
1月31日~2月3日に開催されたジャパンキャンピングカーショー2025で、MYSミスティックの新型キャブコン「レジストロトゥカノ」がデビューした。
同社のカムロードベースのキャブコンでは、逆ぞりバンクデザインが特徴のフラッグシップモデル・アンセイエがすでに人気を博しているが、ニューモデルのレジストロトゥカノは、軽トラベースのレジストロ、タウンエーストラックベースのレジストロアウルの兄貴分的な位置づけ。キャブコンとしては比較的手が出しやすい800万円台の価格で、クーラーや300Ahリチウムまで標準装備したコンパクトサイズの注目モデルだ。
普通免許で誰でも乗れる軽量コンパクトモデル

ボディは全長4900mm×全幅1870mm×全高2730mmと、大型化するカムロードベースの中ではコンパクトなサイズ感。フラッグシップモデル・アンセイエがディーゼルエンジン+大径リアダブルタイヤベースなのに対し、レジストロトゥカノはガソリンエンジン+小径リアダブルタイヤをベースにして、普通免許で誰でも乗れる「軽量・コンパクトなキャブコン」に仕上げている。
クーラーやリチウムまで標準装備したオールインワンモデルでありながら、車両重量は2400kgちょっとと、カムロードベースのキャブコンとしては驚きの軽さ。ハイエース・スーパーロングベースのバンコンでも、快適装備を満載したモデルは車両重量2700kgを超えるので、それと比べるといかに軽量かお分かりいただけるだろう。

車体の軽さは、加速性能・コーナリング性能・ブレーキ性能など、走行性能すべてに関わる重量なファクター。軽量ボディの恩恵で動力性能に不満を感じることはなく、コンパクトなボディサイズと相まって、バンコン感覚でスムーズなドライブを楽しめる。
シリーズ共通の個性的な外観デザイン

アルミサイディングを用いたシェルデザインは、レジストロ&レジストロアウルから踏襲されている。アメリカ西部開拓時代の幌馬車を思わせる独特のバンクデザインが、レジストロシリーズのアイデンティティ。シリーズ共通のデザインをカムロードに違和感なく落とし込み、スマートでオシャレなルックスに仕上げた。レジストロシリーズは個性的なスタイルを求めるユーザーに好まれる傾向が強いが、カムロードベースにおいても誰もが納得のカッコよさを実現している。

シェル構造は、強固なアルミフレームを木材の内壁とアルミサイディングの外壁で挟み込んだ、MYSミスティック独自のボディバス工法を採用。軽量化と高剛性を兼ねそなえ、優れた走行性能と安全性を実現している。

ボディの右リア部には、汚れ物や臭いの出るものも安心して保管できる扉付き収納庫を完備。

ボディ最後部の外部ハッチを開けると、車外から給排水タンクにアクセス可能。給水・排水作業を容易に行うことができ、快適にキャンプやクルマ旅を楽しめる。
ウッド基調のオシャレな山小屋風インテリア


インテリアの最大のポイントは、レジストロシリーズ共通のオシャレな山小屋風デザインだ。センターエリアには対面ダイネットと横向きソファ、リアエリアにはキッチンとマルチルームを配置。レイアウト自体はレジストロアウルの前向きバージョンと共通だが、カムロードベースで室内空間が広がったことで、さらなるゆとりを生み出している。

車内生活の中心になるダイネットは、大人数でテーブルを囲める開放的な空間。ベッドに展開すれば、大人3名がゆったり就寝できる長さ1800mm×幅1790mmのフルフラットスペースになる。

バンクベッドは、土台を引き出してマットをセットするだけのスライド拡張式。長さ2000mm×幅1780mmのビッグサイズなので、ダイネットを展開しなくても大人3名が就寝できる。バンクベッドとダイネットベッドを組み合わせれば、最大で大人6名が就寝可能だ。


室内後部には、大型キッチンが配置されている。カウンターにはガラスカバー付きシンク、キャビネットには靴入れとして使えるオープンラックや引き出し収納を完備。キッチン左手の壁には、49ℓ冷蔵庫がセットされている。


リアエントランスの左手には、コンパクトな家具が装備されている。正面には、ACコンセントやUSBソケット、FFヒーターの吹き出し口、電子レンジをセット。後部には、照明やインバーター、FFヒーターなどの各種スイッチとサブバッテリー容量や使用電力を確認できるマルチモニターが集約されている。


リア後部の右手には、トイレルームや大型収納庫として活用できる、広々としたマルチルームを完備。外部ハッチで車外からルーム内にアクセスできるので、キャンプ道具など大きな荷物の積み下ろしも容易だ。

キッチン上部の天井には、換気用ルーフベントをセット。室内上部の左右には、生活小物の収納に便利なオーバーヘッドキャビネットも装備されている。
ルーフクーラー&300Ahリチウムも標準装備

快適装備の充実度も、レジストロトゥカノの大きな魅力だ。冷蔵庫や電子レンジ、FFヒーターのほか、300Ahのリン酸鉄リチウムイオンバッテリーシステムやルーフクーラー、外部充電の効率をアップする新機構「稲妻システム」まで、あらゆる装備を標準化。オプションパーツを追加しなくても、標準装備のみで快適なキャンピングカーライフを楽しめる。

天井のセンター部分には、DC12Vルーフクーラーが埋め込まれている。標準装備の300Ahリチウムシステムで長時間クーラーを稼働することができ、夏場のキャンプやクルマ旅も快適そのもの。暑い日にペットを車内で留守番させる際にも、安心感が高い。

レジストロトゥカノは、「普通免許で誰でも乗れる軽量&コンパクトボディ」「個性的な外観デザイン」「オシャレな山小屋風の室内空間」「豪華な標準装備」など、さまざまな魅力を併せ持った最新モデルだ。これだけ多くの長所を備え、フレームからシェル、内装まですべてをMYSミスティックの自社工場で製造した“メイド・イン・ジャパン”でありながら、価格は869万円とカムロードベースのキャブコンとしてはリーズナブル。夫婦旅からファミリーユースまで、オシャレ&快適にキャンピングカーライフを楽しめる、魅力的なキャブコンに仕上がっている。
レジストロトゥカノ諸元
- ベース車
- トヨタ カムロード
- エンジン
- ガソリン2.0ℓ
- 駆動方式
- 2WD
- 車体サイズ
- 全長4,900mm/全幅1,870mm/全高2,730mm
- 定員
- 乗車定員7人/就寝定員6人
- 価格
- 869万円