お手軽気軽に小回りの利くクルマ旅には軽キャン、長距離/長期間のクルマ旅はキャブコンと使い分けていましたが、なんと、今回の北の大地(北海道)のクルマ旅には、軽キャンで行ってみました!そこで分かった軽キャンのメリット/デメリット、改めて感じた軽キャンの楽しみ方をご紹介します。
軽キャンのメリット
高速代・フェリー代が安い
東北道の場合、川口JCTから青森まで、普通車だと14,100円(ETC特別料金)ですが、軽キャンだと11,300円、いつもは下道をゆっくりと行く私ですが、今回は、スケジュールの都合で高速を利用したので、鰻重位の差額でも嬉しいです。
また、フェリー代金も、船会社・シーズンによって異なりますが、津軽海峡フェリーの場合、青森→函館間(7月12日~8月18日のC期間)では、標準的なキャブコン6m未満は、27,100円、軽キャンは22,270円と、豪華ウニ丼位の差がでます。
燃費が良い/ガス代が安い
ガススタンドにもよりますが、ホクレンなどの標準的なガススタンドですと、軽油は149円/ℓ、レギュラー167円/ℓです。キャブコンの平均的な燃費は8km/ℓ、軽キャンは13km/ℓとすると、1kmでは、それぞれ18.6円、12.8円となり、100kmも走ると、1,860円と1,280円と差額は580円!ラッキーピエロのチャイニーズチキンバーガー(420円:税込)が余裕で買えちゃう位の値差があります。
隅々まで行ける機動力
でっかいどー!の北の大地は、広く真っすぐな道のイメージがありますが、ローカルの道や後述の林道では、普通車同士のすれ違いも大変なところもあります、また、古い街中や、裏道も狭い所はあります。
その点でも、軽キャンだと、ストレスなく走り回る事ができ、また、大きなキャンピングカーだと、つい停まるのも億劫な場面でも、バイク並とはいかないまでも、ちょっと停めてお気楽に写真を撮る事もできます。
ドライブが楽しくなる操縦性
軽キャンのタイプにもよりますが、走行時は車高が普通車と変わらないポップアップ式の軽キャンならば、その走行性も普通車とほぼ同じフィーリングです。私の愛車のMiniPOPBeeだと、ワインディングロードでもまるでゴーカートの様に走ります。後ろの荷物がひっちゃかめっちゃかになるのでは?と心配するくらいのドライブが楽しめます。
悩まず停められる駐車力!
やはり、北の大地の駐車場は、概ね広く、大きなキャンピングカーでも問題なく停められるところが多いですが、それでもやはりローカル、それも人気お食事処やコインランドリー、渋い温泉など、そこそこ広い駐車場でも、すぐに一杯になるような場合があります。その点、軽キャンだと、すすっと停められる事が多いので助かります。
軽キャンのデメリット
貧弱な搭載力(今回はカヤックを諦めました)
ルーフキャリアや、ヒッチキャリアーに荷物を積むようにしても、その分、重くなり、軽キャンの機動力を大きく削ぐことになります。私の場合、毎年、カヤックを積んで、機会があれば、川や湖で漕ぎ漕ぎしていましたが、今回は、どこにも積めないので諦めました。
その都度、カヤックを組み立てるのも面倒なので、軽キャンのルーフキャリアに載せる事も考えましたが、長さオーバーになるのでダメでした。同様に、自転車やバイクなど、北の大地に持って行くと楽しそうなものも、余程の工夫をしないと搭載できないと痛感しました。あ~残念!
移動する布団部屋?
軽キャンは、どうしても狭い!ポップアップ式はポップアップすると、私のMiniPOPBeeは、下手なキャブコンのバンクベッドよりも広くなりますが、道の駅やSA・PAなどでは、いかにも車中泊していますという感じになるのでポップアップしない事もあります。
となると、一気に車内は狭くなって、まるで布団部屋状態です。いろいろなものを積み込んであるので、その隙間で寝るという感じです。これではいくら中の良いご夫婦でも、重なって寝るしかないかもしれません。ですから、ご夫婦には余りおススメできませんが、おひとり様用としては宜しいのではないでしょうか?
長距離/長期間は辛い
キャブコンに乗ると、その余裕のスペースとエンジントルクの太さで、こんなにドライブが快適なのか?と思ってしまいます。その点、軽キャンは、運転席も狭く、余裕もない為、やはり、長距離の運転は疲れると思っていました。が、それも慣れると普通に思えてくるので不思議です。
また、長期間になると、前述の布団部屋空間だと、知らない間に疲労が溜まってくると思います。が、これも慣れで、一人でスポッとハマる空間が、まるでお母さんの胎内にいるときの記憶が蘇ってくるような感覚になるので不思議です。
急勾配は苦しい
これは北の大地でなくても感じる事ですが、やはり、軽キャンのエンジンパワーだと、上るのに苦しい急こう配の坂道があります。エンジン音だけがけたたましくなり、ち~とも上っていかない・・後ろを見ると、車が金魚のうん○状態・・なんてこともあり、ストレスも溜まります。
まあ、これはキャブコンでも、普通車に比べると、坂道には弱いものですが、軽キャンの場合は、それが特に顕著にでます。
悩む収納場所
前述の搭載力にも繋がりますが、軽キャンは、そもそも戸棚や収納スペースがキャブコンに比べて少ないので、物の収納に悩む事が多いです。出発時には、なんとか納まっていたものが、くるま旅中に増えたり、購入物や、お土産、ゴミなどの置き場がみるみる内に無くなっていきます。
空いている隙間に突っ込む事になりますが、これが、通常時と就寝時には、移動させる必要が出てきたりして、それが結構、億劫な作業となります。意外と悩むのはお風呂の後の濡れたタオルや手ぬぐいの干す場所です。私の場合は、もう運転しないと分かっている時は運転席に干したりします。
・・と色々、書き連ねましたが、意外と、これも「慣れ」で、旅を続けているとそれが普通になります。特におひとり様だとなんとかなってしまいます。
改めて感じた軽キャンの楽しみ方
これは前述の北の大地の隅々まで行ける機動力にも関連しますが、今回の北の大地くるま旅の目的の一つである「林道走破!」をたっぷり楽しみました。
初めて北の大地に足(タイヤ)を踏み入れた時は、そのどこまでも続く真っすぐな道などに大感動したものですが、ほぼ毎年、訪れるようになった今では、その真っすぐな道も刺激が少ない退屈なものになってしまい、観光地も、今や日本語を喋らない方々が大挙して押し寄せているので、今回は、いかにも北の大地らしい、以前には感じていた初々しい感覚を求めて林道を攻略したいと思った訳です。
林道には、まだ北の大地らしい風景や、刺激が残っていました。(刺激としてはあの熊ちゃんなどのスリリングなものもありますが・・)
白い道(稚内市宗谷村)
これは、観光林道としては有名で、普通車や、観光タクシーも周っている位なので、軽キャンである必要はありませんが、それでも約3kmの白い道の途中には、すれ違いが厳しいところもあり油断できません。ここは、軽キャンならではの安心!という感じでした。
函岳(中川郡美深町)
北の大地の「オフローダーの聖地」と言われており、山頂まで車で行ける全国的にも稀有な山です。が、全長約27kmという距離と、最近では熊ちゃんの目撃情報もあったりで、バイクだと鉢合わせした時に、瞬時にUターンできないと喰われる恐れもありますが、まあ、これも軽キャンならば安心さ!という感じでした。
ロングなダートという事や、深ジャリ道も続くので、普通車だと来た事を後悔する方もいるかと思います。その意味では、熊襲撃にも比較的安心で、走行が出来る軽キャン向きと言えるかもしれません。
美瑛林道(正式名称ではなく、バイク乗りの方の通称です:上川郡美瑛町)
全長約7kmのお手軽な林道で・・というか、林道というよりは農道、それも普通とは違う畑道が続きます。美瑛のパッチワークの有名なスポットは、インバウンドを含め、多くの観光客がわんさといますが、この林道はそんな喧騒とは無縁な風景を楽しめます。改めて、北の大地の空は広いなあとうっとりしてしまいます。
道道70号線(芦別市幌内辺り)
道道70号線の途中にある約11kmのダート区間です。この林道は道幅も広いし、ところどころ舗装もあるので走り易いですが、途中、道がクレーターというか、砲撃をくらったというか、おろし金状態というか、舌を噛みそうなところがあるので、用心と覚悟が必要です。道道という事もあり、なんでこんなに大きなダンプが通るのよ!という場面もありました。注意も必要です。
布礼別林道(富良野市北布礼別)
約5kmと短めの林道ですが、道幅が狭く、登山口まで行くと「ヒグマ出没注意」のサインもあったりして、結構、スリリングですし、北の大地らしく林道なのに真っすぐなところもあり、それなりに楽しめます。今回の林道走破の為に、ナイフやクマよけスプレーなども用意しましたが、結局、使わずに済んだのでホッとしています。
十勝牧場林道(河東郡音更町)
帯広市街からも近い、十勝牧場にある白樺並木が美しい林道です。お洒落な白樺並木には不釣り合いな、おろし金のようなダートコースもあり、観光林道とナメてかかると痛い目にあいます。ゴールとなる展望台からの眺めは素晴らしく、ダートコースを走り切ったご褒美となります。
タウシュベツ林道(河東郡上士幌町)
人気観光スポットタウシュベツ川橋梁へ行く林道です。昨年は、カヤックで往復2時間かけて行きましたが、今年は林道で行きました。事前に「林道ゲートの鍵」を専用サイトから予約しますが、既に全て埋まっていました。ですが、当日の空きが1本あり、幸運にも抽選でゲットしました。全長4kmの短く、走り易い林道です。何よりも行った先にはご褒美のタウシュベツ川橋梁が待っています。
「北の大地のくるま旅、おひとり様なら断然、軽キャン!」は如何だったでしょうか?
私も最初は「軽キャンで北の大地は大丈夫か?」と一抹の不安を抱えていましたが、行ってみると軽キャンならではの北の大地のくるま旅を楽しむ事ができて、次回は、やはり軽キャンだとお安くなるフェリーを使って、利尻島・礼文島・奥尻島にも行ってみようか?なんて思っています。
軽キャンでもキャブコンでも、自由気ままなくるま旅が楽しめるキャンピングカーは、やはり最高だなあ!というのが全体の感想です。