体駐車場に入庫できる全高2.1m以下のクルマが大前提でした。ベースがワイドロングで機動性も抜群だし、ポップアップルーフを閉めれば自走立駐にも入庫できるし、バンコンなのにベッドスペースが6人分もあるし。今でも素晴らしいクルマだと思いますよ。
ただ、このクルマ、実は2年半しか乗ってないんです。子供の成長と共に広いと思っていた車内を狭く感じるようになって、しかも子供はまだまだ大きくなる一方。だったら値段がつくうちに早く売ってもっと大きなクルマを購入しようと、ハイエースキャブコンのセレンゲティを購入しました。選んだ理由は、スタイルと走行性能。もともとキャブコンの走行性能に不安があったので、事前にセレンゲティを扱っていた名古屋のレンタカー店で1日クルマを借りて、走行性能や使い勝手を確認してから購入しました。

岩田氏最初のキャンピングカー コンパス
岩田氏最初のキャンピングカー コンパス

キャンピングカー選びのポイントは、「自分に合った1台」を探し出すこと

岩田氏2台目のキャンピングカー セレンゲティ
岩田氏2台目のキャンピングカー セレンゲティ

――お二人はキャンピングカー以外にクルマを所有しているんですか?

【町田】いや、クルマはキャンピングカー1台ですね。昔は普段使い用にコンパクトカーを所有していましたけど、現在乗っているコマンダーはコインパーキングに止められるので、ファーストカーとして使っています。コンパクトカーを手放してキャンピングカー1台になってからも、とくに大きな不便を感じることはないですね。

【岩田】ボクも、仕事から遊び、普段使いまでキャンピングカー1台です。逆にもう1台クルマを持っていたら、ラクしてそっちに乗ってしまうことが増えると思うんです。でも、それだとせっかく高いお金を出して買ったキャンピングカーを置き去りにしちゃうことになりますよね。だから、キャンピングカー1台ですべての用途にフル活用しています。
狭い場所に行くときは事前に駐車場を探したりとか、キャンピングカーをファーストカーにすることで多少の苦労はありますが、それでもこの10年ずっとキャンピングカー1台持ちで何とかやっています。

【町田】そういう意味でも、5mに収まるサイズって日本では大事だなと思いますね。全長5mまでのクルマならコンビニとかコインパーキングとかたいていの場所には止められますから。岩田さんのセレンゲティも全長5m未満ですよね。ボクが今乗っているコマンダーも5m未満。そこにはこだわりました。

町田氏2台目のキャンピングカー コマンダー
町田氏2台目のキャンピングカー コマンダー

――クルマを買い替えたいと思うことはありますか?

【町田】現在乗っているコマンダーをすごく気に入っているんですよ。レイアウト的にも使い勝手がいいし、ボンネットタイプのスタイルも好きだし。乗り始めて10年くらいになりますが、まだしばらくはなだめすかしながら乗っていくつもりです。少し困った点を挙げるとしたら、コンロがプロパンなのでガスの充填の問題だけですよね。まぁ卓上カセットコンロを使えばいいだけの話なんですが。

【岩田】ボクも今のクルマがすごく気に入っていて、レクサスの3コートパールでオールペンしたり、フェイス回りを高年式にスワップしたり、外装も自分流にかなり手を入れています。思い出も愛着もあるので、子供が巣立って夫婦2人で使うようになっても、架装部分のリフォームをしたり、足回りの消耗パーツを交換したりして、できるだけ長く乗っていきたいですね。

【町田】そういうクルマに出会えて、我々はすごく幸せだと思いますよ。自分の運命と巡り合ったみたいな。

【岩田】自分の乗っているキャンピングカーを卑下したり、ほかのクルマをうらやんだりする人もいますが、その感覚が全く分からないんです。自分に合ったクルマに出会えれば、それがナンバーワンでほかのクルマをうらやむことはない。豪華なクルマとか広いクルマを見て「スゴイな」とは思うけど、結局は「やっぱり自分のクルマが一番いいかな」って思える。大きさ、装備の豪華さ、価格がキャンピングカーの優劣を決めるポイントではなくて、自分に合った1台と出会えればそれが一番だと思います。

【町田】そう思えない人は、結局いいクルマに巡り合えていないということですよね。仕事で、バンコン、キャブコン、バスコンなど、いろいろなクルマの資料を見ながら記事を書いてきましたけど、自分の愛車に関してなら何も見なくても本1冊くらい書けますよ(笑)。それだけ自分のクルマに愛着があるということですよね。

家族と一緒にキャンピングカーの旅を長く楽しむコツ

北海道旅行を楽しむ岩田ファミリー
北海道旅行を楽しむ岩田ファミリー

――お二人のキャンピングカーライフは「家族」がキーワードになっていますが、家族の旅を長く続けるコツはありますか?

【町田】キャンピングカーを購入したとき、子供はすでに中学1年生でした。息子は中学でバレーボール部に入って、土日も練習や試合ばかり。息子と思いっきりキャンピングカーの旅を楽しめたのは、1年間くらいなんです。その点、岩田さんはお子さんが小さいときからキャンピングカーで旅を続けているので、うらやましいですね。

【岩田】我が家は、長女が4歳、長男が0歳の時からキャンピングカーをフル活用して子育てしてきました。この春から、長女が高校1年生、長男が小学校5年生になりますが、ずっと「家族で出かける」ということに強いこだわりを持ってきましたね。長女が中学で運動部に入ってから一緒に出かける機会は減りましたが、それでも家族全員で旅を続けるためにみんなで話し合いをして、どういう形であればそれが実現できるかを模索してきました。

【町田】お父さんとお母さんが連携を取り合って、子供のスケジュールを管理する。子供が中学生になって部活動を始めると、その連携がしっかりとれていないと出かけられないですから。どうやって家族とコミュニケーションをとるか、そこから始まるわけです。キャンピングカーが1台あることで家族のコミュニケーションの輪が広がるというか、家族のつながりが強くなりますよね。

【岩田】中学で部活を始めた娘を含む家族全員で旅を続けるのは、想像していたよりも大変でした。ボクは、「行けない言い訳をしだした時が、家族の旅が終わる時」だと思うんです。仕事だったり、子供の部活や受験だったり、行けない言い訳はいくらでも作れますから。あきらめてしまったらそこで終わりなので、家族会議を開いて「その時にできるスタイルを模索する」努力を続けてきました。

子どもさんが小さいときに活躍したコンパスの車内
子どもさんが小さいときに活躍したコンパスの車内

――岩田さんが模索してきた「その時にできるスタイル」というのは、具体的にどんな方法だったんでしょうか?

【岩田】例えば、長女が中2だった一昨年の夏休みは、部活で3日しか休みが取れなかったんです。普通だったら「じゃ来年だね」で終わりですけど、10年以上も家族で毎年北海道の旅を続けてきたので、どうしても中止にしたくなかった。そこで、長男と先に北海道に渡って1週間ほど男2人で旅を楽しみ、その後東京から飛行機で来たカミサンと娘とワンコと新千歳空港で合流。最後の3日間は家族でキャンプをして、全員で北海道の旅を締めくくるという「旅の2部制」を導入しました。
昨年の夏は、長女が中3の受験生で長期の旅は難しいかなと思いましたが、本人が自発的に「キャンプ場で時間を決めて勉強する」と言い出したので、みんなでそれをサポートしながら10日間ほど北海道を旅してきました。

【町田】2部制は面白いアイデアですね。息子さんと男同士で旅をしたことで、いつもとは違う経験もできたんじゃないですか。

【岩田】長男は当時小学3年生でしたが、子供はゲストではなく、れっきとしたチームの一員。自分で考えて、自分ができることをやる。それを徹底しました。目的地選びからキャンプ場でのサイトレイアウト、何を食べるかまで、すべて2人で相談して決める。小学生ながら自分にできることを探して、自ら行動する。そんな長男のたくましい姿を見ることができて、父親として誇らしく頼もしい思いでしたね。

【町田】本人も自信を持つんですよね。「親父を助けてやったぞ」みたいな。うちも息子が高校2年のときに、2人で北海道に行ったんです。キャンプ場ガイドの取材で北海道に行くから、日当付きで手伝えって(笑)。家では親子の会話はほとんどなかったですが、彼は中学時代に楽しい旅をしてきた経験があるから、ちゃんと付いてくるんですよね。
キャンピングカーの旅って、やることがいっぱいあるでしょ。ジェネレーターを使うにはこうだとか、プロパンを使うにはこのコックを開けて使うとか、地図を見てキャンピングカーで寝られる場所を調べるとか。そうしたことを息子にやらせながら、2週間くらい2人っきりで過ごしたんです。キャンピングカーの車内で生活しているとたっぷり話す時間はあるから、旅をすることであらためて親子の絆を確認することができました。

親子の特別な旅が出来るキャンピングカー
親子の特別な旅が出来るキャンピングカー

【岩田】そうやって家族のチーム感が強くなるんですよね。旅って楽しいことばかりじゃなくて、失敗もあるじゃないですか。楽しみ、喜び、驚き、時にはトラブルまでひっくるめて家族で共有する。うちの子供も幼い時から、そうしたキャンピングカーの旅を通じて育ってきました。家族で貴重な経験がたくさんできたのは、キャンピングカーのおかげですね。

【町田】子供が成長して付いてこなくなっても、夫婦には子供と旅をした時の記憶がありますよね。「バンクがお気に入りだったよね」とか「車内で一緒にお昼寝したね」とか、キャンピングカーの車内には、子供が小さいときの思い出がしみ込んでいますから。家族で楽しいキャンピングカー旅行をした記憶が、後々も夫婦の旅で会話のつまみになるんです。

【岩田】キャンピングカーライフには終わりがないですね。町田さんのお話を聞いて、子供が巣立った後の夫婦旅も楽しみになってきました(笑)。うちも、子供がいるうちは家族全員で、子供が巣立ったら夫婦で、孫ができたら孫連れで。その時その時にできるスタイルで、ずっとキャンピングカーライフを楽しんでいきたいと思います。

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ワイルドな4駆ハイマー「ML-T570」。2人のキャンピングカーライターが、その魅力を語る

WRITER PROFILE
町田厚成
町田厚成 (まちだ・あつなり)

1950年東京生まれ。 1976年よりトヨタ自動車広報誌『モーターエイジ』の編集者として活躍。自動車評論家の徳大寺有恒著 『ダンディートーク (Ⅰ・Ⅱ)』ほか各界著名人の著作の編集に携わる。 1993年『全国キャンプ場ガイド』の編集長に就任。1994年より『RV&キャンピングカーガイド(後のキャンピングカースーパーガイド)』の編集長を兼任。著書に『キャンピングカーをつくる30人の男たち』。現キャンピングカーライター。

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WRITER PROFILE
岩田一成
岩田一成(いわた・かずなり)

1971年東京生まれ。キャンピングカーライフ研究家/キャンピングカーフォトライター。日本大学芸術学部卒業後、8年の出版社勤務を経て、2003年に独立。ライター・エディターとして、自動車専門誌を中心に累計1000誌以上の雑誌・ムック製作に携わる。家族と行くキャンピングカーの旅をライフワークとしており、これまでに700泊以上のキャンプ・車中泊を経験。著書に『人生を10倍豊かにする 至福のキャンピングカー入門』がある。

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