キャンピングカーは「人生を楽しむ」ための最強ツールだが、中にはキャンピングカー特有の貨物然としたビジュアルに抵抗を持つ人も……。しかし、最近はキャンピングカーの世界でも若いユーザーを中心に、アルミホイールやリップスポイラーなどで外装のドレスアップを楽しむ人が増加している。
そんな流れを受け、今回キャンピングカースタイルから、「キャンピングカーをスタイリッシュに乗る」一例として、筆者の愛車を紹介してほしいとオファーをいただいた。
20年以上に渡りあらゆるカテゴリーの自動車雑誌に関わってきた筆者は、若かりし頃から収入の大半をクルマに注ぎ込んできた、大のクルマ好き。だからこそ、例えキャンピングカーでも、「カッコ悪いクルマには乗りたくない」という思いが強く、独自のこだわりで愛車のビジュアル面をグレードアップしてきた。
カスタムコンセプトは、「都市部でもスマートに乗り回せるキャブコン」。
今回は、僭越ながらそんな我が愛車をモデルに、キャンピングカーの実用性や快適性、居住性とは違った部分での、こだわりや楽しみ方を紹介していきたい。
目次
唯一無二のスタイリッシュキャブコンを目指す!
筆者の愛車は、ハイエースベースのキャブコン「セレンゲティ」。優れた走行性能や必要十分な居住性・快適装備のほか、「スマートな外観デザイン」もこのクルマを選んだ大きな理由のひとつだ。内外装から足回りまでアフターパーツが豊富にそろった「ハイエース」がベースであることも、クルマいじりが大好きな筆者にとって重要な要素だった。
もっともこだわったカスタムは、巨大なボディのオールペイントだ。これは単にカッコよさだけを追求したのではなく、ゲルコートの劣化でバーコードが染み込んだ「小汚い」状態の愛車を、「キレイな状態のまま長く乗り続けたい」と検討した結果。この辺りの経緯やゲルコート、全塗装についての話は、機会を改めて詳しく解説したいと思う。
レクサスカラーにこだわり、3コートパールで全塗装!
オールペンするからと言って、キャンピングカーを奇抜なカラーリングで塗ってしまったら、出先で悪目立ちするだけ。そのため、愛車のカラーはシンプルな白が基調。そこに、独自のこだわりをさりげなく盛り込んだ。
ホワイト部分は、レクサス純正色のホワイトパールクリスタルシャインでペイントした。この塗装は、ベースカラー~パール~クリアの3工程で仕上げる、いわゆる3コートパール。非常に手間がかかる塗装で価格も高額なため、巨大なキャブコンのカラーリングとしては、普通ではありえない選択肢と言っていい。
どこに行っても悪目立ちしない、シンプル&スタイリッシュなボディカラー。しかも、3コートパールの透明感と高級感、深みのある艶感は格別。日の当たり方によって色合いが美しく変化するのも、パール塗装ならではの魅力だ。
ペイントの工夫でボディの美しさをキープ!
ルーフ回りは、トヨタ純正シルバーメタリックで塗り分けている。手のとどかないモールから上をシルバーメタリックにしたのは、「ルーフ回りの汚れを目立たせない」ため。おかげで、外出前にモールから下の手のとどく部分をサッと水拭きするだけで、常にキレイな状態を保てるようになった。
同様の工夫は、ディテールにも及ぶ。窓枠やポーチライトなどの劣化しやすいプラスチックパーツは、すべてボディ同色でペイント。プラスチックパーツの変色を防止すると同時に、汚れの落ちやすさも向上し、美しい状態をキープするのがさらに容易になった。
高年式のフェイススワップで古さを感じさせない顔つきに!
ベース車両がハイエースのⅡ型だったので、フェイスを高年式のⅢ型へとスワップ。2段式ヘッドライト、フロントグリル、バンパーなど、ボンネットから下のパーツはすべてⅢ型ハイエース用に変更した。品質と耐久性を考慮して、バンパーやブラケットなどは純正パーツを使用。そこに社外品のフロントグリルやリップスポイラーを組み合わせ、シンプルながらも存在感あふれるフェイスに仕立てた。
こうしたカスタムが手軽に楽しめるのも、専用パーツが星の数ほどリリースされているハイエースベースだからこそ!
LEDパーツでリアビューに存在感をプラス!
ボディの印象を引き締めるため、サイドボトムやリアバンパーはルーフ同色のトヨタ純正シルバーメタリックでペイント。テールランプは純正風デザインのフルLEDテールに換装し、バンパー左右にはLEDリフレクターを埋め込んだ。
サイドボトムやリアバンパーをシルバーメタリックにしたことで、泥はねなどボディ下部の汚れが目立たなくなり、LEDパーツで夜間走行時の後続車からの視認性も向上。スタイルだけではなく、実用性も同時にグレードアップした。
ワンオフデカールで統一感を演出!
サイドデカールはピンストライプ風デザインでワンオフ。
キャンピングカー特有のゴテゴテ感を排除して、スタイリッシュな印象を演出した。デカールをフロントドアまで延ばすことで、フロントキャビンとリアシェルの一体感を強調したのもこだわり。デカールのリアエンドはスポーティなストロボラインでフィニッシュし、デカール内部にさりげなく車名の欧文ロゴもあしらった。
タイヤ&ホイールは、「安全性」が大前提!
交換したホイールは、すでに5セット目。現在は、スチール製のデイトナ16インチホイールにグッドイヤーのホワイトレターCタイヤを組み合わせている。タイヤ&ホイールを交換する場合、アルミホイールは貨物用のJWL-T規格、タイヤは純正同等かそれよりも負荷能力の高い貨物用タイヤ(LTタイヤ/Cタイヤ)を選ぶのが鉄則だ。
まとめ
足回りチューニングやLEDカスタム、生活電源システムのグレードアップなど、ほかにも手を加えた箇所は山ほどあるが、もっともこだわったのがここで紹介したエクステリアのカスタムだ。筆者は仕事からプライベートまでキャブコン1台でこなしているため、「都市部でもスマートに乗り回せるキャブコン」に仕上げたことの恩恵は大きい。
ホイールやリップスポイラーなど、ちょっとしたパーツをプラスするだけで、外装のイメージはガラリと変わる。極端な話をすれば、カスタムを施していないノーマル状態のキャンピングカーでも、外出前にボディをサッと水拭きして常にキレイな状態を保つだけで、見た目の印象は大きく向上する。
キャンピングカーなら、利便性・快適性に優れているのは当たり前。スマート&スタイリッシュなルックスにもこだわれば、キャンピングカーはもっと楽しくなる。