トイファクトリーの輸入車専門ディーラー「ユーロトイ」がヨーロッパの美しく機能的なキャンピングカーを国内へ広める

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トイファクトリーの輸入車専門ディーラー「ユーロトイ」がヨーロッパの美しく機能的なキャンピングカーを国内へ広める

クオリティの高い国産バンコンを作り続けてきたトイファクトリーが、ユーロトイという輸入車専門ディーラーを2024年から本格スタートすることになりました。2022年に国内5社に限定されたフィアットプロフェッショナルの正規販売ディーラーとなり、トイファクトリー製のオリジナルデュカトキャンピングカーを既に発表していますが、今度はヨーロッパから新しいブランドのキャンピングカーを正規輸入して販売することになったのです。

ユーロトイではフィアットデュカトを含めて、8つのブランドを取り扱うことが決まっています。どれもトイファクトリーが厳選したブランドばかり。同社の作り出すバンコンと同じように、高いクオリティを追及したモデルがラインアップされました。

どのようなクルマが販売されるのか気になるところです。そこで、今回はユーロトイ取り扱いブランドのなかから、すでに国内へ輸入されているモデルの一部を紹介しましょう。その上質な空間を感じてみてください。

フィアットデュカトベースのトイファクトリー

ダ・ヴィンチ

まず最初はフィアットデュカトをベースにトイファクトリーが作ったクルマです。上の写真はフラッグシップモデルとなるダ・ヴィンチ。ボディ全長6mと5.4mの2種類があり、写真のモデルはコンパクトな5.4になります。

これまでハイエースのキャンピングカー製造時に行われていた断熱処理をさらに発展させ、最強断熱ともいわれる施工方法が採用されています。ハイエースベースモデルでは、断熱セラミック塗装をして、その上に新素材高断熱材を張り、窓に断熱アクリル2重ウィンドウを取り付けていました。

今回のフィアットデュカトベースのモデルには、さらに天井と床面に高い断熱効果を発揮するインシュレーションウォールを設置して、運転席に断熱シェードまで取り付けられているのです。フィアットデュカトの空間の広さを活かした施工方法といえます。

ダ・ヴィンチのインテリア

ドイツの高級キャンピングカーメーカーハイマーでメインデザインを担当していたフランク・ヴェンダー氏とチームを組み、ヨーロッパスタイルの上質な質感と、トイファクトリーが長年追及してきたクルマ作りのエッセンスを感じるインテリアになっています。

シートはトイファクトリーが独自に輸入している高級シートメーカーaguti(アグチ)を採用。上質で座り心地の良い質感に加えて、ヨーロッパの基準をクリアした安全性の高さがポイントです。

オリジン5.4

トイファクトリーがフィアットデュカトで作ったキャンピングカー。2つ目はオリジン5.4。コンパクトなボディで、オーナーのカスタマイズもしやすいモデルです。オプションのポップアップルーフを取り付けると、ルーフベッドも利用できます。

オリジン5.4のインテリア

インテリアはミニマムな装備で、スマートな印象を感じます。セカンドシートを取り外すことも簡単で、乗車人数を変えて、オーナーの使い方に合わせたアレンジが可能になりました。

リアには1950mm×1460mmの常設ダブルベッドが設置されています。ラゲッジスペースは吊り下げ棚、リアベッド下、リアキャビネットと各所にあり、その積載能力は非常に高いといえるでしょう。

ユーロバーデン

3つ目はトイファクトリーの人気車種でもあるバーデンをフィアットデュカトに移植したユーロバーデンです。使いやすくユーザーからの支持も高いインテリアを、ベース車両を変えることで、その可能性をダイナミックに広げました。

ユーロバーデンのリビングスペース

エントランスから、セカンドシートとサードシートによるリビングスペース、リアに常設ベッド、扉の横にキッチンをレイアウト。このシンプルでかつ導線を確保した使いやすいレイアウトを採用して、さらに広がりのある空間となっています。

乗車定員6名、就寝人数4名でファミリーでも利用できる、フィアットデュカトベースのキャンピングカーになりました。インテリアは軽量家具を採用したヨーロピアンデザイン。新しいバーデンの進化、そして可能性を感じたオーナーも多いのではないでしょうか。

イタリアンデザインの「Etrusco(エトルスコ)」

Etrusco(エトルスコ)

ここからはトイファクトリーが新規に取り扱いを開始したヨーロッパのキャンピングカーブランドです。上の写真はEtrusco(エトルスコ)というブランドで、2016年、ハイマーグループに誕生しました。イタリアを拠点に生産されていて、エレガントなインテリアが特徴となっています。

エトルスコCV600BBのインテリア

写真のモデルはエトルスコCV600BBになります。明るい基調のモダンインテリアデザインで、地中海の海辺を感じさせる軽やかな雰囲気。フロントシートを回転させてできたリビングスペースには、ルーフトップから光が差し込み、心地よい空間が広がっています。

エトルスコCV600BBのキッチン

キッチンは右サイド中央に設置されていて、グラストップカバーが取り付けられたモダンなデザインです。エントランス側に冷蔵庫があり、どのエリアからもアプローチしやすく、コンパクトにまとめられています。

エトルスコCV600BBのリアのベッドエリア

エトルスコCV600BBはリアのベッドエリアにダブルベッドを2段設置し、就寝人数4名を実現しました。2段ベッド仕様になっていますが、下段ベッドマットの下は大きな収納スペースとなっていて、たくさんの荷物を積み込むことができます。

上段の空間も大人が寝られる十分なスペースが確保され、ウッドスプリングによる快適な寝心地を提供してくれます。左側に見えるコンパクトな吊り下げ棚のおかげで、圧迫感も軽減されました。

エトルスコのロゴ

洗練されたエレガントなデザインのキャンピングカーを提供してくれるエトルスコ。インテリアの美しさはヨーロッパ基準でも前衛的で、トイファクトリーが目をつけ、輸入を開始した理由はそこにあるようです。品質やデザインを追及するその姿勢は、トイファクトリーと共通する企業理念なのかもしれません。

ヨーロッパの上質なキャブコンを教えてくれるエトルスコ

エトルスコのT6900SB

前の記事でも紹介した美しくラグジュアリーな旅を提供してくれるエトルスコT6900SB。キャンピングカー先進国らしいキャブコンの高いクオリティを強く感じさせるモデルです。

キャブコンながら、フロントからリアへ流れるエクステリアのシルエットはスマートでエレガント。そのスタイリングをキープしたまま、トータルデザインをフィニッシするには細部のこだわりが必須。妥協のない、エトルスコらしいクルマ作りを感じます。

エトルスコのT6900SB、リビングスペース

フロント回転シートを使ったリビングスペース。大きなテーブルが設置され、ゆとりを感じるレイアウトが、落ち着いた空気感を産んでいます。キャンピングカーで過ごす大切な時間を、インテリアの1つ1つがていねいに演出しているような錯覚すらおぼえます。

エトルスコのT6900SB、室内空間

室内高は2100mmもあり、開放感あふれる室内空間が広がっています。リビングエリアからリア側にキッチン、バスルームがあり、最後部がベッドルーム。フロント側とリア側が独立していて、2ルーム仕様のように利用することも可能です。

エトルスコのT6900SB、ベッドルーム

リアのベッドルームは中央にマットを敷き詰めることで、ツイン、ダブルの両方のベッド展開が可能になりました。ベッドのヘッドボードにはエトルスコの刺繍が施されていて、高級ホテルにあるベッドルームのようなエレガントさを感じます。

エトルスコのT6900SB、オプションのプルダウンベッド

オプションのプルダウンベッドを設置すれば、大人5名の就寝も可能になります。電動式昇降機構でリビングテーブル上部にセット。プルダウンベッドを設置しても、運転席上部にある大きなトップウィンドウのおかげで、室内が暗くなることもありません。

エトルスコのT6900SB、L字型キッチン

L字型キッチンがセカンドシート後部、リビングエリアの隣に設置されています。広々としたキッチンエリアには、大きなシンクが取り付けられ、本格的な調理も可能です。カウンタートップの周りにアイアンで縁取られていて、その下には間接照明が仕込まれていました。キッチンエリアも美しいアクセントにより、上質な空間となっているのです。

エトルスコのT6900SB、収納スペース

キッチンキャビネット下は収納スペースとして活用できます。大きな調理器具も余裕で収められるサイズで、キッチン周りの整理整頓に役立つことでしょう。

エトルスコのT6900SB、バスルーム

バスルーム全体が明るい雰囲気。ホテルライクなシンクとミラーは、シャワー利用時にトイレ側へと移動できるようになっています。おかげで、不必要にトイレやシンク、ミラーをシャワーで濡らすこともありません。キャンピングカー先進国らしいアイデアを感じます。

エトルスコのT6900SB、ラゲッジエリア

リアベッドルームの下部はラゲッジエリアとしてスペースを確保。両サイドの大きな扉からは自転車なども余裕で積み込めるようになっています。内部の壁にはレール式アンカーポイントがセットされ、バイクや大きな荷物の固定に重宝するのではないでしょうか。

トイファクトリーがセレクトしたヨーロッパのキャンピングカーは、長い歴史から生まれた、デザイン性、機能性を強く感じるモデルばかりでした。今後、さらに上質なモデルも国内上陸を果たすようです。

まだ見たことのないヨーロピアンテイストを感じたいのであれば、トイファクトリーのユーロトイから始めてみるのもいいかもしれません。

取材協力 トイファクトリー

WRITER PROFILE
渡辺圭史
渡辺圭史(わたなべ・けいし)

1971年東京生まれ。アウトドア好きな編集者、そして、算数が好きだったライター。アウトドア用品メーカー、出版社を経て、キャンピングカー専門誌編集長に。現在はフリーとして、いろいろなメディアにて執筆中。アウトドアをキーワードに、より楽しいライフスタイルを求めてゆるりと奮闘中。最近気になっているワードは、旅、ミニマリスト、車中泊。趣味はコンパクトな旅とモノづくり。

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