2020年のジャパンキャンピングカーショーでは、たくさんの新しいモデルのキャンピングカーがデビューしました。N-VANベースでホンダアクセスとコラボしているホワイトハウスからはN-VAN COMPOが発売されたのです。軽自動車業界でも注目のN-VANが驚くべき進化を遂げていました。
軽キャンピングカーのベース車両といえば、スズキのエブリー、ダイハツのハイゼット、そして、そのOEMモデルがほとんどです。N-VANをベース車両に採用しているメーカーは少ないといえるでしょう。でも、ホワイトハウスはあえてN-VANをキャンピングカーにしたのです。
目次
N-VANの機能性をキャンピングカーに活かす
ホンダが使いやすさを考え抜いて開発したN-VANは、基本的な性能がすでにキャンピングカーレベルに達していました。多彩なシートアレンジ、フルフラットになるレイアウトなど。何もしなくても、たくさんの荷物が積み込め、車中泊スペースも簡単に確保できます。
基本的性能の高いN-VANなので、さらにキャンパーとしての架装をするのはハードルが高かったのかもしれません。でも、ホワイトハウスは、その機能性を活用する形でN-VAN COMPOを作ったのです。クルマ本来の底床、フルフラット、大開口をうまく利用して、驚くべき空間を生み出しています。
大開口がリアゲートの概念を変えた
軽キャンピングカーはリアゲートからの出入りを考えたモデルがたくさんあります。しかし、ホワイトハウスでは、N-VANの左スライドドア部に、助手席との間にあるはずのピラーがないので、この大開口部をエントリースペースとして、リアゲート部分を壁にしてしまう、という大胆な発想でクルマ作りがスタートしました。
モデルにはタイプ1とタイプ2がありますが、いずれも、リアゲート部分にシンクが取り付けられています。室内にいる時は一般的なシンクとして、キャンプサイトではアウトドアキッチンのシンクとして使える位置関係です。
美しさを追求した純正感を感じる家具たち
室内はリアに家具がまとめられていました。取材車両はタイプ2で、リアサイド側面に収納スペースが設置されています。タイプ1は天井付近に収納スペースが配置されているのが特徴です。
その作りをよく見てみると、一体成型で型取られた家具が取り付けられています。飛行機のキャビン内部のような完成度で、ちょっと驚きの完成度。ホワイトハウスのキャンピングカーは、開発陣が造形の美しさを追求しているので、細部にもこだわりを感じます。
拡張性の高いシステムでユーザーが楽しめる余白を提供
水回りのパーツは簡単に取り外しができます。シンクをまるごと洗えるのも便利かもしれませんが、そのシンクをユーザーが好きなように使えるのもポイントです。アウトドアのフィールドであっても、クルマから離れた場所でシンクを使うことだってできるのです。
水のタンクもベッド下に収納されていますが、持ち運びができるようになっています。このように自由にアレンジできるアイデアがいろいろとあるのです。ユーザーが好きなようにクルマを楽しめるというのも、キャンピングカーを楽しむ醍醐味かもしれません。
ホワイトハウスらしい使えるギミックたち
ホワイトハウスのキャンピングカーの特徴が、他では見られない珍しいギアが採用されていることです。例えば、上の写真は、収納ケースが脱着出来るのですが、磁石の力でケースを近づけるだけで、フックに吸い付き、固定されるというもの。これなら真っ暗なキャンプ場でも、すぐにセットできそうです。
リアにはスライドカーテン式のバグネットを装着しています。サイドの大開口部にもオプションのバグネットがあるので、夏の夜も快適。その他にも珍しい形のLEDハンディライトなどが装着されたり、ホワイトハウスのクルマはパーツを見ていても楽しいのです。
もう、これ以上は手を加えられないと思ったN-VANですが、ホワイトハウスのアイデアと技術力で、すばらしい軽キャンピングカーとして生まれ変わりました。スタイルも使い勝手もいいN-VAN COMPO。使いたくなる存在の軽キャンピングカーが誕生したのではないでしょうか。
N-VAN CONPO 諸元
- ベース車両
- N-VAN
- エンジン
- 658ccガソリン
- 駆動方式
- 2WD/4WD
- 定員
- 乗車定員4名/就寝人数2名
- 価格
- ¥2,689,000(税別)~