ますます人気の高まりを見せているハイエースキャンピングカー。キャブコンと比べるとコンパクトなボディサイズなので街中でも使いやすく、普段使いできるキャンピングカーとして注目されているようです。
しかし、ハイエースなど、バンタイプのクルマは、キャビンスペースが本来はクルマとして設計されている空間なので、車内で立ち上がったりすることは考えられていません。
そこで、キャンピングカービルダー各社は色々な工夫を凝らして、限られたスペースでも快適に過ごせるように、車内レイアウトを設計しているのが特徴です。
ハイエースキャンピングカーでは、車内スペースを広くするため、ポップアップルーフという構造を採用しているクルマが多いといえます。これは、停泊時に屋根部分を上に持ち上げて、室内空間を広げてくれるのです。
このポップアップにも、前後のどちらかを支点に三角形に立ち上がるタイプや全体が持ち上がって立方体になるタイプなどの種類があります。
ポップアップの比率的には三角形になるタイプが多いのですが、今回、ケイワークスから垂直に立ち上がるエレベーティングルーフというタイプが完成した、ということなので、その車内の広さを実際に確認してみました。
目次
エレベーティングルーフのハイエースキャンピングカー
ケイワークスのエレベーティングルーフはハイエースのハイルーフ部分後方がそのまま上に持ち上がるような形をしています。立方体だからか、立ち上げた状態を外から見ても、それほど目立っていません。
立ち上がったルーフの中央にはクロスした支柱が見え、その横にはダンパーがありました。ダンパーのおかげで、軽い力でも屋根を持ち上げることができるようになっているようです。
真横から見てみると、車体全長の半分ぐらいの屋根が上がっています。その位置は車体の後方に寄っていますが、ちょうど、人が動くエリアをカバーしているのが分かります。
運転席の上部を見てみると、エレベーティングルーフを収納したときの、屋根の高さも分かりますが、ハイルーフと変わらない高さであることから、全高は抑えられている、と言っていいでしょう。これであれば、駐車場探しなども苦労することがなさそうです。
ハイエースキャンピングカーの内装は広さを感じるのか
外から見ると、それほど拡張された感じがしないのですが、車内から見てみると、その広さはどのように感じられるのでしょうか。実際に車内に入って、確認してみました。
すると、想像以上に広い、というのが第一印象でした。屋根が水平に上がることで、全体的に空間が広がり、実際の高さ以上に、その効果が出ているようです。持ち上がった屋根部分に室内灯があったことも、室内を広く見せているのかもしれません。
エレベーティングルーフ部分に床板を広げれば、立ち上がった部分を部屋として利用することができます。下をリビングスペースとして使って、就寝時に上に移動すれば、レイアウト変更することなく、簡単に横になれるので、特に夕食後などに便利です。
立ち上がっても、天井に頭をぶつけることはありませんが、座っていても、天井が広いと気持ちいいものです。頭上が広々としていると、ゆったりとした気分にもなれます。
テント部分は撥水、防水タイプの生地を使っているので、雨が降ってきても安心。窓を開けて換気することもできます。明かり取りとして利用すれば、より開放的な空間になるのではないでしょうか。
クーラーを標準装備したキャンピングカーでテレワークにも対応
今回、エレベーティングルーフが装着されていたモデルは、ケイワークスのラインアップの中でも、ハイエンドモデルとなる、上質な内装が特徴のオーロラエクスクルーシブ。
クーラー、電子レンジ、冷蔵庫を装備して、標準装備でリチウムイオン電池まで搭載しています。ソーラーパネルからの電気を蓄えておけば、オフグリッド状態でクーラーを利用した、快適な空間を楽しむことができる設備が整っています。
この環境であれば、長時間車内で過ごせるので、今話題のテレワーク用の部屋として利用するのもいいかもしれません。もちろん、疲れたら背伸びできる高さがあるので、圧迫感を感じることはないでしょう。
ちなみに、エレベーティングルーフはオプション設定となっていて、通常の車両価格に約100万円プラスして装着することになります。開放的な空間、くつろぎを感じる余裕、リビングとは別に独立した部屋を確保できる利便性など、そのアドバンテージは大きいと言えるのではないでしょうか。
上質を求めたハイエースキャンピングカー
このオーロラエクスクルーシブは内装のデザインが落ち着いていて、室内でのんびりしたくなってしまいます。美しい家具に囲まれた空間は特別感に満たされているのです。
カウンタートップを囲むモールには、ヘアーラインで豊かな表情を見せるスチールベルトが使われていたり、素材にもこだわりを感じます。
エレベーティングルーフを装備することで、オーロラエクスクルーシブはさらに上質なハイエースキャンピングカーへと生まれ変わった、と言っていいのではないでしょうか。