キャンピングカー工房「タコス」の魅力は、アットホームな雰囲気と乗り手の希望を叶えるクルマづくり!

メーカー・販売店インタビュー
, , , , , ,

キャンピングカー工房「タコス」の魅力は、アットホームな雰囲気と乗り手の希望を叶えるクルマづくり!

東京都立川市にある「タコス」は、創業28年の老舗店。バンコンからキャブコン、トレーラーまで多彩なオリジナルモデルを取りそろえる総合キャンピングカービルダーだ。ユーザーファーストの設計思想とアットホームな接客で人気を博してきた同社だが、今年5月に病気療養中だった創業者の田代民雄氏が永眠。その人柄を慕っていた多くの人が、早すぎる別れを惜しんだ。

そして7月に、故田代氏の遺志を継いで新たに代表取締役社長に就任したのが、長年タコスで店長を務めていた増 浩子さん。タコスがたどってきた歴史と、新生タコスの「これから」について、新社長の増さんにお話をうかがった。

タコスの歴史~キャブコン「ウィズ」の誕生

新社長の増 浩子さん
新社長の増 浩子さん

先代社長の故田代民雄氏が、キャンピングカービルダーのグローバル社(現在閉業)から独立してタコスを創業したのは、1996年。店名のTACOS(タコス)「TOKYO AUTO CAMPER OUTDOOR SERVICE」の頭文字を取ったもので、遊びが大好きだった田代氏が自らの経験をベースにして、幅広いユーザーに対応できるキャンピングカーを販売していた。創業の翌年には、ひょんな縁から当時OLだった増さんがタコスに入社。そこから文字通り田代氏との2人3脚で、タコスを守り続けてきた。当初はグローバル製キャブコンの販売がメインだったが、今から15年ほど前にオリジナルキャンピングカーの開発・販売をスタート。記念すべき初代モデルが、現在も販売しているキャブコンウィズだ。

ウィズのカタログ

「ウィズは、“キャンピングカー=遊びのギア”という思想から生まれた、趣味に特化したキャブコン。バイクや遊びが大好きだった創業者・田代のこだわりが詰まった、“タコスのクルマづくり”を象徴する1台です」

ウィズのカタログ2

増代表が語る通り、ウィズは今どきのキャブコンではあまり見かけない「積載性に重点を置いた」モデルだ。全長4980mmのウィズはリア左手に、全長5250mmのウィズ525はリヤエンドに大型バケッジドアを装備。どちらのモデルも車内のベッドマットを外すことで、バイクや自転車も積載可能な大容量カーゴスペースを確保できる。幅広いライフスタイルにマッチする「遊びと趣味に特化」した構造で、アクティブ派ユーザーを中心に人気を集めてきた。初代から現行型まで室内レイアウトが変わっていないのも、同モデルの人気と完成度の高さゆえだ。

タコスが目指し守り続けてきたもの

タコス社内の先住民のモチーフとキャンピングカー

“お客さんの希望を叶えられるお店でありたい”というのが、タコスのコンセプトです。乗り手によって最適なキャンピングカーのカタチは変わりますので、レイアウトや装備の変更にもできる限り対応しています。時には、お客さんの希望で2つのモデルのレイアウトをドッキングするようなケースもあります」

タコスの作業スペース

現在キャンピングカー業界では生産の効率化が進み、ワンオフを快く受けてくれるお店は減りつつある。ユーザーの使い方や要望を丁寧にヒアリングして、レイアウトや装備を変更することは、非常に手間と時間がかかる作業だからだ。しかし、それこそがタコスの目指すお店のカタチであり、タコスが多くのユーザーに愛されていること、リピーターが多いことの要因でもある。

タコスのキャンピングカー

タコス製キャンピングカーは、全モデルに断熱施工をはじめとした主要装備を標準化して、オプションを多数追加しなくても「そのまま乗り出せる」1台に仕上げている。他店と比べてリーズナブルな価格設定も、「多くのユーザーにキャンピングカーの楽しさを体験してほしい」という思いからだ。

増代表が語るタコスのこれから

新社長の増 浩子さん

「今までのスタンスを変えず、どこよりもお客さんに歩み寄ってその望みを叶えられるお店でありたいと思っています。キャンピングカーは特別な人だけの乗り物ではなく、日常でも使える身近な存在であることも大切だと思っていますので、気軽に乗れるコンパクトサイズのバンコン開発にも力を入れています」

増代表は、現在タウンエースベースのバンコンハナに乗っており、会社の敷地に駐車した愛車の車内で寝ることもあるという。「車内で寝るだけで気分転換になるし、常にワクワクした気分を味わうことができます。キャンピングカーが大好きなので、たくさんの人に楽しさを経験していただきたいです」。代表自らキャンピングカーライフを実践し、クルマづくりでもユーザー目線で的確なアドバイスができる。それも、タコスの大きな強みだ。

新生タコスのメンバー

故田代氏から受け継いだ増代表の新生タコスは、これからもユーザーファーストを貫き、多くの人から愛されるキャンピングカーショップとして末永く続いていくことだろう。

タコスのオススメモデルを紹介

HANA(ハナ) 420万2000円~

HANA(ハナ) HANA(ハナ)の車内

タウンエースをベースにしたキュートなエクステリアで、女性ユーザーからも人気。ダイネットモードやお座敷モードでゆったりくつろげ、シートを展開して全面フルフラットにすれば大人2名+子供2名が就寝できる。ルーフ形状は、ハイルーフ、ポップアップルーフ、標準ルーフの3タイプから選択可能。コンパクトサイズで、日常使いからクルマ旅まで気軽に乗り回せる。

VERY(ベリー) 676万5000円~

VERY(ベリー) VERY(ベリー)の車内

ハイエース標準ボディをベースにした、スタイリッシュなキャブコン。ハイエースの走行性能・機動性とキャブコンの居住性を融合することで、週末レジャーから長期旅まで快適に楽しめる1台に仕上げた。写真のリアエントランスモデルは、L字フロアベッドと格納式2段ベッド、バンクベッドで4名分の就寝定員を確保。ほかに、センターエントランスのTYPE2もある。

GX350 286万円

GX350 GX350の車内

アルミ鋼板のスタイリッシュなエクステリアが特徴的な、普通免許で牽引できるトランポ仕様のトレーラー。後部に配した大型観音開きドアで、バイクや自転車の積み下ろしもラクに行える。室内右手の2段ベッド、左手のベッド兼用ベンチシート、前面ベッドの3か所で、最大5名が就寝可能。左右のベッドは、積載物に合わせて格納できる折りたたみ式となっている。

2004秋デビューの最新モデル
NV HOP(NVホップ) 458万7000円(参考価格)

NV HOP(NVホップ) NV HOP(NVホップ)の車内 NV HOP(NVホップ)のベッド NV HOP(NVホップ)のリア

タコスの最新作は、NV200をベースにしたコンパクトバンコン。内装は、海外のバンライフカルチャーを彷彿とさせるウッド基調のオシャレなデザインが特徴的。フロアベッドとリア2段ベッドを組み合わせれば、大人2名+子供2名が就寝できる。リアウインドー部分には、断熱効果の高いアクリル窓付きFRPパネルを装備。買い物や通勤、送迎などの普段使いからキャンプ、クルマ旅まで、あらゆる用途でスマートに乗り回せる。

WRITER PROFILE
岩田一成
岩田一成(いわた・かずなり)

1971年東京生まれ。キャンピングカーライフ研究家/キャンピングカーフォトライター。日本大学芸術学部卒業後、8年の出版社勤務を経て、2003年に独立。ライター・エディターとして、自動車専門誌を中心に累計1000誌以上の雑誌・ムック製作に携わる。家族と行くキャンピングカーの旅をライフワークとしており、これまでに約1000泊以上のキャンプ・車中泊を経験。著書に『人生を10倍豊かにする 至福のキャンピングカー入門』がある。

キャンピングカーライター一覧へ

メーカー・販売店インタビュー
, , , , , ,

レンタルキャンピングカーネット