小型から大型まで揃ったキャンピングトレーラー。新しいスタイルとワンランク上の世界を比較的安く手に入れる

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小型から大型まで揃ったキャンピングトレーラー。新しいスタイルとワンランク上の世界を比較的安く手に入れる

国内のキャンピングカーのなかで、キャンピングトレーラーはまだまだ少数派といえます。しかし、近年、少しずつユーザーが増えているというデータも出ています。

海外ではキャンピングトレーラーは自走式キャンピングカーと人気を二分する存在で、多くの人にとって親しみのあるクルマ、という地位を確保しています。

キャンピングトレーラーのオーナーは、長年、キャンピングトレーラーに乗り続ける傾向もあり、一度、乗ってみると、その使い勝手に魅了されている人も多いようです。

そこで、改めて、キャンピングトレーラーの魅力について、調べてみたいと思います。自走式キャンピングカーとの違い、使い方など、キャンピングトレーラーが気になっている人には必見です。

バリエーション豊富なサイズで自分の好きなクルマでけん引

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まず最初に、キャンピングトレーラーと聞いて、どのようなモノをイメージするでしょうか?けん引できるキャンピングカーという印象はあると思いますが、サイズ感はバラバラの認識だと思います。

実際、そのサイズは、全長3m代のコンパクトなモデルから、大型けん引トレーラーのような長いボディサイズまであります。

ベース車両という概念がないので、一般的な大きさ、という定義すら存在していないのかもしれません。どの、モデルもシャーシの上に載せている構造で、このシャーシのサイズに規格はありますが、やはり、そのサイズもまちまちです。

上の写真モデルはキャンピングトレーラーのなかでも、コンパクトなタイプになります。ヨーロッパではコンパクトなセダンクラスでけん引しているイメージのモデルです。

このサイズであれば、ほとんどの場合、けん引免許は必要ありません。けん引免許は車両重量が750kg以下であれば必要なく、一般的な運転免許証だけでけん引できることになります。

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逆に大きなモデルにはけん引免許が必要になってきます。免許にもけん引できるサイズが限定されているものもありますが、ほとんどの方が大型もけん引できる免許を取得する傾向があるので、上のような大きなモデルもけん引できることになります。

国内で利用するのであれば、この上写真のサイズが限界かもしれません。もちろん、国内へ正規輸入されているキャンピングトレーラーは、国内の道路でけん引できることを前提にしているので、国内の道路を走行困難なキャンピングトレーラーは輸入されることもありませんのでご安心を。

この大きなボディをけん引するためには、大きなクルマが必要です。当たり前ですがキャンピングトレーラーはクルマのリア側に接続します。そのため、ブレーキを踏んだ時、リアからの慣性力による押し出しも、トレーラーのサイズに合わせて大きくなるのです。

その際、制動力を発揮する機能性もけん引車両に求められることを考慮しておかなければなりません。トレーラー側に慣性ブレーキや電気ブレーキなどの機構が装備されていますが、やはり、その押し出す力はサイズに合わせて大きくなります。

小さなキャンピングトレーラーであっても、けん引するクルマのボディへ伝わる力は大きいので、けん引車両のセレクトも大切です。しかし、条件が整えば、自分の好きなクルマや最新のモデルに乗り換えもしやすいというのがポイント。

自走式のキャンピングカーと違って、普段乗りのクルマにもこだわりたい、キャンピングカーとしての機能性も楽しみたい、という2つを求める人にとって、キャンピングトレーラーはベストな選択といえるかもしれません。

コストパフォーマンスの高いキャンピングトレーラー

キャンピングトレーラーの車内

キャンピングトレーラーにはエンジンが搭載されていません。なので、メンテナンスが圧倒的に少ないのが特徴です。道路を走行する車両なので、車検が必要になりますが、灯火類やブレーキなどの性能チェック程度となります。

このエンジンが搭載されていないことは、メンテナンス面だけでなく、キャンピングトレーラーの根本的な作りの違いも生みました。同じ価格帯の自走式キャンピングカーと比べると、室内の作りはワンランク上のクラスであることを感じることでしょう。

質感、機能性は高く、コストパフォーマンスがいいのがキャンピングトレーラーなのです

キャンピングトレーラーのリビング

また、室内が広々としていることにも気づくのではないでしょうか。やはりこれもエンジンがないことの恩恵で、床が低くなっていることから、天井高を十分に確保することができるのです。大型モデルであれば、住宅と変わらない開放感を感じられます。

キャンピングトレーラーの外観

キャンピングカー先進国でもあるヨーロッパやアメリカでは、そのコストパフォーマンスの高さゆえに、長年、キャンピングカートレーラーに乗り続けるオーナーも多いようです。上の写真のオーナーは1965年からこのトレーラーを愛用しているといいます。

現在のキャンピングトレーラーとも基本的な形は同じで、その変化が少ないのも特徴かもしれません。シンプルで維持費が安いこと、そして、扱いやすいサイズであることも、オーナーが長年乗り続ける理由となっているのです。

キャンピングトレーラーの基本的なレイアウト

キャンピングトレーラーのレイアウト

自走式キャンピングカーであれば、フロント側から、運転席があって、リビング、バスルーム、ベッドルームという基本的なレイアウトがあります。キャンピングトレーラーにもある程度の基本レイアウトがありますが、サイズによって大きく違うのも特徴かもしれません。

リビングエリアはフロントかリアのどちらかにあって、上の写真のように窓に囲まれているモデルが多いかもしれません。3面がウインドウになっているのも、キャンピングカートレーラーらしい作りといえます。

キャンピングトレーラーのキッチン

キッチンとバスルームは中央に位置していることが多いといえるでしょう。コンパクトなモデルなどは、エントランス部分に集中させることもありますが、ある程度のサイズになれば、中央にキッチンがあるのが一般的です。

パッセンジャーの動線を考えたレイアウトであるとともに、重量のある設備が中央に配置されている、とも考えられます。

そのキッチンには比較的大きなタイプが取り付けられていて、しっかりと料理することができるのも、1つの特徴となります。

大型キャンピングトレーラー独特の豪華な設備

大型キャンピングトレーラーの設備

住宅のような大型キャンピングトレーラーには、そのサイズが生み出す、独特の設備が搭載されていることがあります。その1つが、上の写真のリビングエリアが外側にスライドアウトしているタイプ。

キャンプ場などの広い場所へ停めた際、ボディを広げて、室内空間をさらに拡張することができるのです。その効果は大きく、中央に大きなスペースが生まれることで、広さばかりでなく、人の移動もスムーズで、限られた空間にいるストレスを軽減してくれます。

大型キャンピングトレーラーの広々としたバスルーム

スペースを広く確保できることで、広々としたバスルームも設置されていることも。天井高も高く、頭の上からシャワーを浴びる感覚は、大型キャンピングトレーラーならではかもしれません。なかにはバスタブが付いたモデルもあって、バスルームの広さも大型キャンピングトレーラーらしい設備といえます。

ポップアップルーフで室内空間をさらに拡張

ポップアップモデルのキャンピングトレーラー

キャンピングトレーラーの全高は走行性能を考慮したサイズになっています。けん引車両の負担を軽減させるため、流線型のボディデザインを採用して、あえて、車高を抑えたモデルも多いのです。

そのため、停車した後、ボディを拡張できるギミックを有するモデルもたくさんあります。大型キャンピングトレーラーのスライドアウトも然り、上のようなポップアップモデルも存在します。

ブランドによっては、エレベータールーフがそのモデルのアイデンティティーになっている、というのもあります。古いヨーロッパのキャンピングカートレーラーでは床が下に拡張するタイプなどもあって、時代ごとに、いろいろなスタイルが生まれました。

ポップアップモデルのキャンピングトレーラーの車内

上写真のようなポップアップルーフモデルでは、室内の広さが一気に広がります。また、上部にベッドスペースを設置できることから、就寝人数を増やしたり、室内スペースに余裕を産むことになるのです。

ポップアップすることで、バスルームの上部が広がるモデルも多く、密閉される空間だからこそ、広さを感じられるような工夫が作り込まれているパターンも多く見受けられます。

キャンピングトレーラー独特のオプションアイテムたち

ムーバー

キャンピングトレーラーの運転に不安を感じる人も多いかもしれません。しかし、車両が前進している時、後ろからついてくるキャンピングトレーラーをそれほど意識することはありません。カーブでの内輪差は多少ありますが、それほど意識することもありません。

問題は車庫入れの時だと思います。後退する際のハンドリングさばきは、初心者にとっては混乱するもの。トレーラーを曲げる方向とハンドルの関係がわからなくなってしまいます。特に小さいトレーラーの場合はその動きが早く、混乱の度合いも高くなるといっていいでしょう。

そこで、登場するのがムーバーというアイテム。タイヤに電動モーターを接続して、リモコンで操作するのです。大きなラジコンを操作しているような感覚で、車庫入れもできるので便利。中型以上のキャンピングトレーラー定番のオプションアイテムです。

小さなキャンピングトレーラーであれば、けん引車両を切り離して、ボディにあるハンドルで移動させることもできます。なので、駐車場へのアプローチに不安がある場所でも、自走式キャンピングカーよりも車庫入れが簡単ともいえます。

ステレオスピーカー

キャンピングトレーラーには自走式キャンピングカーにはない、快適装備のバリエーションが豊富。上の写真はステレオスピーカーです。車外へ向けて設置されていて、パーティーなどでも役に立ちそうです。その他にも、BBQ設備が外側に装備されているタイプなどもあります。

キャンピングトレーラーの意外な使い方

トレーラー
Photo by Blake Wisz on Unsplash

キャンピングトレーラーで旅をするのも快適ですが、ちょっと違う使い方をするオーナーもいます。例えば、空いた土地にキャンピングトレーラーを固定設置して、別荘として使ったり、キャンプ場のバンガローなどに利用するのもいいでしょう。

実際、キャンピングトレーラーはキャンプ場などにも設置されていて、事業として活用している企業もあります。どんな場所であっても、すぐに家としての機能性を発揮するのは強みといえるでしょう。

トレーラー
Photo by Blake Wisz on Unsplash

そんなに広い土地を持っていないよ、という人であっても、小さなキャンピングトレーラーを庭先に置いて、第二のリビングとして利用する方法もあります。

自宅以外にリビングスペースを得ることで、子供たちのプレイルームになったり、友達が来た時にお茶を飲むスペースだったり、仲間とのお酒を酌み交わす場になったりと、いろいろな使い方が考えられます。

トレーラー
Photo by Blake Wisz on Unsplash

イベント会場や会社の敷地に置いて、ミーティングルームや休憩室として利用する方法もあります。キャンピングトレーラーの開放的なレイアウトや広い室内空間は、誰が使ってもくつろぎの空間となることは間違いないようです。

キャンピングトレーラーはその使い方も、自走式キャンピングカーとはちょっと違うようです。比較的安価で乗れ、実は自由度も非常に高いキャンピングトレーラーは、ヨーロッパでは若者にも人気のモデルとなっているのも納得できます。

維持費は安いのですが、キャンピングカーとしての機能性は自走式と変わらないので、リセールバリューにも優れているキャンピングカーともいえます。

国内でもこのキャンピングトレーラーならではの特徴が広まれば、もっと多くの人がその魅力に引かれ、たくさんのユーザーが、それぞれのスタイルで楽しんでいる姿をいろいろな場所で見かけることになるのではないでしょうか。

取材協力:RVランド

WRITER PROFILE
渡辺圭史
渡辺圭史(わたなべ・けいし)

1971年東京生まれ。アウトドア好きな編集者、そして、算数が好きだったライター。アウトドア用品メーカー、出版社を経て、キャンピングカー専門誌編集長に。現在はフリーとして、いろいろなメディアにて執筆中。アウトドアをキーワードに、より楽しいライフスタイルを求めてゆるりと奮闘中。最近気になっているワードは、旅、ミニマリスト、車中泊。趣味はコンパクトな旅とモノづくり。

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