フィアットデュカト6mベースのキャンピングカーを多彩なレイアウトで展開するスペランツァ600

キャンピングカー紹介
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フィアットデュカト6mベースのキャンピングカーを多彩なレイアウトで展開するスペランツァ600

フィアットデュカトベースのキャンピングカーが出揃ってきました。ベース車両の種類はL2H2とL3H2の2つがほとんどを占めています。L2は5.4m、L3は6mのサイズで、市場ではL2の小さいサイズからモデルが揃っていったようです。

そして、ようやく、今年に入ってから、L3ベースのキャンピングカーがお披露目されるようになってきました。各社、L3の広いスペースをどのように活用しているのかが注目されるポイントです。

東和モータース販売でも、既存のスペランツァ540のロングバージョンとして、600シリーズが発表されました。レイアウトは3種類用意されていて、マルチルームを設置していたり、ツインベッド仕様を採用するなど、バンコン以上の快適性を感じさせるモデルとなっています。

今回はこのスペランツァの600シリーズに焦点を当てて、その3つのモデルのレイアウトの違いなどをチェックしてみたいと思います。

フィアットデュカトのリアスペースに生まれた60㎝の余裕 600TM

スペランツァ600TMの内装

フィアットデュカトのベース車両が長くなったことで、車内レイアウトは自由度の高いデザインを採用することができました。特に、リアエリアに設けられたベッドルームのレイアウトが大きく変わっています。

この600TMはマルチルームがありながら、リア側に縦方向へ寝られるツインベッドをレイアウト。センターにあるステップで両サイドのベッドマットへアプローチでき、エレガントな雰囲気を感じることでしょう。

スペランツァ600TMの対面対座のリビングスペース

フロント側は運転席と助手席を回転させることで、対面対座のリビングスペースが完成します。回転シートになっていることで、スペースが有効に活用され、リビングスペースは広々としています。どのシートに座ってもしっかりとした座り心地があるのが特徴です。

スペランツァ600TMのテーブル

テーブルは使い方によってサイズを変更することもできます。助手席側のテーブルが遠い場合はこのように回転させて、手元までテーブルを伸ばすことができるのです。運転席だけを回転させて、テーブルもコンパクトにすれば、ゆったりとした二人旅仕様にも。

スペランツァ600TMのリアのツインベッド

リアのツインベッドはセンターにステップがあり、シングルベッドが左右に振り分けられています。ステップ部分には間接照明が組み込まれていて、夜、足元をしっかりと照らしてくれます。国産キャンピングカーではフルフラットダブルベッドが主流でしたが、ヨーロピアンスタイルのツインも人気が高まりそうです。

スペランツァ600TMのベッド下ラゲッジスペース

ベッド下はすべてラゲッジスペースとして利用できます。横側面が直角に立ち上がっているので、無駄なスペースがなく、収納力も高いといえるでしょう。リアの扉は両サイドに開き、約270度の開放ができるように扉ひんじ部分が仕様変更しているのも特徴です。

スペランツァ600TMの収納スペース

スペランツァの特徴は収納スペースがたくさんあること。ベッド下の大きなラゲッジスペースに加えて、室内のいたるところに収納スペースがあります。ベッドエリアもボディの全長を活かして、縦方向に生まれたスペースをラゲッジとして活用しています。

くつろぎのラウンジソファにマルチルームを実現 600LM

スペランツァ600LMのL字型ラウンジソファー

600LMはL字型のラウンジソファーを設置したモデルです。デュカトL3H2が持つ全長の優位性をリビングスペースで活用しています。そして、マルチルームを設置して、リアにベッドエリアを展開。リビングの広さとマルチルームの両方を使いたい人向けです。

スペランツァ600LMのリビングエリア

リビングエリアは広々としていて、リビングスペースで長時間くつろぎたい人におすすめのレイアウトです。フロントシートからソファへの移動もスムーズ。簡単にリアへのアプローチが可能になりました。縦に伸びるソファは奥行きもあり、簡易ベッドとしても重宝するでしょう。

スペランツァ600LMのリアフルフラットダブルベッド

リアはフルフラットのダブルベッド仕様。ハシゴが設置できるようになっていて、ベッドルームへ入る時にサポートしてくれます。ツインベッドと違って、センターにスペースがないので、ファミリーでの利用などにも適しているかもしれません。

スペランツァ600LMのベッド下ラゲッジスペース

ベッド下はラゲッジスペースとして利用できるようになっています。上の写真はフロント側からの景色で、室内からも簡単にアプローチできるようになっているのが便利。照明もしっかりと設置されていて、荷物の整理もしやすくなっているのがポイントです。

スペランツァ600LMのベッドマットを外したラゲッジスペース

ベッドマットを取り外せば、広々としたラゲッジスペースとして利用できます。背の高い荷物なども余裕で収納可能。小物などはキャビネットへ収納して、効率的に荷物を積み込むことができるでしょう。またはキャビネット上部のカウンタートップを作業スペースとしても利用できます。

スペランツァ600LMのキッチン

キッチンはすべてのモデル共通で、左側に配置されています。右側がフロント方向に伸びるようになっていて、作業スペースを広げることも可能。シンク下には電子レンジがあり、エントランス側には冷蔵庫を設置しました。コンパクトにまとめられた使いやすいキッチンです。

広々としたリビングと余裕のあるツインベッドを融合 600TI

スペランツァ600TIのリビングスペース

横向きソファとツインベッドを組み合わせたのが600TIです。広々した開放的なリビングスペースに余裕のあるベッドルーム、両方を求める人にぴったりのレイアウトになります。特にゆったりとしたラグジュアリーな二人旅を求める人に最適といえるでしょう。

スペランツァ600TIのリビングスペース

ベンチタイプのソファは大人が寝られるほどの大きさがあり、助手席を回転させることで、さらに大人数での利用が可能になります。前後の動線にも余裕が生まれて、車内移動も楽々。空間に余裕を感じられ、ラグジュアリーな上質な空間を味わうことができます。

スペランツァ600TIのリアのツインベッド

リアのツインベッドは600TMと共通で、センター部分にマットを敷き詰めて、フルフラットの状態にすることができます。ベッドエリアのアプローチはフロント側のベンチシートに足をかければ簡単。高さはありますが、スムーズに乗り降りできるので安心です。

スペランツァ600TIのウッドスプリングタイプ

快適な就寝タイムを過ごすために、ベッドへのこだわりも感じます。マットレスの下はウッドスプリングタイプになっていて、重量を適度に分散させながら、心地よいクッション性能を発揮してくれます。また、通気性もよく、マットの湿気をしっかりと逃がしてくれます。

スペランツァ600TIのベッドマット

ウッドスプリングの上に載るベッドマットもしっかりとした厚みが確保されていて、最高の寝心地を提供してくれます。長旅になるキャンピングカーの旅では、睡眠も大切な時間です。その大切な時間を心地よく過ごすために、ベッドに対する最上級へのこだわりを感じます。

スペランツァ600TIの室内ライトシステム

室内ライトシステムは大きなルームランプに加えて、このスポットライトが装備されています。各モデル、ベッドエリアやリビングスペースに設置されています。レール式になっていて、自由に場所と角度を調整でき、USB充電端子などもセットできるようになっていました。

フィアットデュカトに取り付けられた最上位バンコンとしての標準装備

標準装備されたステップ

フィアットデュカトのL3L2はその大きさから、既存の高級キャブコンモデルをカバーするポテンシャルを秘めています。スペランツァはバンコンモデルとなりますが、大型のキャブコンと変わらない装備を標準で採用しているのも特徴といえるでしょう。

その1つがこの標準装備されたステップ。フィアットデュカトのフロアはボディに対して低く設計されているのですが、最低地上高はハイエースなどに比べると高め。そこで、パッセンジャーの乗り降りをサポートするステップがあるのは便利です。

スマートなエントランスライト

スマートなエントランスライトもフィアットデュカトのシルエットをうまく活かしたデザインといえるでしょう。ロングタイプのLEDライトがエントランスの足元をしっかりと照らしてくれます。日中はその存在を忘れるほど、エクステリアデザインの一部として馴染んでいます。

リアタイヤハウスのドッグライト

リアタイヤハウスにはドッグライトが取り付けられました。ホイールベースが長くなるので、リア側の足元を目視するのが難しいのですが、このライトのおかげで、ストレスを感じることなくドライビングできるようになりました。特にバックする時など、リアカメラに加えて、サイドからしっかりと障害物を確認できるのは有効です。

世界のマーケットが選んだフィアットデュカトは走りにも定評があり、室内空間の広さも特筆すべき特徴です。その基本的な高い機能性をどのように活かして、キャンピングカーを作り上げるか。各ビルダーの技術が問われるところです。これまでのキャブコンがカバーしてきた、広さと自由なレイアウトが、このフィアットデュカトでも、しっかりと表現できている事をスペランツァ600の登場で強く感じることができました。

スペランツァ600シリーズ 諸元

ベース車両
フィアットデュカト
エンジン
ディーゼル2.2L
駆動方式
2WD
車体サイズ
全長5,995mm/全幅2,050mm/全高2,525mm
定員
600TM
乗車4名/就寝 大人2名(中央マット使用時3名)
600LM
乗車5名(ダブルベッド)/就寝 大人2名+子供1名
乗車7名(二の字座席ベッド)/就寝 大人4名+子供1名
600TI
乗車6名/就寝 大人2名(中央マット使用時3名)
価格
13,750,000円
WRITER PROFILE
渡辺圭史
渡辺圭史(わたなべ・けいし)

1971年東京生まれ。アウトドア好きな編集者、そして、算数が好きだったライター。アウトドア用品メーカー、出版社を経て、キャンピングカー専門誌編集長に。現在はフリーとして、いろいろなメディアにて執筆中。アウトドアをキーワードに、より楽しいライフスタイルを求めてゆるりと奮闘中。最近気になっているワードは、旅、ミニマリスト、車中泊。趣味はコンパクトな旅とモノづくり。

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