35年前のクラシック・ウィネベーゴを駆るCOOLでリアルなRVライフ

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35年前のクラシック・ウィネベーゴを駆るCOOLでリアルなRVライフ

現代的なキャンピングカーとは一線を画すクラシックフォルムで、圧倒的な存在感を見せつけるアメリカ製モーターホーム。アメリカの広大な大地を連想させる柔らかなアースカラーにレトロなストライプを組み合わせたボディ、全身にリブの入ったアルミサイディングの外板、クロームメッキ仕上げのバンパー……。

全身からレトロでオシャレな雰囲気を漂わせるこのクルマは、1986年型ウィネベーゴ・チーフテンWCN27RU。無個性のクルマが多い現代だからこそ、アメリカンモーターホームのクラシカルな佇まいが、特別な魅力と存在感を放つ。その姿を眺めているだけで、広大なアメリカ大陸をモーターホームで自由に駆け回る光景が目に浮かんでくるようだ。

製造から35年が経過したモーターホームが、なぜここまで心を惹きつけるのか。今回は、ウィネベーゴ正規ディーラー「ニートRV」の猪俣慶喜氏と、この車両のオーナー鈴木さんにお話をうかがいながら、クラシック・ウィネベーゴの魅力やこだわりを紹介していく。

アメリカンモーターホームの代名詞

WINNEBAGOのロゴ

ウィネベーゴ社は、アメリカ・アイオワ州で1958年に創設されたアメリカンモーターホームのトップビルダー。同社のRV(レクリエーショナル・ビークル。日本におけるキャンピングカーと同義)は、「ロング、ロングバケーション」「アバウト・シュミット」などの映画にも数多く登場するなど、60年以上に渡って“アメリカンモーターホームの代名詞”という確固たる地位を守り続けてきた。

1986年型ウィネベーゴ・チーフテンWCN27RUのリア1

今回紹介するウィネベーゴ・チーフテンWCN27RUが生産された1986年、全米RVメーカーの総出荷台数は、18万9800台。その後もアメリカ製RVの需要は増え続け、2017年には総出荷台数50万台を突破している。この数字だけ見ても、「アメリカという国に、RV文化がいかに深く根付いているか」をうかがい知ることができる。

もちろん、1980年代当時からハイレベルなライン生産システムを確立し、全米に300以上のディーラーを展開していたウィネベーゴ社は、アメリカRV文化の発展においても重要な役割を担ってきた立役者だ。2017年には、ウィネベーゴ一社のみでRVの合計出荷台数3万1734台を記録。誰もが認める"RVのトップビルダー"として君臨し続けている。

当時の最先端技術を注ぎ込んだクラスA

1986年型ウィネベーゴ・チーフテンWCN27RUのサイドビュー

今回紹介する1986年型ウィネベーゴ・チーフテンWCN27RUは、シボレーのモーターホーム専用シャーシをベースにウィネベーゴが製作した「クラスA」(日本ではフルコンと呼ばれるカテゴリー)。モデル名のチーフテンは、ウィネベーゴ製クラスAの中でもトップグレードのみに冠されたもの。まさにこのクルマは、当時のRVフリークの憧れの1台であり、最高峰のアメリカンモーターホームだったわけだ。

ボディは、全長852×全幅245×全高315cmの堂々たるアメリカンサイズ。車両重量は5050kg(車両総重量5490kg)で、パワートレインは7.4リッターV8エンジン+3速ATの組み合わせとなる。

「27フィートの全長は、当時のモーターホームではスタンダードなサイズ。現在は大型化が進んで全長30フィート(914.4cm)を超えるモデルが主流ですから、このサイズ感も80年代のウィネベーゴ製モーターホームの象徴と言えます」(ニートRV 猪俣慶喜さん)

ウィネベーゴ・チーフテンWCN27RUのフェイス

広大なアメリカ大陸を自由に旅する。そんな情景を連想させるクラシカルなエクステリアデザインも、無個性な現代のクルマとは一線を画す特別な輝きを放っている。現行型のモーターホームではFRPパネルのボディが主流となっているが、当時の外板はリブを設けたアルミサイディング仕上げ。のちに樹脂製の一体式となるバンパーも、1986年型ではクロームメッキのスチール製が採用されていた。

「この年式のウィネベーゴ・チーフテンは、流線型のフロントエンドに象徴される“エアロダイナミックデザイン”が大きな特徴となっています。クラシカルな印象を与えるメッキバンパーも、80年代中盤までのウィネベーゴ・モーターホームならでは。装備も作りも内外装の意匠も、すべてが当時の最先端です」(ニートRV 猪俣慶喜さん)

クラシック・ウィネベーゴを自分仕様にモディファイ

ウィネベーゴ・チーフテンWCN27RUのリア2

このクルマが生産された1986年は、日本にウィネベーゴの正規代理店がなかった時代(1980年代後半に三菱商事がウィネベーゴの正規輸入をスタート。1990年代後半にニートRVが輸入権を取得しウィネベーゴ製RVの正規ディーラーとなった)。当然、現存している1986年型の個体はかなり希少。35年前のモーターホームでグッドコンディションを維持するのも、相当のこだわりがないと難しい。

オーナーの鈴木さんは、昔からドラッグレースなどのアメリカン・カーカルチャーに精通しており、多くのアメリカ車や国産旧車を乗り継いできた生粋の自動車フリーク。この1986年型ウィネベーゴ・チーフテンWCN27RUとの付き合いも、すでに10年ほどになる。

「もともと1999年型のウィネベーゴ25ftを10年ほど乗っていて、家族と一緒にモーターホームライフを楽しんでいました。新しいクルマは便利で快適ですが、古いクルマの雰囲気が好きなので、どこか物足りなさも感じていました。そんな時、アメ車系の中古車販売店にチーフテンが置いてあるのを息子がたまたま見つけて即購入。かなりひどいコンディションでしたが、ニートRVの協力を得ながら自分でできるところはDIYでコツコツと手を入れて、理想のモーターホームに仕上げました」(オーナー鈴木さん)

ウィネベーゴ・チーフテンWCN27RUのサイドイメージ

見た目はオリジナルの雰囲気を残した純正風だが、ボディ以外はほぼ別物。クラシカルなボディの内部には、経験豊富なオーナーのこだわりが存分に注ぎ込まれている。

パワートレインは、1996年型ウィネベーゴWCF23ECに搭載されていたインジェクション仕様の7.4リッターV8エンジン&4速ATミッションに載せ換え。日本の道路を安心・快適に走れるモーターホームを目指し、心臓部をアップグレードした。

ウィネベーゴ・チーフテンWCN27RUの内装1 ウィネベーゴ・チーフテンWCN27RUの内装2

アメリカンモーターホームならではの広々としたインテリア空間は、購入後に内装すべてをバラした上で、床や壁紙、イスのファブリックまで新規で張り替えている。「オリジナルにこだわらず、自分のセンスでコーディネートした」とのことだが、クラシカルなアメリカンモーターホームの雰囲気を絶妙に踏襲したフィニッシュは、アメリカン・カーカルチャーに精通したオーナーの面目躍如といったところだ。

移植した対面ダイネットシート 取り替えたキッチン

オリジナル仕様は、4口コンロやダブルシンク、オーブンレンジなどを備えた大きなキッチンを完備していたが、「自炊をしないので必要ない」との判断でキッチンをシンプル化。空いたスペースに、ウィネベーゴ・サンフライヤー(クラスA)の部品取り車から調達した対面ダイネットシートを移植した。

ルーフエアコン

ルーフエアコンはオリジナルから新しい製品に交換済み。生活電源は、サブバッテリー4個&ソーラー充電システムにアップグレードしている。

発電機

ボディサイドの収納スペースには、Onan製の5.5kW発電機をインセット。性能に余裕があるため作動音も比較的静かで、周囲に迷惑をかけることなく使用できる。

シャワールーム

ゆとりあるシャワールームが確保できるのも、ビッグサイズのアメリカンモーターホームならではの利点。

トイレルーム

トイレにはウォッシュレット付き便座をセットして、旅の快適度を向上させた。

フロント周り

フロントのセンター部分にDIYでマットを追加して、大人1人が横になれるベッドスペースを確保。左右上部のキャビネットも、オーナーの自作品だ。

32型のテレビ

フロント上部のプルダウンベッドを外して、代わりに巨大な32型テレビをセット。アメリカンモーターホームの広い室内空間では、これくらいのサイズがないと小さくて見づらいとか。

リアエンドのベッドルーム

レトロな雰囲気が漂うリアエンドのベッドルーム。独立した空間となっているため、自宅と同じような感覚でゆったりと就寝できる。

自分流を貫くリアルでCOOLなRVライフ

ウィネベーゴ・チーフテンWCN27RUのフロント

誰もが思わず振り返る、文句なしにCOOLなクラシック・ウィネベーゴ。しかし、見た目ばかりカッコよくても、実際に使えなければ意味がない。オーナーのこだわりは、あくまでもモーターホームとしての使い勝手や快適性だ。

ウィネベーゴ・チーフテンWCN27RUのリア3

「10年くらい乗っていますけど、とにかく使い勝手が良いし、壊れないのが一番。休日や年末年始は、道の駅や高速道路のパーキング、キャンプ場などを利用しながら、家族でクルマ旅を楽しんでいます。千葉から四国まで自走で旅をしたこともありますが、このクルマだと長距離でも楽しいし、車内での生活も最高に快適です」(オーナー鈴木さん)

ウィネベーゴ・チーフテンのロゴ

貴重なクルマだからとオリジナルに固執せず、機関系から内装レイアウト、快適装備に至るまで、あらゆる部分に自分流のセンスを詰め込んだ1986年型ウィネベーゴ・チーフテン。現代にあふれる“映え狙い”のクルマとは次元が違う、本場アメリカ顔負けのリアルでCOOLなモーターホームだ。

WRITER PROFILE
岩田一成
岩田一成(いわた・かずなり)

1971年東京生まれ。キャンピングカーライフ研究家/キャンピングカーフォトライター。日本大学芸術学部卒業後、8年の出版社勤務を経て、2003年に独立。ライター・エディターとして、自動車専門誌を中心に累計1000誌以上の雑誌・ムック製作に携わる。家族と行くキャンピングカーの旅をライフワークとしており、これまでに約1000泊以上のキャンプ・車中泊を経験。著書に『人生を10倍豊かにする 至福のキャンピングカー入門』がある。

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