軽キャンパーにサイド開きのポップアップルーフを採用する4名就寝可能なオフタイムBASE

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軽キャンパーにサイド開きのポップアップルーフを採用する4名就寝可能なオフタイムBASE

軽自動車をベースとするキャンピングカー最大のメリットは、そのコンパクトなボディです。街中でもストレスのないドライビングが可能で、運転に慣れていない人でも、安心して旅を続けることができます。軽キャンパーのなかでも、設備が充実したモデルもあり、大型キャンピングカーと変わらない快適性を備えているモデルもあります。

ただ、そのクルマ自体のボディサイズを大きくすることができないのがデメリットともいえます。軽自動車ベースで軽自動車枠よりも大きなボディを架装したキャンピングカーもありますが、税金面などでの優遇が得られなくなってしまうのです。

そこで、軽自動車ベースであっても、室内空間を広げる方法として、ポップアップルーフを採用しているクルマがあるのです。クルマを停車させた時、クルマの天井部分が上へ持ち上げられて、室内の高さを確保します。

ポップアップルーフにも種類があって、天井が水平に上部へ移動するタイプ、クロスした支柱を使って斜めに持ち上がるタイプ、片ヒンジで展開するタイプなどです。片ヒンジの場所は前後、左右があり、一般的なタイプは前後仕様で、多くの軽キャンパーポップアップモデルに採用されています。

左右に開くタイプは現行モデルでは珍しい存在です。現行で販売されているのは、今回紹介するスマイルファクトリーオフタイムBASEのみといっていいでしょう。この主流ではない手法を取り入れたメリットは何か?技術に特化したスマイルファクトリーならではのこだわりに注目してみましょう。

スペースを有効に使える軽キャンパーのポップアップルーフ

オフタイムBASEのポップアップルーフ

一番上の写真がスマイルファクトリーオフタイムBASEです。全体のシルエットが大きく上下に広がっているのが分かります。ルーフ部分に取り付けられているのが、ポップアップルーフ。一般的なポップアップルーフとは違って、サイドを支点にしてテントが立ち上がっているのが分かります

ルーフ部分はリブの入った高強度FRPで作られていて、3つの蝶番でしっかりと固定されています。ルーフ部分にはテントが接続され、ポップアップルーフを立ち上げるだけで、テントも同時にセットされるようになっていて、セッティングも非常に簡単。

オフタイムBASEのポップアップルーフ

テントは内部に骨組みがあって、ボックス型に立ち上がる仕組みです。前後にはポップアップルーフ部分をサポートするダンパーが取り付けられているので、立ち上げの際はそれほど力を入れることなく立ち上げられます。

横開きの場合、そのルーフの立ち上がり方が特徴的で、高さの割に室内空間が広くなるのが特徴となります。前後開きの場合、どうしてもヒンジ側のスペースが低くなってしまいます。例えば、ルーフ部分で寝ているだけであればいいのですが、座って外を眺める時など、大人2人が余裕を持って座れるスペースを確保できるのは、この横開きスタイルになります。

オフタイムBASEのポップアップルーフの内部

ルーフの短辺部分を立ち上げることになるので、角度をつけて立ち上げても、全体のシルエットがそれほど高くなることはありません。スペースに関しては、内側からボックス形状に膨らむので、FRPルーフとは逆側のスペースが広がります。上写真に写っている、室内のポールがしっかりとテントを外側に押し出しているのが分かります。

現行モデルではサイド開きのポップアップルーフがほとんどありません。ウエストファリアのワーゲンバスなどでは採用されていた時期もあって、当時のデザインに憧れを抱いた人も多いのではないでしょうか。このようなサイド開きでは、機構が少し複雑になるので、徐々に消えていったと考えられます。それでも、メリットを感じたスマイルファクトリーはこの美しいスタイルを採用しました。

軽自動車のスペースを最大限活用したリビングエリア

オフタイムBASEの室内レイアウト

オフタイムBASEは特徴的なポップアップルーフが注目されますが、室内のレイアウトも機能的です。リア側のシートアレンジが多彩で、大人が対面対座できるリビングレイアウトも簡単にセッティングできます。マットのアレンジでテーブル上部を広くしたり、お座敷スタイルで利用するのもいいでしょう。

シート面も室内の横幅いっぱいに広がっていて、広々としています。家具は最小限に抑えられていて、なるべく室内の空間を確保するようにレイアウトされているようです。床下はちょっとした小物入れとしても利用できるスペースがあるので、マットの上に小物が散乱することもありません。

オフタイムBASEの全面マット展開

全面にマットを展開することでフルフラットベッドが完成します。上部にもマットを敷き詰めることができるので、上段をベッドとして利用したり、下部分をラゲッジスペースとして利用できます。上部リア側のみを1.2m×0.9mのベッドにすることもできて、子供であれば横に寝ることもできるので、下段の1.2m×1.8mのベッドスペースと合わせて、ファミリーでの利用もしやすいレイアウトになっています。

ベッド面は左右いっぱいに広がっていて、スペースにも余裕があります。シンプルではありますが、広さを感じられるレイアウトです。広々としていて、余分なスペースがないように見えますが、この状態でサブバッテリーを搭載できるというのは驚きです。

オフタイムBASEの上段でのベッド展開

ロフトベッドと名付けられた、上段でのベッド展開により、ポップアップルーフを合わせて、3層の空間を手に入れることができます。ポップアップルーフ部分にも就寝が可能なので、ロフトベッド+ポップアップで4名就寝して、下段全面を荷物置きとして利用することも可能です。

立ち上げたポップアップのスペースを室内空間として利用することで、ロフトベッドスペースを広々としたくつろぎのリビングとして、ぜいたくに利用するのもいいでしょう。その際も、ポップアップルーフがサイド開きになっているので、ロフトベッドのどの位置に座っていても、同じようなヘッドクリアランスが確保できるのが、この特徴的なポップアップルーフの利点。

軽キャンパーに詰め込まれた妥協のない機能性

オフタイムBASEの構造

軽キャンピングカーはスペースが限られているので、スペースをどのように活用できるかが、車内で過ごす際の快適性に直結します。室内空間を最大限に確保しながら、設備としての機能性も高めなければなりません。特にベッド展開は各社が頭を悩ませるポイント。なるべく簡単に設置できて、しかも、しっかりとした安定感が求められます。

このオフタイムBASEでは一般的なフルフラットベッドに加えて、上段にもベッドを展開できるのが特徴でした。リアのキャビネット上部にベッドマットを展開するモデルはよく見かけますが、フロント側までの全面をベッドマットが覆えるようになっているモデルは少ないといっていいでしょう。しかも、フロント側でマットを支える構造がシンプルでありながら、しっかりと固定している機構は注目のポイントです。

オフタイムBASEのロフトベッド

ロフトベッドを使う時、下段は奥行き最大1.8mのラゲッジスペースとして機能します。サイドには電源コンセントなど、キャンパーとしての設備が組み込まれていました。ロフトベッドのマットを固定している支柱もシンプルで、かつスマートな作りなので、車内スペースを圧迫することはありません。

オフタイムBASEは標準装備の違いでベーシックパッケージとフルパックの2つのグレードが設定されました。フルパックにはリチウムイオンバッテリー100A、走行充電、出力1500Wインバーターなどが組み込まれ、大型キャンピングカーに引けを取らない機能性を発揮してくれます。オプションでポータブルクーラーを設定していたり、充実のメニューが揃っているのも特徴です。

オフタイムBASEのフロントサスペンション

製造元のスマイルファクトリーは、キャンピングカーの乗り心地を改善するために、独自の足回りを開発しているメーカーとしても有名です。軽キャンパー用のサスペンションも開発していて、このオフタイムBASEにも、しっかりと足回りが組み込まれていました。

フロント側にはテインと共同開発したフロントサスペンション、リアには自社開発のエアサスペンションを組み込んで、重くなりがちな軽キャンパーのふらつきを軽減して、安定した走りを実現しています。しなやかな柔軟性がありながら、停車時に車内で過ごす時に揺れも軽減してくれる、軽キャンパーの弱点をカバーしてくれるトータルコーディネイトされた足回りです。

機能的に複雑になってしまうサイド開きのポップアップを採用して、快適性とデザイン性を追求したり、大型キャンピングカー同様の充実した設備、そして、走りまで追求したスマイルファクトリー。そのこだわりが存分に味わえるのがこのオフタイムBASEといえるでしょう。

オフタイムBASE 諸元

ベース車両
スズキエブリイ
車体サイズ
全長3,390mm/全幅1,470mm/全高1,850mm
定員
乗車4名/就寝 4名
価格
ベーシックパック 532万8400円
フルパック601万4800円
WRITER PROFILE
渡辺圭史
渡辺圭史(わたなべ・けいし)

1971年東京生まれ。アウトドア好きな編集者、そして、算数が好きだったライター。アウトドア用品メーカー、出版社を経て、キャンピングカー専門誌編集長に。現在はフリーとして、いろいろなメディアにて執筆中。アウトドアをキーワードに、より楽しいライフスタイルを求めてゆるりと奮闘中。最近気になっているワードは、旅、ミニマリスト、車中泊。趣味はコンパクトな旅とモノづくり。

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