後片付けも簡単な卓上IHコンロをつかった車中飯レシピに挑戦!

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後片付けも簡単な卓上IHコンロをつかった車中飯レシピに挑戦!

クルマ旅では、旅先で名物などを食べるのが醍醐味といえるでしょう。一方で、クルマの中で調理するのも、また、楽しいものです。

でも、クルマの中で調理するのはちょっと……と感じる人も多いのではないでしょうか。その理由は「車内で火を使いたくない」「後片付けが大変」など、いろいろとあります。

そこで、クルマの中で調理することを楽しむために、IHコンロを使った調理レシピを考えてみました。これから紹介するレシピであれば、簡単に車内の料理が楽しめますよ。

車中泊で卓上IHコンロを使うメリット

キャンピングカーのIHコンロ

まず最初になぜIHコンロに注目したのかを説明させてください。

以前はクルマの中でもカセットガスのコンロを使っていましたが、いくら換気したとしても、裸火を使うことに抵抗を感じていました。そこで、卓上IHコンロを探し始めたのです。

IHコンロであれば、近くに燃えやすいモノがあっても安心です。車内でコンロを使う時、近くに燃えやすいモノを置くはずがない、と思っていても、狭い車内では荷物が散乱し、気付かないうちに危険な状態になっていることもあるのです。

また、IHコンロであれば、燃焼用の酸素を必要としないので、換気もほどほどで大丈夫です。今まではドア全開にしていたので、冬場の調理は厳しかったのですが、そこまでしなくても良さそうです。

こんな感じで

  • 裸火がないので安全
  • 換気に気を使わないくていい

という2つのポイントで、クルマの中での調理にIHコンロをおすすめしています

実際に使用している卓上IHコンロはドリテックの一人用IHクッキングヒーター超小型というタイプです。あえて天板にスイッチがないタイプを選びました。

出力を100〜800Wに調整できるので、電源システムに合わせられるのが便利です。ちなみに加熱の通電方法が特殊で出力200Wの小さなインバーターでは動きませんのでご注意を。

まずは温めるだけで完成するレトルト調理

簡単なレトルト調理

では早速卓上IHコンロを使っていきましょう。まずは最も簡単なレトルト調理です。

お湯を沸かすだけだから簡単だろう、と言われそうですが、お湯を沸かすには電気がもったいないんです。IHコンロを車内で使うには

  • 消費電力をなるべく少なくすること

も重要なポイントになるのです。

そこで、レトルトを直接鍋に出して、温めるのですが、注意点が1つ。

お湯で温めるレトルト食品は水分が蒸発することを考えられていないので、鍋で温めると水分が少なくなることがあるので注意してください。

そして今回のテーマでもある「後片付けも簡単」というポイントを押さえていきましょう。

クッキングシートやアルミホイル

その方法は鍋にクッキングシートやアルミホイルを利用することです。私は汁物の場合はクッキンシートを、焼き物などにはアルミホイルを使っています。アルミホイルはフライパン用の食材が付きにくいタイプです。

クッキングシートで作成したカップ

アルミホイルは敷くだけだからいいのですが、クッキンシートは汁物がこぼれないようにしないといけません。そこで、こんな感じにカップを作ります。

クッキングシートで作成したカップの工程1から4

作り方は折り紙を折る感覚です。正方形のクッキングシートを三角形に折って、もう一度三角形に、そして、袋部分を広げて正方形にしていきます。折り紙の鶴と最初の行程は同じです。四角形になったら、さらに両サイドを広げるように折って、菱形に。

クッキングシートで作成したカップの工程5から8

菱形になったら、センター部分がつながっている状態で広げてから、両サイドを内側に折っていきます。4ヶ所おったら、上部4ヶ所を下に折り曲げて、5角形にします。

クッキングシートで作成したカップの工程9から完成まで

五角形にするとき、上から折り込んだ紙を下側の内側に入れ込んで、上側の紙が浮かないように固定します。言葉では伝わりづらいかもしれませんが、何度かやっていくと、固定する意味がわかってきますので、繰り返してみてください。最後に下部に折り目をつけて広げると紙のカップが完成します。

ナンとチキンカレー

今回使ったのはセブンイレブンのナンとチキンカレーです。私の車中ごはんの定番メニューとして最近昇格した食材です。

鍋に入れて加熱

カレーは上のカップに入れて温め、ナンはアルミホイルに包んで、鍋に入れて、フタをして加熱しました。

両方とも出力300Wで2分ずつ加熱するだけです。消費電力も少なく、しっかりと温められていました。

鍋は和平フレイズの匠弥というタイプの鍋2点セット、14cmと16cmの鍋がセットされていて、クルマの中で使うにはちょうどいいサイズ感です。

調理後の鍋

調理を終えた鍋はきれいなままです。ただ、クッキングシートは蒸気を通すようで、鍋の内側が湿っています。でも、水分なので拭き取れば、簡単にきれいになります。

長期旅行にも対応する常温保存できる食材でIH料理に挑戦

グリーンカレー、ナン、ニョッキ、キッシュ

レトルト食品を使うと簡単に調理できますが、上のセブンイレブンのレトルトは冷蔵保存しなければなりません。冷蔵庫があればいいのですが、冷蔵庫の電気もセーブしたいぐらいなので、次は常温保存できる食材で挑戦です。

メニューはグリーンカレー、ナン、ニョッキ、キッシュです。カレーはなんとなくセブンイレブンのレトルト食品に対抗して作ってみました。

食材はすべて常温保存できるタイプで、ほとんどを輸入食材のカルディコーヒーファームで買っています。

卓上IHコンロと常温保存できる食材で作る「グリーンカレー」

グリーンカレー用の食材

グリーンカレー用に用意したのが、こちらの食材。常温保存できる紙パックのグリーンカレー、塩レモン味の焼き鳥缶詰、うずら卵水煮です。

結局は温めるだけのカレーとなりますが、ちょっとしたアイデアで本格的なカレーが楽しめます。

ポイントは焼き鳥が塩レモン味ということ。グリーンカレーとばっちりの相性でした。

グリーンカレーの調理

キッチンペーパーで作ったカップにカレーを入れ、うずら卵、焼き鳥を投入します。パプリカなどの野菜を加えるとさらに美味しくなります。

すべての食材を入れたらフタをして300Wで3分。うずら卵の中心が少し冷たかったので、冬場はもう少し加熱時間を長くするか、電源を切った後、数分放置するのがいいかもしれません。

完成したグリーンカレーは塩レモンの焼き鳥がいい味を出していて、うずら卵との組み合わせも絶妙。食材をセレクトするだけで、本格的なチキングリーンカレーが完成しました。

卓上IHコンロと常温保存できる食材で作る「ナン」

ナン

ナンはナンミックスを購入してみました。味がついているようで、水を入れるだけで美味しくできます。

ナンの材料を混ぜ合わせる

クルマの中で調理するのであれば、粉の分量を測って、小分けにして持っていくのがいいでしょう。

上の写真で100gの分量。1人前といったところです。ジップロックなどの密閉できる袋に入れて、その中に水を入れます。

袋ごと、練り込んで、1時間ぐらい寝かしておくと、しっとりとした生地が完成します。

ナンの生地を加熱

生地ができたら、鍋にアルミホイールを敷いて、油を薄く引き、焼いていきます。生地を入れたらフタをして加熱。

300Wで2分経過したら、フタを開けて、ナンをひっくり返して、さらに300Wで2分加熱します。

最初は卓上IHコンロで焼き物ができるのか懐疑的でしたが、しっかりと焦げ目までついて、中まで火が入った状態になります。

完成したナンはレトルトとは違っていて、表面がカリッとして、中がもっちり状態。出来立ての美味しさを感じられました。

卓上IHコンロと常温保存できる食材で作る「キッシュ」

キッシュの材料

旅の途中では野菜も食べたくなります。そこで、キッシュで野菜も食べてしまおうということで、長期保存できる食材で挑戦してみました。

利用したのはカルビーのベジップスと先程のグリーンカレー。あと卵ですね。

乾燥した野菜チップを使うことで、調理時に出る野菜のゴミや調理器具の洗い物を減らせます。野菜チップは味付けしていないタイプを選んでください。

野菜チップを鍋へ

キッシュも先程のクッキングシートのカップを利用します。カップの中に野菜チップを入れておきます。

カレーと卵を混ぜる

卵を溶いたら、先程のグリーンカレーの残りを投入。一人で食べる時、今回のグリーンカレーパックは少し多かったので、キッシュの味付けに使ってみました。ということで、味付けはこちらのカレーのみになっています。

卵を流し込む

野菜チップを入れたカップに卵を流し込んでいきます。野菜チップを使うことで、火の通りを心配することがないので、調理時間を短くできます。つまり、消費電力も減らせるのです。

お好みのチーズ

卵を入れたら、上にチーズを入れます。私は2枚入れましたが、お好みで枚数を調整してください。

カップの外側に水を足す

加熱に入るのですが、意外とキッシュの加熱にはIHコンロの熱量が強いので、ちょっと蒸すような状態になる様、カップの外側に水を少し入れます。

準備が整ったらフタをして加熱。加熱時間は300Wで5分。上のチーズが溶けて、卵が固まっていれば完成です。こちらも卵の硬さを好みに合わせて、もう少し加熱時間を短くしたり、長くしても大丈夫です。

卓上IHコンロと常温保存できる食材で作る「ニョッキ」

ニョッキの材料

旅の食事で、炭水化物をどのように摂取するかを悩んでいませんか。ご飯を炊いたり、バンを焼いたり、いろいろとあります。保存を考えるとお米かパスタになるかもしれませんが、こちらのニョッキもすごく簡単なのでおすすめです。

準備したのは常温保存できるニョッキ。半生状態でパッケージされています。ソースにはチリコンカンの缶詰を使いました。

肉が入っている缶詰は少ないので、このようなパスタ料理には重宝します。もちろん、常温保存できるパスタソースでも構いません。

ニョッキの材料

こちらのニョッキは半生状態なので、実際の調理でも2分程度茹でるだけです。今回は茹でた後の鍋を洗いたくなかったのと、もっと少ないお湯で調理することを目的に、違う方法で茹でてみました。

まずは鍋に200ccの水を入れて、沸騰させておきます。水が少ないので300W2分で沸騰します。そして、調理用ビニール袋にニョッキと水200ccを入れて、しっかりと封をして、沸騰したお湯の中に入れて、さらに300Wで2分間加熱します。この時、フタを閉じておいて、火を消した後もしばらくそのままにしておきます。

最後にビニール袋の水を捨てて、食器に開けて、先程のチリコンカンをシェラカップで温めておけば、ニョッキの完成です。

もともと、ニョッキはもちもちとした食感なので、説明書通りでも、こちらの袋に入れた方法でも同じ食感でした。使った水が少ない分、ちょっと得した気分になります。調理後の後片付けでも水を使わないので、省エネ調理ともいえるかもしれません。

今回、すべての調理を出力300Wで統一してみました。そして、長期保存できる食材で作ったすべての料理ができるまで、調理時間に合計16分使っています。

少し強引ですが、今回の消費電力を、電気のロスや細かいことを考えずに、ポータブルバッテリーなどで使われている容量に換算してみると、300Wh × 16/60 ということで、80Wh 使ったことになります。後片付けも簡単にしてみましたが、省エネルギーも同時にクリアできたみたいです。

WRITER PROFILE
渡辺圭史
渡辺圭史(わたなべ・けいし)

1971年東京生まれ。アウトドア好きな編集者、そして、算数が好きだったライター。アウトドア用品メーカー、出版社を経て、キャンピングカー専門誌編集長に。現在はフリーとして、いろいろなメディアにて執筆中。アウトドアをキーワードに、より楽しいライフスタイルを求めてゆるりと奮闘中。最近気になっているワードは、旅、ミニマリスト、車中泊。趣味はコンパクトな旅とモノづくり。

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