アウルとレジストロの乗り比べレポート。アナタはどっちを選ぶ!?

キャンピングカー紹介
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トラキャン、バンコン、軽キャンパー、キャブコンまで、さまざまなカテゴリーのキャンピングカーをラインナップする山梨の「ミスティックプランニング」から、新型キャブコン「レジストロ・アウル」がデビューした。

軽トラックがベースの「レジストロ」に対し、「レジストロ・アウル」はベース車両にライトエースをセレクト。排気量とボディサイズにプラスアルファの余裕を持たせた、「レジストロ」の兄貴分的な存在だ。

選択肢が増えたことは、ユーザーにとって大きなメリット。ただし、レジストロシリーズ2モデルのどちらを選べばいいのか、迷ってしまうユーザーも多いかもしれない。

そこで今回、キャンピングカーライター岩田一成氏に両モデルの乗り比べを依頼。自らバンコン、キャブコンを乗り継ぎ、取材であらゆるキャンピングカーに接してきた岩田氏が、「レジストロ」と「レジストロ・アウル」をどのように評価するのか? アウルの新車レビューを中心に、両車の魅力や選び方のポイントなどをインタビューした。

エクステリアデザイン

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――レジストロ・アウルの外観デザインを見て、どんな感想を持たれましたか? また、レジストロと比較していかがですか?

【岩田】もともと、レジストロのデザインは大好きなんですよ。トラキャンを数多く手がけるミスティックのキャンピングカーは、パッと見で「これミスティックのクルマだよね」とわかってしまう独創性がありますよね。キャブコンにトラキャン風のデザインが落とし込まれていて、どこかアメリカンなテイストも感じられる。シニアからファミリー、若者まで、共通して「オシャレ」「カッコイイ」と思えるようなデザインが素晴らしいです。

今回のレジストロ・アウルも、レジストロと共通のシェルデザインが踏襲されていますよね。ベース車両の形状がまったく違うのに、違和感のないベストバランスで仕上げているあたりが、さすがだと思います。全高を低く抑えた直線的なルーフ形状、アルミサイディング外壁で構成された特徴的なシェルデザイン……。レジストロ・アウルとレジストロ、どちらも個人的に好きなデザインですね。

走行性能

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――岩田さんは雑誌の連載などで、軽キャンパーから輸入モーターホームまであらゆるキャンピングカーの走行テストをされていますよね。今回は、2台を乗り比べていただきましたが、岩田さんから見て、「レジストロ・アウル」の走行性能はいかがでしたか?

【岩田】まず、フロアが低くて乗降性に優れているのがポイントですね。一般的なキャブコン(ハイエース、カムロード、ボンゴベースなど)は、アシストグリップを使って「よっこいしょ」とフロントシートに乗り込む感じですが、アウルは普通乗用車感覚でスッと乗り込める。とくに年配の方だと、座面が高いクルマの乗り降りはきついので、この点はアウルの大きなメリットですね。

走り出してすぐに感じるのが、重心の低さ。一般的なトラックベースのキャブコンと比べると、まさに「地を這うような」安定感です(笑)。普通乗用車を運転しているかのように、安定してスーッと走れるので、キャンピングカーを運転したことのない方でもまったく違和感なくドライブできると思います。

重心の低さは、走行安定性に直結します。ワインディングでそこそこ振り回しましたが、不安を感じることはなく常に安定した走りを見せてくれました。足回りは、ノーマル状態でもまったくチューンナップの必要性を感じないほど、かなりカチッとした印象。コーナリング時も過剰にロールせず、想像以上の安定感で狙ったラインを正確にトレースします。キャブコンの走りとしては、「普通」以上。十分すぎるレベルです。

逆に、これだけ楽しく走れるクルマだと、自分的にはもっとエンジンパワーが欲しくなってしまいますね(笑)。もしボクがこのクルマを買うとしたら、よりキビキビと楽しく走れるマニュアルミッション車を選びます。そんな気持ちにさせてくれるほど、キャブコンとしては非常によく走るクルマでした。

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――アウルのエンジンパワーやボディサイズについては、どんな印象を持ちましたか?

【岩田】今回、男性3名乗車(車両重量+約200kg)で走行テストを行いました。一般的なユーザーの使い方と同条件か、それよりも重い状態だと思います。さすがに、ストップ&ゴーの多い街中だと加速に多少のかったるさを感じますが、排気量1.5Lのゆとりで高速クルージングは非常に快適でした。

ボディサイズは、全幅1910mmと、ハイエースワイドボディや大型ミニバンよりもちょっと幅が広いくらい。全長が4680mmと5ナンバー枠に収まっていることもあって、運転中に大きさを感じることはなかったですね。基本このクルマは、乗降性も走りもミニバンや乗用車と同じような「普通」の感覚。サイドミラーの視認性も良いので、キャンピングカーを初めて運転する人でも、さほど大きさを気にせず気軽に運転できると思います。

――キャブコンとしては、走行性能に優れたアウル。その要因は、何でしょうか?

【岩田】一番は、ベース車両であるライトエースの重心の低さでしょうね。

あとは重量。実はこのクルマ、4WDベースのキャンピングカーでありながら車両重量が1630kgしかないんですよ。ミニバンで言うと、セレナが1700kg前後、ボクシーが1600kg前後、ヴェルファイアに至っては2100kg前後の車両重量ですから、いかにアウルが軽量かわかりますよね。何しろ、リアに「家」を積んだキャンピングカーですから。

全高が2.58mに抑えられていることも、走行性能に貢献していると思います。キャブコンの平均的な全高は2.9~3mです。ライトキャブコンでも2.8m前後ありますので、それと比較するとアウルの全高の低さは際立ちますね。当たり前のことですが、キャンパーシェルは高さがあるほど居住性が向上するんです。でも、アウルはあえてそれをせず、高さを抑えている。これは、スタイリッシュな外観デザインにもつながる要素ですが、何よりも走行性能面でのメリットが大きいです。こうした部分にも、ミスティックの「クルマづくりの思想」が明確に表れていますね。

全高が低いと空気抵抗が少なくなり、高速走行時の安定性も燃費も向上するし、横風の影響も軽減します。今回、かなりの強風の中で高速走行テストを行いましたが、横風の影響をほとんど感じることなく安心してドライブできたのは、低く抑えた全高の恩恵が大きいと思いますよ。

――軽キャンパー・レジストロの走行性能はいかがでしたか?

【岩田】「ベースが軽トラックだから」と、なめてかかるとビックリするほど、普通に走ります。軽トラックは、作業車として短い距離を行き来するのがそもそもの使い方ですから、街中などのチョイ乗りでは、ある意味アウルよりもキビキビ走りますね。

エンジンはノンターボの660㏄ですが、エンジンの非力さを補うATミッションのセッティングが絶妙なんです。アクセルを少し踏み込むと、すぐにキックダウンしてエンジン回転数を上げ、パワーを引き出せるセッティングになっています。そのため、平坦な一般道なら動力性能にストレスを感じることはないですね。エンジンが660㏄ですから、決して余裕があるとは言えませんが、高速走行もこなせるし、坂道もそれなりに登ります。

最大のメリットは、やはり軽キャンパーならではの機動力。狭い道もスイスイ走れて、駐車場探しに困ることもない。これは、ほかのどのカテゴリーのキャンピングカーにも真似できない、軽キャンパーならではのアドバンテージです。

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――アウルとレジストロの走りを比べて、どちらが優れていると感じましたか?

【岩田】両車の違いは、「キャンピングカー」としての違いと言うより、軽トラックと普通車の違いですね。走行安定性や乗り心地、静粛性は、圧倒的にアウルの方に軍配が上がります。ただ、軽トラックを普通乗用車と比べて「走りが悪い」と文句を言う人はいないですよね。そもそもの使い方が違いますから。なので、両車の違いは優劣というよりも、性格の違いです。要は、乗り手の使用目的によって、軽自動車を選ぶのか、普通車を選ぶのかということです。

近場で使う機会が多い人、機動性を最優先する人、普段使いを兼ねる人は、レジストロが向いていると思います。ファミリーで使う人、長距離移動が多い人、乗り心地と走行性能にプラスアルファの快適さを求める人は、レジストロ・アウルでしょう。

インテリアデザイン・居住性

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――アウルとレジストロ。両車の内装について感想を聞かせてください。

【岩田】レジストロがデビューした時に、内装デザインを見てすぐに「このクルマ、欲しい!」って思ったんですよ(笑)。ウッド調の内壁と家具、落ち着いた色合いのシート&マット……。「山小屋感」というか、「秘密基地感」というか、男心をくすぐる室内空間がたまらないですね。アウルにも、レジストロの内装デザインがしっかり踏襲されていますから、個人的にはどちらの内装デザインも大好きです。

デザインやイメージは共通ですが、アウルの室内空間は、レジストロよりだいぶ余裕がありますね。レジストロは「1人旅か夫婦旅でゆったり使いたいなぁ」という感じですが、アウルの室内空間ならファミリーユーザーにも十分対応できます。

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トイレとして使えるマルチルームが付いているのも、アウルのポイントですね。実際、中に入ってポータブルトイレにしゃがんでみましたが、まったく問題なく使用できるサイズでした。車内にトイレがあると、利便性は格段にアップします。これは、レジストロにはなかったアウルならではの大きな魅力のひとつです。

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ちなみに、運転席側のリアに前向き2人掛けシートを装着して、3点式シートベルトでチャイルドシートを固定できるアウルのニューレイアウトも製作中とのこと。小さなお子さんがいるファミリーには、うれしいニュースですね。

レジストロ・アウルとレジストロ、どちらを買う?

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――最後に、アウルとレジストロのどちらを選ぶか迷っている人にアドバイスを!

【岩田】例えば、登山や秘湯めぐり、渓流釣りなどで狭い林道を走行する機会が多い人、機動性を最優先する人、普段のチョイ乗りに使いたい人は、迷わずレジストロでしょう。 ボク自身、登山を趣味にしていますが、登山道の入り口までのアプローチが狭かったり、駐車スペースに余裕がなかったりすることが多いんです。そんな時、自分の5×2キャブコンは、走るにしても止めるにしても大きすぎて、行ける場所が限られてしまうんですね。その点、レジストロなら、対向車とのすれ違いが困難なダートの林道でもストレスを感じることなく走れるし、狭い路肩の駐車スペースにも問題なく止められます。コンパクトさと、抜群の機動性が、レジストロの最大の武器です。

ファミリーユーザー、走行性能にこだわる人、プラスアルファの居住性を求める人、長距離移動が多い人には、レジストロよりも走行性能と居住性に優れたアウルがお勧めです。 レジストロは良くも悪くもベースが軽トラックですから、長距離ドライブの快適性では、確実にアウルに軍配が上がります。走行安定性はもちろん、乗り心地や静粛性に優れているのもメリット。レジストロと比べて、居住性にもかなりのゆとりがありますから、ゆったりと1人旅、夫婦旅を楽しみたい人やファミリーにもピッタリです。

Registro OWL(レジストロアウル)諸元

ベース車両
TOYOTA ライトエーストラック
エンジン
ガソリン1.495L
車体寸法
全長4,680mm/全幅1,910mm/全高2,590mm
定員
乗車定員6名/就寝定員5名
価格
4,334,000円(税込)〜
製造メーカー
MYSミスティック

Registro(レジストロ)諸元

ベース車両
TOYOTA ピクシストラック
エンジン
ガソリン0.658L
車体寸法
全長3,850mm/全幅1,770mm/全高2,500mm
定員
乗車定員5名/就寝定員4名(子供2人)
価格
3,456,000円(税込)〜
製造メーカー
MYSミスティック
WRITER PROFILE
岩田一成
岩田一成(いわた・かずなり)

1971年東京生まれ。キャンピングカーライフ研究家/キャンピングカーフォトライター。日本大学芸術学部卒業後、8年の出版社勤務を経て、2003年に独立。ライター・エディターとして、自動車専門誌を中心に累計1000誌以上の雑誌・ムック製作に携わる。家族と行くキャンピングカーの旅をライフワークとしており、これまでに700泊以上のキャンプ・車中泊を経験。著書に『人生を10倍豊かにする 至福のキャンピングカー入門』がある。

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