
アネックスのRIWは、スタイリッシュで気軽にキャンピングカーを楽しめる、人気のモデルです。キャンピングカーショーでは、いつも若い人が集まっていて、「自分ならこんな使い方を……」と楽しそうにしている姿をよく見かけます。
そのRIWに新しいモデルが続々と登場しているようです。ボンゴブローニイベースではブローニイRIW-Sというモデルが追加されました。サーファーであるメカニックの思いが込められた1台ということで、何かストーリーがありそうですね。詳しく話を聞いてきましたよ。(ブローニイRIW(写真右)とブローニイRIW-S(写真左))
キャンピングカーの概念を覆したRIW

RIWシリーズで一番驚くことは、キャンピングカーショーなどで説明をしているスタッフが、ドカドカと土足で車内に入っていくこと。「あっ」とこっちが戸惑ってしまうのですが、「そのまま入ってください。そいうクルマですから」と。

一般的にキャンピングカーの車内は、家と一緒で、部屋という感覚ですが、RIWの場合は少し違っています。アウトサイドとインサイドの境界を気にすることがありません。どちらにも同じ空気が流れているのです。

車内のテーブルを外に出してリビングにしても、しっくりと馴染んでしまうのです。外リビングから車内のシンクを使っても、「あれ、ここは外だったっけ」と、不思議な感覚。
新車ベースのRIWと中古車ベースのRIW

RIWには2系統のモデルがあります。日産のNV200とNV350をベースにしたモデルと、マツダのボンゴブローニイをベースにしたモデルです。ボンゴブローニイは現行のハイエースと同じ形のニューモデルではなく、愛嬌のあるフェイスをした旧型がベースです。
ブローニイRIWが欲しい人は、自分でクルマを探さなければなりません。クルマ探しからスタートするのがルール。なぜなら、クルマ作りへ参加してもらうためです。
さらに、内装ができると、一度、ユーザーにクルマが手渡されることもあって、制作途中のクルマがユーザーとビルダーを行き来する、という不思議な光景も。ユーザーにとっては自作している感覚強めです。
「こんなクルマを作ってみたい」
そんなRIWはいろいろな人を引きつけてきました。キャンピングカーに興味がなかった人、所有を諦めていた人など。そして、「こんなクルマを作りたい」という青年まで!その青年が、ブローニイRIW-Sをプロデュースしたアネックスメカニックの向田さん。

ワーキングホリデーでオーストラリアに渡り、サーフィンを楽しんでいる時、地元の人がバンを改造してビーチにやってくる光景が目に焼き付いていたといいます。自分でもレンタカーで改造されたバンを借りて、サーフトリップに出かけたこともあったそうです。

日本に戻ってきて、ビーチ近くの街に移住を考えている時、RIWの存在を知り、アネックスへの入社を決めたそうです。そして、自身の思いを込めたサーファーへのキャンピングカー、ブローニイRIW-Sが生まれたのです。
サーフトリップでの使いやすさとスタイル

ブローニイRIW-Sはリア全面がキャビンスペースとなって、走行中に着座できるシートがありません。フロントシートに3名というのが乗車定員です。それも、サーフボードの収納を考えたレイアウトにするため。室内で収納できるサーフボードはハンガーにかけて、天井に吊り上げるだけの簡単収納です。
セカンドシート部分にキッチンをレイアウト。リアにはロースタイルのベンチが設置されています。左側のベッド部分が可動式なので、ベンチとして利用することもできます。右後方に付いているのは、サーファーがよろこぶ温水シャワー!

後部は全面フルフラットにもできます。リアゲートを開けてゴロンとしたくなる開放感がたまりません。ボードラックは1つが標準装備され、オプションで追加できるようになっています。ハンガーは前後にスライドするので、ロングでもショートでもOK。

左側の窓下には収納タイプのテーブルがありました。奥行きはありませんが、縦に長く、ドリンクなどを置いておくのにちょうどいいサイズ。サーフボードの収納性を考えると、折りたたみタイプがベストセレクトですね。

スライドドア部分にコンパクトなキッチンが設置されています。収納できるダイネットテーブルも付いているので、ちょっとした食事であれば十分な広さ。ドアのステップからも近く、アウトドアで活用される光景が目に浮かびます。

キッチンが設置された側のドアを開けると、簡単に水タンクの交換やガスカートリッジの装填ができるようになっていました。操作性を考えたレイアウトですね。ここでセットされたガスカートリッジのガスはリアまで配管されて、右後方に置いてあった温水シャワーと接続できるようになっています。

リアゲートを開けて、温水シャワー本体を外に出し、シャワーヘッドを吊るせば、シャワースペースの完成。リアゲートの外から作業していると、ロースタイルのベンチが絶妙な高さで、思わず何かを置いてしまっているぐらい、心地よい位置関係でした。

RIWシリーズはクルマが組み上がっても、完成していません。実際、オーナーが使って、クルマを仕上げていくキャンピングカーというのがコンセプト。なので、向田氏も日々クルマ作りに励んでいます。つい最近も友達とのサーフトリップで大活躍したようです。

クルマと出合えたからこそ過ごせる時間があり、そんな時間を一緒に過ごすことで自分のクルマに仕上げていくことができるとは、RIWの魅力を感じます。

RIWは基本のレイアウトが決まっていますが、内装の壁紙やボディカラーをセレクトできるシステムです。自分らしいクルマ作りに挑戦して、自分らしいライフスタイルを手に入れてみてはどうですか。
ブローニイRIW-S諸元
- ベース車両
- ボンゴブローニイ
- 車体寸法
- 全長4,690mm/全幅1,695mm/全高1,980mm
- 定員
- 乗車定員3名/就寝定員3名
- 価格
- リノベーション参考価格¥1,990,000~(税抜き)
※ベース車両の金額は含みません