![](https://camping-cars.jp/wp-content/uploads/2017/04/SEEDMC_soto.jpg)
バスコンとは「バス」「コンバージョン」の略。バスやマイクロバスのボディーをそのままに、架装メーカーがキャンピングカーとしての設備を搭載した車両のこと。キャンピングカー乗りの憧れともいわれる「バスコン」の魅力とは?
空間・走行性・乗り心地!
バスコンの魅力(長所)を、端的にリストアップするとしたら
- 広い空間
- 乗り心地の良さ
- 走行性能の高さ
- 取り回しのしやすさ
となる。それぞれの魅力を解きほぐしてみよう。
広い空間
![SEEDMC1,buscon1](/wp-content/uploads/2017/04/SEEDMC1.jpg)
車両サイズは国産キャンピングカーとしては最大級。幅は2m強と、国産キャブコンと同程度ながら、長さは6m超。車内のスペースはゆったりだ。
室内の広さだけでなく、シャシーにも余裕がある。そのぶん、さまざまな装備を施すことが可能で、架装した上にも充分な積載量を誇る。
乗り心地のよさ
![SEEDMC2,buscon2](/wp-content/uploads/2017/04/SEEDMC2.jpg)
バンコンやキャブコンのベース車両の多くは商用車。荷物を運ぶことを前提にしてあるため、経済性が最優先。どうしても乗り心地は悪い。その点、バスコンのベースは「バス」。人を乗せるのが前提なので、その乗り心地は貨物車とは比較にならないほどよい。
走行性能の高さ
商用車は経済性が優先されることと税制の関係(※)で、どうしてもエンジンの排気量が控えめで非力。その分、走行性能はきびしくなる。
その点、バスには税制上、排気量を気にする必要がない。大勢の人を乗せるのが前提なので、パワーのあるエンジンを搭載している。それだけ、走行性能が高いというわけだ。
※自動車税は排気量によって決められている。多くの貨物車は4ナンバー車だが、その場合はガソリンエンジンなら2000cc以下、ディーゼルエンジンなら3000cc以下という基準がある。それ以上の排気量になると1ナンバーとなり、税金も高速道路料金も高くなる。
取り回しのしやすさ
マイクロバスの最小回転半径は、実はワンボックスカー並み。大きな身体に似合わず、取り回ししやすいのもバスコンの特徴だ。
代表的な車種で比較してみると…(数値は最小回転半径)
【ワンボックス】ハイエース(2WD車) ロング5.0m スーパーロング6.1m
【マイクロバス】コースター 標準 5.5m ロング 6.5m
さほど変わりがないのがお分かりいただけるだろう。
バスコンのベース車両って?
バスやマイクロバスをベースにしたバスコン。そのベース車両には、どんな違いがあるだろう。
【トヨタ・コースター】
![トヨタ・コースター](/wp-content/uploads/2017/04/cst1612_09_s.jpg)
2016年12月に24年ぶりのフルモデルチェンジしたコースター。17年4月現在、この車両をベースにしたキャンピングカーは登場していない。
今回のモデルチェンジを経て、フォルムは全体にスクエアに。室内高・室内幅ともに拡大した。天井の角部分での幅が200mmも広がったことは、キャンピングカーのベース車両として大歓迎の変更点だ。
エンジンは前モデル同様4009ccターボディーゼル。惜しいのが自動車税だ。同じ車両でも、バスとキャンピングカーでは税制上のカテゴリが違う。
バスは排気量ではなく、乗車定員に対して課税されるのに対し、キャンピングカーは排気量に対応する。そのため、バスとしては問題なかった、わずか9ccのために自動車税がワンランクアップ! 年間5万3200円⇒6万1200円と、約8000円の差がある。
【日産・シビリアン】
![civilian,日産・シビリアン](/wp-content/uploads/2017/04/civilian.jpg)
99年デビュー。スクエアなボディはビルダーに好まれたが、2010年のマイナーチェンジ以降、ディーゼル車が廃止に。現在は4500ccガソリンエンジンのみ。4000cc超で、しかもガソリン車となると経済性の点でなかなか厳しく、シビリアンベースのバスコンは少ない。今後はクリーンディーゼルエンジンの登場が望まれる。
【三菱ふそう・ローザ】
![三菱ふそう・ローザ](/wp-content/uploads/2017/04/SEEDMC_soto.jpg)
デビューは97年とやや古いが、最新の3000ccクリーンディーゼルエンジン搭載など、アップデートは続いている。なにより、この車の魅力はマイクロバスで唯一の4WDタイプがあること。雪国のユーザーや、スキー旅行などで雪道走行の機会が多いユーザーに好まれている。
多くのキャンピングカーユーザーが「いつかは」「憧れの」という理由がおわかりいただけただろうか、価格も正直、「それなり」だが、それに十分見合うだけの、確かな実力を備えたキャンピングカー。それがバスコンなのだ。