二人旅で使いやすい内装を追求したキャンピングカー「Wiz」は何が違うのか

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二人旅で使いやすい内装を追求したキャンピングカー「Wiz」は何が違うのか

ライフスタイルに合わせて、居住スペースのサイズやボリュームを調整することで、普段の生活が快適に過ごせるようになります。

キャンピングカーでも同じで、使う人の人数に合わせて、クルマ、レイアウトを選ぶことが、快適性への第一歩。

キャンピングカービルダー各社のモデルを見てみると、ファミリー向け、二人旅向けといったジャンルに分かれているモデルもあります。

今回のキャンピングカービルダーアネックスが製造したWiz(ウィズ)も二人旅に特化したモデルとして紹介されています。

では、どのような個所が二人旅向けなのでしょうか? 詳しく見ていきましょう。

二人旅用ハイエースのキャンピングカーはシンプルで広々

キャンピングカーウィズの車内

スライドドアから入ると、フロントシートの後部にキッチンがまとめられていて、奥に小さなカウンターが後方に延びるように設置されています。

リビングレイアウトは片側ベンチシートタイプでした。大きなテーブルが壁側から出ていて、後部座席が回り込むようにL字型ベンチシートになっています。

エントランスから入った時、視線の高さにキャビネットがないおかげか、開放感のある印象です。といっても、収納スペースが少ないわけではありません。

キャンピングカーウィズの上部収納

ウィズの特徴ともいえる大きな吊り下げ天井が後方に備え付けられています。テーブル側上部には扉がついた収納スペース。

吊り下げ棚と一体化した家具は、天井部分を木目のパネルで覆い、ダウンライトやベンチレーターを設置しました。

吊り下げ棚

吊り下げ棚の大きな扉を開くと、内部は2つに分かれています。スプリングが内蔵されていて、ドアの開閉もスムーズで、開けたままの状態をしっかりとキープしてくれます。

テーブル上部であれば、車内を移動していても干渉しない空間です。このスペースをデッドスペースとすることなく、収納スペースとして活用しているのが分かります。

アネックスのキャンピングカーウィズ

「あれっ」と錯覚が起きてしまうほど、ウィズのインテリアに広さを感じてしまいます。再度、外から見てみると、やはり、ハイエースのハイルーフ標準ボディです。

ハイエースの中では最もコンパクトな車種で、全長4695㎜しかありません。このスペースに広がりのある空間を展開しているとは、設計段階でもかなり試行錯誤したと考えられます。

ハイエース標準ボディに詰め込んだキャンピングカーとしての機能性

ウィズの車内

全長のコンパクトさに加えて、全幅も標準サイズの1695㎜。それでも、ベッドスペースは1900×1400㎜を確保しました。窓際に小さなカウンタートップがあることを考えると、ギリギリのラインで最大サイズのベッドを設計したといっていいかもしれません。

ボディサイズが小さいということは、ホイールベースも短くなり、クルマの取り回しがしやすいことになります。この運転のしやすさもウィズのポイント。

運転に慣れていない若いカップルや、運転に不安を感じ始めた子育てが終わったご夫婦など、クルマが小さいことで、そのターゲットにぴたりと適合しているのが分かります。

ウィズの後部シート

コンパクトサイズではありますが、快適な装備が充実していました。最後部のベンチ部分には、リクライニング機能付きになっていて、ゆったりとくつろぐスペースになっています。

背もたれ部分は2分割されているので、扱いも軽々。左側のベンチ側だけを倒して、ベッドとして利用することもできます。

テーブル側の背もたれ付きソファで作業して、疲れたら、となりのベッドでゴロンと休憩するなど、リモートワークでも快適に使えそうです。

ウィズのバスケット収納

ベンチの上部はメッシュタイプのバスケット収納になっています。ブランケットなどを入れるのにちょうどいいスペース。荷物のない時はベンチ側のヘッドクリアランスを確保するスペースとなり、広々とした感覚を強めてくれます。

ウィズの大きなテーブル

大きなテーブルはワンタッチで跳ね上げることができます。テーブル天板の窓側を支点に上方向へ持ち上げる仕組みで、ワンタッチ操作できる金具で固定します。

大きな天板があれば、しっかりと食卓として使えるのはいいのですが、いざ、収納となると、その大きさがかえって邪魔になってしまうものです。

でも、この収納方法であれば、簡単に片付けられます。しかも、外したテーブルを置く場所にも困らない。ベッド展開もスムーズにできそうです。

ハイエースキャンピングカーWizに標準装備された数々の機能性

ウィズの電子レンジ

シンプルで使いやすいレイアウト、大きなテーブルに展開しやすいベッドなど、二人旅を想定したウィズですが、装備なども充実しています。

詳しくみていくと、電子レンジ、1500Wインバーター、FFヒーター、ソーラーパネル、ベンチレーターなど、すべてが標準装備されているとのことで、驚きの充実ぶりです。

アネックスウィズのキッチン

その電子レンジはキッチンエリアにビルトインされています。キッチンはコンパクトですがシンク、電子レンジ、収納スペースがまとまっていて使いやすそうです。

右側には調味料などを整理するのにちょうどいいスリムなラック、左側にはシンク下にもかかわらず、大きな収納ラックが隠れています。そして、電子レンジの下も大きな引き出しがあり、キッチン全体の収納力は十分。

ウィズの冷蔵庫

冷蔵庫は、スペースを効率的に利用できる引き出し式が採用されていました。シート下にきれいに収まるのですが、容量は30ℓという十分なサイズです。

入り口の外からも冷蔵庫の中のドリンクが取りやすい位置なので、キャンプなど、外で活動している時にも便利です。

ウィズのラゲッジスペース

コンパクトなキャンピングカーで心配なのは収納力ですが、ウィズでは最大寸法600×1280×360㎜のリアラゲッジスペースがあります。右半分を前方まで使えば、2160㎜の奥行きも確保できるのです。

ウィズのスカイライトルーフ

そして、室内空間の印象を大きく変えるスカイライトルーフまで標準で装備されていました。日差しの強い時はブラインドをセットできたり、網戸にすることもできます。リアのベンチレーションと組み合わせることで、効率よく吸排気ができるのです。

ウィズのリビングスペース

スカイライトルーフは空気の流れを変えるだけではありません。降りそそぐ太陽光が室内を明るく照らし、室内の心地よさを向上させています。

限られた空間の中では、トップライトが効いてきます。広さを感じさせたり、空間に奥行きが生まれるのです。

この効果的なスカイライトルーフが標準で装備されているとは、ユーザーにとってはうれしいことなのではないでしょうか。

ハイエースのなかでは一番コンパクトなボディサイズですが、その小ささを利点として捉えて、扱いやすいキャンピングカーに仕上げられました。

インテリアでは二人で利用することで割り切り、空間にゆとりを持たせているのがポイントです。それでいて、しっかりと収納スペースを確保しています。

標準装備品は、追加するアイテムがないぐらいの充実ぶり。納車されたらすぐに旅に出かけられるカジュアルな感覚すら感じます。

二人旅でのんびりと、空間や時間を大切にしたい人にとって、ウィズというハイエースキャンピングカーは、1つの選択肢として大きな存在になるかもしれません。

アネックスWiz諸元

エンジン
ガソリン2L/ディーゼル2.8L
ベース車両
ハイエースバン特装車
駆動方式
2WD/4WD
車体サイズ
全長4,695/全幅1,695/全高2,370㎜
定員
乗車定員5名/就寝定員2名
価格
\5,291,000〜
WRITER PROFILE
渡辺圭史
渡辺圭史(わたなべ・けいし)

1971年東京生まれ。アウトドア好きな編集者、そして、算数が好きだったライター。アウトドア用品メーカー、出版社を経て、キャンピングカー専門誌編集長に。現在はフリーとして、いろいろなメディアにて執筆中。アウトドアをキーワードに、より楽しいライフスタイルを求めてゆるりと奮闘中。最近気になっているワードは、旅、ミニマリスト、車中泊。趣味はコンパクトな旅とモノづくり。

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