気温40℃弱の酷暑で実践!キャンピングカーのエアコンの有用性と冷房効率アップのポイント

キャンピングカー活用法
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気温40℃弱の酷暑で実践!キャンピングカーのエアコンの有用性と冷房効率アップのポイント

いまや、エアコンは夏のキャンピングカーライフの必需品だ。ひと昔前までは、北海道や標高の高い場所に行けば夏場もクーラー不要で車中泊できたが、災害レベルの酷暑が続く昨今、エアコンなしで真夏に車中泊するのは危険!

筆者の3台目のキャンピングカー(ハイラックス トラキャン)も、昨年エアコンと大容量リチウムイオンバッテリーを導入した。エアコンを搭載したのが秋だったので、試験的に駐車場で車中泊をした程度だったが、いよいよ本格的な夏を迎えてエアコンを実戦投入する機会が訪れた。

今回は、酷暑下のエアコン性能をリアルにレポート! 家庭用エアコンのメリットや冷房効果を上げるコツも紹介するので、夏のキャンピングカーライフの参考にしてほしい。

炎天下のキャンプにはエアコンがマスト!

DOG DEPT GARDEN CAMP 安房白浜

7月某日、夫婦+愛犬でキャンプに行ってきた。当日は、最高気温36℃超えの猛暑日で、なかには気温が40℃近くまで上がった地域も……。そんな日に「キャンプに行こう」と思えるのは、エアコン装備のキャンピングカーがあればこそ!

訪れたのは、千葉県南房総市にあるドッグファーストの高規格キャンプリゾート「DOG DEPT GARDEN CAMP 安房白浜」。広々とした区画サイトは犬を放し飼いできるように柵で囲まれていて、サイト内には15AのAC電源、水場、ペット用シャワーも完備。真夏でも快適にキャンプを楽しめるよう、設備が整った高規格施設を選んだ。

しかし、強い日差しが照り付けるキャンプサイトは、想像を絶する暑さ……。キャンプ道具を設営する前に外部電源を接続し、エアコンをフル稼働。真夏のキャンプを安全・快適に楽しむために、「いつでも逃げ込める涼しい空間」を確保した。

家庭用エアコンのメリットとは?

エアコン

愛車には、家庭用ウィンドウエアコンが装備されている。セパレートタイプのルームエアコンを搭載したキャンピングカーも多いが、室外機を搭載するスペースがないトラキャンでは、家庭用ウィンドウエアコンかルーフエアコンが一般的だ。

吸排気

エアコン使用時は、背面の外部扉を開けてシェルの外で吸排気を行う。ウィンドウエアコンの冷房能力は、1.8kW(5~8畳用)。キャンピングカー用としては十分な性能だ。

外部電源

428Ahリチウムイオンバッテリーでも稼働できるが、真夏にエアコンを1日中使用する場合は外部電源を利用する。キャンプ場に設置されたAC電源は15A(1500W)で、大消費電力のウィンドウエアコンでも安心して使用可能だ。

サブバッテリーを介さずに外部電源をそのまま使用できるのが、家庭用エアコンの最大のメリット! 施設のAC電源を延長コードでそのまま使う感覚で、サブバッテリーの容量や充電量を気にすることなく、エアコンを長時間使用できる。

バッテリー

家庭用エアコン以外に、DC12Vの車載用クーラーも多くのキャンピングカーに採用されている。車載用DC12Vクーラーのメリットは、家庭用エアコンよりも消費電力が少ないこと。サブバッテリーで稼働する場合、家庭用エアコンはバッテリーのDC12VをAC100Vに変換する際に電力ロスが発生するので、DC12Vクーラーの方が断然有利となる。

ちなみに、車載用DC12Vクーラーでは、外部電源(AC100V)接続時も電気はサブバッテリーから供給する。つまり、外部電源でサブバッテリーを充電しながらクーラーを稼働するということ。大電流を使用しながらの充電はサブバッテリーの負担が大きく、エアコンの消費電力やバッテリーの容量によっては、充電が追い付かない可能性もあるのがデメリットだ。

酷暑下のエアコンの冷房性能は?

タープで涼む犬 シャワー後に扇風機に当たる犬

灼熱のキャンプサイトは、想像以上の暑さ……。サイト内のシャワーで愛犬の体を冷やしたり、タープの日陰で扇風機を当てたりしたものの、それでどうにかなるレベルの暑さではなく、「外で長時間過ごすのは危険」と判断。早々に、キャンピングカーの車内に逃げ込んだ。

車内の温度

温度計(上の数字が室内、下の数字が屋外)を見ると、外気温度が38.6℃なのに対して室内温度は26.9℃。クーラー稼働によって、外気より-11℃以上も室内温度が下がっていることがわかる。ちなみに、以前キャブコンで家庭用ポータブルエアコンを使用していた時は、外気温度から-5~6℃程度しか下がらなかった。酷暑の炎天下で-11℃以上も室内を冷やすことができれば、十分すぎる冷房能力と言えるだろう。

クーラーが効いた車内でくつろぐ犬

強い日差しが照り付ける日中の室内温度は26~27℃で、日が落ちた夕方以降は寒さを感じるほど。外部電源でクーラーを1日中稼働できるおかげで、酷暑の7月でも快適にキャンプを楽しむことができた。

冷房能力をアップする必須アイテム

車内のレイアウト

真夏のエアコン使用時は、サーキュレーター(小型扇風機)が必須アイテム! とくに我が家のトラキャンは、エアコンから出る冷気の一部が上部収納に遮られてしまうので、酷暑下にエアコン単体で室内全体を冷やすのは難しい……。サーキュレーターを使用しないと、エアコンから離れたバンクベッドに熱がこもって30℃以下にならない状況だった。

サーキュレーター

サーキュレーターを2台使用して、風量の大きい1台をバンクベッドに、もう1台をダイネットに向けて設置。サーキュレーターがエアコンの冷気を遠くまで運んでくれるので、熱がこもりがちなバンクベッドでも快適に就寝できる。

上部のエアコン

これは、他のキャンピングカーでも同様のことが言える。とくに、室内の側面にエアコンが装備されている場合、空間全体を冷やすにはサーキュレーターが必須だ。以前エントランス上部にエアコンを装備したキャブコンで夏に車中泊した際は、リア2段ベッドまで冷気が回らず蒸し暑い思いをした。サーキュレーターで冷気を隅々まで送り届けてやれば、このようなことはなかっただろう。

厳しい暑さが続く夏のキャンピングカーライフには、いまやエアコンが必須! 大容量サブバッテリーがなくてもエアコンさえ付いていれば、RVパークやオートキャンプ場のAC電源で長時間エアコンが使用できる。家庭用エアコン、車載用エアコン、ポータブルエアコンなど種類もさまざまなので、自分に合ったスタイルで涼しい夏を過ごそう。

WRITER PROFILE
岩田一成
岩田一成(いわた・かずなり)

1971年東京生まれ。キャンピングカーライフ研究家/キャンピングカーフォトライター。日本大学芸術学部卒業後、8年の出版社勤務を経て、2003年に独立。ライター・エディターとして、自動車専門誌を中心に累計1000誌以上の雑誌・ムック製作に携わる。家族と行くキャンピングカーの旅をライフワークとしており、これまでに約1000泊以上のキャンプ・車中泊を経験。著書に『人生を10倍豊かにする 至福のキャンピングカー入門』がある。

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