
梅雨が明けるとレジャーシーズン到来です。気温もグングン上がってきて、断熱処理したキャンピングカーとはいえ、車内温度が高くなる季節になりました。
走行時はクルマのエアコンを使えば、暑さをしのげますが、やはり、停車時の暑さはたまりません。
毎年、夏前になると、キャンピングカーの暑さ対策に頭を悩ませる人も多いのではないでしょうか。
そんな悩めるキャンピングカーユーザーにとって気になるアイテムが登場しました。ポータブル電源のアイテムを多数ラインアップするEcoFlow(エコフロー)から発売されたエアコンWAVE2です。
2022年に登場した前モデルWAVEの高性能進化版です。2023年モデルでは、冷房機能を高め、ボディサイズも小さくなりました。
キャンピングカーにエアコンを搭載していないモデルのオーナーにとって、後付けエアコンの大本命となりそうなアイテムです。
しかし、設置方法をしっかりとしないと、冷房能力が低くなってしまったり、不快な虫が車内に侵入してしまうこともあります。
そこで、エコフローの代理店でもあるRVランドは、WAVE2用の設置用専用アイテムを開発したそうです。そのプロフェッショナルが作ったアイテムをチェックしてみましょう。
進化したエコフローのエアコンWAVE2

最初に、エコフローWAVE2は昨年モデルに比べて、どのような進化を遂げたのかチェックしてみます。
まず見た目が大きく変わっていることが分かります。上の写真の中央にあるのがWAVE2です。その右隣にあるのが、本体へセットできる専用バッテリー。専用バッテリー(三元系リチウムイオン)を取り外すと、その筐体の小さいさが強調されます。
主な進化したポイントは
- 軽量化
- 冷却能力アップ
- 運転音の静音化
- 暖房機能が追加された
などです。小さくなって、運転音が静かになったのは、キャンピングカーユーザーにとってはありがたい事かもしれません。

バンコンへ後付け設置しても、このように車内の家具にきれいに収まるほどコンパクトです。今回はモデルカーとしてRVランドのリノプレミアム スイートに設置されていましたが、家具のセンター部分が低くなっていて、ちょうどWAVE2が収まるように設計されているようでした。
バッテリーはポータブル電池を使っていて、こちらは最新モデルのデルタ2Max(リン酸鉄リチウムイオン)が接続されていました。
ポータブル電池をすでに持っている人も多いので、このような使い方が一般的になるかもしれません。

ポータブル電池とWAVE2の接続にはXT150ポートが使われています。インバーターによる電圧損失がなく効率良く電気を転送できる接続方法で、エコフロー同士ならではの接続方法です。
WAVE2とデルタ2Maxをこの接続方法でセットすると、エコモードで最大約14時間ものクーラー稼働ができるそうです。14時間も利用できるのであれば、熱帯夜対策でも2日間は持ちそうです。
後付けクーラーは設置方法によって効果が変わる

RVランドがWAVE2用に開発したのが、こちらのプレート。吸排気ダクトを窓部分に設置するアイテムです。
写真上がエブリィ用、下がハイエース用になります。ハイエース用には吸排気2系統のダクトが接続できるようになっています。
WAVE2に標準装備されているダクトの直径と合わせてあって、ピタリとはめ込むことができます。写真は、まだ試作段階となるので、製品モデルでは穴付近の処理方法が変わってくるかもしれません。

プレートの本体は平面ではなく、湾曲していました。これはクルマのウインドーガラスと同じ形状で、ゆるいカーブを描いています。この形状のおかげで、クルマの窓部分にしっかりと固定できて、隙間を作ることもありません。
厚みも、ウインドーガラスと同じぐらいなので、設置する時も作業がしやすい、というのもポイントかもしれません。

本体はFRPでできています。表裏ともきれいに仕上げられ、高い強度もあるようです。ポータブルクーラー用に排気ダクトカバーを自作する人もいますが、ここまできれいに仕上げることは無理なのでは。
その完成度の高さが、クーラー本来の機能性を発揮できるか否かに関わってきます。前述した通り、虫の侵入も、このクオリティであれば防ぐこともできそうです。

上の写真は、RVランドが開発したハイエース4型以降スライド式サイドウインドー用の排気ダクト用プレートです。スライド式サイドウインドーにダクトを設置できるようになっています。

このプレートはキャビン部分中央からダクトを出すレイアウトになります。エアコンを設置する場所に合わせてプレートを選びましょう。
WAVE2用専用ダクト設置プレートをクルマに取り付ける

プレートのクルマへの取り付けは簡単です。プレート自体が湾曲しているので、取り付ける場所(左右)によって形状が変わってくるので、WAVE2をどのように設置するか、最初に決めておかなければなりません。
プレート取り付けの際は、取り付けるサイドの窓を全開にして、先端の細くなっている部分を窓が収納されている部分へ差し込みます。

そのまま、奥へ送り込んで、後ろ側の角が窓枠にハマるようにセット。ここまで、力を入れることもなく、スムーズに作業が進みます。
プレートの形状も取り付けやすいように、微妙な切り欠きなどがあり、専用設計の使いやすさを実感できます。

最後に全体を引き上げて、窓ガラスが固定されるラバーへプレートをハメ込めば完成です。プレートの周囲全体がピタリと窓枠に収まっています。

次に車内での作業になります。WAVE2本体に標準装備されているアタッチメントを付けて、ダクトを接続。
WAVE2はノンドレン方式が採用されていますが、湿気の多い国内で使うのであれば、ドレンホースを接続して、排水タンクを用意しておくのがお勧めです。
RVランドの車両もドレンホースを接続して、その先にペットボトルをセットしていました。数時間運転するとペットボトルの下に水が溜まっていたので、あるに越したことはないようです。

最後にダクトを穴から出して、エアコンのセット完了!吸排気の2つのダクトなので、排気される暖かい空気を吸気ダクトで吸い込まないように、ダクトをプレートからある程度引出して、穴の位置を調整するのがポイントです。
RVランドだからできる特別なアイテムたち

RVランドでは、自社のFRP工場を持っているという強みがあります。数々のFRP製品を作ってきたこともあり、高い技術力を誇っているのです。
その経験とノウハウを活かして作ったのが、今回のプレートになります。まるで自動車メーカー純正のようなフィット感を生み出し、高い耐久性もあるアイテムとなっています。
その他にも専用アイテムが用意されていることにも注目です。上の写真はポータブル電池とWAVE2を接続するXT150ポート用のケーブルですが、既存のケーブルでは短く、エアコンとポータブル電池の位置が限定されてしまいました。そこで、少し長めのケーブルを用意して、レイアウトの自由度を高めているのです。

また、上写真にある特殊なパーツも開発されました。走行充電時、エコフローのポータブル電源へ効率よく電気を送る装置です。
ポータブル電源への走行充電は、シガーソケットを使った純正オプションで可能なのですが、最高入力電流が制限されてしまうシステムが組み込まれていて、充電に時間がかかってしまうという欠点がありました。しかし、この機械を使うことで、入力電流を高めることができて、走行充電でのスピードアップが可能になりました。
このように、FRPを使った造形に加え、製品本来の機能性を高めるオリジナルアイテムなど、RVランドのプロフェッショナルならではの技術力が発揮されているのが分かります。
今年の夏は、このプロフェッショナルの技を存分に満喫して、快適な環境を手に入れてみるのはいかがでしょうか。