キャンピングカーには、いろいろな種類があります。大きさ、車内の設備の違いなどさまざま。値段も各車で大きく異なっています。大型キャンピングカーになるにつれて、クルマのサイズが大きくなり、設備も充実する傾向がありますが、もちろん、価格も高めです。
キャンピングカーに乗りたい人にとっては、充実した車内環境で、運転しやすいサイズ、そして、価格も抑えられているのがベスト。そんなキャンピングカーがあるのか? 疑問に感じるかもしれませんが、ビルダーもその傾向をしっかり理解しているのは確かなようです。
そこで生まれたのがコンパクトキャブコンというジャンル。比較的設備が整っていて、車内を家にいるように自由に歩き回れるのに、運転のしやすいサイズのキャンピングカーです。どこまで、サイズを小さくして、設備を充実させるか、それはビルダーのさじ加減となります。
そんな、コンパクトキャブコンに新しいモデルが仲間入りします。東和モータース販売の「MOBBY DC」です。これまでMOBBYシリーズが販売されていましたが、新しいレイアウトが加わりました。
5m以下のコンパクトキャブコンにリアエントランス採用で広々空間
MOBBYのボディサイズは4990×1920×2800mm。全長は5m、全幅は2mをそれぞれ下回っています。このサイズであれば、コインパーキングの枠にも収まるし、街中の走行も気にならないのではないでしょうか。
これまでのモデルは、ボディの中央にエントランスがあって、リビングエリアから出入りするレイアウトでした。今回、新たに加わったのはMOBBY DCというモデルで、リアエントランスを採用しています。
リアエントランス部分にはキッチンがあり、その隣にフリールームがレイアウトされています。キッチンとフリールームを後ろ側に集中させることで、リビングスペースが広く確保されました。エントランスの左側には60Lの冷蔵庫が設置されています。
リアエントランスだと、エントランス部分を広く設計することができるので、座って靴を履いたりする動作もしやすくなります。また、買い物などの荷物をキッチンやフリールームへすぐに収納できるのも便利です。入り口の場所が違うだけで、使い勝手は大きく変わってくるのです。
ファミリーでも使いやすい余裕のベッドスペース
バンク部分は引き出し式のベッドエリアになります。このスペースは他のレイアウトモデルと変わりません。バンクベッドは大人2名の就寝スペースとなります。両サイドには大型の窓が取り付けられ、光がたくさん差し込んできて、明るい雰囲気です。
上の写真はベッドを展開しているセッティングで、バンクのフロア部分を手前に引き出しています。もし、バンクを利用しないのであれば、フロア部分をフロント側にスライドさせて、運転席上部の空間を広く確保することも可能です。
リアエントランス採用により、ボディ中央部分の空間をそのまま利用できるようになりました。このMOBBY DCでは他モデルでエントランスとなっている部分にソファベンチを設置しています。広々としたリビングスペースを印象付ける開放的なソファです。
このソファベンチのおかげで、大人数でダイニングテーブルを囲むことができるようになりました。また、ちょっとした休憩スペースとして、横になることもできそうです。座面も広く、いろいろな使い方ができるのではないでしょうか。
ダイニングテーブルを取り外せば、簡単にベッドレイアウトに展開できます。ダイニングテーブルはセカンドシートとサードシートの間にセットして、その上に背もたれを置くだけ。ソファベンチ側は背もたれを外して、足元のスペースへハメ込んで完成です。
リビングエリア全面がベッドエリアになるのは、リアエントランスならでは。リビングスペースのサイドにキャビネットなどがないので、さらに広さを感じるレイアウトです。また、このフルフラット状態にしても、キッチン、フリールームなどがそのまま利用できるのもポイントです。
コンパクトボディに充実のキャンピングカー設備
MOBBYシリーズはコンパクトなボディですが、インテリアの質感も高く、装備が充実しています。DCにはシリーズ最大のフリールームと大きな下駄箱収納が取り付けられました。フリールームにはゲートが取り付けられ、外から荷物を積み込むこともできます。
充実した装備のなかでも、電源設備は注目です。ディープサイクルサブバッテリー100Ahを3つも搭載して、強力な充電システムであるEVOLITE急速走行充電システムを組み込みました。このシステムはバッテリーが空になっても5〜6時間走行することで、3つのバッテリをフル充電できるパワーを誇ります。
1500Wのインバーターも装備され、ほとんどの家電が利用できるようになりました。この電子レンジも標準装備されています。キッチンエリアとリビングエリアの中間に設置されていて、どこからでも使いやすい位置にあるといえるでしょう。
家庭用エアコンも標準装備になります。搭載されているサブバッテリーを使って、就寝時の約8時間は利用ができるそうです。充電システムが充実しているので、家庭用エアコンを使っていても、サブバッテリーからの消費電力を最小限に抑えて、アイドリングだけで家庭エアコンを利用することが可能になりました。
この家庭用エアコンの効果は、MOBBYのボディ構造でさらに効果を高めます。MOBBYはパネル構造で高断熱コンポジットパネルを採用。冷凍冷蔵庫と同じ規格の上級グレードスタイロフォーム断熱を使って、高い断熱効果を発揮するパネルです。
パネルはサイド、リア、天井、フロア、すべてに使われていて、キャビンを包み込むように構成されています。また、腐食しない素材構成、耐久性、軽量化など、さまざまな最新技術を投入した新しい製法で、快適性を追及しています。
スリムなボディサイズで、運転もしやすく、室内は広々。さらに、充実した装備と高い断熱効果による快適性の向上など、この小さなボディにたくさんの機能性が詰め込まれ、ユーザビリティが高いキャンピングカーが生まれました。
このMOBBY DCはジャパンキャンピングカーショー2024で初お披露目される予定です。気になる方はぜひ会場へ。
ジャパンキャンピングカーショー2024の詳細はHPへ
MOBBY DC 諸元
- ベース車両
- トヨタカムロード
- エンジン
- ガソリン/ディーゼル
- 駆動方式
- 2WD/4WD(ディーゼルのみ)
- 車体サイズ
- 全長4,990mm/全幅1,920mm/全高2,800mm
- 定員
- 乗車定員7名(4WDのみ6名)/就寝定員5名
- 価格
- ¥8,019,000~