モーターホームの最高峰「ハイマー」の2019年モデルが、今年5月に本国ドイツで初お披露目された。ハイマーの2019年ニューモデルは、ベース車であるメルセデスベンツ・スプリンターのフルモデルチェンジに伴って、新しく生まれ変わった。しかし、日本未発表のため、国内メディアではいまだその全貌は明らかにされていない。
「キャンピングカースタイル」では、日本未発表の新型ハイマーを、どこよりも早くレポート。2019ハイマーの最注目モデル「BMCシリーズ」の全貌に迫る!
目次
上質を極めた「BMCシリーズ」を新投入!
ハイマー2019年モデルの目玉となるのが、ベース車両メルセデスベンツ・スプリンターのフルモデルチェンジを受けて開発された、ニューモデル「BMCシリーズ」だ。
新型スプリンターは、内外装の刷新と先進電子システムの導入、前輪駆動(FF)のラインナップ追加などで、より乗用車的に生まれ変わり、モーターホームのベース車両としての魅力がさらに増加した。詳しくは後述するが、「BMCシリーズ」では、あえてベース車両に新型スプリンターのFFモデルを選び、新設計のSLCシャーシを組み合わせることで、FF化のデメリットをメリットに変えることに成功している。
日本でフルコンと呼称されるインテグラルモデル「BMC-I」のエクステリアは、ハイマーMLシリーズのデザインを受け継ぎつつ、フェイスやリアビューを刷新。フロントマスクを中心にプレスラインを強調した躍動感のある意匠を取り入れ、ハイマーらしい上質感をより一層ブラッシュアップした。ヘッドライト、LEDテールランプ、サイドミラーなど、ディテールにも最新のハイマーデザインを採用。ボディ前後には燦然と輝くスリーポインテッドスターが装着され、メルセデスベンツをベースにした「モーターホームの最高峰」として、唯一無二のアイデンティティを静かに主張する。
2サイズ4レイアウトをラインナップ
「BMCシリーズ」のラインナップは、インテグラルモデル(クラスA)のBMC-I、セミインテグラルモデル(クラスC)のBMC-Tに大きく分かれている。両モデル共に、全長や室内レイアウトが異なる4モデル(550/580/680/690)を用意。日本へは、まずBMC580、680が導入される予定となる。
既存モデルと比べてボディをワイド化しているのが、「BMCシリーズ」の大きな特徴だ。全幅2220mmのMLシリーズに対し、BMCシリーズは全幅を2290mmまで拡大。70mmのワイド化によって、よりゆとりある室内空間を生み出している。
HYMER BMC-I/T LINE-UP
※サイズ:全長6990×全幅2290×全高2960mm・550(ダブルベッド)
・580(ツインベッド)
※サイズ:全長7390×全幅2290×全高2960mm
・680(ツインベッド)
・690(アイランドベッド)
新開発SLCシャーシで16%の軽量化と低重心化を実現
「BMCシリーズ」は、新型メルセデスベンツ・スプリンターのFF車がベースとなっている。「FF化のデメリットをメリットに変える」秘策は、AL-KOと共同で新開発したハイマーモーターホーム専用の「SLCシャーシ」。FF車のメリットを最大限に活かした新シャーシの採用で、従来モデルと比較して16%の軽量化と低重心化を実現している。
高さ36cmのダブルフロア構造を採用したSLCシャーシの内部には、サブバッテリーや180/150Lに大容量化された給排水タンク、暖房システム、電装システムなどをインセット。重量物を床下にバランスよくレイアウトすることで低重心化と重量バランスを両立させ、同時に、床下に大容量の収納庫を配置することで、室内スペースにさらなるゆとりを生み出した。シャーシ下部に装着されたFRPアンダーカバーは、走行時に優れた空力特性を発揮するほか、冬場のドライブにおける融雪剤の悪影響防止にも貢献する。
軽量化、低重心化はもちろん、遮音、断熱、空力、空間効率など、様々なメリットを生み出すSLCシャーシ。その特徴的なダブルフロア構造は、ドライブシャフトがないことでシャーシ下部のスペースが広く確保できるFF車ならではの恩恵だ。
電子安全制御装置がドライビングをサポート
クルマの心臓部となるパワートレインには、177馬力の2.2L直列4気筒ディーゼルターボと9速ATトランスミッションが組み合わされている。日本導入前なので実際の走りは未知数だが、SLCシャーシによる軽量化、低重心化と相まって、ハイマーらしいスムーズかつ上質なドライビングフィールを提供してくれることだろう。
最新の電子式セーフティテクノロジーが設定されているのも、安全性を謳うハイマーらしい配慮だ。今回BMC-Iに自動ブレーキシステムが設定されたが、これはインテグラルモデル(クラスA)としてはおそらく世界初。重量があるモーターホームの安全性を大幅にグレードアップする、エポックメイキングな装備と言えるだろう。さらに、BMC-Tには、自動ブレーキシステムのほか、ドライビングアシストパッケージ(レーンキープセンサー、ライトセンサー、ハイビームアシスト)も用意されている。
ハイマーらしい上質なインテリアデザイン
高級感と上質感を兼ねそなえたモダンなインテリアデザインは、モーターホームのトップブランド「ハイマー」の面目躍如というべきもの。直線と曲線を織り交ぜた家具の造形美や、より演出が高まった間接照明など、随所に時代を取り入れながらもハイマーのDNAをしっかりと受け継いだ空間づくりが秀逸だ。
オーバーヘッドキャビネットを取っ手のないデザインとすることで、広々とした空間を演出したほか、リアベッドへのアクセスを容易にするラダーには折り畳み格納式を採用。テーブルやキッチンキャビネット、斜めにカットしたセカンドシートなど、すべてにハイマーならではの人間工学に基づいた緻密なデザインが用いられている。
家具色は、軽やかな印象で飽きのこないGrand Oak(淡茶)、高級感と落ち着きを演出したNoce Cognac(濃茶)の2色から選択可能。BMC-Tにプルダウンベッドがオプション設定され、より幅広いニーズに対応できるようになったのも注目ポイントだ。
FR/4WDのML-Tも販売を継続
メルセデスベンツベースのインテグラルモデル(クラスA)として人気を集めてきたML-Iは、「BMCシリーズ」のデビューに伴ってラインナップから外れることとなった。しかし、以前本サイトでも紹介したML-Tは、エクステリア・インテリアに最新デザインを採用し、モーターホームとしての完成度がより高められたニューモデルとして、2019年も販売を継続する。
以前の記事で詳しくレポートした通り、ML-Tは走りのイメージが強いモデル。FR/4WDから駆動方式が選べるほか、エンジンにパワフルな190馬力のV6 3Lディーゼルターボが搭載されており、走行性能にこだわる人、スノードライブを頻繁に行う人にとっては、とくに魅力的なモデルとなっている。
今回紹介したハイマーの2019年モデルは、来年2月に幕張メッセで開催される「ジャパンキャンピングカーショー」で日本デビューを飾る予定。ぜひ会場に足を運んで、最新の「世界最高峰のモーターホーム」を体感してほしい。
HYMER Japan Dealer Network
HYMER Japan -ハイマー・ジャパン-は日本国内に7拠点(北海道・茨城・群馬・神奈川・岐阜・香川・佐賀)。メンテナンス体制も整っておりますので、安心してHYMERでの旅をお楽しみいただけます。
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