キャンピングカーで料理するならIHクッキングヒーターを使った省電力レシピがおすすめ!

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キャンピングカーで料理するならIHクッキングヒーターを使った省電力レシピがおすすめ!

クルマで旅をしていると、地元の美味しいものを食べたくなります。必然的に外食が多くなってしまいますが、時々、車内で料理するのも楽しいものです。

でも、狭い車内での料理は、自宅キッチンのようにうまくいきません。まず、スペースが狭いし、水道設備が十分ではありません。さらに、火の扱いにも注意が必要です。

そこで最近気になっているのが、IHクッキングヒーターを使った車中泊ごはん。ポータブル電池の性能も上がってきて、手軽にIHクッキングヒーターが使えるようになりました。

IHクッキングヒーターのレシピもたくさんあるのですが、家庭でACコンセントを利用していたり、出力が高いIHクッキングヒーターを使ったメニューばかり。そこで、失敗を繰り返しながらも、キャンピングカーの中で使える省電力レシピをひねり出しました。

ポータブルバッテリーでIHクッキングヒーターを車内で使う

IHピーターとポータブルバッテリー

私の場合は長期連泊は少ないので、とりあえず車内はIHクッキングヒーターに切り替えてしまいました。使っている基本セットは下の3点。
IHクッキングヒーター
dretec(ドリテック) 一人用 IHクッキングヒーター 新超小型タイプ/出力100〜800W
バッテリー
BLUETTI(ブルーティー)EB70/容量716Wh・出力700W
なべ
和平フレイズ 匠弥(たくみや) TY-021 鍋2点セット/14cm・16cm

IHクッキングヒーター

ヒーターはコンパクトで出力を数値で設定できるのもを選んでいます。IHクッキングヒーターごとに特性があって、このヒーターは100Wと200Wの設定だと、連続して通電しないで、オンとオフを繰り返して、消費電力を抑えているようです。なので、100Wに設定しても、出力200Wのバッテリーでは稼働できませんでした。

IHクッキングヒーターと鍋

IHクッキングヒーターは裸火がないので、車内で使うには安心感があります。でも表面がツルツルなので、車体が斜めだと鍋が滑るので注意が必要です。また、コンロにゴトクや汁受けという概念がないので、吹きこぼれた時などは、調理を中断しなければならないことありますので、万能とは言い切れないかもしれません。

IHクッキングヒーターを使ってクルマの中でソロのお米を炊く・消費電力約23Wh

無洗米

まずは基本となる炊飯からご紹介します。電気があるのだから炊飯器を使えばいいのでは、とも考えられますが、ここはIHクッキングヒーターで挑戦してみます。

炊飯に使った鍋はステンレスのシェラカップ。IHクッキングヒーターでの熱伝導もよく、コンパクトなのがポイントです。炊き上がりで、シェラカップ8分目の分量になります。

計量カップの水

お米は無洗米を使って、とぎ汁が出ないようにします。分量は
お米 80cc
水 100cc
お米に水を入れてから、30分以上は置いておいてください。

シェラカップとお米

次にシェラカップの準備。IHクッキングヒーターでは吹きこぼれに注意です。特にシェラカップなどの小さな鍋は確実に吹きこぼれます。

そこで、アルミホイルを使って専用のフタを作ります。まずは1枚のアルミホイルでシェラカップの3/4を覆います。この時、縁部分はしっかりと閉じて、吹きこぼれないようにしておきます。

シェラカップ

残りの部分にもアルミを被せていきます。重なりを少し多めにとっておいてください。シェラカップの取手の金具部分から吹きこぼれますので、ここはしっかりと閉じておきます。

シェラカップとIHクッキングヒーター

吸水時間30分以上が経過したら、200Wで7分加熱します。電源オフにしたら、15分ぐらいは蒸らしておくので、アルミホイルはそのままで。

200Wを使うのは、ドリテックのIHクッキングヒーターの特徴を活かして、あえて、オンとオフを繰り返す加熱を利用しています。吹きこぼれを防ぎながら、小さな鍋で炊飯するコツです。

他のIHクッキングヒーターでは途中で出力の調整が必要になるかもしれません。

炊飯には鍋の高さや形状も影響してくるので、はっきり言うと、シェラカップでは条件が悪いです。普通の鍋で炊くとおいしいですが、消費電力を考えると、シェラカップの方が優位といえます。

炊飯要らずで車中泊チャーハンを作ってみる・消費電力約15Wh

チャーハン

上で基本的な炊飯方法を紹介したのに、早速、炊飯しないレシピを紹介します。こちらは簡単にできるチャーハンです。チャーハンの素を使っているので、レシピとは言えないかもしれませんが……

チャーハンの材料

使うのはレトルトのごはんとセブンイレブンのチャーハンの素。コンビニで買うなら、冷凍チャーハンを使った方がおいしいです。でも、この2つは常温保存できるのがいいのです。

IHクッキングヒーターとごはん

調理方法は簡単で、まずは鍋にレトルトご飯を投入します。

ごはんのIHクッキングヒーター調理

レトルトご飯をレトルトしないで開ける人は少ないと思いますが、実はこんな感じでポロポロとほぐれてくれるのです。しっかりとお米をほぐしたら、油を入れて炒めます。

IHクッキングヒーターとチャーハン

ご飯が温まってきたら、五目チャーハンの素を入れます。見た目はしっかりとチャーハンになっています。出力は300Wで3分ぐらい炒めます。炒め終わったら、すぐに食べず、フタをして10分ぐらい放置しておいてください。その後、食べる直前に再加熱で温めます。食感は少し、もっちりとした感じです。

水を捨てない車中泊パスタ・消費電力約30Wh

パスタ

クルマの旅では、長期保存できる炭水化物として、お米と並んでパスタを食べる人も多いのではないでしょうか。しかし、パスタの難点はお湯を捨てること。そこで、お湯を捨てないレシピを紹介します。

パスタの材料

今回もあえるだけのパスタソースを使っているので、レシピとは言えないかもしれません。用意したのは

セブンイレブン
・あえるだけのパスタソース ペペロンチーノ
・味がよく絡む 早ゆでサラダマカロニ
です。

あえるだけのパスタソースは油分の多いタイプがおすすめです。早ゆでパスタもいろいろなものもありますが、4分ぐらいのタイプがちょうどいいです。1分タイプなどもありますが、これから紹介する方法では、柔らかくなりすぎるのでおすすめできません。

パスタの計量

パスタの分量はカップ1杯程度。上の写真で90グラムぐらいでした。水の量はカップの半分ぐらい、パスタの体積の半分をイメージしてください。普通のレシピに比べると極端に少ないです。

パスタとIHクッキングヒーター

水を300Wで沸騰させます。水の量が少ないので、すぐに沸きます。電気がもったいないので、フタはしっかりと使ってください。

パスタの調理1

水が沸騰したら、パスタを投入。ここでパスタをよくかき混ぜます。パスタ同士がバラバラになるように全体を混ぜます。水を捨てないので、塩は入れていません。

パスタ全体がなじんできたら、蓋をします。出力はそのまま300Wで、蓋から蒸気が吹き出してきたら200Wに出力を落とします。ゆで時間は、パスタを投入した時間から計測します。このパスタの場合は4分で電源を切ります。

パスタの調理2

電源を切ったらフタを開けて、ソースを絡めます。この時、油分が多い方が混ぜやすいので、油分が多いタイプを選ぶのをおすすめしています。

この方法であれば、お湯を捨てないので、クルマの中でも簡単に調理できます。感覚としては、パスタを炊く感じです。まあ、本来の作り方の方が美味しいのですが、車中泊ごはんとしてはお手軽です。

パスタソースの材料

パスタソースも作りたい人はスープパスタ風もおすすめです。用意するのはパスタ以外に、サバの水煮、フリーズドライのトマトスープ。どちらもコンビニで購入できます。

スープパスタの場合は、パスタの体積と同じ水の量が必要です。上のレシピで紹介したパスタの量であれば、カップ1杯の水を使います。

パスタ―ソース

水を沸騰させて、パスタを投入して、規定のゆで時間を待ちます。水が少ないので、かき混ぜながら加熱してください。

パスタが茹で上がったら、トマトスープとサバの水煮を入れて、温めます。本格的な海鮮パスタの完成です。

ただ、お湯を捨てていないので、マカロニタイプだと、中に残った茹で汁を感じるかもしれません。もう少し、大きなペンネを利用するのがいいですね。

こちらのスープパスタの場合はお湯の量が多いので、消費電力は大きくなります。なので、外部電源が取れるキャンプ場などで挑戦するのがいいかもしれません。

消費電力少なめで簡単絶品のアクアパッツア・消費電力約15Wh +α

アクアパッッア

少しぜいたくなアクアパッツアも簡単に作れます。これはおすすめです。

アクアパッツァの材料

使った食材は
・アサリのレトルト味噌汁
・サバの水煮
・セブンイレブン カリッと食感のつまみにんにく
・白ワイン
です。

すべてコンビニで手に入ります。アサリの味噌汁はアサリの貝が入っているタイプを選びます。にんにくはつまみタイプを使いました。これなら、余ってもそのまま食べられます。

アクアパッツァの調理1

最初にオリーブオイルでつまみにんにくを炒めます。オリーブに味が移るイメージで、軽くで大丈夫です。

アクアパッツァとIHクッキングヒーター

次にアサリの味噌汁のアサリのみを入れて、サバの水煮はスープも一緒に投入します。そして、食材が軽く浸かる程度にワインを入れて、その日入手できた野菜を入れます。野菜が手に入らなければ、なくても大丈夫です。

300Wで一煮立ちさせたら完成です。蓋をしておけば3分ぐらいです。すべて加熱なしで食べられる食材ばかりなので、そんなに加熱する必要もありません。

冬であれば、その後100Wで加熱しながら、熱々を食べるのもいいでしょう。

車中泊で角煮に挑戦・消費電力約65Wh

豚の角煮

無謀にも角煮に挑戦してみました。長期保存できるというルールには反しますが、新鮮な食材が手に入ったら挑戦してみたい料理でした。

電気をなるべく使わないこと、車内でも簡単にできること、この2つを考えて作り方を考え、何度も失敗して到達したのが、上の写真です。

角煮の照りやホロホロ感少なめですが、ローストポークと角煮の間のような食感と味になりました。

豚の角煮レシピ

用意した食材は
・豚バラ肉 バナナ1本ぐらい
・醤油 40cc
・みりん 40cc
・コーラ 40cc
・生姜 チューブタイプを少々
です。

角煮の調理

肉にフォークでよく穴を開けておき、角煮らしい手頃なサイズにカットしておきます。調理用ビニール袋のアイラップなどに肉と調味料を入れます。ビニールの袋はしっかりと縛っておいてください。

次にお湯を沸かして、沸騰したら出力を100Wにして、肉の入ったビニール袋を投入します。ビニールが溶けて破けることがあるので、慎重に投入してください。ビニールの下にお湯が行き渡るようなイメージです。

その後、フタをして100Wで30分加熱します。ここで大量の電気を使ってしまうので、電気に余裕がある時に作ってみるのがいいと思います。加熱後、袋から肉を出して、お皿に出せば完成です。

豚肉の調理

肉料理でアレンジはできないかと、常夜鍋を作ってみました。こちらはもやし1袋を鍋に入れて、ロース肉を並べて、フタをして加熱するだけです。水は入れていません。

常夜鍋

しかし、無水鍋レシピだと、火力が強くないと、まったく加熱されないことが分かりました。なので、こちらは500Wを使ってしまったので、車中泊レシピとしてはお勧めできませんでした。

でも、外部電源が取れる場所などであれば、簡単にできる鍋として利用できるかもしれません。

キャンピングカーの中で肉を焼く!アップルポークソテー・消費電力約40Wh

アップルポークソテー

最後に本格的な料理に挑戦してみました。キャンピングカーの中で肉を焼くと、匂いが残るので避けたいのですが、せっかくIHクッキングヒーターを使っているのだし、変わったことをやってみたくなりました。

作った料理はポークソテーですが、すんなりと焼いた方がおいしいのは分かっています。でも、油が飛び跳ねて、車内が大変なことになるのが目に見えてます。そこで、焼き目を付けつつ、匂いと油の被害を最小限に抑える調理方法で、味を安定させるためのレシピを考えてみました。

アップルポークソテーの材料

用意したいのは
・豚ロース
・グレープフルーツジュース
・りんごのデニッシュ
です

リンゴのデニッシュ

セブンイレブンのりんごのデニッシュに、トーストしてもおいしい、と書いてありましたので、加熱して使うことにしました。

ポークソテーの調理1

IHクッキングヒーターの設定は300W。油が飛び散らないように、油を加熱した後、ロース肉を投入して、肉の表面に油を馴染ませたら、すぐにフタをします。3分後、フタを開けて、肉をひっくり返します。

蒸し焼き状態ですが、しっかりと焼き目がついているのが分かります。肉をひっくり返したら、またフタをして3分間待ちます。

ポークソテーの調理2

裏面の加熱が終わったら、フタを取り、肉をひっくり返して、りんごのデニッシュを投入します。パイナップルのピザが苦手など、甘い味がダメな人はデニッシュは入れなくても大丈夫です。

ポークソテーの調理3

次にグレープフルーツジュースを少し入れて、また、フタをして加熱です。肉には火が通っているので、デニッシュが柔らかくなって、グレープフルーフジュースが肉の臭みをとってくれるのを待つ程度の約2分ぐらいの加熱でOKです。

お皿に盛り付けて、醤油をかければ完成です。醤油は少し多めでデニッシュの甘さを抑えます。さっぱりした味で、とても美味しいですよ。

コーヒー

食後にはコーヒーを淹れるのもいいでしょう。車内で調理をすれば、のんびりできます。眠たくなったら、そのまま寝られるのも最高です。

コーヒーポット

私が使っているポットは月兎印スリムポット0.7L。お湯を沸かすときも、なるべく電気の消費を抑えるため、カップで水を測ってから、ポットに水を入れたほうがいいでしょう。

消費電力

ポークソテーを作った時の消費電力は上の写真ぐらいでした。電池容量100%で、お米を炊き、ポークソテーを焼いて、コーヒーを淹れた際、約20%が消費されていました。

電池容量が716Whなので、ディスプレイ上では約143Whを消費したことになります。20%ごとに区切られているので、数値は曖昧なので、もう少し計算してみると、料理で使った消費電力は理論上では約80Wh、インバーターの変換ロスなども考えると、約100Whの電気を消費したと考えられます。

この消費電力が大きいか小さいか、その感じ方は、ユーザーの環境にも左右されます。また、どのような調理器具を使うかによっても、違ってくるので、今回はたくさんあるIHクッキングヒーターレシピの1つの例としてみるのがいいでしょう。

でも、火の心配をすることなく、ここまで本格的な料理が楽しめるのはありがたいですね。また、新しいレシピが完成したらご紹介したいと思います。

キャンピングカーではガスコンロが主流ですが、電源システムが強化されたモデルも多いので、IHクッキングヒーターを使う人も増えてくるのではないでしょうか。

ポータブル電源も性能が向上して、IHクッキングヒーターを問題なく使えるようになりました。ポータブル電源とIHクッキングヒーターの相性も良さそうですね。

WRITER PROFILE
渡辺圭史
渡辺圭史(わたなべ・けいし)

1971年東京生まれ。アウトドア好きな編集者、そして、算数が好きだったライター。アウトドア用品メーカー、出版社を経て、キャンピングカー専門誌編集長に。現在はフリーとして、いろいろなメディアにて執筆中。アウトドアをキーワードに、より楽しいライフスタイルを求めてゆるりと奮闘中。最近気になっているワードは、旅、ミニマリスト、車中泊。趣味はコンパクトな旅とモノづくり。

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