新型フィアットデュカト、日本導入開始!キャンピングカーベース車が安全性・快適性・環境性能で進化

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新型フィアットデュカト、日本導入開始!キャンピングカーベース車が安全性・快適性・環境性能で進化

フィアットデュカトの新しいモデルが日本に上陸しました。国産キャンピングカーのベース車両としても人気のモデルで、デュカトをベースにしたモデルが各社から発表されています。ヨーロッパでは一足早くマイナーチェンジされていたので、輸入車キャンピングカーのなかには、今回紹介するモデルをベースにしたキャンピングカーも入ってきているようです。

架装していない状態でのフィアットデュカトのニューモデルは、国内で2025年4月3日に発売開始。早くチェックしたいと思っていたところ、フィアットデュカトのプロフェッショナル正規ディーラーであるRVランドでニューモデルが入庫したとの情報が入ってきました。そこで今回は、新しくなったフィアットをチェックしにRVランドへ。

進化系マイナーチェンジで一新したフィアットデュカト

フィアットのロゴ

フルモデルチェンジに比べて、マイナーチェンジではデザインの一部変更や仕様変更が一般的です。今回のフィアットデュカトのマイナーチェンジでもエクステリアデザインの印象が変わりました。その1つがフロントマスクのデザイン変更。丸みがある柔らかい印象のデザインへと変わっています。

基本的なサイズは大きく変更されていなくて、ボディバリエーションは以下の3種類。

  • L2H2モデル(スタンダードモデル) 5410mm×2100mm×2525mm
  • L3H2モデル(ロングモデル) 5995mm×2100mm×2525mm
  • L3H3モデル(ロング・ハイルーフモデル) 5995mm×2100mm×2765mm

2025年4月の時点での税込み価格が

  • L2H2モデル 580万円
  • L3H2モデル 597.5 万円
  • L3H3モデル 615万円

となっています。これまで通り、3種類のボディサイズが入ってくるようで、国産キャブコンにも匹敵するボリュームのあるバンコンモデルに期待してしまいます。ボディカラーは

  • デュカトホワイト
  • エクスペディショングレー
  • ランサローテグレー
  • メタリックブラック
  • アイアングレー
  • アーステンスグレー

の6カラー展開。グレー系にバリエーションがあって、自分の好みに合わせたセレクトができそうです。

フィアットデュカトのリア

リアの形状は大きな変更はありませんが、ロゴが変更されていて、FIATの文字が目立っています。フィアットデュカトの魅力はなんといっても、室内の広さです。フロアがボディのギリギリまで下がっているので、室内のスペースを確保しやすいのが特徴。

キャビンの高さはL2H2L3H2が1970mm、L3H3で2210mmとなっていて、人が立っていても余裕のヘッドクリアランスを確保してくれます。大きなキャビンに対して、リアゲートが大きくなってしまうのですが、フィアットデュカトのリアゲートは観音開きなので、開閉もスムーズ。

フィアットデュカトのドアミラー

既存モデルとのデザインの違いは、フロントマスク、ロゴ、そして、このドアミラーのデザイン程度です。ドアミラーには、上の写真のようにスリットが入っていました。エクステリア全体に空力効率を向上させているということなので、その一環としてのデザイン変更のようです。ミラーの下部、付け根に写っているのはミラーの死角をカバーするカメラ。このカメラは以前から付いているアイテムとなります。

フィアットデュカトのドアミラーの死角をカバーするカメラ

そのカメラを使って、室内からはモニターにミラー下の様子が常に映っています。駐車場のラインを確認したり、障害物がないかを確認できる便利アイテム。運転席のシートポジションが高くて視界がいいのですが、ボディ左側の下が見えづらいので、死角をカバーしてくれるのが、このカメラシステムなのです。

センサーを増やして360°をカバーする先進運転支援システム

フィアットデュカトのセンサー

デザインの変更は一目で分かりますが、見えない個所でもバージョンアップが行われていました。今回のマイナーチェンジでは、さらに安全性が向上していました。その証しともいえるのが、センサーの増設。フロント、リアバンパーはもちろんのこと、サイドモールやフェンダー部分にもセンサーを装備して360°をカバーしているのです。

障害物がある時や狭いスペースでは、音声と視覚で注意喚起してくれるそうです。そして、障害物からの距離が画面に表示されるようになっていて、障害物を確認しやすくなっています。国産モデルのバンに比べたらボディサイズが大きいので、このような装置が標準搭載されていると、国内の道路での運転も安心できるのではないでしょうか。

フィアットデュカトの安全装置

フィアットデュカトはそのまま商用車バンとして利用できるのですが、キャンピングカーへ架装した場合も、その安全性能が役に立ってくれます。改めて、安全装置について確認してみると、特にキャンピングカーにうれしい機能として、クロスウインドアシスト、ロールオーバーミティゲーションが挙げられます。

クロスウインドアシストは横風が発生して、車体があおられるような状態になった時、自動的にスイッチが入り、安全に運転できるようにサポートしてくれるもの。キャンピングカーでは重心が上に上がってしまう傾向があるので、横風の対策が施されているのはありがたいと感じるでしょう。

さらにロールオーバーミティゲーション機能は、カーブなどでボディが外側に振られて、車体が横転しそうになることを防いでくれるシステム。ブレーキとエンジンを自動的に調整して、安定した姿勢に戻してくれるそうです。

カーブでボディが外側に傾くと、急ハンドルで体制を戻そうとしてしまい、かえってボディの姿勢を不安定なものにすることが多いのですが、この機能があれば安心です。

環境に配慮したディーゼルエンジンを採用した新型フィアットデュカト

フィアットデュカトのフロント

新しいフィアットデュカトはエンジンにも手が加えられています。搭載されているエンジンは2.2Lのディーゼル仕様。インタークーラー付ターボが搭載されていて、エンジン最高出力は132kw(180ps)、最大トルクは450Nmとなっています。国産キャブコンのディーゼルと比べてみても、そのパワーの強さが目立っています。搭載されたターボチャージャーによって燃費も向上しているそうです。

フィアットデュカトのギア

このパワフルなエンジンと組み合わされているのが、8速オートマチックトランスミッション。走りを気にする人にとっては、この新しいミッションが気になるかもしれません。以前のモデルでは9速だったので、あれっスペックダウンでは? と思うかもしれませんが、今回搭載されているのは日本メーカーのアイシン製が採用されているのです。

アイシンは品質の高さで定評があり、グローバル展開しているパーツメーカーです。今回のフィアットデュカトのミッションも、その製品としての品質が保証されている、といっていいでしょう。

エンジンとのバランスもしっかりと調整されていて、ミッションの違いによってCo2の排出量も軽減することにも成功したそうです。さらに、エンジンの最大トルクを活かして、最適なシフトチェンジを行うことで、スムーズなシフトチェンジも実現しています。

トランスミッションのモードはノーマル・エコ・パワーの3つがあり、状況に合わせてセレクトできるようになっているのも、キャンピングカーに適しているといえるかもしれません。

フィアットデュカトのステアリングのロゴ

ステアリングのロゴも変更されていました。デザイン変更だけでなく、その周りにあるスイッチ類にも変化が。このモデルにはACC(アダクティブクルーズコントロール)が搭載されていました。

ACCは、前を走るクルマとの車間距離を確保しながら、クルーズコントロール走行をしてくれるシステム。前のクルマが減速すれば、自動的に減速してくれます。特に長距離の移動が多いキャンピングカーにとって、ドライバーの疲労軽減にも貢献します。

仕上げのクオリティが上がっている新型フィアットデュカト

フィアットデュカトのシート

フィアットデュカトはヨーロッパでは商用車としても広く活躍していて、キャンピングカーのベース以外でも、さまざまなシーンで見かけるクルマです。もちろん、国内でも商用車として購入できるので、大きなトランスポーターが欲しい人などには最適なモデル。

今回のマイナーチェンジでは、そんな架装しないで使う人にとってもありがたいバージョンアップがありました。それが、上写真の運転席キャビンと荷室を分断している壁の仕様変更です。

以前は鉄の板が剥き出しでしたが、今回は乗用車のように内装トリム処理されているので、ラゲッジスペースの熱などをある程度遮断してくれそうです。見た目も乗用車ライクでフックなども取り付けられていました。

フィアットデュカトの室内

そして、荷室の状態も以前と比べて違っていて、今回取材した車両は壁などにしっかりと塗装が施されていました。今後、どのような形で車両が入ってくるか分からない状態ではありますが、そのクオリティは格段に向上しているといえるようです。

フィアットデュカトの荷室

フィアットデュカトの荷室は非常に広く、フロアも低床と言えるほど低い位置。この広々としたスペースをキャンピングカーとして架装できるので、レイアウトの幅も広がります。

荷物をたくさん積み込めるので、ドライビング性能が高い商用車としても利便性を発揮してくれるでしょう。例えば、RVランドの「デュカトベースバン」という、最低限の架装を施したモデルであれば、たくさんの荷物を運んだり、アウトドアライフを楽しむことも可能です。

そんなバリエーション豊富な展開が期待できるフィアットデュカトがバージョンアップした今回のニューモデル。2025年のトレンドとなるかもしれません。

WRITER PROFILE
渡辺圭史
渡辺圭史(わたなべ・けいし)

1971年東京生まれ。アウトドア好きな編集者、そして、算数が好きだったライター。アウトドア用品メーカー、出版社を経て、キャンピングカー専門誌編集長に。現在はフリーとして、いろいろなメディアにて執筆中。アウトドアをキーワードに、より楽しいライフスタイルを求めてゆるりと奮闘中。最近気になっているワードは、旅、ミニマリスト、車中泊。趣味はコンパクトな旅とモノづくり。

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