
2025年のジャパンキャンピングカーショーでひときわ注目を集めたのは、タウンエースをベースにしたキャンピングカーでした。昨年から徐々に増えて、今年はその進化形が登場していた感じです。
特に目を引いたのが、ハイルーフ仕様のモデル。コンパクトボディながら、室内の広さと快適性を両立させた設計で、多くの来場者の関心を集めていました。
バンコンの老舗でもあるレクビィのブースでは、昨年デビューしたモデルのハイルーフ仕様「レクビィ コットCT」と「ホビクル タウンランダーCT」が初披露されていました。従来のモデルに比べて天井が高くなったことで、車内での移動性が向上して、より快適になっています。
今回はこの2つのモデルに注目。走りと広さ、タウンエースならではの機動力を損なわない絶妙なバランスを実現したモデルをチェックしてみましょう。
目次
全高2210㎜のコットCTは快適性と収納力アップ!

かわいらしいスタイリングで注目されているレクビィのコットにハイルーフ仕様が登場しました。丸みを帯びたタウンエースのボディにフィットした美しいデザインのハイルーフが取り付けられています。ノーマルのルーフに比べて28cmも高くなっていますが、それほどボリュームを感じない、すっきりとした印象です。
ハイルーフ部分は、フロントウインドウ上部に少しだけ飛び出すデザインで、リアに向けてスムーズに立ち上がり、流れてきた空気を送り出すようなリアエンドデザインになっています。空力を考えたことで、タウンエースのボディ全体とも調和していて、トータルなバランスが保たれたようです。

室内に入ってみると、その室内空間は広がりを感じます。リアのリビングエリアの天井が高く、車内の移動もスムーズ。縦に伸びるインテリアデザインがさらに広さを感じさせてくれます。天井が高くなりましたが、ダウンライトも効率よく車内全体を照らしています。
基本的なレイアウトは前後に向きをアレンジできるセカンドシートが装備された、5名乗車、2名就寝となっています。セカンドシートを後ろ向きにセットして、リアのベッドマットを並び替えると、テーブルを囲んでのリビングが現れます。
キッチンのシンクは左後方に取り付けられていて、リアゲート側の外からでも利用できる位置にあります。展示されていたモデルはAC仕様ということで、シンクの向い側、右側後方にクーラーが取り付けられていました。
クーラーは家具の一部に組み込まれていて、システムにはデンソーのCAM COOLを採用。CAM COOLはDC24Vのコンパクトなクーラーで、省スペースモデル。コンパクトボディのタウンエースにはぴったりのクーラーです。

ハイルーフ仕様になったことで、室内の快適性が向上しただけでなく、収納力もアップしました。コットCTの室内は、人が移動する個所の天井が高くなっていますが、フロントやリア側は従来の天井の高さのまま。その代わり、その場所は収納スペースとして利用されることになりました。
両サイドにもハイルーフのスペースを有効に活用した吊り下げ棚が設置されています。リビングスペースを全体を取り囲むようにラゲッジスペースが確保され、たくさんの荷物を積めるようになったのも、ハイルーフの恩恵です。
アレンジしながら楽しむタウンランダーにもハイルーフが追加

レクビィのバンコンシリーズのなかでも、オフロードやアウトドアのオーバーランド系のラインアップカテゴリーをカバーするのがホビクルシリーズです。2024年にはタウンエースのタウンランダーが登場して、コンパクトなボディの機動性が高く評価されました。
そのタウンランダーにもハイルーフ仕様ホビクル タウンランダーCTの登場です。上のコットCTと同じルーフを採用して、全高は2210mm。その分、室内空間が広くなり、車内アレンジの幅が広がったようです。

タウンランダーはリア回りのシステムに特徴があります。両サイドにレールが装着されていて、そのレールにベッドマットをセットすることで、いろいろなレイアウトのアレンジを可能にしたリアベッドシステムが搭載されています。
リアサイドにはウォールポケット、その上のリアウインドー部分にはサイドモールシステム、そしてルーフ近くにはアイアンバーが取り付けられ、使う人が自由にカスタマイズしながら使える設備となっていました。

そんな収納力を考えた設備だったのですが、ハイルーフのおかげで、室内空間が広がり、より多彩なアレンジが可能になったようです。リアに荷物を集中させて、高さのあるリビングエリアを確保することも可能です。
従来通り、リアにはコンパクトなシンクも搭載されています。上の写真の左側、1段目の棚の下に収まっているのがコンパクトなギャレーになります。アウトドアでも使えるコンパクトな設計が、アウトドア好きなオーナーにはぴったりなのではないでしょうか。
誰もが乗られるキャンピングカーの未来を見据えたハイルーフ

新興のFRP制作会社、キャラベルが開発したハイルーフはエクステリアデザインともうまく調和しています。大きすぎず、効果的なスペースを確保できるデザイン。ハイルーフ部分をどのように使うか、何度も検討されたようです。
ハイルーフの開発者は、キャンピングカーという乗り物に長く乗り続けてほしいという思いがあり、誰もが運転しやすいモデルは何か? と考えた時、タウンエースとハイルーフという組み合わせが生まれたといいます。運転のしやすいボディ形状もさることながら、高さも重要な要素だったようです。

フロント側には窓が取り付けられていて、室内へ明かりを取り込みます。フロント部分のバンクにあたるエリアは明るく、日中であれば、荷物を探すことも簡単。明るく奥行きを感じることができるので、省スペースながら、広さを感じさせる効果も発揮しているようでした。
このフロント上部のルーフウインドーはハイルーフに標準装備されているので、このハイルーフタウンエースを使ったモデルでは、いろいろなレイアウトの工夫が考えらることでしょう。今後のさまざまなバリエーション展開にも期待してしまいます。

ジャパンキャピングカーショー2025のレクビィブースに展示されている、ホビクル タウンランダーCTは一部がカットモデルになっていて、内部の構造が確認できるようになっていました。そこで、注目されるのが、今回追加されたハイルーフ部分の内部がどのような構造になっているか?です。
そのカットモデル部分をチェックしてみると、ハイルーフ部分にもしっかりと断熱材が入っていることが分かりました。組み込まれているサーモ・サウンドシステムは、断熱・遮熱・制振・吸音効果を発揮してくれる最新の施工技術です。遮熱材は輻射熱を97%カットしてくれるので、夏場も冬場も快適さをキープ。そして制振材は繊維質系を採用することで軽量と薄型を実現しました。
コンパクトなキャンピングカーは、取り回しのしやすさや運転のしやすさが魅力ですが、その一方で「車内空間の狭さ」が課題となることもあります。そんななかで登場したハイルーフ仕様のレクビィタウンエースバンコン「レクビィコットCT」「ホビクルタウンランダーCT」は、広々とした居住空間を確保したことで、日常使いからレジャーやアウトドアまで、より快適に楽しめるモデルとしての期待が高まりそうです。
レクビィ コットCT諸元
- 車体サイズ
- 全長4,065mm/全幅1,665mm/全高2,210mm
- 定員
- 乗車定員5人/就寝定員2人
- 価格
- 6,578,000円〜
ホビクル タウンランダーCT諸元
- 車体サイズ
- 全長4,065mm/全幅1,665mm/全高2,210mm
- 定員
- 乗車定員5人/就寝定員2人
- 価格
- 5,962,000円〜