ポータブル電源が大容量2000Whクラスになるとキャンピングカーの世界も変わる

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ポータブル電源が大容量2000Whクラスになるとキャンピングカーの世界も変わる

持ち運びできる電源としてポータブル電源が普及してきました。最初はコンパクトなモデルからスタートして、近年では容量1000Whクラスが主流となりつつあります。さらに大きなモデルも開発され、その性能は固定家庭用蓄電池に迫る勢い。

蓄電池の容量が増えるにしたがって、出力も比例して大きくなっています。大容量、高出力になるにつれて、安全性に対しても、高いレベルでの対応が要求されるようになりました。しかし、得られる恩恵も大きく、ポータブル電源で生活が変わろうとしているのです。

キャンピングカーでも、ポータブル電源を搭載するシステムが現れ始めました。キャンピングカーの中で家庭用クーラーを稼働させたり、ポータブル電源に使われているリチウムイオン電池の強みを発揮しています。

この大型ポータブル電源のマーケットへ新たに加わったのが、機械商社として70年の歴史を持つ東西商事という会社。現在は熱交換器などの工業製品を扱っていて、プロの世界で使われる機械を販売しています。

その東西商事が打ち出した、大型ポータブル電源モバイルパワーステーションMU2000WEには数々のアイデアが隠されていたのです。

ポータブル電源は大容量・高出力に

モバイルパワーステーションMU2000WE

東西商事のポータブル電源はデザインが特徴的です。小型の発電機のような形をしていて、これまでのポータブル電源とは違うイメージ。ビジネス向けでもあるので、耐久性を追求して生まれたデザインともいえるでしょう。

モバイルパワーステーションMU2000WE、操作パネル

このボディの中に、容量2048Whのリン酸鉄系リチウムイオン電池が組み込まれています。充電できる2次電池の中で最も安全性の高い電池といわれているタイプとなります。

100Vの出力は定格で2000W、瞬間最大4000Wを発揮。家庭用クーラーの稼働も問題ありません。

電気製品が起動するときに大量の電気を消費する起動電力にも、十分に対応してくれるので、会社などに置いてある、コピーファックス複合機まで利用できるそうです。さすがビジネス向けの機械を扱ってきただけに、高出力の検証レベルが違いますね。

モバイルパワーステーションMU2000WE、入力

入力はACコンセント、ソーラーパネル、車両シガーソケットの3WAY。ソーラーパネルは最大600Wまで対応していて、効率の良いMPPTシステムを搭載しています。

変換効率の高いソーラーパネルMUP-200Fも純正オプションとして用意されています。1枚の出力が200Wなので、3枚まで直列で接続できるので、大容量の電池を充電するのに役立ちます。

このポータブル電源は防災に十分に対応できるタフさを持っているので、携帯電話のアンテナやキャンプ場、RVパークなど無電地域の電源としても活用が期待できます。

ポータブル電源なのにバッテリー交換ができる

モバイルパワーステーションMU2000WE、オプションのバッテリー

モバイルパワーステーションMU2000WEは2048Whという十分な容量があるのですが、オプションのバッテリーを接続すると、さらに容量を増やすことができます。

追加されるバッテリーは本体内と同等の仕様なので、容量は2倍に。容量4000Whを超えるとなれば、もうポータブル電源ではなく高性能電源設備といえるでしょう。

モバイルパワーステーションMU2000WE、正面

さらに、寿命を迎えたバッテリーは、単体で交換できるようになっているので、システムはそのまま継続して使える仕様となっています。

バッテリー部分だけを交換できるのは、コスト、環境面から見てもパフォーマンスが高いのではないでしょうか。

これまでポータブル電源が寿命を迎えた時、自治体の指示に従って処分していたのですが、ほとんどが廃棄物として扱われていました。現状の普及率を見ると、数年後に大量廃棄の時代を迎えそうです。

リチウムイオン電池の素材は本来リサイクルできるので、電池単体であればリサイクルのシステムが完成されています。しかし、ポータブル電源がその循環サイクルに含まれていないのが現実。

リサイクル費用の企業分担など、色々な問題があるのですが、簡単にバッテリー単体を分離できるモバイルパワーステーションMU2000WEは、その現状に一石を投じるのではないでしょうか。

ポータブル電源だからこそ安心の安全設計に

モバイルパワーステーションMU2000WE、側面と操作パネル

ビシネス利用も想定した多重保護システムが搭載されました。過電流、過電圧、電池内加熱、過充電保護など、色々な安全システムが組み込まれています。

リチウムイオン電池では必須ともいわれる、バッテリーマネージメントシステムも搭載されています。

ポータブル電源のバッテリーを充電しながら、出力することもできるパススルーにも対応。しかも、高速のリレーを内蔵しているので、充電電流がストップしても、出力への影響はほとんどありません。

ACコンセントと電気製品の間に接続しておけば、突然の停電でもパソコンのシステムを維持する無停電電源装置UPSの簡易的なタイプとしても利用できるようになっています。

モバイルパワーステーションMU2000WE、インジケーター

安全面でいうと、もし問題が発生したら、操作パネルの下にあるインジケーターで、エラーコードを表示して、どこの不具合が生じているか、すぐに分かるようにもなっているそうです。

モバイルパワーステーションMU2000WE、保管時用のカバー

外での使用が想定されているので、保管時用のカバーも用意されました。山奥の電波塔やキャンプ場であっても、粉塵から本体をガードしてくれます。

スーツケースのようにポータブル電源を持ち運ぶ

モバイルパワーステーションMU2000WE、便利なタイヤ付き

モバイルパワーステーションMU2000WEの両サイドには、大きなタイヤが装着されています。本体重量が36kgあるのですが、この大きなタイヤのおかげで、持ち運びも容易です。

モバイルパワーステーションMU2000WE、収納も出来る取手

本体上部にはスーツケースのような取っ手がついていて、簡単に持ち運べるようになっています。

モバイルパワーステーションMU2000WE、取手

ハンドルのロックを外して伸ばせば、まさにスーツケースそのもの。両サイドにも手を通せるベルトのようなハンドルがついているので、移動の時も便利に利用できます。

モバイルパワーステーションMU2000WE、持ち運び

持ち上げることが難しくても、長いハンドルとタイヤがついているおかげで、女性でも簡単に移動できるようになっています。

設置がアレンジできるコンパクトなボディに期待

モバイルパワーステーションMU2000WE、ラバー素材の脚

タイヤ、ハンドルが付いていましたが、よく本体を見てみると、背面の4隅にはラバー素材が装着されていました。これは何に使うかというと、倒した状態で利用する時の脚となります。

換気用のスリットが左右に取り付けられ、充電用の端子がフロント側に集中しているのは、倒しても、機能性を損なうことなく利用できる設計のためだったのです。

モバイルパワーステーションMU2000WE、スーツケースのようにコンパクト

倒してみると、安定感もよく、コンパクトな印象です。スーツケースを倒しているのと変わらないサイズです。

この高さであれば、国産キャブコンのリアラゲッジスペースにも収納できそうです。走行充電もできることから、家庭用エアコン専用のバッテリーとして搭載する、という使い方も有りかもしれません。

これまでたくさんのポータブル電源が発売されてきましたが、ビジネス向け機器を扱っている商社の東西商事が提案するモバイルパワーステーションMU2000WEは、これまでの商品群とは違った印象を受けることでしょう。

大容量、高出力、安全性に加えて、これまでの発電機開発やビジネスの現場で培ったノウハウが、たくさん詰め込まれていました。新しい大容量ポータブル電源の時代を迎え、キャンピングカーなどの利用にも、新たな波がやってきそうです。

MU2000WE諸元

製品名
モバイルパワーステーション「MU2000WE」
希望小売価格
28万8200円 (送料共)
電池容量
2048Wh
定格出力
2000W
瞬間最大出力
4000W
充電時間
AC100Vで7時間
サイズ
530×320×430mm
保証期間
本体1年、バッテリー2年
その他オプション
専用ソーラーパネルMUP-200F 200W
追加バッテリー
追加バッテリーアクセサリー
お問い合わせ先
東西商事株式会社
住所
〒106-0044
東京都港区東麻布1丁目26番8号 イイダアネックス東麻布
TEL
03-3585-3353
(受付時間は祝祭日を除く月曜日~金曜日 9:00~17:00)

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WRITER PROFILE
渡辺圭史
渡辺圭史(わたなべ・けいし)

1971年東京生まれ。アウトドア好きな編集者、そして、算数が好きだったライター。アウトドア用品メーカー、出版社を経て、キャンピングカー専門誌編集長に。現在はフリーとして、いろいろなメディアにて執筆中。アウトドアをキーワードに、より楽しいライフスタイルを求めてゆるりと奮闘中。最近気になっているワードは、旅、ミニマリスト、車中泊。趣味はコンパクトな旅とモノづくり。

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