2022年10月、大手総合商社の双日が資本提携をしていたKアクセスの株式を100%取得して、双日モビリティという会社が生まれました。
Kアクセスはキャンパー鹿児島のブランドを展開していたキャンピングカービルダー。このKアクセスと双日2社が協力して、新しいキャンピングカー事業をスタートしようとしているのです。
キャンパー鹿児島のキャンピングカーはこれまで通り、販売チャンネルに大きな変化はありません。一方で、双日モビリティとしては、新店舗をオープンさせ、新たなユーザーへのアプローチがスタートしました。
今回は2022年10月24日にオープンした双日モビリティの直営店舗「GRAN CAMPER Tokyo(グランキャンパートウキョウ)」で最新のモデル、そして、今後の展開についてリポートしてきました。
目次
お台場アクアシティにオープンしたキャンピングカーショールーム
GRAN CAMPER Tokyoはお台場のアクアシティにオープンしました。東京お台場エリアを運行している、新交通ゆりかもめ「台場」駅からすぐ近く。お台場の名所にもなっている「自由の女神像」の目の前です。
駅からつながっている広場を進んで、アクアシティの入り口を抜けると、右側にGRAN CAMPER Tokyoがあります。
エントランスにはキャンピングカーグッズが並べられていて、アウトドアショップのような雰囲気。その奥にキャンピングカーが3台並んでいました。
店内は広々としていて、キャンピングカーを使っているシーンをイメージできるようなディスプレイ。ちょっとした旅気分すら感じてしまいます。
キャンプアイテムなどが多いのですが、どれもちょっとこだわりのアイテムのようです。まるで、アウトドアギアのセレクトショップのような品揃えでした。
「ネットなどでは出合うことがない、ちょっとこだわりのあるギアを揃えました」というように、珍しいギアが並んでいます。壁にはサウナグッズなどもバリエーション豊富に揃っていました。
その品揃えは、クルマを利用する時をイメージできるキャンプ道具が基本ですが、スタッフたちが集めたこだわりのキャンプギアは、アウトドアショップとしても十分に楽しめる内容でした。
今後は、もっとアイテム数を増やして、ギアのショップとしても、たくさんの人に楽しんでもらえるようにするそうです。
キャンパー鹿児島のハイエースキャンピングカーrem BV
たくさんのギアに囲まれていますが、双日モビリティの店舗なので、しっかりとキャンピングカーも展示されています。
そのなかでも代表的なモデルが、キャンパー鹿児島のハイエースキャンピングカーrem BV。ハイエンドモデルの快適で使いやすいレイアウトはそのままに、豊富なオプションメニューを設定することで、自分スタイルのキャンピングカーを作ることができるモデルです。
クーラーや電子レンジなど、装備を充実させることも可能。中央のリビングスペース、リアのベッドスペースもしっかりとエリア分けされていて、使いやすいレイアウトです。
新しく誕生したタウンエースのキャンピングカー「Libero」も展示
注目のモデルがこのタウンエースをベースにしたLibero(リベロ)。キャンパー鹿児島のエッセンスを織り込んだ新しいキャンピングカーです。
お台場での出店ということもあって、都市型の店舗にマッチした、都心で使いやすいクルマを作ろう、と開発がスタートしました。
このLiberoはトヨタグループで特装車両や車両カスタマイズ商品を開発している、トヨタカスタマイジング&エベロップメント(TCD)の協力で生まれています。
TCDではメーカー純正基準のモノづくりをしているので、キャンピングカー仕様とはいえ、高品質基準をキープしているのが特徴。
例えば、家具のきしみ音などは何回もテストされ、ディーラー販売車両同等のレベルまで引き上げられているのです。
インテリアを見てみると、その作りの良さを感じることができます。シンプルなレイアウトですが、クルマとの一体感を感じるまとまりの良さは、トヨタ純正と言ってもいいのではないでしょうか。
レイアウトはセカンドシートが前向きと後ろ向きにセットできて、リアにキャビネットとベンチになるベッドマットを装備。
キャンピングカー登録されるモデルなので、シンクなども設置され、しっかりと就寝できるベッドレイアウトも用意されています。
電源システムはポータブルバッテリーを使う仕様です。キャビネットの中に置かれていた Ecoflow River Maxが標準装備されています。できるだけシンプルに、そして、普段使いできる装備としてポータブルバッテリーが選ばれたようです。
店舗ではEcoFlowのラインアップも増やして、ソーラーパネルなどのオプションも購入できるようになるそうです。
こちらの外装エアロパーツとホイールも標準装備アイテムです。フロントバンパー部分に取り付けられたダイナミックなデザインのエアロパーツは、フロントマスクの印象を大きく変えるデザインで、このクルマのために作られています。
タウンエースは商用車バンですが、このLiberoは8ナンバーを取得したキャンピングカーということで、2年毎の車検になります。また、純正エアロで商用車らしからぬ印象を放つデザインが、都心部でも使いやすいコンパクトなキャンピングカーとして浸透しそうです。
ハイエースの標準ボディキャンピングカーならCK-Wilder
上で紹介したrem BVのベース車両はハイエースのスーパーロングワイドハイルーフでしたが、もう少しコンパクトなハイエースの標準ボディを使ったキャンピングカーが欲しいという人も多いと思います。
そんなユーザーにちょうどいいモデルが、キャンパー鹿児島のCK-Wilderです。設備は必要最小限に絞られました。
シンプルな内装ですが、クーラーと大容量サブバッテリーが標準装備され、快適な環境を提供してくれます。走行充電、ダウンライト、インバーターなどもついているので、そのままキャンピングカーとしても使えるスペックです。
多くの人にキャンピングカーを知ってもらうために
双日モビリティの店舗は、鹿児島県の旅くるま専門店キャンパー鹿児島を本店に、東京のGRAN CAMPER Tokyoが直営店となっています。
キャンピングカーの販売店としては、他に正規代理店が全国に9店舗、連携パートナーが1店舗(2022年11月現在)展開されています。
今回訪れたGRAN CAMPER Tokyoは、大型商業施設のお台場アクアシティ内にあって、たくさんの来場者が訪れる場所。この場所を決めるきっかけとなったのは、たくさんの人にキャンピングカーを知ってほしい、という思いがあったからでした。
キャンピングカーに興味を持っていない人でも、足を止めて、キャンピングカーに触れる機会を増やすために、スタッフ一同、親しみやすい店舗作りをしているのが分かります。
キャンピングカーに興味を持ってもらうための場所であり、さらに、実際にキャンピングカーを見学できる場所としても重要な拠点となることでしょう。
これまでは、遠方の方が実車を気軽に見学することが難しかったこともあったので、あえて関東の観光地に出店をしたGRAN CAMPER Tokyo。その効果はすでに現れているようで、実際のクルマを見たかった、というお客さんが来店しているといいます。
アウトドアショップのような雰囲気ですが、店舗でクルマの契約から、車内の内装決めなど、すべてここで行うことができます。
壁には内装に使われるパネルや、シートの生地などが展示されていました。実際に手にとって、その感触を感じられるサンプルが並べられています。
これまでは、サンプルのサイズも小さく、完成した時のインテリアをイメージするのが難しいのではないかと思い、このような展示が生まれたそうです。
今後は同じような直営店を増やしていく計画もあるそうです。これまでのキャンピングカーディーラーとはちょっと違った印象の店舗展開。ショッピングついでに立ち寄れるGRAN CAMPERの世界観が全国へ広がっていくのが楽しみです。