小さな子供がいるファミリーユーザーにとって、キャンピングカーは最強のツールだ。
子供と一緒に過ごせる時間は、親が思っているよりもずっと短い。子供の成長に伴って家族全員で遊びに行く回数は減り、子供が中学生になって部活動を始めた頃には家族旅行の機会は1年で数えるほどになってしまうだろう。その時になって「子供が小さい時にもっと一緒に遊んでおけばよかった」と後悔しても、時すでに遅し。過ぎ去った時間は、決して取り戻すことはできない。
そんな「子供と一緒に過ごせるかけがえのない時間」を充実させてくれるのが、「キャンピングカー」というツールだ。
目次
0歳児を連れて北海道の長期旅へ
筆者が1台目のキャンピングカー(ポップアップルーフ・バンコン)を購入したのも、「子供たちと過ごす時間をより豊かなものにしたい」という思いからだった。キャンピングカーの納車からわずか1週間後には、当時4歳の長女と0歳の長男を含む家族4人で北海道へと出発。乳幼児連れでありながら、18日間という長期のキャンプ旅を敢行した。
東京から青森まで720kmを自走して、愛車と共に青森港からフェリーに乗り北海道へ。道北・道東・道央のキャンプ場をめぐりながら、新鮮な海の幸を味わったり、北海道ならではの雄大な景色を堪能したり……。
キャンプ場では、0歳の長男は常に放牧状態。羊と一緒にハイハイをする息子の姿を見て、「長年キャンプ場をやっているけど、この光景は初めてです」とキャンプ場の管理人さんに驚かれたのもいい思い出だ。「観光」ではなく、乳幼児を連れて長期の「旅」をしているというワクワク感が常にあり、同じように旅をするライダーや日本一周の旅をしているチャリダーなど、各地で様々な旅人と交流しながら夢のような18日間を過ごした。
子連れ旅でのキャンピングカーのメリット
乳幼児連れで18日間という長期、しかも北海道という遠距離の旅を実現できたのは、キャンピングカーがあったからこそ。車内で家電が使用でき、電子レンジを使えば子供のミルクを用意するのも簡単。フラットなベッドでおむつ替えも快適にできる。
何より大きかったのは、布一枚のテントと違い「堅牢なボディに守られている」という安心感だ。息子はほとんど夜泣きをしない子供だったが、静かなキャンプ場を利用しながらの旅ではやはりそこが心配。その点、テントと違って防音効果の高いキャンピングカーなら、多少の夜泣きも問題ない。クルマが家そのものなので、万が一トラブルが発生してもすぐに移動できるという安心感もある。
キャンピングカーのこうした恩恵がなければ、乳幼児連れの長期北海道キャンプ旅は絶対に実現できなかっただろう。
コンパクトな居住空間が、家族の絆を深める
キャンピングカーの車内空間は、家と比較すると当然ながら格段に狭い。しかし、そのコンパクトな空間が、家族との絆を深める役割を果たしてくれる。
家にいるときは、それぞれの部屋で過ごす時間が多いファミリーでも、キャンピングカーでは車内で家族そろって過ごすのが当たり前。食事をするのも、テレビを観るのも、就寝するのも、すべてコンパクトな車内で行う。
狭い車内はデメリットと受け止められがちだが、コンパクトな空間だからこそ常に家族との距離が密接になり、自然と様々な会話が生まれ、そこで生活しながら旅をすることで家族の絆やチームワークは、より強固なものとなる。
思い立ったらすぐに出かけられる抜群の機動力
キャンピングカーがあると、家族との休日が一変する。
最大のメリットは、宿泊先を予約する必要がなく、思い立ったらいつでも気軽に出かけられることだ。例えば、突然仕事が休みになって何も予定を立てていなくても、とりあえず子供たちと一緒にキャンピングカーに乗って出かけてしまえばいい。寝床は確保されているので、目的地はガイドブックやネット情報を見ながら臨機応変に決めればOK。このフットワークの軽さが、キャンピングカーならではの大きな魅力だ。
キャンプはもちろん、登山や釣り、スキー&スノーボードのベース基地としてなど、キャンピングカーを活用すれば子供との遊びはより充実する。キャンピングカーの車内で食事をしたり就寝したりする非日常感は、子供たちにとって最高のスパイス。キャンピングカーでの前泊をプラスすれば、日帰りの公園遊びでさえも特別な思い出に変わる。
10年経った今でも続く、キャンピングカーの家族旅
キャンピングカーで初めての旅をした時に0歳だった長男は小学校4年生になり、4歳だった長女は中学校3年生になった。長女の部活動で家族そろって遊びに出かける機会は減ったが、我が家のキャンピングカーの旅は現在進行形で続いている。それもすべてキャンピングカーの利便性と機動力があればこそだ。
キャンピングカーが我が家にくれたもの。 それは、「家族と一緒に笑い合い、共に過ごすかけがえのない時間」。
「子供たちと一緒に過ごせる限られた時間を大切にしたい」。 そう願うすべての人にとって、キャンピングカーはこれ以上ないほど最高のツールになってくれることだろう。