キャンピングカーで行く 重機講習+クルマ旅オフ会

キャンピングカー活用法
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キャンピングカーで行く 重機講習+クルマ旅オフ会

これまでも一味違うイベントやツアーを提案しているキャンプジャパンと、2019年の台風19号から、被災地支援活動に全力で取り組んできた日本笑顔プロジェクトが、長野県小布施で、“車中泊でユンボの操縦ができるようになる”イベント「重機講習+車中泊オフ会」を実施しました。

これは、近年、日本各地で頻繁に起こる大規模な水害や災害で、ボランティア活動においても重機を使用した機動性の高い支援が多く見られるようになりましたが、その一方で、重機があっても、それを操縦できるオペレーター不足という問題に直面しました。そこで日本笑顔プロジェクトでは、災害復旧ボランティアで主に用いられる機体重量3トン未満の建設機械での整地・運搬・積込み及び掘削等、初期段階で必要とされる知識と技術を取得するために重機講習を実施して、オペレーターを育成、目標1,000名を目指しています。

しかし、二日間の講習の為に、地元の方以外は、どこか宿を取らなければならない為、行った先が「ステイホーム」しかも「走るソーシャルディスタンス」の車中泊で、RVパークを利用して、この講習を受けて頂こうというのが、このイベントです。コロナ禍でも災害は容赦なく起こります。もはや、不要不急とは言えない「重機講習」をNO密な「車中泊」で受講するという、正に今の時代にマッチしたイベントとも言えます。

昔、子供の頃、工事現場で、まるで戦車かロボットの様なパワーショベルを見て、一度、モビルスーツの様に操縦してみたい・・なんて思ったことはありませんでしたか?それが、今、世の為人の為にもなるカタチで実現しました。「“楽しい”が世界を救う」地方創生&防災対策が可能で安全・安心な車中泊イベントに参加してきましたので、ご紹介します。

日本笑顔プロジェクト、そしてキャンプジャパン

日本笑顔プロジェクト林映寿代表
日本笑顔プロジェクト林映寿代表

代表の林映寿さんは、小布施町の古刹・浄光寺の副住職。2011年の東日本大震災が日本笑顔プロジェクトのきっかけとなりました。被災地が少しでも笑顔になればとSNSに投稿した「笑顔」の文字が見た人をおもわず元気にし、その後、プロジェクトのシンボルマークにもなっています。

当時、現地での被災支援にも携わり、今、自分がいる場所で誰もができる支援、それが「笑顔」になると震災から1週間後に立ち上げたのが、このプロジェクトでした。そして、令和元年の台風19号で、まさかの地元の被災。その復旧にも積極的に取り組みましたが、そこで「小型重機のオペレーター不足」を痛感して重機講習をスタートさせました。

一方、キャンプジャパンは、「新しい遊びの提案」「出逢いの場の提供」で、新しいクルマ旅と車中泊文化の創出と根付きを目指して、過去には「富士スピードウェイ」や「大阪万博記念公園」でのイベントなどを実施していましたが、コロナ禍においては、「走るソーシャルディスタンス」のNO密なマイクロツーリズムなどを実施、最近では「車中泊で参加できて地方に貢献するイベント」を企画・実施していました。

そこで、双方の思いと狙いが一致して、小布施にある「RVパーク小布施屋に車中泊して重機講習を受ける」という今回のコラボレーションとなりました。

キャンプジャパン キャンピングカーで行く重機講習+クルマ旅企画書
キャンプジャパン キャンピングカーで行く重機講習+クルマ旅企画書

今回の「小型車両系建設機械運転業務特別教育講習」とは?

日本笑顔プロジェクトは、防災・減災・復旧・復興にかかる人材育成事業を行っていて、幾つか講習会を実施しています。例えば、「小型車両系建設機械(解体用)運転業務特別教育講習」「ATV四輪バギー(全地形対応車)ライセンス講習」「伐木等の業務に係る特別教育(チェーンソー講習会)」「普通救命講習会」などがあります。

今回は、本プロジェクトのきっかけともなった重機オペレーター講習を車中泊で受講する企画となりました。重機による機動力の高い活動は各方面から高く評価されており、日本笑顔プロジェクトでは、自分たちの地域は自分たちで守るという趣旨のもと、災害復旧ボランティアで主に用いられる機体重量3トン未満の建設機械での整地・運搬・積込み及び掘削等、初期段階で必要とされる知識と技術を取得するために当講習を実施しています。それも、 学科・実技講習共に災害現場での経験豊富な若い講師陣が、親切丁寧に指導してくれます。

日本笑顔プロジェクト重機講習の特徴
日本笑顔プロジェクト重機講習の特徴
第27回となった今回の講習は、キャンプジャパンとのコラボレーションとなりましたが、通常は月に、ほぼ2回のペースで実施されています。
詳しくは、日本笑顔プロジェクトの公式サイトにある各種講習会のページをご参照下さい。(末尾にURLをお知らせしております)

一日目:学科講習と試験

学科・試験会場:小布施町役場3F講堂
学科・試験会場:小布施町役場3F講堂*講習日によって変更あり

さあドキドキの学科です。何がドキドキかって?久々の講習なので、オヤジ脳が悲鳴をあげるのでは?と心配です。
しかも、講習の後には試験が待っています。過去に落ちた人はいないとの事ですが、この私が落第第一号になったら!?と余計な心配までしてしまいます。講習会場の小布施町役場までの道のり、いつもは観光で来ている小布施の渋くて素敵な街並みも、今回はまた違って見えます。妙な緊張感が漂ってます。

講習会場の小布施町役場の3F講堂は、思ったよりも大きくて立派な会場で、更に一層緊張感が高まり、思わず武者震いしてしまいます。その雰囲気を察したのか?林代表が「前後の人と自己紹介するなど、もっと“ザワザワ”して下さい」と気が和らぐコメントをされていました。

事務局から一般連絡事項の後、改めて林代表のご挨拶、そして、当日のイケメン講師のご挨拶があって、いよいよ、講習のスタートです。令和元年の台風19号の悲惨な被災現場のリアルな写真・動画が紹介され、皆のやる気を搔き立てます。そして、教本に従って、小型車両系建設機械の走行や作業に関する装置の構造及び、取り扱いの方法に関する知識や、運転に必要な一般的事項に関する知識、そして関連法令などを学びます。

こう羅列すると、一挙に難しく感じますが、実際は、分かり易く、また「ここ、試験にでますよ~」とか教えてくれるので、安心して受講できました。しかも、約1時間毎に休憩もあるので、オヤジ脳も悲鳴をあげることなく、大汗をかいたくらいで済みました。

重機講習
一時間に一回の休憩時間に脳ミソも一息

そして試験・・・
全部で20問。60点以上が合格です。今まで落第した人がおらず、過去に80歳以上の方も合格、重機に余り縁のなさそうなご婦人も合格。余程の事がなければ落第しないとなると、目指すは100点満点でしょう!

講習をちゃんと聞いていれば、例えば愛しい方の事を考えたり、今晩、何を食べようかな?とか小布施のお酒もワインも美味しいんだよね~とか余計な事を考えていなければ、落第する方が難しい位の設問でした。但し、一見、簡単そうにみえて、微妙なところで間違える罠がしかけてあるので、分かった簡単!とか早とちりして書き込まない事です。石橋を叩き割る位に慎重に、設問を読んで解答すれば大丈夫です。

無事、全員合格!
そして、同時に500人突破の505人を達成!しかも33名中、20名が100点満点!でした。100点満点の方には林代表の「笑顔」文字の色紙が贈呈されます。パッと見「笑顔」の文字ですが、よ~く見ると、その文字は般若心経がビッシリ書き込まれているという畏れ多くも霊験あらたかな色紙なのです。お蔭様で、私もこの色紙を頂戴する事ができました。やった~~~~~~~~っ!

ありがたい色紙
お蔭様で、さいばも100点満点! ありがたい色紙を頂戴しました

車中泊:(キャンプジャパン参加者のみ)

今回の売りは「RVパークを利用しての車中泊で参加する」でしたので、RVパーク小布施屋を利用しました。実は、ここのRVパークは、コロナを理由に休止中でしたが、今回のイベントの為に特別に利用させて頂きました。なにしろ、2週間前から体温をつけるという対策をしている講習なので、それも許されたと言えます。

夜は、近くにある、小布施でも人気の豆腐専門店茶房まめ家さんで、合格祝賀会でした。勿論、シールドが設置されたNO密対策が施されていました。これも、キャンプジャパンの「出逢いの場の提供」の一環だと思います。幸せで楽しい夜となりました。

NO密なシールド付きの祝賀会
NO密なシールド付きの祝賀会

二日目:実技講習

防災拠点NOUVO(農防)
防災拠点NOUVO(農防)

二日目は、楽しみにしていた実技講習です。早く重機を操縦してみたいという気持ちと、昨日、試験に合格している安堵感もあって、気分は爆裂ヒートアップ!ン十年ぶりでしょうか?こんな、遠足に行く当日、運動会の当日の様な、飛び跳ねたくなるような気分は。

実技講習が行われるのは、浄光寺から徒歩数分のところにある“NOUVO”(農防)です。このNOUVOは、林代表が考案したもので、地域で独自に設ける防災拠点です。町内の遊休農地や荒廃地に、ユンボやバギーを常時待機させておき、災害時に現場に駆け付けるというもの。今回の様な、オペレーター不足に対応した資格取得の為の体制も整備しています。小型車両系建設機械の走行や装置の操作、特別教育では3トン未満の整地・運搬・積み込み用(ブルドーザー・トラクターショベルなど)掘削用機会(ドラグショベルなど)の操縦資格が取得できるようになります。

まずは、重機の各部の名称の確認、そしてメンテナンスの実演です。前日、教本で学んだ事の再確認となり、やはり机上の空論で終わらない為にも現場の現物で確認すると記憶が更に強力になります。でも心の中では「早く、早く、操縦したい」と、まるで遊園地の遊具の順番待ちをしている気分です。でも重機は取り扱いを間違えると重大な事故につながる恐れもあります。教官もその点、しっかりと現物で説明してくれました。

教官の指導に真剣&ワクワク
教官の指導に真剣&ワクワク

そして、教官の模範演技と説明の後、いよいよ、受講者の操縦です!!!!基本的には、基本操作の後に、「掘削」「走行」「整地」と一通り、やらせてくれます。これが、不謹慎ですが、本当に楽しい!〇ゼニーランドのアトラクションよりも数十倍は楽しい!まるで、モビルスーツに乗っている気分。思わず「さいば、行きます!」と呟いてしまいます。「いかん!いかん!これは遊びではない、危険がともなう仕事だし、あくまでも防災の為の講習だ!」と自分に言い聞かせますが、身体とココロが全身で喜びを感じています。通常、この手の講習の教官の方は高齢の方が多く、声が小さく明瞭でない事が多いそうですが、こちらの教官は、まだピチピチの若い方ばかりで、しかも、実際に被災地で活躍されている現役なので、メリハリがあって、分かり易く、懇切丁寧なのでとても好感が持てました。

今回は、総勢33名、6チームに別れて受講したので、入れ替わり立ち代わりで、ユンボの操作から、ホイルローダーの操縦、そしてバギーの走行など、これまた十分に堪能する事ができました。楽しんで為になり、結果、資格が取れるのですから、大満足です。

ホイルローダー
ホイルローダーも操縦!
バギー
バギーは楽しいですが、豪雪被害では大活躍します

修了書授与

修了証授与
感動・感激の修了証授与

二日間の集大成、修了書を受け取ります。この時点で嬉しさマックス!この勢いで、他の講習も申込する方もいました。起こっては欲しくない災害ですが、いざと言う時には、世の為人の為、お役立てる様にしないといけないとココロに誓ったのでありました。

一度、乗っただけでは操縦も忘れてしまうのでは?とご心配のアナタ。大丈夫です、日本笑顔プロジェクトのサブスク制度で、会員になれば、今後も、格安で、操縦する事ができます。私なんぞ、小布施観光と併せて、こちらで操縦の復習をしちゃおうかな~とか、楽しく有意義な時間を過ごしたいと思っています。

特別教育終了証
私も、ほれ、この通り、頂きました*人相が悪いのでモザイク入り

更にはこんな楽しみも!

一日中、ぶっつづけの講習だと、身も心も余裕がなくなり、楽しい実技でも辛くなるかもしれませんが、その点でも嬉しい配慮がありました。

重機を使ったデモンストレーション
これ以上の角度が危険というデモ

講習の合間合間に、重機を使ったデモンストレーション、例えば、横転の危険をアピールする傾斜角度デモや、段差を乗り越えるハイテクデモ、どうやったら、そんな事できるの?と言ったハイテク走行、水陸両用車の池ぽちゃデモなどです。思わずため息、気が付けば拍手のデモンストレーションでした。

林代表のご子息の演技
林代表のご子息の演技

更には、500人達成記念?スラックラインのワールドカップ出場選手(浄光寺は世界チャンピオンを輩出しています)による、特別演技は、すべて講習が終了した安堵感もあって、全ての参加者が「笑顔」になっていました。そうです、これがきっと「笑顔プロジェクト」なんですね。

難度の高いダブル演技
難度の高いダブル演技

如何でしたか?日本笑顔プロジェクトの講習を受講したくなったのではないでしょうか?また、キャンプジャパンサイトには「車中泊で参加できて地方に貢献するイベント」が、今後も掲載される様ですから、是非、一度、ご覧になっては如何でしょうか?

日本笑顔プロジェクト各種講習会
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WRITER PROFILE
さいば☆しん
さいば☆しん(彩羽森)

くるま旅作家。キャンピングカーで日本全国くるま旅。主にキャンピングカーで漫画&コラムを創作、キャンピングカー雑誌や関連サイトに連載したり、ショーイベントではトークショーで、キャンピングカー&くるま旅の素晴らしさをお伝えしています。最近はゆるチュ〜ば〜としてゆるい動画をアップしています。

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