季節や場所を問わず、快適に過ごせるのが、キャンピングカーのいいところ。そのためには、装備ばかりでなく、構造も大切です。そこで、ビルダーは、さまざまな環境を想定して、キャンピングカーを作ってきました。
特に断熱は重要なポイント。断熱効果を高めることがキャンピングカーの性能を左右するといってもいいでしょう。長年、キャブコンを製造してきたナッツRVでは、高い断熱効果を実現するため、新たなパネルを開発し、2020年モデルに投入を開始しています。
目次
デザイン性豊かなクレアが進化する
新開発の高断熱コンポジットパネルを採用したのは、キャブコンのクレアとクレソン。今回、注目したのはクレアです。おしゃれなデザインで人気の高いモデルでしたが、高断熱コンポジットパネルの採用で、さらに機能性が高められたことに注目です。
クレアのラインアップは、ボディサイズの違いで、5.3と5.0シリーズがあり、リアタイヤがシングルとダブルを選べるようになっています。また、レイアウトは各シリーズ3種類が設定され、大きく分けるとリア2段ベッド、リアダブルベッド、リアセミダブルベッド、マルチルームレスとなります。
クレアと同じレイアウトでバンク部分を低くしたスティングも新パネルを採用していますので、こちらはホームページをチェックしてみてください。
高断熱を実現した新パネル構造とは
高断熱コンポジットパネルは、断熱による省エネ促進、保温性能の向上、そして、軽量化を実現しています。この軽量化の効果は大きく、燃費向上、安全な制動力の向上に貢献しています。
パネルの構造は、耐久性や衝撃性を考えて、使われる場所によって、素材の組み合わせが違います。
サイドパネル&リアパネル
アルミニウムパネル・スチレンフォーム・アルミニウムパネル・壁紙
天井パネル
FRP・スチレンフォーム・FRP・壁紙
フロアパネル
FRP・スチレンフォーム・ブライウッド・FRP・木目調CF(クッションフロア)
側面と背面だけでなく、天井と床にも高断熱コンポジットパネルが採用しているので、パネルに包み込まれたシェル内部では、高い断熱効果と遮音性が期待できるのです。さらに、今回の製法によって、ボディ表面が非常になめらかになったのも、大きな進化となりました。
新たにパネル成形工場を新設
なぜ、ここまで品質向上が可能になったかというと、実はパネルのために新しい工場を作ったから。ちょっと驚きました。冷凍庫レベルのシェルを作れるほどのラインを整え、ぜいたくにも、そこで作られたパネルをキャンピングカーへ転用しているからなのです。
オートアプリケーションマシーンや温度調整機能付きプレスマシーンそれらの設備とニ年間にわたるテスト、試行錯誤のうえ、ようやく美しく高機能な高断熱コンポジットパネルが完成したそうです。
強力なエボリューションシステムの実力
4〜5時間のアイドリングで、サブバッテリーをフル充電するほどのパワーを誇る超急速充電エボリューションシステムはナッツRVの特徴的なシステムです。新しいクレアでも、このエボリューションシステムをセレクトできるようになっています。
家庭用エアコンも問題なく使える電源システムで、朝起きて電気が少なくなっていても、走行充電、アイドリングで、しっかりとリカバーしてくれるので安心。いざという時はメインバッテリーのジャンプスターターとしても利用できるようにもなっているそうです。
世界基準のヨーロピアンスタイル
クレアのインテリアはヨーロピアンスタイルで、上質な空間が広がっています。こだわり抜いた世界基準のパーツをふんだんに使った結果かもしれません。また、間接照明などを利用して、使う場所に最適な色温度を考え、明かりを効率よく配置しているようです。
高品質なパーツが作り出す、充実のインテリア空間。使う人のシーンに寄り添うように変化する多様性。長年、キャブコンを作ってきた経験と、国内最大級の規模を誇る製造環境だからこそできた、キャンピングカーといえるのではないでしょうか。
クレア 5.0X 諸元
- ベース車両
- トヨタカムロード
- エンジン
- 2Lガソリン/3Lディーゼル
- 駆動方式
- 2WD/4WD(4WDはディーゼルのみ)
- 車体寸法
- 全長4,990mm/全幅2,070mm/全高2,910mm
- 定員
- 乗車定員6名/就寝定員5名~
- 価格
- ¥6,538,000(税別)~