ライフステージによって移り変わる最適なキャンピングカーのカタチ

キャンピングカーの選び方
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ライフステージによって移り変わる最適なキャンピングカーのカタチ

契約から1年2カ月という納車待ち期間を経て、ついに新しいキャンピングカーが我が家にやってきた!

30代からバンコン、キャブコンを乗り継いできた筆者。今回キャブコンからの乗り替えということで、周囲では「バスコンですか?」「いや、輸入モーターホームでしょ?」などとさまざまな憶測が飛び交っていたが、筆者が選んだのは “まさか”のトラキャン!

岩田一成氏のトラキャン

キャブコンからの乗り替えでは、バスコンや輸入車へのサイズアップ、またはバンコンへのサイズダウンがよくあるパターンだが、なぜ筆者は日本において圧倒的マイノリティのトラキャンを選んだのか!?

今回は、筆者が過去に乗り継いできた愛車を振り返りながら、ユーザーのライフステージによって変化する“最適なキャンピングカーのカタチ”についてお話する。

初めてのキャンピングカーは、バンコン

岩田一成氏のバンコン

筆者にとって初めてのキャンピングカーは、ハイエースのポップアップルーフ・バンコンだ。長女が3歳の頃からファミリーキャンプを始め、ミニバンにテントを積んで北海道で長期のキャンプ旅を楽しむなど、当時のライフスタイルはキャンプ一色。そんな中、「家族と過ごす時間を、より大切にしたい」と一念発起して、30代半ばでキャンピングカーの購入を決意した。

キャンピングカーを購入したとき、長女は5歳、長男は0歳。子供たちと過ごす時間を何よりも大切にしていた筆者にとって、これ以上ないほどベストなタイミングだ。バンコンが納車された1週間後には、家族で北海道に旅立ち、道内のキャンプ場を巡りながら3週間の長期旅を敢行! その後も、キャンピングカーという“最強のツール”をフル活用して、家族と日本中を駆け回った。

バンコンを選んだ理由

バンコンの冬キャンプ

「ファーストカーとして使えること」がキャンピングカー選びの大前提。都内在住で周辺に全高制限付きの自走式立体駐車場が多いことから、全高は2.1m以下で、ファミリーで快適に過ごせる居住空間にもこだわった。そうした条件をもとに選んだのが、ポップアップルーフ仕様のバンコンだ。

ルーフを閉めれば、ミニバンと同じような感覚で普段使いから仕事まで快適に乗り回すことができ、クルマを止めてルーフをオープンすれば、車内が開放感抜群の“部屋”になる。機動性と居住性のバランスに優れた、当時の我が家にピッタリの1台だった。

バンコンを乗り替えた理由

バンコンの車内と子どもたち

ファーストカーとして毎日のように乗り回し、家族にキャンピングカーの楽しさと便利さを教えてくれた最高の相棒だったが、子供の成長と共に、広いと思っていた車内がどんどん狭く感じられるようになってきた。

子供が小学生のうちはまだまだ快適なキャンピングカーライフを送れそうだったが、「いずれ乗り替えるなら、高く買い取ってもらえるうちに!」と、早い段階で乗り替えを決意。子供たちと快適なキャンプ旅、クルマ旅を長く楽しめるように、2台目のキャンピングカーは居住性重視でキャブコンを選んだ。

2台目のキャンピングカーは、キャブコン

岩田一成氏のキャブコン

キャンピングカーの楽しさを教えてくれたバンコンから、よりキャンピングカーの魅力を味わえるキャブコンに乗り替え、10年で約15万kmを走破! 週末は観光メインのクルマ旅や近場のキャンプ、夏は北海道で長期のキャンプ旅、冬はスキー&スノーボードと、1年を通して至福のキャンピングカーライフを満喫した。乗り替えたときに8歳だった長女は18歳になり、3歳だった長男は現在13歳。家族の笑顔にあふれた最高のキャンピングカーライフを通して、子供たちはまっすぐたくましく育ってきた。

家族4人で2~3週間の長期旅をしてもストレスを感じない居住空間、個室で快適に使用できるトイレ、家族全員がゆったりと横になれるベッド、自炊も可能な広いキッチン、立ったままでフロントからリアまで歩ける通路……。その住み心地と快適性は、まさに“動く家”! 人生における“ゴールデンタイム”を共に過ごしたキャブコンは、我が家にとって最高の相棒だった。

キャブコンを選んだ理由

キャブコンの車内と子どもたち

バンコン時代以上に快適なキャンプ&クルマ旅を楽しめるように、2台目のキャンピングカーは「居住性」「快適装備」をとくに重視した。

バンコン時代と同様にファーストカーとしても使用できるよう、ボディサイズは日本の道路事情にマッチした5×2mクラスに限定。走行性能やスタイリッシュなデザインにもこだわって、ハイエースベースのキャブコンをチョイスした。

キャブコンを乗り替えた理由

岩田一成氏のファミリーとキャブコン

長女が中学生になって部活動を始めたころから、家族全員で出かける機会が徐々に減り、今後さらに「キャンピングカー」としてよりも「クルマ」としての使い方が増えていくことが予想されたため、新たなキャンピングカーのカタチを模索することにした。

3台目のキャンピングカーでは、居住性が多少スポイルされても、走行性能や安全性、利便性といったクルマ本来の性能を重視。さまざまな要素を検討して、トラキャンへの乗り替えを決めた。

3台目のキャンピングカーは、トラキャン

岩田一成氏のトラキャン

4月下旬に納車されたばかりの3台目の相棒は、新型ハイラックスのトラキャン。キャブコンからトラキャンへの乗り替えは非常に珍しいケースだと思うが、現在の筆者に最適なキャンピングカーはこれ一択だった。

キャブコンに比べると居住性では劣るが、使い勝手に優れている、スタイルがアメリカンでカッコいい、走破性に優れているなど、トラキャンならではのメリットは数多い。なかでも、普段はピックアップトラック、荷台にシェルを積めばキャンピングカーという“2WAY”で使えることが、トラキャンの最大の魅力だ。

トラキャンを選んだ理由

トラキャンの内装

バンコンもキャブコンもファーストカーとして使用してきたが、キャブコンの普段使いは不便な面も多かった。その点、居住空間のキャンパーシェルを脱着できるトラキャンなら、「足グルマ」と「キャンピングカー」という2パターンの使い方ができる。これが、今回の乗り替えの決め手となった。

新型ハイラックスのクルマとしての魅力も、外せないポイントだ。エクステリアはピックアップトラックらしいCOOLなデザインで、7つのエアバッグを装備した車内には5名が前向きに乗車できる。自動ブレーキやレーダー追従式オートクルーズなど最先端の安全装備も完備され、本格的な4WDシステムで悪路走破性も抜群! トルクフルな2.4Lディーゼルターボエンジンは13.6km/Lの低燃費を誇り、ストレスのない走りと経済性を両立している。

「クルマとしての魅力にあふれた新型ハイラックスを、キャンピングカーとしても使える」。

それが、筆者がトラキャンを選んだ最大の理由だ。

まとめ

トラキャンのリアビュー

子供が幼いときは、マルチに使えるバンコン。子供の成長期は、居住性に優れたキャブコン。そして、子供が成長して一緒に遊ぶ機会が減った現在、クルマとしての性能や使い勝手、スタイルを重視してトラキャンをチョイスした。

乗り継いできたキャンピングカーは、どれもその時々の自分の環境に合った最高のクルマたちだ。3台の愛車を振り返ると、「ライフステージの変化によって“自分に合ったキャンピングカーのカタチ”は変わる」ということを、あらためて実感する。

コンパクトなモデルから大型バスクラスのモデル、装備がシンプルなモデルから豪華装備を満載したモデルまで、キャンピングカーにはユーザーの幅広いニーズに応えられる豊富なバリエーションがそろっている。家族構成や使い方をしっかりシミュレーションして、自分にピッタリのキャンピングカーをチョイスしよう。

WRITER PROFILE
岩田一成
岩田一成(いわた・かずなり)

1971年東京生まれ。キャンピングカーライフ研究家/キャンピングカーフォトライター。日本大学芸術学部卒業後、8年の出版社勤務を経て、2003年に独立。ライター・エディターとして、自動車専門誌を中心に累計1000誌以上の雑誌・ムック製作に携わる。家族と行くキャンピングカーの旅をライフワークとしており、これまでに約1000泊以上のキャンプ・車中泊を経験。著書に『人生を10倍豊かにする 至福のキャンピングカー入門』がある。

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