ハイエースやキャラバンをベースにしたバンコンは国内シェアも高く、幅広いユーザーに人気のモデルです。キャンピングカーの使い方に合わせて、さまざまなモデルが各社から販売されていて、ユーザーにとってもバンコンを選びやすい環境が整ってきました。
そんな、バンコンモデルを専門に製造販売してきたメーカーの1つが創業40周年を迎えたレクビィです。ラインアップも豊富で、プレミアム、スタンダードなど、クラス分けされた車種が展開されています。
幅広いモデルが揃っているので、ユーザー層も広く、トレンド全体の変化を間近に感じていることでしょう。そこで、レクビィの人気モデルを調査して、最近のバンコンの動向を探ってみたいと思います。
目次
いろいろなタイプのバンコンを見比べられるレクビィ オスト ベネヴェント
今回訪れたのは、レクビィ オスト ベネヴェント。神奈川県大和市の国道16号に面したショップで、キャンピングカーという文字が大きく掲げられた看板が目印。店内にはたくさんのバンコンが並んでいます。直営店は本社のある愛知県瀬戸市のRECVEE STATIONとこのレクビィ オスト ベネヴェントの2つです。
お話をうかがったのは店長の松本さん。長年、キャンピングカー業界に携わり、レクビィでたくさんのバンコンを販売してきた人物です。キャンピングカーに興味のある人に、その魅力を伝えて、それぞれのユーザーに最適なクルマを提案してきました。
レクビィにはたくさんの販売店が全国に展開していますが、直営店の強みは、展示車両のバリエーションが豊富な事。レクビィ オスト ベネヴェントではプレミアクラスのカントリークラブをはじめ、スタンダートクラスのプラスシリーズ、ソラン、そして、タウンエースをベースにしたコットまで、幅広い車種が揃っています。
お客さんにとっては、実際にクルマを見比べることができるのがポイントになります。インテリアの質感から、クルマのサイズ感まで、体験することができるのです。豊富なラインアップのおかげで、バンコン選びがレクビィ オスト ベネヴェントで完結できるのが最大のメリットといえるかもしれません。
レクビィには機能的で独創的なレイアウトのモデルがたくさんあります。使う人に合わせて、荷物がたくさん積み込めるモデルや二人旅をゆったりと過ごすためのラグジュアリーなモデルなども揃っています。アウトドアテイストあふれるモデルと上質さを追及したモデルが、1つの展示場で共存しているのも特徴といえるでしょう。
インテリアデザインは常に進化し続け、新しいトレンドを取り入れてきました。既存ユーザーでさえ、新しいデザインの変化に注目しているほどです。
また、レイアウトは同じでも、調度品の質感を上げて、高級感を出しているモデルなどもあります。これは、ユーザーの利用目的に合わせてレイアウトを選び、そして、ユーザーの求める質感に合わせてクルマを選べるようになっているということ。バンコンのバリエーションに奥行きのある選択肢が用意されているのです。
初めてのキャンピングカーとして人気のバンコン「ソラン」
松本店長に現在の人気モデルを聞くと、「ソラン」と「イゾラ」が人気があると教えてくれました。上の写真に写っているのがソランです。全長4695mmのハイエースロングバンをベースに、全高1995mmの標準ルーフと全高2360mmのハイルーフの2つと、全長4840mm、全幅1925mm、全高2115mmのワイドボディ、計3つのベース車両が設定されています。
キャンピングカーの展示会場では、パステルカラーのブルーとホワイトが来場者の目を引いていたモデルです。可愛らしいキャラクターは街乗りバンコンをコンセプトに開発されました。
インテリアは明るい雰囲気で統一されていて、ソフトな印象。フロント側のエントランス付近にギャレーを設置して、右サイドにキャビネット、リアにリビングスペースがあります。左側にはシングルシートがあり、セカンドシートを後ろへ向けてレイアウトすると、テーブルを挟んで向かい合わせになるダイネットモードとなります。
リアのリビングエリアはフルフラット展開できるようになっていて、リア最後部のシート座面がリクライニング機能で立ち上げられるのも特徴的な機構です。
インテリアで特徴的なアイコンとなっているのが、リアに取り付けられたホームエアコン。インテリアに馴染む薄型の家庭用エアコンで、デザイン性にも優れたタイプを採用しました。エクステンションパネルを使うことで車内への張り出しは最小限に抑えられていて、エアコンの存在感を忘れさせてくれます。
近年、エアコンをオーダーする人が多くなってきているそうです。このソランでもホームエアコンを標準装備して、ニーズに合わせた設備を最初から搭載するようにしました。その他にもたくさんの設備が標準装備されているので、オプション追加するアイテムが少なく、すべてが揃っているモデルになっています。
明るい印象のインテリアに充実した設備、そして、かわいらしいキャラクターなど、キャンピングカーを知らない人にも注目される要素が満載です。実際、ソランは初めてのキャンピングカー購入層に人気で、キャンピングカーに興味を持っていなかった人でさえ、このモデルをみて、キャンピングカーに乗ってみたくなった、という声もあるそうです。
標準ボディ幅でハイルーフの快適性を提供する「イゾラ」
人気を二分するモデルが、上の写真に写っている「イゾラ」です。こちらはキャラバンがベースになっていて、全長5080mm、全幅1695mm、全高2400mmというボディサイズが特徴です。ハイエースにはない、ロングボディでハイルーフながら、全幅が抑えられている絶妙なサイズです。
レクビィにとっては唯一のキャラバンベースモデルですが、お客さんの反応はよく、近年では人気のモデルになっている、とのことでした。
レイアウトはエントランス部分に冷蔵庫や電子レンジが収納されたキャビネットがあって、リアにリビングエリアが広がっています。右側にベンチシート、左側にシングルシートをレイアウト。セカンドシートをリア向きにすることで、簡単にダイネットモードにすることもできます。
基本的なレイアウトは上のソランと同じです。でも、インテリアの雰囲気が少し違っているのが分かると思います。落ち着いた雰囲気が漂っていて、これが、レクビィのラインアップの奥深さといえるポイントです。
天井の高さを活かして、上部収納の収納スペースが広く確保されました。標準装備されているリアエアコンのユニットを活かしつつ、フロント上部にも収納スペースが設けられています。
リアには特徴的なシャワールームを設置。バンコンでありながら、広いシャワールームを装備しているので、キャブコンとの比較対象モデルとしても有力な1台です。使い方はいろいろあるようで、濡れたウェアを投げ込んだり、ペット専用の入り口として利用したり、さまざまです。
レクビィならではのクオリティを向上させるキャンピングカー作り
近年のお客さんは、新規にキャンピングカーに触れる人が増えたといいます。これまでキャンピングカーを知らなかった人にとって、キャンピングカーの設備は未知の世界ですが、それでも、使いやすさを簡単にイメージできるのがレクビィのバンコンです。
それは技術的に難しくても、実際の使い勝手を優先させた作りが随所に見受けられるのです。例えば、上の写真にあるイゾラのフロント上部にあるリアクーラー吹き出し口は、既存のエアコンユニットを移動させなければなりません。しかし、この場所に収納スペースを確保することが使いやすさの向上になることを、しっかりと形で表してくれているのです。
レクビィのバンコンはオプションもバリエーションが豊富です。ハイエースのガソリン車両には、バンコンに珍しい外部収納ボックスもオプション設定されていて、室内に入れたくない荷物を運ぶ時など、ユーザーのいろいろな使い方に合わせた設備を準備することができるようになっていました。
エンジンの熱を利用した温水設備なども用意されていて、大型キャンピングカーと変わらない設備を準備しておくことも可能です。このようなオプション設定のおかげで、初めてのキャンピングカーであっても、快適なキャンピングカーライフが送れるようになるのです。
最近ではオリジナルアイテムも充実していて、上の写真に写っているシートカバー「スータブルシートサポーター」はほとんどの人が最初に購入するアイテムになっているそうです。立体構造になっていて、体をしっかりとサポートしてくれます。
そして、センターコンソール部分にあるのがペットベッド。ペットと一緒に旅行に出かける時、ペットの居場所を作ってあげるアイテムです。シートカバーもこのペットベッドも引っかき耐性の強いヴィーガンレザーを使用しているので耐久性も抜群です。
キャンピングカー選びは、使う人の人数、使い方などをベースに、車格、レイアウト、インテリア、設備などを決めていく作業になります。その豊富な選択肢がレクビィには揃っているようです。バンコンキャンピングカーに興味を持ったのであれば、一度、レクビィ オスト ベネヴェントを訪れてみるのもいいかもしれません。
取材協力 レクビィ