リチウムは希望か夢か幻か?一年以上、使ってわかった事

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リチウムは希望か夢か幻か?一年以上、使ってわかった事

愛車のアンセイエにリチウム電池を搭載してから1年以上が経過しました。一言で言うと、リチウム電池はやはり優れていて、現段階では、確かにリチウム電池にして良かったと思っています。その一方で、実際に搭載してみないと分からない事が多々あり、いろいろな課題もあることが分かりました。それらを実際の体験談と交えてご紹介したいと思います。

私が使っているリチウム電池

200Ahx2で400Ahのリチウム電池
200Ahx2で400Ahのリチウム電池

私が使っているのは「リン酸鉄リチウム電池」で容量は400Ahあります。元はと言えば、暑い真夏の夜に一晩中、エアコンを使いたいという願望でした。勿論、発電機も考えました、電源のあるRVパークに泊まればいいじゃん!とも考えました。でも発電機だって安くはないし、ガソリンの扱いは面倒だし、ちゃんと手当しないと使い時に動かないという話もあります。また、RVパークも最近は全国で約200箇所弱にまで増えましたが、それでもまだまだ足りずに、電源のないところで車中泊する事の方が多いのが現状です。

そこで、ビルダーの社長に「リチウム電池にしてよ!」とお願いしたのですが、この社長がガンコで、「安全で、コスパの良いリチウム電池が見つからない内はダメじゃんね~!」と許してくれません。それでも快適な夏の夜を過ごしたい私は機会あるごとにお願いしていたのでした。

ある日、やっと満足のいくリチウム電池が見つかったとの事で、それまでの重たい鉛電池(リチウム電池の約倍の重さ)3つを降ろし、リチウム電池を搭載する事になったのですが、ここでまたガンコ社長が、今まで鉛電池を搭載していた右サイド横にまんま搭載はダメと言うのです。これは、側面衝突の際に危ないとの事や、外気温の影響を考慮しての事でした。ではどこに?居住区のシートの下では、何かあった時に危険なので、結局、後部収納庫(その分、スペースが減りましたが)に搭載する事になりました。ここならば、防爆にも、追突の際にも直接ダメージを受ける事が少なくなります。ということで、やっと念願成就、恋焦がれたリチウム電池の搭載となりました。

これまでの実験

これまで行った実験は以下の通りです。

1)エアコン暖房

当初、リチウム電池を搭載したのが冬だったので、流石に冷房テストは極寒の我慢大会になってしまうために、まずはエアコン暖房テストをしました。私のアンセイエに搭載しているのは家庭用エアコンで、消費電力は暖房125~1220Wと冷房と同じ位の消費電流でしたが、結果は、期待を裏切らず、電圧が11V、残量10%になるまで、約10時間以上、駆動出来ました。

2)ガスVS電気でお湯沸かしテスト

ガスの方が火力が強いイメージですが、実際は、電気を使うティファールの方が、ガスの半分の時間でお湯が沸きました。これは、電気が優れているという意味ではなく、電気が使えるのなら、ガスを消費する事なく、電気を使った方が「勿体なくない」ということです。これもリチウム電池が無い時にはなかった発想です。

3)エアコン冷房テスト

家庭用エアコンを装備
家庭用エアコンを装備

待ちに待った冷房テストでした。まだ、夏前の五月でしたが、夏日の外気温37.2℃車内温度32.4度の状況で、約23分で22.8℃、つまり約10℃も下がりました。バッテリーは約3%減。この調子なら、残量10%までは、単純計算で約15時間位は使える事に!この結果から、真夏の暑い夜でのリチウム電池&エアコンに期待が高まったのでした。

4)エアコン暖房VS軽油FFヒーター

そもそもエアコンで暖房なんて発想はなく、冬場はFFヒーターというのが一般常識でしたが、これもリチウム電池があったからこそ、比較してみる事にしました。結果は、なんとエアコン暖房の勝ち!熱風量からして、エアコン暖房の方が多く、その分、早く車内が温まったのには驚きました。これも、エアコン暖房の方が優れているという事よりも、電気が使えるところなら、FFヒーターで燃料を使わずに済むので、エコにも優しい選択ができるようになったという事が重要でした。但し、エアコン暖房は熱交換式なので、外気が氷点下など低い状況では余り温まらないので要注意です。

5)いよいよ炎天下で、エアコン冷房テスト

炎天下でのエアコンテスト
今年の8月は、これまた特に暑かった!

一番やりたかったテスト。炎天下(事前の車内冷房なし!)テスト。外気温38℃車内温度28度の状況で、約20分で23.6℃、つまり約4度下がりました(この間、外気温は40℃近くに上昇)その後、外気温はさらに上昇して43.1℃(舗装駐車場で輻射熱もあり気温よりも高目?)でも、車内温度は22.8℃を維持。炎天下ピークの14時を過ぎ、約4時間経過で、バッテリーは37%減少。流石は、炎天下!その後、ピークを過ぎると、2時間で、約16%減少と消費量も低下。夕刻近くになっても外気温はまだ32.5℃と高いですが、2時間で、6%減少と消費ペースが落ちてきました。結果、9時間使用して、バッテリー72%消費。流石は炎天下、前回、実施した冷房テストよりも過酷でしたが、やはり、10時間位は使えそうです。同じ時期に夜間の冷房テストも行いましたが、同じ9時間使用でも、バッテリー消費はたったの30%。やはり夜間で外気温も28.7℃と低かったこともあり、長持ちします。夜間だけなら、二日間は十分にバッテリーが使えますね。勿論、昼間に走行したり、ソーラーからの充電があれば、その分、復活するので、リチウム電池ならば、暑い夏でも毎晩、快適に過ごせることになります。

オール電化計画

いままでビクビクして使っていた電気機器が、安心して使えるようになったと思うと、普段の日常生活では当たり前の様に使っていた家庭用機器をキャンピングカーでも使いたくなってきました。家電店に行くと、今まで、キャンピングカーとは関係ないと思っていた家電機器コーナーを覗いては、今、人気?の電気圧力釜とかを撫でながら・・「これはキャンピングカーでも使えるかも~」と、ほくそ笑んでしまっていました。以下が、これまで導入、テストした電気製品です。

1)ヨーグルトメーカー

ヨーグルトメーカー
ヨーグルト倍量計画

健康の為にヨーグルトは必須という乳酸菌オヤジなのですが、その都度、買うと高くなるので、好きな乳酸菌を種に数倍量に増やすヨーグルトメーカーは、クルマ旅でも使ってみたかったアイテムです。このヨーグルトメーカーはヨーグルトだけでなく、甘酒なども作れてしまうので(これが市販のものよりも美味しい!)なくてはならないものとなりました。これもリチウム電池のお陰です。

ヨーグルトメーカーで作る甘酒
ヨーグルトメーカーで作る甘酒がこれまた美味しい!

2)電気圧力釜

じっくり時間と手間をかけて・・の料理が、あっという間に簡単にできてしまうのが電気圧力鍋です。あっという間にできると言う事は、その分、電気消費量も少なく、目が離せない料理からも解放されるという事になり、正にクルマ旅向けとも言えます。

3)オーブンレンジ

結構、料理の応用範囲が広く手軽に使えるので、あまり凝った料理ができないキャンピングカーでは重宝しますが、意外と消費電力が多いのがオーブンレンジです。でもリチウム電池があれば、おの手軽さと同様に気軽に使えるようになります。

4)電子レンジで炊く土鍋でごはん

電子レンジは、意外にも使うモードによってはエアコンよりも消費電力が多く、一晩に何チンもやっているとサブバッテリーがゾンビになってしまうという笑えない状況になったりします。でも消費電力さえ気にならなければ、今や電子レンジは、簡単な温めから、ラーメン、パスタまで調理できる万能機器とも言えます。この時、試したのは、電子レンジでご飯が炊ける土鍋のテストです。土鍋でご飯が簡単に車内で、しかもチンで炊けてしまうので、ご飯が美味しいおかずを各種取り揃えてのテストとなり極楽状態でしたが、結果、デブまっしぐらとなって地獄状態となりました。これも、電気が優れているというテストではなく、その状況で、その時に最適な燃料が選べるという事が重要というテストでした。

5)「灯りつけて!」と言うだけ?のスマートキャンピングカー

Siri(シリ)のHomePod mini
Siri(シリ)のHomePod mini

弱電でも常に電気を使う事になる機器も、リチウム電池なら心配ありません。そこで、デジタルアシスタントのシリのシステムをキャンピングカーに装備、ベッドに潜り込んでから、「ヘイ、シリ!ライトオフ!」で灯りを消してもらったり、「ヘイ、シリ!エアコン付けて!」と操作できる様になりました。正に電脳スマートキャンピングカーの実現です。これも常時通電しても心配のない、リチウム電池のお陰です。

リチウム電池だけ考えていてはダメ

住宅用断熱材
住宅用断熱材や宇宙ロケットも使用している断熱塗料で断熱

いくら、リチウムが強力でも万能ではありません。少しでもその負担を軽減してあげる事が必要です。例えば、車体側の断熱。これは、意外と、キャンピングカーの個体差が大きく、どこまでしっかり施工されているかも問題になります。中には断熱材が入っていない、いわゆる「空気断熱」のキャンピングカーもあり断熱効果が余り期待できません。

また、リチウム電池の周辺機器も重要です。リチウム電池は容量が大きい分、満充電までに時間がかかります。つまり、一晩以上、エアコンが使えても、減った分を補う事ができなければ、次の晩は使えないなんて笑えない状況にもなりかねません。その為にも、リチウムを効率よく充電する外部電源からの充電、走行充電、ソーラー充電などの周辺機器、周辺システムが必要になります。

リチウム電池の充電
外部電源チャージャー&ソーラー充電&走行チャージャー

今後のリチウム電池対策

良い事ばかり?のリチウム電池ですが、一つだけ不安があります。それは電池寿命です。リチウム電池は鉛電池の3~4倍寿命があると言われ、一声、10年はもつとも言われていますが、実は、リチウムの登場時期から考えると、まだ誰一人、10年以上使った人がいません。だから、実際はどうなるか分からず、予想よりも早く寿命がくると、また大枚はたいて、リチウム電池を交換しないといけません。

前述の通り、まだ最後まで立ち会った人はいませんが、今後、リチウム電池の普及に従い、コストが下がり、コストが下がると利用も増えて、更にコストも下がると言う、良い循環がおこると思います。今はまだ実績がない新技術も使わないと育ちません。近い将来、リチウム電池が今の鉛電池の様に当たり前になり、トンでもなく快適な、キャンピングカーライフが実現しているかもしれません。そんな時代の到来を楽しみに、今、私はリチウム電池の人柱として、リチウム電池をあーでもないこーでもないと使っています。

WRITER PROFILE
さいば☆しん
さいば☆しん(彩羽森)

くるま旅作家。キャンピングカーで日本全国くるま旅。主にキャンピングカーで漫画&コラムを創作、キャンピングカー雑誌や関連サイトに連載したり、ショーイベントではトークショーで、キャンピングカー&くるま旅の素晴らしさをお伝えしています。体内に凶暴な腹の虫を飼っている事でも有名。

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