![VANTECH × EcoFlowのコラボでキャンピングカーに最適なリチウムイオンバッテリーシステム「Iris」を開発](https://camping-cars.jp/wp-content/uploads/2023/05/vantech-ecoflow_01.jpg)
キャンピングカーとリチウムイオンバッテリーの関係が注目されています。家庭用エアコンを搭載したり、電子レンジを利用する人も増え、より強力な電源システムを求める声が大きくなってきたから、といえるのではないでしょうか。
これまでにも、リチウムイオンバッテリーはいろいろなタイプがありました。システムでキャンピングカーに組み込んだり、ポータブル電源を代用するオーナーもいます。
キャンピングカービルダーも、どのようにリチウムイオンバッテリーを搭載するか、各社でいろいろな工夫が施されてきました。
そのなかで、今回、注目したのはVANTECHのILiS(イリス)というシステムです。ポータブル電源でも有名なEcoFlow社とタッグを組んで、新しいシステムを作ったのです。
目次
上質なキャブコンをさらに快適にする電源システム
![VANTECHのZiL](/wp-content/uploads/2023/05/vantech-ecoflow_02.jpg)
VANTECHの新システムILiSは、Intelligent Li-ion battery Systemを表しています。EcoFlow社のモジュール型電源システムをベースに、キャンピングカーでの利用方法などを反映させて、システムを構築しました。
このシステムを搭載できるモデルは、VANTECHのZiLシリーズ、CORDEシリーズの2つです。既存の電源システムもありますが、新車購入時にILiSモデルをセレクトできるようになっています。
![ZiLの内装](/wp-content/uploads/2023/05/vantech-ecoflow_03.jpg)
今回の撮影車両はZiL。リアエントランスで開放的なリビングルームが特徴のモデルです。特別な電源システムがインストールされていますが、インテリアはこれまでのと変わらず、上質な雰囲気が漂っています。
![家庭用エアコン](/wp-content/uploads/2023/05/vantech-ecoflow_04.jpg)
家庭用エアコンを搭載したオーナーであれば、電源を強化したくなるのでは。エアコンの場合、消費電力も大きく、高出力、大容量に対応できるリチウムイオンバッテリーが効果を発揮するのです。
キャンピングカー電源システムをモニターでチェック
![ILiS専用モニター](/wp-content/uploads/2023/05/vantech-ecoflow_05.jpg)
ILiSが搭載されたキャンピングカーには、上のような専用モニターが搭載されます。モニター横にも「ILiS」の文字が記されていました。モニターには残量「96%」が表示されています。
このモニターでは、バッテリーの状態、入出力状況を確認可能。タッチパネル式なので、各スイッチのオンオフも、このモニターで完結できるのです。
![ILiSバッテリー本体](/wp-content/uploads/2023/05/vantech-ecoflow_06.jpg)
バッテリー本体はシートの下に収納されています。撮影車両には2kWhのバッテリーが2つ搭載されていました。
バッテリーはリチウムイオンバッテリーを採用していて、そのなかでもリン酸鉄というタイプを採用しています。
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーの特徴は、サイクル回数が多く、放電が少ないこと。さらに、密度を低くすることで、高密度のバッテリーよりも、発火などのリスクが低いことが特徴です。
密度が低いことで、バッテリー自体のサイズが大きくなってしまいますが、これまでの鉛バッテリーと比べたら、十分に小さくなっています。
撮影車両のILiSに搭載されていたバッテリーも、容量に比べたら小さく感じるかもしれません。
唯一の欠点は、その新しさもあって、製造コストが高い点。でも、キャンピングカーと一緒に導入すれば、それほど価格を意識することがないかもしれません。
最大容量は4kWh。バッテリー本体にバッテリーマネジメントシステムが組み込まれていて、温度、電圧、電流を監視しているそうです。
また、リチウムイオンバッテリー本体にヒーターが搭載されており、-20℃の環境でもバッテリーが使えるようにウォームアップする機能があるため、寒い場所でも安心して使えます。
![ILiSスマート分電盤](/wp-content/uploads/2023/05/vantech-ecoflow_07.jpg)
バッテリーの横にあるのがスマート分電盤と呼ばれるものです。システム全体へ電気を送るための装置で、キャンピングカー全体の電気系統をカバーしています。
その下にシステムのメインとなるパワーハブが搭載されています。バッテリーの上部中央部分に見えていた専用ケーブルなどを接続したり、キャンピングカー内部の入出力ケーブルが集まっています。
パワーハブにはインバーター、バッテリー充電器、ソーラー充電器、ACコンセント、BlueToothモジュールなどが搭載されています。
ACの最大出力が3000Wもあるのに、このようにコンパクトに収まっていて、ケーブルもシンプルです。
太陽光発電の入力も739Wまで対応しているので、ソーラーパネルをたくさん搭載したキャンピングカーでも問題ありません。
キャンピングカーの電源システムをスマホアプリで管理
![スマホで電源システムを管理](/wp-content/uploads/2023/05/vantech-ecoflow_08.jpg)
スマホにアプリをインストールすれば、スマホで電源システムを管理できます。例えば、クルマの近くであれば、外からメインスイッチをオンにすることもできます。
また、電気の容量を確認するのにも便利。アウトドアリビングでくつろぎながら、ソーラーパネルの発電量をチェックすることもできます。
運転席に座ってから、メインスイッチをオフにすることも簡単です。
![スマホアプリ画面1](/wp-content/uploads/2023/05/vantech-ecoflow_09.jpg)
スマホアプリはダウンロードしてアカウントを作成すれば無料で利用可能。起動すると近くの機器を探して、アプリへ自動的に登録されます。
EcoFlowの公式アプリなので、他に同社のポータブル電源を持っていれば、一緒に登録できます。バッテリーを一元管理するのも便利なのではないでしょうか。
上中央の画面はシステム全体の状態を表しています。電源が充電されていたり、利用されていると、アニメーションで電気の流れ方が表示されます。
上右の画面はバッテリーの状態を表示。このモデルでは2kWhのバッテリーを2つ搭載しているので、それぞれの状態が確認できます。残量のパーセンテージ以外にもバッテリー温度も表示されているのが分かります。
![スマホアプリ画面2](/wp-content/uploads/2023/05/vantech-ecoflow_10.jpg)
アプリでは、さらに細かくシステムを管理できます。入力、出力、各システムの状態が一目で分かる画面では、各システムのオンオフも可能です。室内灯のオンオフであったり、USB出力端子のオンオフまで管理できるのです。
また、充電電流を調整することで、入力を制限したり、充電電流を抑えてノイズを軽減することも。充電電流はファンのノイズが小さくなるので、夜間、就寝時に少し電流を抑える、という使い方もできます。
VANTECHがキャンピングカー用にシステムの仕様をオーダーして進化する
![モジュール型電源システム](/wp-content/uploads/2023/05/vantech-ecoflow_11.jpg)
ILiSはEcoFlowのモジュール型電源システムを使っていますが、VANTECHのノウハウが活かされているといいます。
これまで、キャンピングカーを数多く販売してきて、オーナーの電気の使い方などを理解しているのがVANTECHの強みです。そのノウハウから、システムをよりキャンピングカーユーザーの使い方に合わせてセッティングしているのです。
VANTECH側から、管理システムにある項目を追加するなどの改善をEcoFlow社に送り、アプリケーションをバージョンアップさせ、ILiSシステムへいち早く反映し、キャンピングカーならではのシステムを完成させました。
![ILiSシステムを搭載したZil](/wp-content/uploads/2023/05/vantech-ecoflow_12.jpg)
今後も常に、システムの改善を行っていくそうです。VANTECHのバッテリーへのこだわりによって、システムが常に進化している、といっていいでしょう。
すでに多くのオーナーがこのILiSシステムを選んでいて、新車購入時の約半数がこの快適な電源システムをオーダーしているそうです。
既存の電源システムとはケーブル配線、システム構成などすべてが異なるので、もし、ILiSが気になるのであれば、早めの決断が必要かもしれません。その進化するシステムに期待してILiSを選ぶというのもいいでしょう。