キャンピングカーライター対談「ジャパンキャンピングカーショー2020」

キャンピングカー紹介
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1月31日(金)~2月2日(日)の3日間、幕張メッセで開催された日本最大級の屋内キャンピングカーイベントジャパンキャンピングカーショー2020

「今年はどんな傾向だったのか?」「どんな注目モデルが登場したのか?」2人のキャンピングカーライターに、今年のイベントを振り返ってもらいました。25年以上に渡ってキャンピングカーの取材を続けてきた町田厚成氏と、自らの体験をもとに雑誌、WEB、イベント、テレビ、ラジオなどでキャンピングカーの魅力を発信している岩田一成氏

2人の専門家の目にジャパンキャンピングカーショー2020はどう映ったのでしょうか?

進化を続けるジャパンキャンピングカーショー

ジャパンキャンピングカーショー2020の会場
ジャパンキャンピングカーショー2020の会場

【町田】ショーそのものは、大きな提案や見てくれがスゴイという部分は影を潜めているように感じましたね。ところが、つぶさに見てみると本当の意味での熟成というか、安全性や安定性、機能性など、ディテールについてよく練り込まれているクルマが多い。実用面の部分で、各社ともに大きく進化していると感じました。

町田厚成氏
キャンピングカーライター町田厚成氏

【岩田】僕も似たような感想を持ちました。昨年もそうでしたが、エポックメイキングなモデルであるとか、大きな話題となるニューモデルは、そんなに多くはない。しかし、各ビルダーがそれぞれのモデルを進化させ、より魅力のあるモデルを作り上げている。

岩田一成氏
キャンピングカーライター岩田一成氏

【町田】見てくれだけではなく、本当の意味での魅力的なモデルが増えたということですね。意匠やアイデアだけではなく、安全面、使いやすさ、実用性、すべてがいい方向に向かっていて、お客さんがより安心してキャンピングカーを購入できるようになった。派手ではないけれど、個々の進化によって相対的に業界自体のレベルが上がっていますよね。

【岩田】ショーのディスプレーひとつとっても、それをすごく感じます。とくに、バンテックのブースRVランドのブースは、新しい魅せ方やライティングにこだわっていたのが印象的でした。

バンテックブース
ショーアップされたバンテックブース
エリバ
ナイトモードで展示されたRVランドのハイマーブース

【町田】バンテックは新型コルドバンクス、RVランドはハイマーとエリバの2020モデルを展示していて、もちろん車両自体も大きな見どころでしたが、「魅せ方の進化」から “ショー”としての成熟も感じられましたね。

ハイマー
HYMER「B-SL704」

注目ブース「トイファクトリー」

グランエースコンセプトカー
トイファクトリー「グランエース キャンパー コンセプト」

【町田】僕的に一番の注目ブースは、トイファクトリーさん。よくやったと思いました。

【岩田】目新しさや話題性、チャレンジという面で、やっぱりグランエースのコンセプトカーがナンバーワンでしょうね。車両自体がまだどこにもない状態なのに、すでにポップアップルーフ架装しているという……。あれは衝撃でした。

【町田】岩田さんと昨年のモーターショーでお会いした際にも話しましたけど、あれだけ豪華なシートが付いていて、車両価格も高額。なかなかキャンピングカーのベースにはなりえない、難しいモデルですよね。それを、いち早く架装してきたところに、トイさんの底力を感じますね。

【岩田】ショーとして考えた時、間違いなく今回の最大の見どころのひとつ。売る・売らないではなく、ショーを盛り立てるコンセプトモデルとして、自動車メーカーへの提案として、グランエースのキャンピングカーを出展した意味は大きい。
グランエース自体、現在はまだキャンピングカーのベース車両としては難しい要素が多いですけど、今後メーカーへの働きかけで「バン」や「特装車」的なモデルが選べるようになったら、かなり魅力的なベース車両になりますよね。

注目ブース「ナッツRV」

ナッツRVの超断熱性新パネル構造
ナッツRVの超断熱性新パネル構造

【岩田】あとは、ナッツRVですね。クレソンシリーズが18年ぶりにモデルチェンジして、FRP一体成型ボディから「超断熱性新パネル構造」へと変更された。これは、ナッツRVの本社工場にホットプレスマシンが導入されたことによるもの。新パネル工法によって、断熱性も向上し、軽量化もはかれ、生産性も大幅にアップする。ユーザーにとって、メリットだらけのモデルチェンジです。

【町田】荒木代表は昔からスケールメリットがコストダウンにつながるということを仰っていて、それをずっと実践してきました。生産性が上がって確かなマーケットを形成していけば、キャンピングカーが「産業」になる。それをけん引する大きな力となっているのが、ナッツRVであることは間違いないです。

【岩田】昨年のジャパンキャンピングカーショーではカムロードのダブルタイヤを発表し、今回はホットプレス工法を採用したクレソンシリーズを発表。ビルダーとして、年々着実に進化を続けていると感じます。ユーザーにとってより良いものを追求し続ける、その企業姿勢は本当に素晴らしいです。

2人の専門家が会場で気になったキャンピングカー

町田厚成氏と岩田一成氏
キャンピングカーライター対談「ジャパンキャンピングカーショー2020」

レクビィ「ホビクル・オーバーランダー・JAOS」

【町田】レクビィさんのブースで、増田代表に「今年は、新型ばかりだよ」と言われて驚きました。さりげなくレイアウトに変更を加えていたり、レイアウトが同じでもベース車を変更していたりと、既存車両の継続に見せつつも実は新型になっている。
既存モデルに乗っているユーザーにとっては「まだ自分のクルマが継続している」という安心感や満足感にもなるし、「ここがさらによくなったから乗り替えよう」と思うこともあるだろうし。土台はそのままに、着実に進化させているあたりは、さすが老舗のバンコン専門ビルダーだと感心しました。

【岩田】レクビィブースに展示されていたニューモデルの中でも、もっとも目を引いたのがホビクル・オーバーランダー・JAOS。ミリタリーキャンプをテーマにしたバンコンですが、あれをレクビィが作ってきたことにまず驚きました。ミリタリーカラーのコーディネートはもちろん、布系アイテムをショーモデル用ワンオフアイテムでコーディネートするなど、作りもさすが。ビルダーとしての懐の深さ、遊び心を感じました。

レクビィ「ホビクル・オーバーランダー・JAOS」
レクビィ「ホビクル・オーバーランダー・JAOS」

【町田】「それはダメ」とストップをかけず、老舗の既存イメージを打ち破った新しいモデルを若い設計者に作らせる。そこに、ビルダーとしての成熟度や自信を感じますよね。一方で、カントリークラブやファイブスター、ハイエースプラスといった昔ながらのモデルも廃盤にせず、進化をさせながらブランドを残している。

ミスティック「レジストロ・クコ」

ミスティック「レジストロ・クコ」
ミスティック「レジストロ・クコ」

【岩田】ミスティックのコンパクトトレーラーレジストロ・クコも面白いですね。独自のデザイン路線を追求したキャブコンのレジストロシリーズが人気を博していますが、今回のレジストロ・クコはそのトレーラー版。路線がぶれない、ミスティック流デザインセンスが見どころですね。

【町田】ミスティックの車両は、ここ数年でカラーが確立されていますよね。見てすぐに、ミスティックのクルマと分かる。
今回のレジストロクコは、25年くらい前に発売されたフランスベッド製キャラベルエア・トレーラーを彷彿とさせる、幌馬車風の逆スラントデザインがユニーク。得意のアルミサイディングでレトロ感やアウトドア感を演出しつつ、内装も外装に合わせてうまくデザインされている。これなら、女性でも「かわいい!」と思いますよ。

【岩田】重量が480kgというのも驚きですよね。普通免許でけん引できるのはもちろん、これなら軽自動車でも牽ける。レジストロシリーズのファンはもちろん、オシャレにトレーラーライフを楽しみたいという人にもピッタリ。ミスティック的アプローチで、トレーラーの魅力や楽しさを表現したモデルですね。

ダイレクトカーズ「トリップ」

ダイレクトカーズ「トリップ」
ダイレクトカーズ「トリップ」

【岩田】自分的に注目したのが、ダイレクトカーズが発表したカムロードベースのキャブコントリップ。5×2mサイズのボディに温水シャワー&シンク、148L冷蔵庫、DC12Vインバータークーラーなどのあらゆる快適装備を標準化して、巨大な32型テレビも付いている。常に見学の行列が絶えないほど、注目を集めていました。

【町田】ダイレクトカーズは、ここ数年の躍進が目覚ましいですよね。同社のバンコンは目の付け所がよく、独自性のあるクルマが多いですし。若いビルダーらしく、精力的に新しいことに取り組む姿勢が素晴らしいと思います。

【岩田】ダイレクトカーズは、昨年に同社初となるハイエースベースのボディカットキャブコンモビリティホームをデビューさせています。そして今回、これまた同社初となるカムロードベースのキャブコンを発表。バンコンをメインでやってきて、2年連続でキャブコンの新型車両を出してきたのはスゴイと思います。新しいことをやるのは難しいですが、あえてそこにチャレンジしたことに意味がある。今後の展開にも期待したいですね。

バンライフとキャンピングカー

セドナのバンライフ
バンライフをテーマにするSEDONA

【町田】バンライフのブームがどうなっていくか非常に興味があったのですが、岩田さんから見て、今回のショーでバンライフの影響は感じられましたか?

【岩田】ここ数年の流れを見ていて、正直、もっとバンライフの世界観がキャンピングカーにも影響を与えると思っていました。でも、そうした車両は意外と少なかったですね。ほとんどのキャンピングカービルダーが自社車両の正常進化に注力していて、逆にそこから地に足が付いたキャンピングカービルダーとしての冷静さ、プライドのようなものを感じました。

【町田】バンライフをテーマにしたクルマは、セドナダイレクトカーズのブースに出ていましたよね。オシャレなウッドの内装であるとか、今までのキャンピングカーとは違うビジュアルであるとか、それはそれでやっぱり魅力がある。そこは、引き続きキャンピングカーに取り入れても面白い要素だと思います。

【岩田】バンライフは普通車以上、キャンピングカー未満といったカテゴリー。それが良さだし、本格的なキャンピングカーとは住み分けができています。
バンライフに惹かれるユーザーは、今までキャンピングカーに興味がなかった層が多いので、そこが入り口になることで、キャンピングカー全体のすそ野を広げることにもつながると思います。
また、本格的なキャンピングカーの技術とバンライフ車両のビジュアル、お互いの良い部分をうまく融合することで、まだまだ面白いクルマが生まれる可能性はあると思います。

WRITER PROFILE
岩田一成
岩田一成(いわた・かずなり)

1971年東京生まれ。キャンピングカーライフ研究家/キャンピングカーフォトライター。日本大学芸術学部卒業後、8年の出版社勤務を経て、2003年に独立。ライター・エディターとして、自動車専門誌を中心に累計1000誌以上の雑誌・ムック製作に携わる。家族と行くキャンピングカーの旅をライフワークとしており、これまでに約1000泊以上のキャンプ・車中泊を経験。著書に『人生を10倍豊かにする 至福のキャンピングカー入門』がある。

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WRITER PROFILE
町田厚成
町田厚成 (まちだ・あつなり)

1950年東京生まれ。 1976年よりトヨタ自動車広報誌『モーターエイジ』の編集者として活躍。自動車評論家の徳大寺有恒著 『ダンディートーク (Ⅰ・Ⅱ)』ほか各界著名人の著作の編集に携わる。 1993年『全国キャンプ場ガイド』の編集長に就任。1994年より『RV&キャンピングカーガイド(後のキャンピングカースーパーガイド)』の編集長を兼任。著書に『キャンピングカーをつくる30人の男たち』。現キャンピングカーライター。

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