キャンピングカーで行く北海道クルマ旅のポイントを教えます!

キャンピングカー活用法
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キャンピングカーユーザーにとって、北海道は特別なスポット。気軽に行ける場所ではないだけに「できるだけ充実した旅を実現したい」と考えるのは当然だが、キャンピングカーの旅では、旅行会社の観光ツアーや飛行機・鉄道・レンタカーを利用した旅とは違ったノウハウが求められる。

そこで今回は、キャンピングカーで10年以上に渡って北海道に通い続け、家族と共に北海道で200泊以上の旅を経験してきた筆者が、実体験から得た北海道旅のノウハウを伝授。初めてキャンピングカーで北海道に渡るユーザーがより充実した旅を実現するための、基本的なポイントについて解説する。

往復交通費が高いので長期滞在がお得

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前回の記事「北海道キャンピングカー旅に欠かせないフェリー選びの基礎知識」でも詳しく書いたとおり、キャンピングカーで北海道を旅するにはフェリーの乗船が必須。クルマと一緒にフェリーに乗船するということは、つまり、他の地域で旅をする場合と比べてフェリー代が余分にかかるということだ。

実際、北海道キャンピングカー旅の費用でもっとも大きな割合を占めるのが「自宅~北海道間の往復交通費」。これは、旅の日数とは関係なく必ずかかる費用なので、当然ながら日数が短ければ短いほど全費用のうち往復交通費が占める割合は大きくなる。

同じ交通費をかけて渡道するなら、北海道で長く過ごした方がお得。キャンピングカーで北海道を旅する際は、可能な限り旅の日数を長く確保するのがポイントだ。

1日の移動距離をできるだけ抑える

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「憧れの北海道を満喫したい」という思いから、初心者はあれもこれもと要素をプラスして強行スケジュールを練ってしまいがち。ここで冷静になって考えたいのが、北海道の広さについてだ。

例えば、函館港から札幌までの距離は一部高速区間を利用して300kmオーバー。苫小牧港から日本最北端の宗谷岬までは約400km、苫小牧港から知床半島のウトロまでは約470km。宗谷岬から襟裳岬までは約570km、宗谷岬から函館港までは約660kmの距離がある。

高速利用で東京~名古屋間が約320km、東京~大阪間が約480kmなので、比べてみるといかに北海道が広いかお分かりいただけるだろう。

広大な面積を持つ北海道の旅でハードな行程を組んでしまうと、1日のほとんどを移動時間に費やすことになり、観光地で写真だけ撮って即移動という慌ただしいスケジュールに陥りがち。せっかくキャンピングカーで北海道に渡っても、これでは格安バスツアーと何も変わらなくなってしまう。北海道の魅力を満喫したいなら、できるだけ1日の移動距離を抑えて訪問先の滞在時間にゆとりを持たせることが重要だ。

出発前に詳細なスケジュールを立てる

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ノープランで気ままな旅ができるのもキャンピングカーの魅力のひとつだが、限られた日数で北海道を回るなら、事前に詳細なスケジュールを立てておくのがポイントだ。

現地でいちいち目的地を検索していたのでは、時間がもったいない。とくに広大な北海道ではエリア間の移動距離が長いため、できる限り無駄な時間は省きたいところだ。

そのためには、出発前に「どのキャンプ場に泊まりたいのか」「どの観光地を訪れたいのか」「どこで何を食べたいのか」を調査・検討して、事前に詳細なスケジュールを作っておくのが重要。ベースとなるスケジュールがあれば、それを基に現地で臨機応変に予定を変更することもできるし、万が一トラブルがあった場合でも対処が容易になる。

事前調査と詳細なプランニングこそが、キャンピングカーで行く北海道の旅を充実させる秘訣。出発前にアレコレとプランを練っている時間も旅の楽しみのひとつと考えて、北海道キャンピングカー旅を思う存分満喫しよう。

キャンプ場を利用して大自然を肌で感じる

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せっかく北海道を旅しているのに、アスファルトの駐車場で寝泊まりをするなんてもったいない。観光客でごった返す定番観光スポットとはひと味違った「北海道の大自然」を味わいたいなら、キャンプ場を利用するのが一番だ。

道の駅などで仮眠して移動する旅と比べると贅沢な時間の使い方にはなるが、だからこそ「観光ツアー」では決して味わえない北海道の大自然を肌で感じることができる。

道内には、無料や格安のキャンプ場が数多く存在する。ロケーションも、海・山・川と好みに応じて選び放題。設備の整った高規格キャンプ場から、最低限の設備の中で大自然と触れ合えるワイルドなキャンプ場まで、さまざまなフィールドが各地に点在しているので、事前にキャンプ場のガイドブックやネットなどで情報を集めて、自分の好みやニーズに合ったキャンプ場をピックアップしておきたい。

1泊だけだとキャンプ場の魅力を味わう暇もないため、できれば1カ所のキャンプ場で2泊以上滞在するのがお勧め。最高のロケーションの中でキャンプをして、北海道の醍醐味をとことん堪能しよう。

北海道ならではの「自然体験」を積極的に取り入れる

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北海道は、まさに自然天国。キャンピングカーで行く北海道の旅を、単なる「観光ツアー」ではなく「思い出に残る旅」にするためには、北海道の大自然を味わえる「体験」を積極的に取り入れるのがポイントだ。

ロープウェイを利用してファミリーでもチャレンジできる大雪山旭岳・大雪山黒岳の登山をはじめ、知床半島や釧路湿原のトレッキングなど、北海道には自然の中で楽しめるアクティビティが目白押し。

登山・トレッキングのほかに、ニセコの尻別川・南富良野の空知川・日高の鵡川などの激流を下るラフティング、釧路川・十勝川などのリバーカヤックや屈斜路湖・支笏湖・洞爺湖・然別湖などのレイクカヌー、知床・網走の流氷ウォーク、日高のホーストレッキングなど、道内各地で手軽に自然を満喫できる体験ツアーが開催されている。アウトドア初心者は、そうしたガイド付きツアーを利用するのがお勧め。積極的に自然体験を取り入れれば、旅がより充実したものになる。

WRITER PROFILE
岩田一成
岩田一成(いわた・かずなり)

1971年東京生まれ。キャンピングカーライフ研究家/キャンピングカーフォトライター。日本大学芸術学部卒業後、8年の出版社勤務を経て、2003年に独立。ライター・エディターとして、自動車専門誌を中心に累計1000誌以上の雑誌・ムック製作に携わる。家族と行くキャンピングカーの旅をライフワークとしており、これまでに約1000泊以上のキャンプ・車中泊を経験。著書に『人生を10倍豊かにする 至福のキャンピングカー入門』がある。

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