経験者が魅力を語る! バンコンユーザー座談会

キャンピングカー活用法
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バンコン、キャブコン、バスコン、軽キャンパーなど、キャンピングカーにはさまざまなカテゴリーがあり、それぞれが違った特徴を持っている。そして、キャンピングカーオーナーには、必ずそのカテゴリーの車両を選択した理由がある。

今回は、キャンピングカーの中で最もポピュラーなバンコンのオーナー3人に、座談会形式で話を聞いた。数あるカテゴリーの中から、なぜバンコンを選んだのか? バンコンのメリットや使い勝手はどうなのか? バンコンをどのように活用しているのか?

実際に使っているオーナーならではのリアルな体験談を通して、バンコンの魅力や楽しさをお伝えする。

「バンコン座談会」に参加してくれたオーナーたち

バンコンユーザー小林氏

小林 力さん 45歳
愛車:バカンチェスリッツ(リンエイ)
家族構成:夫婦+子供1人
キャンピングカー歴:16年

20代から3台のキャンピングカーを乗り継いできたバンコンフリークで、愛車を通勤、買い物、レジャーまで幅広く活用中。家族でスノボや自由気ままな旅をするのが一番の楽しみ。

バンコンユーザー千木良氏

千木良亮二さん 42歳
愛車:ツアーズワイド(OMC)
家族構成:夫婦+子供3人
キャンピングカー歴:4年半

3人の娘を持つパパ。スノーボードに行くことを前提に、ハイエース4WDのバンコンを4年半前に購入。ワイドミドルがベースなので、走る道・止める場所に困ることはないとか。

バンコンユーザー川上氏

川上善光さん 50歳
愛車:ハイエースワンオフ(RVビッグフット)
家族構成:夫婦+子供2人
キャンピングカー歴:5年

ジープで林道を走って野営をしたり、ダイビングのガイドを務めたりと、昔からアウトドアが大好き。現在は、ワンオフのバンコンでダイビングやキャンプ、カヤックを楽しむ。

ユーザー車両

小林さんの愛車バカンチェスリッツ

バカンチェスリッツ バカンチェスリッツ外観 バカンチェスリッツ車内

「カッコいいキャンピングカー」にこだわり、オフロード4WD風のワイルドなイメージでドレスアップ。ルックスと機能性を両立した個性派キャンパーに仕上げた。

千木良さんの愛車ツアーズワイド

ツアーズワイド ツアーズワイド車内

自走式立体駐車場にも入庫できるハイエース・ワイドミドルがベースなので、実用性・機動力はピカイチ! 個室風リアキッチンは、女性陣の朝の身支度に重宝している。

川上さんの愛車ハイエース・ワンオフキャンパー

ハイエース・ワンオフキャンパー ハイエースワンオフ車内

ベッド展開したままでもすべての装備(水道・冷蔵庫・電子レンジなど)が使えるように、ワンオフオーダーした1台。外装もスタイリッシュにドレスアップ済みだ。

キャンピングカー購入のキッカケとバンコンを選んだ理由は?

バンコンを選んだ理由

【小林】街乗りもできるし通勤にも使えるのが、バンコンを選んだ理由ですね。もともとスノボで雪山に行くために4駆のワンボックスが欲しくて、22歳のときに自作でキャンパー登録したE24キャラバンのバニングに乗りました。それがバンコンライフのスタートです。
それから200系ハイエース・ワイドミドルのバンコン、スーパーロングのバンコンを乗り継ぎました。カッコいいクルマが好きなので、ドレスアップパーツがたくさんあって楽しくイジれることも、ハイエースのバンコンを選んだ大きな理由ですね。

【千木良】もともとスノーボードが趣味で、初めてキャンピングカーを見たのもスキー場でした。「あの人たちこんな寒い中でクルマに泊まって大丈夫なのかな」とか思って(笑)。それでキャンピングカーには、エンジンを止めた状態で使えるFFヒーターというものが付いていることを知ったんです。
それから、幕張のジャパンキャンピングカーショーに行って、「キャンピングカーが欲しい!」という気持ちがどんどん大きくなって、その半年後に今のバンコンを購入しました。ハイエースベースを選んだのは、スタイルがカッコいいから。スーパーロングは自宅駐車場に入れないので、ワイドミドルのバンコンを選びました。

【川上】昔から、ずっとキャンピングカーは欲しかったんです。それで、ダイビングの知り合いが買ったバンコンを見せてもらって、「これいいじゃん」とキャンピングカー熱にイッキに火がついて。その1か月後には、今のクルマを注文してました(笑)。
キャンピングカーに求める要素は、「目的地に快適に着きたい」ということが一番です。目的がダイビングだったので、現地に行って疲れたくない。クルマとして移動を快適にしたい。車内で泊まる・過ごすだけではなく、移動時の快適性を重視してバンコンを選びました。あとは、ダイビングで使うことが前提だったので、荷物がいっぱい入るのもポイントでしたね。

「バンコンでよかった」と思う瞬間は?

バンコン

【小林】行き当たりばったりの旅が多いので、どこでも行けて、寄りたいところにパッと入れる自由度というか機動力というか。それが、バンコンの一番の魅力ですね。グーグルマップのナビで鬼のような山道を走らされたりすることもありましたけど(笑)、まぁハイエースなら問題なく走れてしまうので。「バンコンじゃなかったらこの道は無理だったな」と思うような場所も、過去に結構ありましたから。

【川上】確かに、道は気にせず走れますよね。大きなキャンピングカーだったらここは無理だろうというような道でも、ほとんど普通車と同じような感覚で走れる。急坂でも、登坂車線に入らずガンガン登れるし。走っていて気を使ったり、ストレスを感じることはほとんどないですね。

【千木良】本当に普通のクルマですよね。お2人のハイエースはスーパーロングですけど、うちのはコンパクトなワイドミドルなので、とくに感じます。ワイドミドルは、全高が低くて自走式立体駐車場にも入れるので、駐車場所に困ることもない。今まで乗ってきた普通車と、まったく変わらないです。

キャンピングカーをどのような用途で使っていますか?

キャンピングカーの用途

【小林】毎日通勤で乗っています。完全に足グルマなので、通勤にも使うし、近所の買い物にも使うし、レジャーにも使うし、キャンプにも行くし、雪山にも行くし、車中泊の旅行にも行くし。遊びで一番多いのは、冬は圧倒的にスノボ、それ以外はキャンピングカー仲間とのオフ会やキャンプ、家族とのクルマ旅が多いです。

【千木良】自分は電車通勤なので、乗るのは基本週末だけ。ちょっとした買い物は軽自動車を使いますけど、お出かけするときはハイエースで行きますね。FFヒーターが付いているので冬はスノボがメイン。4駆なので、みんなが行かないような雪深いところで車中泊してます。あとは、家族と旅行をしたり、仲間とカヤックをしたり。
ショッピングセンターにも、よく行きますね。普通のクルマだと、生鮮品とか冷凍品とかを買うとすぐに帰らないといけないじゃないですか。でも、キャンピングカーは冷蔵庫が付いているので、生ものなどを冷蔵庫に入れてショッピングセンターをゆっくり見て回ったり、どこかに寄り道して遊んだりできる。そんな使い方もよくしますね。

【川上】キャンピングカーは、平日はまったく乗らず、週末のみの稼働です。使い方は、ほとんどみんなと一緒で、キャンプに行ったり、旅行に行ったり、あとはダイビングに行ったり、カヤックに行ったり。完全なレジャー専用車です。
今のハイエースを買ってから、高知の柏島へダイビングをしに行ったりもしました。まだ娘が0歳6か月だったんですけど、長距離の旅でも車内で仮眠・休憩をとりながらノンビリと移動できるのがよかったです。

【千木良】キャンピングカーは、アウトドアアクティビティとか趣味とか、いろいろな用途に活用できますよね。うちは、スノーボードに行くのがキャンピングカーを購入した一番の理由。だから、4駆、FFヒーターは必須でした。今は子供が大きくなって回数は減ったけど、それでもシーズン中4~5回は雪山に行きますよ。
キャンピングカーを買う前は、金曜日に仕事から帰ってきて、夜中の2~3時ごろに家を出発。朝方にスキー場に着いて、そのままリフト待ち。今は、帰ってきたらすぐ出発して、深夜0時ごろスキー場に着いて、駐車場で車中泊。それができるのが、大きな魅力ですね。

キャンピングカーのメリットを教えてください。

ハイエースワンオフのキッチン

【小林】さっきも話に出ましたけど、前乗りできるのが大きいですね。渋滞しない夜のうちに目的地近くまで移動して仮眠をとることで、翌朝からすぐに遊びを始められる。あとは、無計画な旅ができるのがいいです。ホテルをとらなくても、クルマを止められるところがあれば問題ないので。チェックイン・チェックアウトの時間を気にせず、時間をうまく使えるのがキャンピングカーのメリットですね。

【川上】小林さんと同じで、やっぱり前乗りできるのがメリットですよね。前夜に出発することで、うまく渋滞を避けられるじゃないですか。今年のゴールデンウイークは和歌山に行ったんですけど、キャンピングカーの利点を活かして時間をずらしながら走ったので、ほぼ渋滞にはまりませんでした。みんなが渋滞の中を一生懸命帰っているとき、刈谷PAで観覧車に乗ってお風呂に入って、時間をずらして帰ったり。時間調整も快適にできるのが、キャンピングカーのいいところですね。

【千木良】うちはキャンピングカーを買ってすぐに北海道に行ったんですけど、走ってみて「こんなに北海道って広いんだ」と驚きました。でも、キャンピングカーなら「今日はここまでにしよう」と決めて、クルマの中で寝られる。そんな風に、自由気ままな旅ができるのは、キャンピングカーならではだと思います。

【川上】うちは、上の娘の妊娠が発覚した日にキャンピングカーを注文して、子供が生まれる2か月前にクルマが納車されたんです。長女は3か月くらいから車中泊していますけど、電子レンジで離乳食を用意したり、ベッドでおむつの交換をしたり、キャンピングカーがすごく役立ちました。

【小林】実は、うちも子供が生まれるのと2台目のキャンピングカー購入のタイミングが同じなんです。展示車を買って、すぐに子供ができたことがわかって。ヨシさん(川上さん)も言ってましたけど、車内にベッドがあると、おむつを替えたり、子供を寝かせたりできるので、本当にラクですよね。
家族でショッピングモールに行ったときの話なんですが、奥さんはお店をいろいろ見て回りたいけど、小さな子供がいると大変じゃないですか。でも、子供を車内のベッドで昼寝させて、自分が子供の付き添いをすれば、奥さんもストレスなく遊びに行ける。子供が小さいときは、そんな使い方もしてました。

愛車のこだわりやお気に入りのポイントは?

ツアーズワイド車内

【小林】ルックスにはこだわってますね。ノーマル車高が嫌で本当はローダウンしたいんですけど、アクティブに遊びたいからシャコタンはNG。だったら上げちまえと車高を3インチアップして、タイヤやガード類でオフロード系のスタイルにしました。ハイエースって人気があるからその中で個性を出すのは大変ですけど、「キャンピングカーでもカッコいいクルマに乗っていたい」というのが、自分のこだわりですね。
機能面で言うと、もっとも重要視したのは家族3人がゆったりと寝られるベッド。今のクルマはリア2段ベッド仕様なので、下で2人寝て、上段ベッドで1人寝れば、家族全員が余裕を持って横になれます。あとは荷物が積める広いカーゴスペースにもこだわりました。かなり広いスペースなので、コンパネも余裕で積めますよ(笑)。

【千木良】積載スペースは重要ですよね。ホームセンターで大型家具とか買って、「どうします? 配送しますか?」「いや全部持って帰りますよ」みたいな(笑)。
うちは、楽しみながら快適化(DIY)しているのが、こだわりですね。前後のドライブレコーダーをサブバッテリーで起動して24時間監視システムにしたり、フリップダウンモニターやスピーカーを付けたり。ヨシさん(川上さん)や仲間と一緒に、あれこれ考えながら作業するのが、とても楽しいんですよね。
ほかにクルマのこだわりと言えば、リアに個室的なキッチンスペースがあること。うちは娘3人なので、「寝起きのまま洗顔・歯ブラシをトイレでやるのが恥ずかしい。クルマの中でやりたい」って言うんですよ。リアのキッチンが個室っぽくなっているので、女性陣が洗顔や歯磨きをしたり、髪の毛をとかしたり、かなり重宝してます。

【小林】女性が多い家族ならではのエピソードですね(笑)。ヨシさん(川上さん)のクルマはワンオフだから、こだわりも多いんじゃないですか?

【川上】一番のこだわりは、ベッドを展開した状態のままですべての機能・装備が使えること。昔4駆に乗っていたとき、イレクターパイプでベッドを作ったり、ベッドキットを付けたりしましたけど、寝るときに毎回ベッド展開しないといけないのが面倒だったんです。そういう経験があったから、飲んだ後にベッド展開をしたくなかった。
今のクルマは2~3列目がレボシートで、リアに常設ベッドが設置されていますが、ベッド状態にしたままでも、水道、冷蔵庫、電子レンジなどの機能がすべて使えるように作ってあります。そのために、通路を確保したり、シンクを手前にレイアウトしたり、いろいろとこだわりました。だから、既成モデルではなくワンオフだったんです。

これから購入を考えている人にアドバイスを!

座談会の3人

【小林】初めてキャンピングカーを買う人は豪華な装備に目が行きがちですけど、実は意外と使わない装備もあったりします。ショーでキャンピングカーを見たときは車内を広く感じても、実際は着替えや荷物もあるし、思っていたよりも狭く感じます。
だから、キャンピングカーを選ぶときは自分の使い方に当てはめて、必要な装備、必要じゃない装備、広さなどを総合的に考えるといいと思います。レンタカーで購入候補のクルマを何種類か乗ってみるのもお勧めです。乗ってみると、ショーではわからない実際の使い勝手なども体験できるので。

【千木良】年配になってからとか、子供が生まれるときとか、キャンピングカーを購入するタイミングは人それぞれだと思いますが、もし「キャンピングカーが欲しい」と思っているなら、今すぐに買った方がいいと思います。

【川上】それ言おうと思ってた(笑)。いつかはキャンピングカーじゃなく、欲しいときにすぐ買った方がいい。

【千木良】自分自身、もっと早くキャンピングカーを買えばよかったと思います。うちは子供が大きくなってからキャンピングカーを買ったので、子供が0歳のときから一緒にキャンピングカーで遊んでいるヨシさん(川上さん)がうらやましいです。子供が小さい時に買えば、もっとたくさんの思い出が作れたと思うので。

【川上】キャンピングカー購入は、「いつか」じゃなく、欲しいなら「今」。ローンの金利も安いじゃないですか。お金を貯めている暇があったら、今すぐに買った方がいい。うちの奥さんも最初は「またお金使うの」って感じでしたけど、今は「子供が生まれる前にキャンピングカーを買ってよかった」って言っていますよ。 キャンピングカーを買うと、いろいろと楽しみが広がります。今まで絶対出会わなかった人たちとこうやって知り合えたのも、キャンピングカーがあるからこそ。年齢も職業も関係なく遊べる仲間って、この歳になると貴重ですよ。千木良さんと出会ったせいで、快適化(DIY)沼に落とされましたけど(笑)。

【千木良】ヨシさん(川上さん)と一緒で、仲間が増えたのがキャンピングカーを買ってよかったこと。クルマに関係なく、普通に飲みに行ける仲間ができたのは、本当にうれしいし、楽しいです。キャンピングカーの素晴らしさを知ってしまったので、今のクルマを降りても間違いなく普通のクルマには戻れないでしょうね(笑)。

【小林】キャンピングカーの買い替えはあっても、普通車に戻ることはあり得ないですね。キャンピングカーは、クルマなんだけど、単なる移動手段じゃなくて生活の一部。外に出たときも家を一緒に連れていく感じで、だからこそ愛着も強いですよね。

【川上】無理してでもキャンピングカーに乗り続けたいですよね。免許を返納する年齢になるまでずっと(笑)。普通のクルマだと、古くなったからイヤ、デザインが変わったからイヤとかあるけど、キャンピングカーは飽きないから長く乗れるじゃないですか。移動手段プラスアルファの要素があるから、家族との思い出も詰まっているし。キャンピングカーは、まさに「夢が詰まった乗り物」だと思いますよ。

WRITER PROFILE
岩田一成
岩田一成(いわた・かずなり)

1971年東京生まれ。キャンピングカーライフ研究家/キャンピングカーフォトライター。日本大学芸術学部卒業後、8年の出版社勤務を経て、2003年に独立。ライター・エディターとして、自動車専門誌を中心に累計1000誌以上の雑誌・ムック製作に携わる。家族と行くキャンピングカーの旅をライフワークとしており、これまでに約1000泊以上のキャンプ・車中泊を経験。著書に『人生を10倍豊かにする 至福のキャンピングカー入門』がある。

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