まだまだ、RV先進国の欧米に比べると、日本のRVパークの数は圧倒的に少ないですが、それでも200箇所を突破し、昨今のキャンピングカー人気もあって、益々、その存在価値が高まっていると言えます。
普及が進み、知名度もアップしてきているRVパーク。最近の傾向として、あくまでも私個人の体感的な感想ですが、高付加価値タイプのRVパークも増えているかと思います。そこで、最近、利用した高付加価値RVパークについて、そして、11月に開催された、そのRVパークを使ったキャンプジャパンの高付加価値イベントについてご紹介したいと思います。
目次
RVパークの認定条件と高付加価値RVパークの定義とは?
以下の条件を満たし、日本RV協会が認定した施設がRVパークとなります。
1)4mx7m程度の駐車スペース
2)1週間程度の滞在が可能
3)24時間利用可能なトイレ
4)100V電源が使用可能
5)入浴施設が施設内または15㎞圏内にある
6)ゴミ処理が可能
7)入退場が緩やかで予約が必須ではないこと
8)RVパークの看板を設置すること(ロゴは協会が作成、設置は施設が行う)
*以上、くるま旅サイトから引用
そしてそれが、結果的に施設ごとの差異化にもなっています。例えばトイレの場合、仮設から、和式に洋式、そしてシャワートイレ、それも人を検知すると、自動的に蓋が開いて音楽が流れる高級タイプまであります。その数も、トイレが一つだけで朝の争奪戦になってフン糾となるところから、複数あって、余程、ウンが悪くなければ、ウンに見放される事もないところもあります。
電源にしても、シンプルな電気ドラムによる供給から、電源ボックス、無人チェックインで自動通電の施設まであります。入浴施設に至っては、クルマで数分のところから、徒歩で行けるところどころか、併設という、非常に恵まれているところもあります。
その意味で、高規格RVパークというのは、それらの各条件それぞれで最高レベル、更にはプラスαで高付加価値のある施設とも言えます。
「RVパーク飯田さるくら」について
今回は、その一例としてRVパーク飯田さるくらを上記の条件に照らしてご紹介いたします。
サイトは全部で9サイト。サイズはS・M・Lあって、一番大きいLでは、なんとキャンピングトレーラーとヘッド車がそのまんま駐車できるサイズになっています。RVパークでも、全部、同じサイズ、しかも標準サイズで、大きな車両や、キャンピングトレーラーには対応していないところもあるので、これは凄い事です。
トイレはもちろん24時間。お洒落なカードキーでピピっと施設内のトイレが利用できます。数量も男女別にそれぞれ複数ありますので、朝の需要期にフン糾しません。
電源は各サイトにあって、容量も20Aなので、余程の高消費電力の機器を併用しない限りは問題ありません。
近場に温泉もありますが、飯田さるくらの施設内にも予約制のお風呂と、24時間使用可能なシャワーもあります。これはコイン式ではないので、最初に一人200円を払えば、何回でも入れます。お風呂も魅力的ですが、飯田さるくらは焚き火ができるので、煙臭くなっても、寝る前に使用して綺麗さっぱり眠りにつく事ができます。これは、終了時間があるお風呂ではできない芸当です。
ごみも専用の分別式ゴミ箱
このように基本的な条件でも、それぞれがハイレベルですが、加えて以下の様な高規格な設備もあります。
〇サイトごとに水場があり、それも冷水の他に温水まで出ます。
〇なんと、各サイトにダンプステーションがあります。
〇サイトは贅沢な生芝になっています。
WiFiも各サイトにそれぞれ近いアクセスポイントが複数あり、ネット環境も快適です。
東京某所から引き抜かれてきた?シェフが腕をふるう「フレンチジビエレストラン・カフェ BergWind(ベルグウインド)
「ホテル風の山」高規格の宿泊施設(三部屋)もあります。
バー Marcassin(マーカッシン)
この様に、ただ車中泊するだけでなく、滞在時にも満足できる時間が過ごせる「至れり尽くせり」の施設が揃っているので思わずため息が出てしまいます。他のRVパークに比べると比較的高目な利用料金ですが、ここまで高規格ですと、中にはその高めの利用料金を「自慢する?」ファンもいて、語弊のある言い方になりますが、高規格で高目の料金設定で、良質な?お客さんの囲い込みにも成功しているのではないかと思ってしまいます。
高付加価値RVパークで開催された高付加価値イベントとは?
そんな高規格RVパークで開かれたキャンプジャパンの「高規格イベント」とはどのようなものだったのでしょうか?
2021年11月20日21日に実施されたこのイベントですが、定員8台のところ(9サイトの内、イベント企画時に既に1サイト一般からの予約が入っていました)満員・・いや満車御礼!でした。
大人一人25,000円と決して安くない参加費ですが、当初からオーナーさんは、「さすがは飯田さるくら!」と言って頂ける様にと張り切っていました。 まず、クルマ旅の楽しみと言えば、ぐるめですが、今回のイベントでは非日常的な、滅多やたらには体験できないようなメニューが用意されていました。
自慢のピザ窯で、自分でトッピングしてのピザ。これは子供だけでなく、大人も大喜びで参加。
周到に用意されたサプライズ!「縦だか横だか分からないブロック牛肉」も登場
しかし、お昼だけで終わらないのがこの高規格イベントです。
昼食後のおやつには、ピザ窯を使った焼き芋と焼リンゴ。
近くの農園でりんご狩りなどのオプションなども用意されていて、参加者の細かいニーズにも対応していたのは流石でした。
イベントスポンサーの日本メスカルテキーラ協会さんの「テキーラ飲み放題」サービス!
幸いにもお天気にも恵まれ、広々としたテラスで、皆さん、思い思いの時間をすごされていました。
夕食には、ジビエをメインにしたレストランだけあって、常連さんでもなかなか味わえない「ジビエ鍋」が登場! 猪肉に鹿肉、そして箸にするだけでも手が震えるクマ肉などに、地元でとれたキノコや野菜がその彩を添えます。
夕食後、辺りは真っ暗ですが、そこで焚き火会の始まりです。
でも、そこで終わりません。さるくらのバーは24時までやっています。
24時を過ぎたら、爆沈する人も、シャワーを浴びる人もいて、その日の夜は更けていきました。
昨日、食べ過ぎた方に配慮したのか?朝食で出てきたのは中華粥!
イベントスポンサーの諏訪のパン屋さんにあるRVパークこころ屋さんの出張販売もありました。
どうやら、オーナーさんの「一人25,000円は安い!」と思わせる作戦は成功したようです。満足された参加者の皆さんは、チェックアウトの11時に、お帰りになられましたが、きっとまたリピーターとしてRVパーク飯田さるくらに戻ってくることでしょう・・・・たぶん。
これからのRVパークトレンドとは?その可能性は?
私見ですが、私は高付加価値RVパークだけでも宜しくないと思います。色々なタイプのRVパークがある方が楽しいですし、目的に合わせて利用できる利便性があります。
例えば、あくまでもRVパークは観光などの主な目的の為の“手段”であって、泊まれれば良いと考えると、シンプルでリーズナブルなお値段のRVパークの方が良いと言えます。
その一方で、ホテルかコテージか、はたまたグランピング的に、まったりと滞在する、つまりRVパークを利用する事自体が目的になる場合は、高規格なRVパークの方が快適に過ごせます。
大切な事は、利用する人が、そのライフスタイルや目的によって、選択できる事だと思います。これまで、数が少なく、そのエリアにRVパークがある事だけでも御の字だった時代から、そろそろRVパークも、目的や嗜好で選択できるようになりつつあるのではないでしょうか?
その為には、RVパークは、もっともっと数が増えて普及しないといけません。
そうすれば、日本各地での交流人口や滞留人口がふえ、ますます日本の血の巡りが良くなり、地方、いや、日本全体の活性化につながるのでは?と大いに期待しています。