ミニバンサイズのキャブコン ウラルエイジア

ハイエースベースのキャブコンとして人気が定着したファンルーチェのセレンゲティ。そのファンルーチェが作るミニバンサイズのキャブコンがウラルエイジアです。
バンコンより室内にもう少し余裕が欲しい、けれども普段使い出来て駐車場にも困らないサイズのキャブコンという要望にこたえたキャンピングカーです。

エイジアとユーロ二つの車内レイアウト

ウラルには車内レイアウトの違いでエイジアとユーロの2車種があります。今回取り上げるエイジアは対座式のダイネットを備え、ファミリーユースと夫婦二人旅のどちらのニーズにもこたえられるレイアウトになっています。ユーロはL字ソファのダイネットにマルチルームがありトイレルームとしても使え、夫婦二人旅を想定したモデルです。

運転席上部のバンク部分はベッドにはなっていませんが、ヘッドが重たくないスタイリッシュなデザインのキャンピングカーに仕上がっています。バンク内部は毛布やシュラフなどかさばる荷物を置くのに最適です。後部ベッド下の荷室スペースと合わせると相当量の荷物が積み込めます。

見えない所に設計の妙があるキャンピングカー

ウラルのシェル部分はセレンゲティ譲りの鋼製スペースフレームが採用されています。これはボディカットしたハイエースのボディを鋼製のフレームで再構築し、クルマ全体の強度を高めています。フレームは断熱材とFRPに覆われて外からは見えないところですが、安全な設計にこだわりを持っています。
また、ウラルでは特に前後の重量配分を重視した設計をしており、前軸と後軸の重量配分を同じにしています。これにより走行性能は安定し、転がり性能も増すため、架装で重量が増加ても燃費が標準車に迫るメリットをもたらしています。

滑らかで空力性能を発揮するバンクのデザインですが、ここに突出しているラインが雨の日の乗り降りに威力を発揮します。
広い屋根のキャブコンでは雨が降ると雨水を集めてしまい、その雨水が扉を開けた時に一気に降り注ぐことがあります。ウラルはこのラインにより雨水を出入口付近へ落とすことを防いでいます。

ルームエアコンの室外機は車体右側へ形良く収められており、右側へ収めたのは寒冷地での塩害の影響を考慮した設計です。道路へ散布された凍結防止剤（塩化カルシウムなど）は道路の排水状況から左側へ寄せられていきます。その為車体の左側へ塩害物質を巻き上げる傾向があり、その影響を受けにくくするために室外機は右側に配置しています。

バンコンより広く、しかし取り回しはラクに

セレンゲティとのサイズ比較は以下のようになっています。
セレンゲティ：全長 4,990mm × 幅2,100mm × 高さ2,840mm
ウラルエイジア：全長 4,825.mm × 幅1,920mm × 高さ2,690mm

セレンゲティより幅は180mm短くなっており、正面から見ると絞り込まれたデザインは扱いやすさを感じます。実際駐車場の選択範囲を広げてくれます。
高さは2,690mmとキャブコンならではの高さがあるので、室内空間に余裕があります。

トヨタのミニバン　アルファードのサイズは下記の通りです。（車種により多少の差異あり）
全長 4,850mm × 幅1,850mm × 高さ1,950mm

高さのあるキャンピングカーは大きく見えますが、街中での使い勝手はミニバンとあまり変わらないことがうかがえます。

使いやすさを考える

ファンルーチェは長年キャンピングカーの設計をしてきた経験から日常的な使いやすさを重視しています。
シンクの下にポリタンクが２つ並んでいますが、これはどちらも給水用のタンクです。排水タンクは重量バランスを考慮して床下センターの位置に取り付けられています。排水はドレインコックをひねるだけで簡単です。給水タンクがバックドア近くで2つに分かれているので、積み込みは後部からラクに行えます。

バンクベッドが無いかわりに常設リアベッドは1,820mm×1,200ｍｍと広く取られており、遊び疲れた子どもたちがいつでも横になれたり、夫婦二人なら食後ダイネットを片づけることなく眠れます。

横幅1,920mmとスリムなキャブコン　ウラルエイジアは普段使いも出来る使いやすいキャンピングカーに仕上がっています。

ウラルエイジア諸元