トラックキャンパー(トラキャン)の魅力とは!?

キャンピングカー紹介
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「トラキャン」の通称でおなじみの「トラックキャンパー」は、バンコン、キャブコン、バスコンなどと並ぶ、キャンピングカーのカテゴリーのひとつ。ピックアップトラックの荷台に、居住用のキャンパーシェルを積載したキャンピングカーのことを指し、別名「ピックアップキャビン」とも呼ばれている。

「トラキャン」は、日本では決してメジャーな存在ではないが、ほかのカテゴリーのキャンピングカーにはない個性と魅力にあふれている。ここでは、その特徴や、メリット・デメリットを解説しよう。

「一台二役」をこなせる利便性が最大の武器

個性的な魅力を発揮するトラキャン
個性的な魅力を発揮するトラキャン

トラキャンの最大の特徴は、「居住部分のキャンパーシェルが脱着式」であること。シェルに装備されたジャッキを伸ばして自立させれば、ピックアップトラックだけを抜き出すことが可能。つまり、ベース車両と居住空間を完全に切り離すことができるのだ。

荷台にキャンパーシェルを積載した状態は、一見すると「キャブコンっぽい」ルックスだが、実際は全くの別物。ベース車両と居住部分が一体化されたキャブコンに対し、トラキャンのキャンパーシェルは「荷物」扱い。トラックの荷台に「部屋を積んで走る」感覚だ。

トラキャンは、ピックアップトラック需要の高いアメリカで根強い人気を誇るカテゴリー。ファーストカーとしてピックアップトラックを活用する人が多いアメリカでは、普段はピックアップトラックを仕事や足代わりに使用し、休日には荷台にキャンパーシェルを積載してフィールドに出かける。そんな使い方が、好まれている。

普段使いとレジャーカー、「一台二役」をこなせる利便性と機能性。それこそが、トラキャン最大のアイデンティティだ。

本格的な装備をそなえた快適な居住空間

トラキャンの内部
トラキャンの内部

キャンパーシェルの内部には、快適な居住空間が構築されている。ベース車両のサイズによってキャンパーシェルの大きさは異なるが、その内部には、同クラスのキャブコンと同等レベルの十分な居住スペースを確保。ベッドやダイネット、キッチンはもちろん、大型モデルには、トイレ&シャワールームやボイラーなどをフル装備した豪華仕様も存在する。

トラキャンのキャンパーシェルは、荷台に積載する「荷物」扱いとなるが、居住性、快適性は、ほかのカテゴリーのキャンピングカーと比べても遜色ない。

トラキャンのメリット

キャンパーシェルを装着したトラキャン
キャンパーシェルを装着したトラキャン

居住用キャンパーシェルが脱着式

居住用のキャンパーシェルをピックアップトラックの荷台から下ろせば、高さ制限のある自走式立体駐車場にも入庫でき、日常使用も可能。休日には、荷台にキャンパーシェルを積載して、キャンプやアウトドア・アクティビィティのベース基地として使用できる。また、キャンプ場でキャンパーシェルを下ろせば、ピックアップトラック単体で買い物や観光などを気軽に楽しむことが可能だ。

キャンパーシェルとピックアップトラックを分離
キャンパーシェルとピックアップトラックを分離

居住部分が脱着式であることのメリットは、それ以外にもある。ベース車両が壊れたり、古くなったりした場合、例えば居住部分が一体式のキャブコンでは、クルマごと買い替える必要があるが、居住部分を脱着できるトラキャンなら、キャンパーシェルはそのまま生かせる。買い替えの際は、ベース車両のピックアップトラックだけを交換すればOKだ。

同じ脱着式でもトレーラーよりコンパクト

居住部分が脱着式のキャンピングカーとしては、トラキャン以外にキャンピングトレーラーも存在するが、トレーラーは「居住部分をクルマで引っ張る」方式のため、ヘッド車+トレーラーの組み合わせで全長が長くなり、機動性が落ちる。それに比べて、「居住部分を荷台に積む」トラキャンは、サイズがコンパクト。キャンパーシェルを積載した状態でも、機動性に優れているのがポイントだ。

ベース車両を選べる

軽トラックにキャンパーシェルを装着したトラキャン
軽トラックにキャンパーシェルを装着したトラキャン

トラキャンのキャンパーシェルは、アメリカンフルサイズトラックから軽トラックまで、さまざまな車両に対応するサイズが用意されており、使用人数や使い方に合わせてベース車両を選ぶことができる。
少人数での使用が前提で、近場の移動が多いなら、機動性に優れた軽トラック。居住性や走行性能にこだわるなら、パワフルな大排気量エンジンを搭載したフルサイズピックアップトラック。未舗装路を走る機会の多いアウトドアフリークなら、走破性に優れた4WDモデル。機動性、走行性能、居住性のどれを重視するかで、ベース車両を自由にチョイスできるのが、トラキャンのメリットだ。

維持費が安い

キャンピングカーと言っても、荷台のキャンパーシェルはあくまで「積載物」扱い。同じ脱着式でもキャンピングトレーラーには車検が必要だが、「荷物」であるトラキャンのキャンパーシェルには、車検も税金も保険も必要ない。車両を保管する場所さえあれば、架装部の修理・メンテナンス以外にキャンパーシェルを維持するための費用はかからない。

スタイルのあるユーザーに似合うUS的ビジュアル

トレーラーを牽引してさらに個性的に
トレーラーを牽引してさらに個性的に

ほかのどのカテゴリーのキャンピングカーとも異なる、アメリカンテイスト漂うビジュアルも、トラキャンならではの魅力だ。写真のトラキャンは、外装をアメリカンイメージでコーディネートして、ハーレーを積んだトレーラーを牽引している。このように、実用性だけではなくビジュアルにもこだわりを持った、「スタイルのあるユーザー」に好まれることが多いのも、トラキャンの特徴と言えるだろう。

トラキャンのデメリット

ウォークスルーができない

居住部分のキャンパーシェルは、あくまでも「荷物」のため、ベース車両のピックアップトラックとはつながっておらず、コクピットとリアスペースの行き来ができない。
目的地に着いたらクルマを降りて、キャンパーシェルのエントランスから居住部分に入る。移動する際は、キャンパーシェルのエントランスから外に出て、クルマのドアからコクピットに乗り込む。ベース車両とキャンパー部分を切り離せるという構造上、フロント~リアのウォークスルーは不可能だ。

走行中キャンパーシェルに乗車できない

トラキャンのキャンパーシェルは、あくまでも「荷物」であり、走行中に乗車することはできない。そのため、「トラキャンの乗車定員」イコール「ベース車両のピックアップトラックの乗車定員」となり、ほかのカテゴリーのキャンピングカーに比べて乗車定員は少なめ(2~5名)になる。

WRITER PROFILE
岩田一成
岩田一成(いわた・かずなり)

1971年東京生まれ。キャンピングカーライフ研究家/キャンピングカーフォトライター。日本大学芸術学部卒業後、8年の出版社勤務を経て、2003年に独立。ライター・エディターとして、自動車専門誌を中心に累計1000誌以上の雑誌・ムック製作に携わる。家族と行くキャンピングカーの旅をライフワークとしており、これまでに700泊以上のキャンプ・車中泊を経験。著書に『人生を10倍豊かにする 至福のキャンピングカー入門』がある。

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