「トヨタディーラーが作ったキャンパーアルトピアーノと言ってもOEM(相手先ブランド製造)じゃないの」と思われている人もいるのではないでしょうか。そこで製造現場を直撃。そこには職人技が発揮された世界がありました。
取り回しが良くリーズナブルなアルトピアーノ
キャンパーアルトピアーノを簡単に紹介すると、神奈川県のトヨタディーラーがトヨタタウンエースをベースに製作・販売する車中泊車のカテゴリに入るクルマです。 おしゃれなカラーリングと取り回しの良いボディサイズ、装備がシンプルでリーズナブルな価格、トヨタディーラーでメンテナンスが受けられる安心感。これらが合わさり発売以来2年あまりで300台以上受注されるキャンパーになっています。
キャンパー仕様への作り込み
アルトピアーノはタウンエースをベースに内装を作り込んでおり、作業はジェームス相模原店の一角で行います。ジェームスはカー用品の販売や車両メンテナンス、パーツ取り付けなどを専門に行っているお店。相模原店はアルトピアーノを販売するネッツトヨタ横浜(株)、トヨタカローラ横浜(株)のグループ会社です。そしてここにはアルトピアーノの製造を専門に行うスタッフが配属されています。
アルトピアーノ用の生地をまとったシートや、カッティングされた部材が持ち込まれここで組まれます。現場を見るとユニットをはめ込むだけといった作業とは違い、丁寧に家具を組み上げるようなクラフトマンシップが要求されます。
冷蔵庫や走行充電、シャワー付きシンクなどの取り付けはオプションで選べるため、各種のオーダーに従って1台1台丁寧に作り込まれます。多数のアルトピアーノがここで生産され、現場の熟練度もより深まっています。
製造で気をつけていることは?
ジェームス相模原店での生産が決まったとき、キャンピングカーが好きで、キャンピングカーの仕事をやりたいという社員がいて、今までとは全く違う作業にもかかわらず、スムーズに製造に入れたそうです。 製造で気をつけている点を聞いたところ、「仕上がりに気をつける」ということを一番にしており、そのためには初期行程からしっかりした作り込みとチェックが要求されます。
本格的塗装設備が整った塗装工場
次の現場は塗装工場。アルトピアーノはツートンカラーでおしゃなエクステリア。ホワイトボディをツートンに塗装するための工場へ向かいます。
塗装工場はトヨタサービスセンター神奈川株式会社。工場内を見回すと、赤い消防車やパトカー、道路整備の黄色いクルマなど良く見かける特殊車両がたくさんあります。
現場を覗くとタウンエースが外気と遮断された空間で塗装を待っていました。
塗装は吹き付けですが、目的の色が出るように塗り重ね、最後にクリア塗装を行って仕上げていきます。
クラフトマンシップが息づくアルトピアーノ
キャンピングカーはどれも1台1台手間をかけて作られていますが、今回アルトピアーノの製造現場に接して、このクルマも製造に関わるひとたちのクラフトマンシップが発揮されていることがわかりました。
アルトピアーノは電源やシンク、冷蔵庫などがオプションで選べるようになっています。オーナーの使い方に合わせた装備に出来るわけですが、最近の注文では9割近くの人が電源を装備し、そこに冷蔵庫も付けるオーダーが多いそうです。
故障や不具合についても今までジェームス相模原店まで持ち込まれるケースはなく、何かあったときは購入したディーラーで対応出来ているそうです。使い始めてからも安心が担保されたキャンパーに仕上がっています。
キャンパーアルトピアーノ諸元
- ベース車両
- トヨタタウンエースバン
- エンジン
- 1,495L(ガソリン)
- ミッション
- AT/MT
- 駆動方式
- 2WD/4WD
- 車体寸法
- 全長4,045mm/全幅1,665mm/全高1,900mm
- 定員
- 乗車定員5名/就寝定員2名
- 価格
- ¥2,461,320~(税込)(2019年3月に価格改定)