ハイエースベースのバンコングと和モダン軽キャンの座座!キャンパー鹿児島の新型キャンピングカーが登場

キャンピングカー紹介
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ハイエースベースのバンコングと和モダン軽キャンの座座!キャンパー鹿児島の新型キャンピングカーが登場

2025年に開催されたジャパンキャンピングカーショーでは、複数の新車を一気に発表するメーカーが多数ありました。以前紹介したVANTECHのアストラーレシリーズなど、会場にはたくさんの新型車両が揃っていました。

これまでにもたくさんのキャンピングカーが販売されていますので、新しいキャンピングカーを作る側のビルダーも大変なのでは、と思ってしまいます。しかし、そのおかげで、新しい工夫やコンセプトを見られることはありがたいです。

複数の新車を出していたメーカーの1つ、キャンパー鹿児島のブースでは多数の来場者が新車の前で足を止めていました。

シンプルな内装でカジュアルさを求めた「バンコング」

バンコング

「遊び心を解き放て!」のキャッチフレーズが付けられていたのが、キャンパー鹿児島が作ったハイエースベースの「バンコング」です。よりアクティブに、そしてカジュアルにキャンピングカーを楽しんでもらおうと、気軽に乗れるキャンピングカーを目指して開発されたモデルです。

ベース車両はハイエースS-GLで、ボディサイズが4695×1695×1980mm。運転のしやすいコンパクトなハイエースをベースにしています。バンコンはベース車両のサイズに快適性が左右されますが、車内レイアウトを工夫することで、限られたスペースであっても、快適に過ごせる工夫が盛り込まれています。

バンコングの車内レイアウト

車内レイアウトは前後方向のシートアレンジが可能なセカンドシートに、リアのベッドマットというシンプルなタイプです。後方の右サイドに標準装備のクーラーが取り付けられていました。非常にコンパクトなタイプで、出幅がキャビネットと同程度でした。おかげで室内空間を広く使えるようになっています。

セカンドシートの後方にあるベンチのようなマット部分をよく見てみると、マットレスと板が分離しているのが分かります。一般的なベッドマットであれば、強度を確保する板とマットレスが一体になっているタイプが多いのですが、バンコングでは板とマットレスを分離させているといいます。

マットをどけて板のみで利用することができて、そちらの方が用途に広がりがある、と考えてのことでした。

バンコングのリア

リアゲートからインテリアを見ると、ベンチシートが2つあり、中央にテーブルとして利用できるカウンターがセットされています。セカンドシートを使うことなく、リアサイドだけでリビングエリアを作ることができるのです。例えば、走行時にセカンドシートを前向きにしていても、休憩時にはレイアウト変更することなく、リアでくつろぐことができることになります。

クーラーの向かい側にある左リアサイドはウッドパネルで覆われていました。展示車両にはオプションのタオル掛けハンガーや5連アイアンフックなどが取り付けられていましたが、ウッドパネルなので、オーナーがDIYして、自分の好きな仕様にカスタマイズしやすくなっています。

バンコングのエコフローのデルタ3プラス

リアのキャビネット下に置かれていたのがエコフローのデルタ3プラス。大型のポータブルバッテリーで、キャンピングカーオーナーにも人気のモデルです。こちらのデルタ3プラスも標準装備されるそうです。左側に接続されているエクストラバッテリー1KWhはオプションだそうです。

このバッテリーシステムを使うことで、クーラーが約10時間使えます。熱帯夜であっても朝までクーラーを利用できるスペックです。大型のバッテリーを搭載すると、すぐに充電できるのかが心配になリますが、走行充電システムに高出力の装置を取り付けてあるので、それほど気にすることはなさそうです。

バンコングのマットレス

ベッドを展開する時は、セカンドシートをフラットにして、リアの板を並べて完成します。ベッドマット部分が板とマットレスで分離しているので、テーブルで使った板用のマットレスなどは運転席と助手席の後方へしまってありました。マットレスが必要な時だけ、ここから取り出せばいいのです。

ベッドマットとしての板をテーブルに利用できることで、パーツの点数が少なくなります。本来であれば、リアのシートとして使うベッドマットとテーブルが別に必要となってきますが、テーブルとベッドの板が共用できることで、スペースにも余裕が生まれているのです。限られたスペースでのレイアウト変更などを考えると、理にかなった手法であることが分かります。

禅の領域に達した!?和の世界に満ちた「座座(ざざ)」

座座(ざざ)

丸みを帯びてコロッとした印象の軽自動車がキャンパー鹿児島のブースに展示されていました。フロントから見ると、運転席部分と一体化したリアキャビンがあって、「こんなベース車両があったっけ?」と不思議な感覚になるのが、新車の「座座(ざざ)」です。

ベース車両はハイゼットトラックで、リア部分はすべてFRPで造形されているようです。フロント部分のラウンドしたボディ形状をうまくリア側でも表現したキャビンになっていました。サイド下には収納スペースがあって、ちょっとした荷物を収納するのに使えそうです。外で使う工具や室内へ持ち込みたくないゴミなどを入れておくのに便利です。

座座(ざざ)の室内

室内はウッドパネルに覆われた落ち着いた雰囲気。全面に断熱加工が施されているので、外気温の影響は少ないようです。ダウンライトが天井のセンターに1列だけ並んでいるシンプルなものでした。しっかりと室内全体を照らしていますが、あえて光量を押さえているようにも感じてしまいます。最近のダウンライトはLEDがほとんどで、照射範囲がLEDによって狭い場合も多く、2列のダウンライトを採用するモデルが多いのですが、こちらは光を操って室内の雰囲気作りに努めているようにも感じました。

そのように感じるのも、座座という名前から勝手に禅の世界をイメージしてしまっているからかもしれません。名前の由来を聞くと2人ということで、二つの座があるということでした。

座座(ざざ)のウッドブラインド

フロントとリアの境界にオプションのウッドブラインドが取り付けられていて、リアのサイドには大きなテーブルが設置されています。その上部にクーラーが取り付けられていました。このクーラーはオプション設定で、リチウムイオンバッテリー200Ah、C-TEK走行充電器、出力500Wインバーターがセットになったクーラーパッケージをセレクトする必要があります。

壁に取り付けられているフックなどは標準装備となっていますが、壁に無垢材を採用しているので、自分で好きな金具などを追加してカスタムを楽しむこともできます。大きなテーブルは跳ね上げることができるので、リアスペースを広く使いたい時も安心です。

座座(ざざ)のウッドブラインド

フロアは畳仕様になっています。畳と無垢材で覆われた室内は和テイスト強めのインテリアです。室内に入ると、茶室のような印象で落ち着いたリラックスモードになります。フロント側のブラインドとリアゲートを閉じて、アクリル二重窓のシェードを下ろせば、完全に密室となります。フロア全体に広がった畳の感覚が特別な空間を作り出します。

座座(ざざ)のリアから見た様子

座座ということで、2名で利用できることを謳っているキャンピングカーですが、就寝時のベッドレイアウトが気になります。テーブルを跳ね上げることができるのですが、しっかりとしたキャビネットがあるので、室内の床面積が若干狭く感じられます。そこで、考えられたのがテーブルとして使っている台をベッドにする、という方法でした。耐荷重をクリアした強度があるので不安を感じることなく就寝できます。

軽自動車という限られた空間に特別な世界観を生み出したキャンパー鹿児島。時代の流れに沿った装備と使いやすさを追求したモデル、そして、独特の世界観を生み出したモデルなど、多種多様なキャンピングカーを作り続けています。方向性の異なる2台を同時にデビューさせるなど、その柔軟なアイデアから生まれるキャンピングカーの今後の展開を期待してしまいます。

WRITER PROFILE
渡辺圭史
渡辺圭史(わたなべ・けいし)

1971年東京生まれ。アウトドア好きな編集者、そして、算数が好きだったライター。アウトドア用品メーカー、出版社を経て、キャンピングカー専門誌編集長に。現在はフリーとして、いろいろなメディアにて執筆中。アウトドアをキーワードに、より楽しいライフスタイルを求めてゆるりと奮闘中。最近気になっているワードは、旅、ミニマリスト、車中泊。趣味はコンパクトな旅とモノづくり。

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