スモール&ナローキャンパーの魅力とは!?

キャンピングカーの選び方
, ,

small-narrow_01

軽キャンパーと比べて居住性や走行性能に余裕があり、走る道・止める場所を選ばない機動力も兼ね備えているのが、コンパクトサイズのバン・ワゴンをベースにしたスモールキャンパー。スモールキャンパーよりも大きく、居住性に優れており、5ナンバーサイズで市街地から郊外まで安心してドライブできるのが、1BOX車のナローボディをベースにしたナローキャンパー

大きさの順に分かりやすく並べると、以下の通り。

軽キャンパー<スモールキャンパーナローキャンパー<1BOXスーパーロング

今回は、日本の道路事情に適したキャンピングカーとして注目を集めている「スモールキャンパー」「ナローキャンパー」ついて解説する。

日本の道路事情に適した「機動力」が最大の魅力

small-narrow_08

クルマで旅をしていると、時には狭い道に遭遇することもある。日本中を隅々まで走り回るクルマ旅のベテランや、キャンピングカーを普段使いしている人は、なおさらクルマのサイズが気になる機会は多いだろう。

大型のキャンピングカーは居住性や快適性に優れているが、大きなボディサイズが原因で走る道や止める場所に困ることもある。工事中の市街地、曲がりくねった山道、どんどんと狭くなる市街地の一本道……。走行中はもちろん、観光地の混雑した駐車場、都市部に多い自走式立体駐車場、スペースに余裕のないコインパーキングなど、クルマを止める場所も悩みの種だ。

「スモールキャンパー」「ナローキャンパー」は、旧道・林道・脇道などの“酷道”もストレスなく走れ、出先で駐車スペースにも困らない、日本の道路事情にジャストサイズのキャンピングカー。機動力に優れたコンパクトサイズだからこそ、普段使いも安心してこなせ、どんな場所でも不安なく出かけられる。

スモールキャンパーのベース車両

軽キャンパーよりも大きく、ナローキャンパーよりもコンパクトなスモールキャンパーは、取り回し性に優れ、運転に不慣れな初心者や女性でも安心してドライブできるキャンピングカー。ベース車としてポピュラーなのは、日産のNV200バネットとトヨタのタウンエース/ライトエースだ。

NV200バネット

small-narrow_02

ボディサイズは、全長4400mm×全幅1695mm×全高1855mm。コンパクトカーのノートやジュークよりは多少大柄だが、ミニバンのセレナハイウェイスターと比べると、全長が37cm、全幅が4.5cmほどコンパクトで、最小回転半径も30cm小さい(2WD)。走る道や止める場所を選ばずに、どこでもスイスイ走れる、まさに日本の道路事情に適したサイズだ。

カーゴスペースは、11号段ボール箱186個分に相当する最大3700Lの大容量を確保している。リアに両側スライドドアを備えた5ドアで、乗降性や積載性にも優れており、キャンピングカーのベース車両としての素性は申し分ない。

トヨタ・タウンエース/ライトエース

small-narrow_03

セミキャブオーバータイプの小型商用車で、ボディサイズはNV200よりもさらにコンパクトな全長4045mm×全幅1665mm×全高1900mm。積載力重視のバンらしく全高こそ高いが、全長・全幅は小型ハイブリットカーのアクアよりも小さい。

そんなコンパクトボディに対して、車内は広々。リアシートを折りたためば、11号段ボール箱145個相当のたっぷり積める広いカーゴスペースになる。低床フロアで乗り降りや荷物の積み下ろしもラクラク。扱いやすいサイズ、ゆとりの室内空間、軽快な走りなど、毎日の仕事を快適に行える商用車ならではの利点が、キャンピングカーのベース車としても大きなアドバンテージとなる。

ナローキャンパーのベース車両

「ナローキャンパー」のベース車両は、1BOX車のトヨタ・ハイエース、日産・キャラバン。ボディサイズが大きいスーパーロングではなく、あえて5ナンバーサイズのナローボディをベースにすることで、ファーストカーとしてもストレスなく乗り回せるのが特徴だ。

トヨタ・ハイエース

small-narrow_04

国産キャンピングカー(バンコン)のベースカーとして、もっともポピュラーな1BOX車。商用モデルのバンと乗用モデルのワゴンがラインナップされており、サイズバリエーションは、5ナンバー枠に収まった全長4695mm×全幅1695mm×全高1990mmの「ナローボディ」、ワイドボディにミドルルーフを組み合わせた全長4840mm×全幅1880mm×全高2105mmの「ワイドロング」、ハイエースの全ラインナップの中で最大サイズとなる全長5380mm×全幅1880mm×全高2285mmのハイルーフ仕様「スーパーロング」が用意されている。

日産・NV350キャラバン

small-narrow_05

ハイエースと並び、バンコンのベース車両として人気が高い1BOXモデルで、商用車のバンと乗用車のワゴンがラインナップされている。サイズバリエーションは、全長4695mm×全幅1695mm×全高1990mmの「ナローボディ」、全長5080mm×全幅1695mm×全高2285mmの「スーパーロング/標準幅/ハイルーフ」、全長5230mm×全幅1880mm×全高2285mmの「スーパーロング/ワイドボディ/ハイルーフ」の3種類。ナローボディとワイドボディのスーパーロングはハイエースとほぼ同じスペックだが、スーパーロングに標準幅の設定があるのが特徴だ。

以上のように、ハイエースもキャラバンも様々なボディバリエーションが存在している。
キャンピングカーのベース車としては、広大な居住空間を確保できるハイルーフの「スーパーロング」がもっともポピュラーだが、5mをゆうに超える全長、規格外のワイドボディ、取り回しの悪さなどが原因で、普段使いや狭い道のドライブではストレスを感じてしまうこともある。その点、初心者や女性ドライバーでも扱いやすく、取り回しや機動性にもっとも優れているのが「ナローボディ」だ。

以下に、ナローボディの機動力・実用性の高さを示すエピソードを1つ紹介する。

筆者は、取材で毎年1BOX車のカスタムカーイベントに足を運び、そこで職人が毎日の足として使っている数100台のハイエース&キャラバンと接するが、職人のユーザーが仕事グルマとして使っているのは、広大な室内空間を持つスーパーロングではなく、決まってナローボディ。割合で言えば、ナローボディが全体の90%以上を占める勢いだ。その理由について話を聞くと、オーナーたちは「スーパーロングは大きすぎるけど、ナローボディならどんな現場でも困らない」と口をそろえる。

日々様々な現場に乗り入れる職人の仕事グルマは、積載性と同時に機動性も重要な要素だ。十分な積載力を確保しながら、どんな現場でも行けて、駐車場探しにも困らないナローボディは、毎日走り回る仕事グルマのジャストサイズ。これは、キャンピングカーに置き換えても同じことが言える。必要十分な居住性と優れた機動性、2つの要素を兼ねそなえていることが、ナローキャンパーの最大のアドバンテージだ。

ポップアップルーフのメリット

small-narrow_06

スモールキャンパー、ナローキャンパーは、コンパクトで機動性に優れている半面、ファミリーなど大人数での使用では、室内の広さや就寝定員に不満を感じることも……。そんなときに有効な装備が、室内空間を拡張できるポップアップルーフだ。

室内空間を広げ、就寝定員を確保

目的地にクルマを止め、ポップアップルーフをオープンすると、大人が立って手を伸ばせるほどの広々とした空間が生まれる。高い天井がもたらす開放感は圧倒的。ルーフベッドで就寝定員を増やしてファミリーにも対応できるほか、ルーフの上を滞在時の荷物置き場として使えば、居住空間を広々と使うことができる。高い天井のおかげで、車内での着替えもラクラクだ。

自走式立体駐車場に入庫できる

small-narrow_09

走行時に全高を抑えられるのも、ポップアップルーフの大きなメリットだ。ポップアップルーフ搭載モデルは、全高が2.1m以下に抑えられているのが一般的。都市部に多い自走式立体駐車場のほとんどが全高制限2.1~2.2mなので、全高2.1m以下のポップアップルーフ車なら問題なく入庫できる。これは、都市部を走る機会が多い人、仕事や普段使いでクルマを毎日乗り回している人にとって、大きなメリットだ。

まとめ

small-narrow_07

キャンピングカーの世界において、「居住性」と「機動性」は反比例する。

ボディサイズが大きくなればなるほど居住性は向上するが、その反面、大きさや取り回しの悪さが「走る道」「止める場所」にストレスを感じる原因になる。ボディサイズが小さくなればなるほど居住空間は狭くなるが、走行中や駐車時に不安や苦労はないため、どこでも気軽に出かけられるようになり、行動範囲が広がる。

軽キャンパーよりも走行性能と居住性に優れ、どこでも気軽に走れる機動性も併せ持ったスモールキャンパー。スモールキャンパーよりも大きく、居住性と機動性のバランスに優れたナローキャンパー
買い物や通勤、子供の送迎などの普段使いからレジャーまで1台でこなしたい人、狭い道や混雑した駐車場でも不安やストレスを感じることなく様々な場所を旅したい人……。スモールキャンパーとナローキャンパーは、そんなアクティブ派ユーザーのニーズにマッチする日本の道路事情にジャストサイズのキャンピングカーだ。

キャンピングカーの写真上から|キャンピングカープラザ大阪:RIW、2台目も同様、ネッツトヨタ横浜:アルトピアーノ、アネックス:WIZ、同:コンポーザー、同:コンポーザー、同:コンポーザー、同:ファミリーワゴンSS-ER

WRITER PROFILE
岩田一成
岩田一成(いわた・かずなり)

1971年東京生まれ。キャンピングカーライフ研究家/キャンピングカーフォトライター。日本大学芸術学部卒業後、8年の出版社勤務を経て、2003年に独立。ライター・エディターとして、自動車専門誌を中心に累計1000誌以上の雑誌・ムック製作に携わる。家族と行くキャンピングカーの旅をライフワークとしており、これまでに約1000泊以上のキャンプ・車中泊を経験。著書に『人生を10倍豊かにする 至福のキャンピングカー入門』がある。

キャンピングカーライター一覧へ

キャンピングカーの選び方
, ,


レンタルキャンピングカーネット